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2014年10月

『UTA・IMA・SHOW Ⅱ』

2014.10.26(Sun.) 14:30~17:05
草月ホール 1回SE列40番台(センターブロック)

このホールは記憶を辿る限り、自分はお初のホール。『UTA・IMA・SHOW』前回は日本青年館だったし(幕間にM井K夫氏がロビーで会話していたのを覚えてるw)、新妻さんもここでライブやったけどその頃はライブに行っていなかったし。
ということで青山一丁目というイメージがまったく浮かびませんが、いそいそとホールへ。

ただ、この後水曜日にもう一度見ますし、次の日曜にはちーちゃん主演映画「佳歩」の完成披露試写会で来るので、なぜか1週間に3回も来てしまうんですけどね。

・・・

今回は第1部がミュージカル楽曲という標準的な構成ですが、第2部は7割方「勝手に宝塚100周年をお祝いしてしまうコーナー」になっておりまして、客席の湧き方が面白すぎる。かくいう私もちょいとばかし宝塚をかじっているせいか、ツボポイントが分かるのが困る(笑)

まずはセットリストです。
回避の方は回れ右でお願いします。

・・・

よろしいですか?

よろしいですね?

・・・

セットリスト(敬称略)

第1部
1.Magic To Do/Pipin(全員)
2.サラへ/ダンス・オブ・ヴァンパイア(原田)
3.あなたは一人じゃない(和音)
4.September Song/ニッカーポッカー・ホリデー(光枝)
5.マック・ザ・ナイフ/三文オペラ(林)
6.エニシング・ゴーズ/エニシング・ゴーズ(笹本)
7.Once Before I Go/ザ・ボーイ・フロム・オズ(岡)
8.The First Man You Remember
   /アスペクス・オブ・ラブ(光枝・和音)
9.Sun & Moon/ミス・サイゴン(笹本・原田)
10.フックト・オン・ミュージカル
10-1.マスカレード~All I Ask You/オペラ座の怪人(和音・原田)
10-2.ラ・カージュ・オフォール~ありのままの私
   /ラ・カージュ・オフォール(岡)
10-3.All That Jazz~I care about is Love/シカゴ(林)
10-4.Superstar~ピラトの夢
   /ジーザス・クライスト・スーパースター(光枝)
10-5.Be our guest~変わり者ベル/美女と野獣(笹本)
10-6.One Day More/レ・ミゼラブル
  (林バル・岡ジャベ・笹本エポ・原田マリ・和音コゼ・小林アンジョ
    光枝テナ・遠藤テナ妻)

第2部
11.清く、正しく、より美しく 宝塚100周年を祝う
11-1.すみれの花咲く頃(全員)
11-2.愛あればこそ~バスティーユ/ベルサイユのばら(和音・原田)
11-3.さよならは夕映えの中で・私とあなたは裏表
   /風と共に去りぬ(岡・光枝・林)
11-4.紫ににおう花/あかねさす紫の花(笹本)
11-5.アマール・アマール/ノバ・ボサ・ノバ~盗まれたカルナバル
   (原田)
11-6.この愛よ永遠に~TAKARAZUKA FOREVER
   (和音・笹本・岡・林・光枝)
11-7.お々宝塚(全員)
12.ロシュフォールの恋人たち(柏木(エレクトーン)&江尻(ドラム))
13.Only Love/ルドルフ・ザ・ラストキス(笹本・和音)
14.ティル・ヒム/プロデューサーズ(岡・林)
15.I Am The Starlight/スターライト・エクスプレス(光枝・原田)
16.私だけに/エリザベート(和音<岡>)
17.心を鉄に閉じ込めて/モーツァルト!(光枝)
18.アンヌと腕を/ラ・カージュ・オフォール(原田)
19.アンセム/チェス(岡)
20.ありのままで/アナと雪の女王(笹本<岡>)
21.Seasons Of Love/RENT(全員)
22.The Party Is Over/ベルズ・アー・リンギング(全員)


まずは第1部。振り返ると初めてが半分以上あります。
作品名は知ってても、自分の観劇歴はかなり偏っているので、こういう場面でスタンダードミュージカルを聞けるのはありがたいのです。

M3、そういえばベスは結局見なかったので新鮮。この日の33曲のうち、小池先生の訳詞は3曲(M3とM16とM17)ですが、偶然なのか、女性曲は2曲ともたっちんが担当です(あとの1曲はレオポルト役なので光枝さん)。

M5は聞き覚えあると思ってたんですが、後からの林さんの曲解説で認識しました。

M6は玲奈ちゃんにぴったりなアップテンポナンバー。なんだかちょっと照れてる感じがしましたが、キャラには合っていると思うしあと一歩前のめりで見てみたいです。

M9は今年一番多く聞いたデュエット曲な気がします。さりげなく階段1段下で歌い出す玲奈ちゃんが男前。
「いつもと同じ組合せ」とは岡さん談。そりゃそうだけど(笑)。「(この組合せで僕は)新たに感じることがない」とか言いたい放題です(爆)。このMCを受ける林さんの苦労が偲ばれます(爆)。

M10-1ではたっちんクリスティーヌ。高音が本当綺麗で聞き惚れます。第2部の前半が宝塚コーナーだけに、M10はfour Seasons系が多く、特に女性ヒロインはクリスティーヌをたっちん、ベルを玲奈ちゃんと綺麗に分けて担当。男性も優一ラウル、岡ザザ、光枝ピラトと、どれも個性活かしきりの名メドレー。

玲奈ちゃんのベルはなるほど「変わり者」というところが合っているというか(爆)、たまに浮世離れする感じというか、絵本の中で想像するのが大好きな少女というか・・・玲奈ちゃんがやっても不思議じゃなかった役が「赤毛のアン」のアン役な気がしてますが・・・知り合いが”「本」を持っているfour seasonsのヒロイン”と仰っていたのでてっきりアンかと思ってました。でもベルはぴったり。おもてなしされて過剰に喜ばないあたりもぴったり(をい)。

M10-6はこれぞ1幕エンディング、なレミゼのワンデイモア。
岡さんはどっちで来るのかと思えばアンジョはまさかの小林さんでびっくり。林さんのバル渋くていいわー。そしてもう、絶対に外さないエポニーヌな玲奈ちゃん。ここに来て欲しい!というポジションに1mmもずれずに嵌る心地よさ。伸びる声、泣くぎりぎりでの心からの叫び、どれもこれも泣けちゃうほどにベストポジション。原田君のマリウスに和音さんのコゼットも凄く良いバランス。心からの満足で1幕終わり。

お色直しのため15分間の休憩をいただきます」の岡さんコメントに玲奈ちゃん噴いてた(笑)

・・・

第2部。初っぱなから「虹組公演」とかアナウンスが入って客席が湧きまくる(笑)。明らかに第1部と違う空気が流れ出したところからの全員のM11-1。ここで初お披露目の男役に客席大ウケ。何といっても岡さん。宝塚フリークな玲奈さんをして「あれは宝塚にいる」と言わしめる完成度。つか、あの顔傾けて止める様とか、見たことありますよ確かに(爆)。

役名も凝っていてパンフレット後ろ半分の「おとめ図鑑」に記載があります。
ちなみに玲奈ちゃんは四季乃慶さん(もちろんお母さまの「四季乃花恵」さんから名字をいただいています)。
寿快津利衣(すかいつりい)さん(愛称が「押上さん」なのも笑う)とか、なんば歩(なんばうぉーく)さん(Performed By 和音さん Named By 玲奈ちゃん)にも噴き出しますが、理事の灯わづ香(ともしびわづか)さん(Performed By 光枝さん)が凄すぎます(爆)。
あとタイトル、「清く正しく『より』美しく」も芸が細かい。

それにしても原田君のオスカルは反則過ぎる(笑)。和音さんいわく「素材が良い」だそうですが(笑)、過剰にデフォルメしないであそこまで面白く見せられるのは凄いなと。玲奈ちゃんのオスカルも見たかったのですが、コレを見ると、あぁ、これは優一君だと思います(笑)。

M11-4は玲奈ちゃんのお母さまの現役時代の曲ですね。お母さまは涙を流されていたそうで。宝塚コーナー中、飛び抜けて和風な曲でした。曲選択は玲奈ちゃんの意向ばかりでもなさそうだから、岡さん、林さんあたりの配慮かな。

宝塚コーナーで客席降りがありましたが、岡さまの横には玲奈ちゃん。
アングルからして、男役トップと娘役トップという並び意外の何者でもなく(爆)

壇上では岡さまの横には和音さまで、こちらも男役トップと娘役トップという並び。

・・・・さすがのバランスです。どちらも素敵。

そして何といっても個人的なこの日の白眉はM13です。
誰が何といってもM13です。
この曲のために当公演の2枚目のチケットを取った自分に悔いはありません。

玲奈ちゃんは2008年の天王洲の10周年コンサート以来なはずで、そうなると6年ぶり。和音さんは再演からなわけですが。

実は、見る前に2人のデュエットということは聞いていたので、和音さんが最初のパートを歌い出しても心安らかでいられたわけですが、上手袖から玲奈ちゃんが出てきた時の玲奈マリー復活からもう、何だか分からない感情に取り憑かれました。
歌詞は大人の事情(と思われる)でたっぷり変わっていたけど、このメロディーで玲奈マリーが聞ける、それだけで自分にとっては何よりの宝物でした。

和音マリーも別の役として好きだったけど、何だろう、この役の玲奈ちゃんだけは特別なんですよね、自分にとって。
本人がどう思うか分からないけど、傍目で見ていて倒れそうになった役って、この役が最後な気がするんです。精魂尽き果てたというか、どっぷり浸かったというか。(今回のキムは後半、ちょっとそれに近いものを感じましたが。)

「初めて実在の女性を演じた」マリー役を、6年にも亘り封印してきて、今回、機会があっての封印解除。色々と巡り合わせはあったと思うのですが、この曲を再び歌い始めてくれるきっかけになればいいなと、そう思わずにいられません。

M16。岡さんが歌い出して、上手端から和音さん登場。和音さんが無言の圧力で岡さんを見上げる・・・というシチュエーションが、なんというかこの作品らしいなと思いつつ、何というかぴったりすぎて噴きます(爆)

和音さんの「私だけに」を生で聞くのは初めて。力まずにここまで歌えるのってさすが。役的にはもしかするともっと纏う物があるべきなのかもしれないけれど、自然体でここまで歌えるのは、かなりしっくりきます。素敵です。

M20。イントロがかかり客席側のスポットライトを見ると、うわ、エルサがおります。
金髪&ライトブルードレスのエルサ@玲奈ちゃんがそこに。
長身で、ドレスが映える玲奈ちゃんにぴったりのコスプレ
(コスプレ言うな)
間近で見ても、エルサそのもの。

1ヶ月ほど前、オーチャードホールのMMS2014秋で玲奈ちゃんのれりごーを聞いた時は、正直、歌うことで精一杯という感じで、聞いている客席からは正直祈るような思いで聞いていたことを思い出します。

・・・・と、言えることが嬉しいです。

この日は衣装、そしてちょっかいを出してくる岡オラフ(背後から近づいて白スプレーで雪を表現するわ、鼻ニンジンでエルサの肩をつんつんして、笑いをこらえられない玲奈エルサ)、そして本気の階段電飾に後押しされて、正に気持ちを解放しようとしているエルサ。

確かに大変そうなシーンもあったけど、でも、これだけ歌えたことにただ拍手。

大ナンバーをM16とM20で分け合って、ここも素敵なバランスでした。

・・・

カーテンコールでは一言ずつご挨拶。

光枝さん「子供みたいな年齢の人と一緒にやれて(「林さんは無理すれば子供みたいな年齢かな」と言って会場笑)、ダンサーの人たちとは孫みたいな子だね、と一緒にやれて嬉しかった」

和音さん「宝塚卒業してからまさか宝塚メイクするとは思っていませんでした。でも楽しかったです」

優一くん「宝塚100周年をお祝いできて楽しかったです。次は10年後ですか」
岡さん「なんで10年後(笑)、そうだ、大運動会やろうよ」
優一くん「いいですね(笑)」
岡さん「(優一君)ブルマとか似合いそうじゃん。大運動会じゃなくても」
優一くん「・・・やめましょうこの話。この話にした僕が間違ってました(笑)」

玲奈ちゃん「宝塚は受験もできなかったので、念願叶って嬉しい」
岡さん「そうなんだ」
玲奈ちゃん「はい」

・・・なぜか話が膨らまなかった(笑)

てな感じで鳴り止まぬ拍手の中、カテコ5回で幕。大入りも出たそうで、盛り上がった公演でした。

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『新妻聖子 Musical Party』

2014.10.15(Wed.) 15:00~17:00
 よみうり大手町ホール 3列1桁番台(下手側)

2014.10.15(Wed.) 19:00~21:05
 よみうり大手町ホール 11列10番台(中央)

今年3月にオープンした新しいホール・よみうり大手町ホールでの、新妻さん初の「ミュージカル曲に限定した」コンサート。
夜公演が瞬く間に売り切れ、昼公演が追加されました。客席数は503席で、有楽町のよみうりホール(最大1100席)の半分なので、コンパクトなホールです。

チケットにも「有楽町のよみうりホールではありません」と書いてありますが、やっぱり誤解の元なので、せめて「大手町よみうりホール」にできなかったのかなと・・・

フライヤーには「昼夜一部の曲目が異なります」とありましたが、結果としては同じ曲目でした。
予定曲目にあって歌われなかったのは、「I Dreamed a Dream(夢破れて/レ・ミゼラブル)」のみでした。

<第1部>
1.Overture
 1-1.私の好きなもの/サウンド・オブ・ミュージック
 1-2.Memory/キャッツ
 1-3.One/コーラスライン
 1-4.America/ウェストサイド物語
 1-5.Tonight/ウェストサイド物語

2.踊り明かそう/マイ・フェア・レディ
3.On My Own/レ・ミゼラブル
4.Shall We Dance/王様と私
5.Let It Go/FROZEN(アナと雪の女王/英語)
6.共にいてアルゼンチーナ/エビータ
7.エーデルワイス/サウンド・オブ・ミュージック
8.Fly, Fly Away/キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

<第2部>
9.ラ・マンチャの男/ラ・マンチャの男
10.100万のキャンドル/MA(マリー・アントワネット)
11.Big Spender/スゥイート・チャリティ
12.Singing in the rain/雨に唄えば
13.Over The Rainbow/オズの魔法使い
14.GOLD/GOLD~カミーユとロダン
15.夢はひそかに/シンデレラ

<アンコール>
16.命をあげよう/ミス・サイゴン

休憩15分含め2時間、お得意のMCを交えつつの濃密な時間。

M3ではミュージカルデビューとなったレ・ミゼラブル、エポニーヌ役の説明。
「19世紀フランスの話ですよ。映画にもなったしご存知ですよね」でばっさり済ませようとする(笑)
さすがにその後ちゃんと説明してましたが、相変わらずの必要十分なご説明の中にちょいちょい笑いを挟む新妻様。

エポニーヌとマリウスとコゼットは三角関係、でもエポニーヌからマリウスへは片思いなので三角関係ですらないという説明が昼公演。夜公演はエポニーヌとコゼットが幼なじみという表現をされていました。

「ミュージカル界でのある意味デビュー曲」(夜)という発言が印象的でした。
ソロだと確かにこの曲が一番最初ですね。

M5は予想通りの英語で来ました。聖子さんの場合、この曲はやはり日本語より英語が似合います。それに松さんをリスペクトしている聖子さんが、この曲をオフィシャルな場で日本語で歌うのはどうにも考えにくかったのもありますが。
ただ絶唱するわけでなく、一つ一つの歌詞を組み立てながら歌い上げていく感じは期待どおり。

興味深かったMCが、「Let It Go」の和訳が難しいという話で、「ItをGoするわけです。Itが何かは皆さんそれぞれ違うと思いますが」というのがとても印象的。

劇中ではエルサが自分を解き放つ曲ですが、実は誰もが自分の中に破る殻を持っているということを暗示したかのような聖子さんのMCはなるほどと感じさせるものがありました。

それにしても、さすがの聖子さんにとってもこの曲はハイハードルだったようで、「お腹空いた」(昼)、「この曲で捌けるようにしておけばよかった」(夜)というMC群に、その苦労が偲ばれます(爆)

歌い終わった後、「私の魂が『Let It Go』です」(夜)というのは凄すぎる(笑)

M7のコーラスはバイオリンの水谷美月さんが担当。この2人の掛け合いは以前から思ってますが、まさに姉妹のよう。聖子さんの歌は以前ほど鋭く刺さる感じはなくなった印象ですが、もともと美月さんの歌声が柔らかな系統なので、2人の声が溶け合うと聖子さんの歌声が自然に柔らかく吸い込まれるんですよね。

M8はブレンダちゃんのソロ(ちなみに聖子さんが役を「ちゃん」付けするときってなんかチャーミングで興味深いです。)

ここも初心者向けのとっても丁寧な「2分で分かる『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』講座」が開講されておりましたが、「ブレンダちゃんも良家に生まれて自分にとってのプレッシャーや、両親の期待に応えられないふがいない気持ちを感じてた」という言葉はとても印象的。

それだけに、この日のブレンダちゃんのソロは本当に役柄の気持ちがダイレクトに伝わってきて、こういうコンサートの場で持ち役とはいえ、その役の気持ちに入り込むのはそれなりに難しいだろうに、この日の聖子さんの「役としての生き様をすべて見せる」意気込みは鬼気迫る物がありました。

・・・

第2部は定番のM9からスタートです。いやぁ盛り上がる盛り上がる(笑)。
このホール、特にホール中央の音響の伸びが半端ないので、もの凄い響き方のラマンチャ。終わった後「ラマンチャの『男』なんですよね。なんか持ち歌かのように歌っていますけど」(昼・夜)と笑いを取るのも定番です。ちなみに夜公演ではこの曲について、「駆けつけ一杯」という言葉も飛び出す始末(笑)

M10は久しぶりのMA。「聞くの久しぶりですよね? だって歌うの久しぶりですから」(昼)という掛け合い漫才に噴き出す(笑)。この曲はMAのオーディション曲だったそうで、「最初に歌った時からシンクロ感が半端ない」(夜)だったそうです。

この曲についても「2分で分かる『マリー・アントワネット』講座」が開講されておりましたが、そこでのエピソード。

「私がミュージカルキャリアの中で一番上手に言えたと思う台詞があって、それが
 『おなかすいた』だったんです」
(会場内大爆笑)

マルグリット・アルノーが王妃マリー・アントワネットの前にひょんなところから飛び出し、明日食べるものもない状態で食べ物を求めた場面、あれはリアルだったのだと(爆)

「だからマリー・アントワネットにシャンパンをかけられ、取り巻きに『パンがなければケーキを食べればいいじゃない』と言われても、マルグリット・アルノーは立ち上がれないわけです。お腹も空いているし、絶望もしている。だから起き上がれないので寝ながらこの曲を歌ったら、演出の栗山(民也)さんが、『聖子、それいい。それでいこう』ってなったんです」(笑)

・・・えーと、この曲をなんで寝ながら歌うんだろうという疑問を発していた、マルグリット・アルノー役のダブルキャストの女優さんがいらっしゃった記憶が私にはあるのですが(大爆)。

ちなみに夜公演、「どんな風に歌っていたかというと・・・いいですかね、(このドレスで)舞台に横になっちゃって良いですかね」と言った後、なんとドレスで舞台に寝る聖子さん(笑)

「わー、私(ドレスで)舞台に寝ちゃった!

・・・やっぱりこの方をMCで止められる人はいません(爆)

昼は「安定の貧困層です」との名言を残し、夜は「帝劇ではほぼ乞食です。そしてほぼ死にます。この役は死にませんけど」というコメントを発しておられました(爆)

M11は格好良かったなぁ。この曲を歌って様になるぐらい聖子さんも大人になられたんですねと感慨深かったです。
樹里(咲穂)さんのイメージなんですけどねこの曲。でも聖子さんも素敵でした。大人の女性万歳。

M12はなんとここで登場のタップダンス。さすがに家だと階下(直下)が管理人さんだそうでできないということで、昨日夜に駐車場でヘッドホン付けてやってたら、気づいたら目の前に人が(笑)
向こうはむちゃくちゃ不審がって後ずさりしていったそうです。そりゃ真夜中オートロックの前でそんなんやってたら、そりゃそう思われますよね。

ここは傘を取りに行ってのダンスですが、導入部ではこの夏の『匿名探偵』の話を絡めていて、とにかく傘をずっと差す役だったと。ちなみに「弥生」という役名があったそうですが、一度も喋らなかったと。そういやそうですね。

M14は「ミュージカル人生の中で一番過酷で、そして一番大切な宝物」と言及したカミーユ役。「カミーユとともに生き、カミーユとともに死んでいった」と語る作品。

ここでも「2分で分かる『GOLD~カミーユとロダン~』」が開講。”生きている間は認められなかった彼女”という表現に、聖子さんなりの感じるところは多くあったんだろうなということを強く感じました。

美月さんのバイオリンソロが静寂を破って始まるこの曲、聖子さんの囁くような言葉から、最後の開放まで、この日の公演ではもう一つの「Let It Go」なのかなと思えるぐらい、「自分の置かれた立場にただ甘んじない、挑戦する女性としての気概」こそが聖子さんの神髄なのだということを痛感させられる、もの凄い歌唱でした。

M15はうってかわって「夢」をテーマにした本編エンディング曲。ここで「I Dreamed A Dream」が来たら困っちゃいますので(爆)、この曲で良かった。
「GOLD」である意味昇華しすぎてしまった空気を静かな空気に戻す、普段のコンサートでは「Time To Say Good-bye」が担っている役割をこの曲に求めたのかという感じでした。

そしてアンコールは、本編に入っていないのが不思議なアオザイによる歌唱。衣装は1幕・2幕・アンコールと各1着、計3着。2幕のみ靴替えがありました(タップがあったため)。やっぱり聖子さんはキムだよなぁ、キムは聖子さんだよなぁ、と感じる魂の歌唱でした。

・・・

ご本人もおっしゃっていましたが、「ミュージカル曲だけでコンサートをやると、こんなにも大変なものなのか」というのは、見ているこちらも同じ。だから普通はゲストを呼ぶんです(笑)。今回は上手いこと静かめの曲と激し目の曲をバランスを取っていて構成にも満足ですが、まだまだ歌って欲しい曲もあるので、ぜひまた次もやって欲しいです。

素敵なミュージカルコンサートでした。

それにしても、今年春の「ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2014春」で新妻さんのゲスト出演が好評で、その結果この日のよみうり大手町ホールコンサートになったであろうこと、事務所移籍でこのタイミングのコンサートができるようになったであろうこと、すべてが奇跡といえるものなのかと、そう感慨に耽るのでした。

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『I LOVE YOU, YOU'RE PERFECT,NOW CHANGE』(2)

2014.10.13(Sun.) 12:00~14:15
 クローバーチーム XA列1桁番台(上手側)

2014.10.13(Sun.) 16:30~18:50
 スペードチーム C列1桁番台(センター)


「なうちぇんじ」終わってしまいました。
台風接近の中、禁断のマチソワ。

複数チームの場合、個人的なメイン側で前後を固めて相方チームを中央に置くのが個人的なセオリー。
そのパターンは一番両方のチームを自然に見れるからですが。

さて、今回はパンフレットにシーンが掲載されていなかったので(アンケートに掲載希望を書いてきました)、記憶する限りの全曲レビューという禁断の道に踏み込んでしまいます。誤りがあると思いますので、お気づきの方、ご一報のほど。
(特に1回のみ観劇のクローバーチームのパートは相当曖昧です。ご指摘歓迎します)

◆Act.1
M1.プロローグ
この物語の導入部。「太古の昔から男と女はたくさんの関わりを持ち続けてきた~」で始まるシーン。

勝ち誇ろうとする男どもに対して、「ひひひひ」と黒笑顔になる女性陣(特にびびちゃんw)がイキイキしすぎて噴き出します(笑)

M2.忙しい女
スペードはびびちゃん&染谷さんのペア、クローバーは理恵ちゃん&金子さんのペア。

「1回目のデートもすっ飛ばして」、「2回目のデートもすっ飛ばして」・・・と、どんどんシーンが進んでいきますが、場面転換にくるっと回転するところ、染谷さんが回転するのをがしっと止めるびびちゃんが高レベルの運動神経過ぎて噴き出します。

それにしても、「ファミリーマート前のデート」がなぜこんなにもこのシチュエーションに合うのか(笑)。ファミマの退出時の自動ドアの音楽が流されていてさらに噴きました。なんでかセブンじゃこの味でないんですよね。

スペードペアだけ局地的に「恵みの雨」逆バージョンが存在していて、客席の笑いを誘っていましたね。このペアならこれがなくちゃ。

そういえば、局地的に両手伸ばしたJCSみたいなシーンもあったのここかな。

M3.内気なカップル
別名「マッチョマン&セクシーガール」なシーン(見た人だけ分かる話w)。スペードは大胡ちゃん&荒田さん、クローバーは貴以ちゃん&田村さん。

ちなみに前回、荒田さんも新妻さんの前事務所に所属したと書きましたが、実は大胡ちゃんもそうなんですね。
H嬢(新妻さんの前マネージャー)が劇場に来られていて、話をされていて気づきました。

M4.話す男、聞き流す女
上段に大人ペア、スペードはたみさん&染谷さん、クローバーは大月さん&金子さん。
ひたすら男性の生物学だったかの話に付き合わされて閉口する女性陣。

下段に中堅ペア、スペードはびびちゃん&キョウヤさん、クローバーは理恵ちゃん&高舛さん。

ゴルフ映画の話をするのですが、どうもその映画タイトルが日替わりだったようで、クローバーは「アナとゴルフの女王」で大ウケ。好きな俳優って誰・・・って聞かれて、男性が当てるのが「ピエール瀧」(笑)。スペードの「ゴルフ場の怪人」はややウケだったか(笑)

女性2人が同じ境遇でぶち切れて共感するのも面白いし、男性2人が「男だから」と共感するのも面白いです(笑)

M5.映画の選択は慎重に
スペードは大胡ちゃん&荒田さん、クローバーは大月さん&田村さん。
男が好きなのはアクション物なのに、女性に選択を任せると格好つけた結果、恋愛物に感動する女性・・なのに、男の方が感動してきて泣きじゃくり、しまいには女性の膝に顔うずめて泣く始末。

クローバーは女性(理恵ちゃん)が泣きじゃくる男の上でポップコーン食べて笑いを誘う、スペードは大胡ちゃんが退場時に「ねぇ、泣いてたよね?泣いてたよね?」って突っ込みまくってて爆笑しました。

M6.テニス少女はラザニアに挑む
和訳が我ながらおかしい(笑)

スペードはびびちゃん&キョウヤさん、クローバーは貴以ちゃん&高舛さん。

女性がテニスで頑張りすぎて、でも実は「おてんばテニス少女」の頭の中は別のことでいっぱい・・・
な、びびちゃん&貴以ちゃんコードに最初に触れるのがここです(笑)

家に来てもらうのに「ラザニア食べたい」と言われて快諾するも、「じゃぁ、アレ持って行くね」と言われて大声でとある5文字の普通名詞を答える女性。

あはっ(笑)

ここのソロ、月をバックに歌うのですが、びびちゃんも貴以ちゃんもそれぞれとても良かった。ちょっとHな話の後なのに、乙女チックでほっこりします。

M7.家族会議は本音と建て前で
息子が恋人を連れてきて両親が迎えるシーン。
両親は婚約プレゼントを準備しているけど、「2人は話し合って別れることを決めた」という、修羅場なシーン。

スペードは両親がキョウヤさん&たみさん、息子が荒田さんで彼女が大胡ちゃん。
クローバーは両親が高舛さん&大月さん、息子が田村さんで彼女が理恵ちゃん。

「あなたがたの決断を尊重する」と言っておきながら、息子には「ダメ息子」「穀潰し」、彼女には「仕事女」「売れ残り」とまで言ってる(笑)

スペードですごかったのが、たみさんが理恵ちゃんの髪をわしゃわしゃかき回してもはや原型をとどめず(爆)、で、たみさん、荒田さんの頭をスリッパで引っぱたき客席大爆笑(ちなみにクローバーの大月さんがやったら、ハイヒールなので大けがしますw)。

クローバーに至っては、このチームラストだったからか、プレゼントを父親がダイビングしてぶっ潰して客席から大拍手が(笑)。大月さんもこのシーンむちゃくちゃ面白かったなぁ。ここは両チームとも相譲らずで、主に母親役の役者さん大活躍でした。

M8.夜の法律相談
この作品って、ちゃんと18禁って明示されていましたっけ(今さらw)

そう言うシーンのまっただ中なのはスペードは大胡ちゃん&荒田さん、クローバーは理恵ちゃん&金子さん。

で、もう2人の登場人物である法律コーディネーターと弁護士さんがむちゃくちゃ良い味出してて、スペードは染谷さんとたみさん。もう染谷さん、最高です。この出落ち最強感。あの赤ジャケットを着せた衣装さんに大拍手を贈りたい(笑)。それでいてまぁ上手いこと台詞切るんですよ染谷さん。大まじめが笑いを引き起こす。これ、染谷さん以外じゃこうならなかったと思います。何気にmy大ヒットですw

クローバーは高舛さんと貴以ちゃん。これは染谷さんすごいという感想しか残っていない(笑)

M9.キャッチホンのない電話なんて
デートを終えた女性、母親と話していて、ピザを注文している。で、その間にキャッチホンが入って母親だと思って出たら・・・何と今日デートした男で舞い上がるという・・・

スペードはびびちゃん、母親がたみさん、クローバーは大月さん、母親が貴以ちゃん。

女性が男から電話がかかってきたことに喜んで「He Call Me!」と踊りまくるのが面白すぎる。舞台上段まで上がって行っての大立ち回り。

2度目電話かかってきたら出た後「うざっ」という反応が・・・2人とも堂に入っていてどうしようかと(笑)

M10.恐怖は婚活の潤滑油
30代以上の未婚の人連れてきて、刑務所にいる受刑者に(結果的に)キューピッドをさせようという企画。

スペードは受刑者役のキョウヤさんが最強過ぎてもはや色んな設定が吹っ飛んでいった(笑)。なんだか宮迫さんの怖い版(爆)。客席鎮める時の1拍手からのはみ出し拍手、この日は増えてましたね(笑)。男性は荒田さん、女性はびびちゃん。プロデュースの女性アナがたみさん。

クローバーは受刑者役が高舛さん、男性は金子さん、女性は理恵ちゃん、女性アナが貴以ちゃん。

M11.結婚式
前シーンの受刑者役がそのまま神父に、女性アナが神父補になるという形。

スペードは神父がキョウヤさん、神父補がたみさん。新郎が染谷さん、新婦が大胡ちゃん。出席者がびびちゃんと荒田さん。

クローバーは神父が高舛さん、神父補が貴以ちゃん。新郎が田村さん、新婦が大月さん。出席者が理恵ちゃんと金子さん。

◆ACT2
M12.結婚式
1部から続き、1人残された「永遠の介添人」な彼女。スペードはたみさん、クローバーは理恵ちゃん。

このソロ(多すぎるウェディング)がすごくいい曲で、特にたみさんがこの曲を歌うとなんか凄い伝わってくるものがあって、他の女性の結婚を沢山見送っているからこそ伝わるものが深くて。

前半は歌詞がちょいちょい面白いんですけどね。
「新郎の不倫がばれて大騒ぎ、新婦の妹と付き合っているのがばれて新婦が拳銃ぶっ放す」とか、いかにもアメリカの作品ですよねぇ。

M13.家庭訪問
結婚して一子(娘)をもうけた夫婦、そして夫婦共に知り合いの旧友(男性)が尋ねてくる場面。

スペードは夫婦が荒田さんとびびちゃん、旧友がキョウヤさん。
クローバーは夫婦が金子さんと大月さん、旧友が田村さん。

旧友がお土産に持ってきたぬいぐるみを「目は飛び出さない?」と奥さんが言って、旦那さんが目に噛みつくところとか、「綿は飛び出さない?」と奥さんが言って、旦那さんがぬいぐるみを放り投げるところとか、さすがにシュール(笑)。

そういえば初見では存在しませんでしたが、旦那さんが玄関に出ている間、「旦那が浮気したらぶん殴る」とシャドーボクシングしてるびびちゃん見て、色々な方面で背筋が凍りました(笑)。

旧友が夫に「お前もやわになったなぁ」と言ってパンチングしてるといつのまにか夫婦の「アルプス一万尺」になるのも笑えました。

ここの男性のソロも好きでした。
「腑抜けの男の唄」みたいな感じでしたけど(爆)

M14.疲れた夫婦
これ、よく日本でやったなと(爆)

子育てに疲れた夫婦が、日々のマンネリから脱出するために考えたイベントとは・・・

スペードはびびちゃん&染谷さん、
クローバーは貴以ちゃん&高舛さん。

それにしても上手いところに紐があってあんな風に使えたなと(笑)

そしてびびちゃんは黒ドレスに赤ハイヒール、貴以ちゃんは黒ドレスに黄ハイヒール、どちらもお似合いでございました。

ちなみにあのシーン、びびちゃんには理性の欠片の残存を感じました(それ以上は言及を省略w)

M15.ドライブは命がけ
家では威張れない父親だけど、ドライブでは王様・・・なのに助手席から妻が色々と注文をしてきてドライブは命がけというシーン。

スペードは運転手がキョウヤさん、助手席がたみさん、息子に染谷さん(背中には日暮里繊維街で発掘された水色リュックがw)、娘が大胡ちゃん。

クローバーは運転手が田村さん、助手席が大月さん、息子が金子さん、娘が理恵ちゃん。

M16.時間
フットボールを見ている男、フットボールを勉強しているけど相手にされない女。なぜか終了まで32秒となった後時間が進まない。

買い物に付き合わされる男、トイレに行けず我慢できそうにない女。

順に(笑)、スペードはキョウヤさん、たみさん、荒田さん、びびちゃん。
クローバーは高舛さん、貴以ちゃん、金子さん、理恵ちゃん。

・・・この曲もそういえばびびちゃんコードに触れています。

びびちゃん、そういう率がやたらに高いです(笑)

M17.老後は二人で
熟年の域に達した夫婦が、お互い会話することもないのに、そして夫は過去の過ちを振り返って妻と別れるかと歌っているのに、でも妻は何も聞こえないかのように、ただお茶を運んでくる・・・

曲のメロディーが優しくてとても好きなのですが、このシチュエーションもすごくいい。
本当の安らいだひとときというのか、重ねてきた年月の重さを感じます。

なぜか分からないのですが、M16まで正直落ち着きを見せないのがこの作品の作風なのに、なぜかいきなりこの曲とM19だけ飛び抜けて晩年なんですよね。作品的には違和感は感じつつも、実はなんかほっとします。ずっと動きが激しすぎたせいもあるのかもしれません。

スペードはキョウヤさんとびびちゃん、
クローバーは高舛さんと理恵ちゃん。

M18.失敗するビデオ
お見合い募集のビデオなのに、自分のことをただひたすらバラして失敗しまくるビデオ。

スペードはもちろん(爆)たみさん。カメラマンは荒田さん。
クローバーは貴以ちゃん。カメラマンは金子さん。

まぁ、凄いです色々(笑)

M19.葬式でナンパを
お葬式に来て出会う2人。
お互い既に最愛の相手を喪っている2人が、方や誰の葬式かわからず、方や葬式の方の名前を忘れている・・・

そんな2人が出会い、これからのことを語っているという光景。前回も書きましたが、ここはこの作品で一番好きかもしれません。

最愛の相手に先立たれ、知人もどんどんこの世を去っていく。生きていることは幸いだけども、必ずしも幸せとはイコールじゃない。

最愛の相手の墓に入る前提同士で、でも生きる間は一緒にいたいという思い。
多分、倫理的に言えばいくらでも何でも言えるんだろうけど、少なくともこの2人にとって、豊かに生きるための出会いなわけで。

スペードは染谷さんとびびちゃん、
クローバーは田村さんと大月さん。

自分が印象的だったのは、熟年2シーンとも、スペードはびびちゃんだったこと。

47歳シーン(ちなみに刑務所の未婚の時の年齢です)で驚いていたら年齢的にはさらに上に来たわけですが・・・(爆)

何でしょう、円熟としての味というのか、良い意味で落ち着いているからなのだとは思うのですが、おばあちゃんの声色含めて、中々興味深い趣向でした。
年齢順からすればたみさんが来てもおかしくないと思うのですが。

M20.エピローグ
プロローグの時の円に戻って、一言ずつ言うこのコーナーは、「『愛』について自身で語る」というコーナー。各キャストのアドリブだったそうで、出色だったものをいくつか。

「あいあい、あいあい、お猿さんだよ」
 (麻田キョウヤさん、11日M、13日S)

「上杉達也は朝倉南を愛しています」
 (高舛裕一さん、13日M)

「風の音が胸をゆする、泣けとばかりに、
 あぁ、津軽海峡冬景色」

 (田宮華苗さん、11日M、13日S=こぶし付

「愛してる、愛してる、
 でも一人さ、でも泣かないさ
 (綿引さやかさん、13日S)


・・・

13日ソワレ(スペード)は大楽ということで、各キャストからご挨拶が。

・・・というのをキョウヤさんがいきなり言い出して、各キャストが呆然とする一幕も。

不意打ちだったそうです。

上手から順でいきなり指名されたびびちゃん。

綿引さん「終わってしまいました。
 ずっと稽古をやってきて、劇場に入って初めて感じられたことが沢山ありました。劇場での皆さんの笑い声に沢山のパワーをいただきました。ありがとうございました」

大胡さん「こういう(自分をさらけ出す)作品は初めてでしたが、楽しんでやることができました。ありがとうございました」

染谷さん「楽しんで演じることができ幸せでした。ありがとうございました」

キョウヤさん「さきほど綿引さんも言ってましたが、劇場に来て初めてこの作品は完成したと思います。お客さまのお陰です。またぜひこの作品でお会いしたいですが、それには皆さまのお力が必要です。ぜひscoreさんをこれからもよろしくお願いします」

荒田さん「先輩方に囲まれてどうしようと思いながらやってきましたが(キョウヤさん助け船:彼はまだ19歳なんですよ。これからこの物語の本当の中身を知ることになると思います・・・笑)・・・ありがとうございました」

村井さん(ピアノ)「いやこの(挨拶の)順番おかしいでしょ(笑)。ありがとうございました。みんなと一緒に作り上げてきましたが、演奏が少しでも皆さまの心に作品の一部として残れば幸いです。」

原田さん(ヴァイオリン)「ありがとうございました。稽古に遅れて入ったのですが、皆さんと、そして村井さんと協力しながら、実は大人っぽい(エロティックな)演奏を試したりしていたんです。そんな空気が伝われば幸いです)

・・・

昼のクローバーチームはご挨拶がなかったですが、夕方のスペードチームはあったのでざっくりと。

さてさて。
2日間で3公演、2チーム無事に見終わって。

初日の反響の大きさから感じはしたけど、ここまで盛り上がるとは想像外でした。
面白い作品だろうなぁと思ってはいたけど、とにかく各役者さんのキャラクターが映えまくっていて。
変に押さえることなしに開放してあげた感じが、作品のパワーをそのまま増幅させたのかなと。
とっても若いカンパニーで、失敗なんて恐れない、成功なんて気にしない、ただ突っ走ることだけ考えたようなエネルギーの大きさを感じて、わくわくする気持ちを感じさせてくれる作品でした。

役者さん皆さんがこの作品に出ている喜びを隠せずにいて、きっと不安も苦労もあったのだろうけど、それを作品の力が消してくれたんじゃないかなと。

初日から行ってたら明らかにもっと増やしていかねなかったこの作品。土祝と拝見したので、満員御礼の回しか拝見していませんが、願わくば次の再演はもう少し長く、できれば今の2チーム(今のメンバーのまま)にプラス1チームみたいな感じで拝見してみたいです。あと次回はシーン一覧、パンフレットに載せてください(切実)。

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『I LOVE YOU, YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE』(1)

2014.10.11(Sat.) 13:00~15:15
日暮里d-倉庫 C列1桁番台(下手側)

「太古の昔から、男と女は~」というキャストナレーションで始まるこの作品。
お堅目の作品なのかと思いきや、当然そんなことはほとんどなく、始まって1分してしまえば、「男と女のシチュエーションあるある物語」のオムニバス作品。

オフブロードウェイの人気作で、タイトルの長さに略称をどうするかで喧々諤々議論噴出した結果、当初はリードしていた「アイラブ」を、大外からの差しで逆転した「なうちぇんじ」(なぜかひらがなが似合う)に取って代わられ、すっかり「なうちぇんじ」で定着しました。

そんな作品、今回は2チーム制でシャッフルなし。そのため、安心してチーム毎の作風を見られます。この日は本命のクローバーチーム。綿引さやかさんがせくしー担当のチーム。

男性陣の麻田キョウヤさんは『Ordinary Days』以来、染谷洸太さんは『ミス・サイゴン』以来。荒田至法さんだけお初ですが、この方は今月から新妻さんの前事務所(有限会社オーチャード)所属となった方ですね。

女性陣は田宮華苗さんはお芝居では『ひめゆり』以来ですが、岡村さやかさんのLive『スキップス』でお見かけしたので全然お久しぶり感なく。大胡愛恵さんのみお初です。

カップル構成は基本パターンは想像のとおりで、大人チームがキョウヤさんと田宮さん。中堅チームが染谷さんと綿引さん。若手チームが荒田さんと大胡さんですが、場面によって一部変わる場面があり、その変化も面白いです。

そもそも1幕のデートの組み合わせからして手前側がキョウヤさん&びびちゃん、奥が染谷さん&大胡さんでしたので。
いやぁ、キョウヤさんのゴルフトークはあてがきなんでしょうか(爆)、話聞かされるびびちゃんの嫌がった顔が最強に面白かったですが、これは全然序の口だったことを後で知る(笑)

NGワードとか○○コードとかそういうものが一切ないので、特にびびちゃんはNGワードがもうなくなっちゃったでしょ?みたいな突っ走り方。

昼間に公園で稽古やってたら、いかめしい制服の方が眉を潜めながら近づいてくるレベル(笑)。

夜の自主練してたら通報されていかめしい制服の方が部屋をノックするレベル(笑)。

でありながら、全体的に出演者がサバサバしているので、てらいなく笑い飛ばせる。登場人物の突き抜けたさまを、自分と重ねて面白がるような空気が客席を含めてあって、だから他の回とどう違うかはわからないけど、確かにこの回は笑いもすごく起きてたしすごく楽しかった。

客席と舞台上で垣根を作っていない感じで、「一緒にあるある話を楽しもうよ」的な空気になってて。

出演者も緊張している感じが全然ない。最若手の荒田くん(元Jr.だそうですね)はさすがに居住まいが違うんだなと思いましたが、予想以上に良かったのが初見の大胡さん。どことなく平田愛咲ちゃんにポジションが似ている気もしますが、エネルギッシュな感じにとても好感。青いドレスもとてもお似合いでした。

田宮さんは田宮さんだった(笑)
なんと言うか、あの方は面白さを出せる瞬間をいまやいまやと待ち続けるタイプの人だから(笑)、笑いの爆発力が半端ない。
もうずるいレベル(笑)

「自分の役は一人ぼっちだから」ってご本人がパンフレットに書いていますが、ほぼ唯一のペアシーンである、キョウヤさん父親・田宮さん母親で、荒田くんが息子、大胡さんが息子の恋人のシーン。両親は2人は結婚すると思っているんだけど、実は2人はあることを決めていて・・・のときの田宮さん母親の容赦のなさが無敵すぎて。息子に「穀潰し」、息子の恋人に「行き遅れ」といっているのが(笑)。この作品全般的に、「いざとなると女性の本音の方が濃い」のですが、その究極がこれでした(爆)。

キョウヤさんはなんと言っても○○所でのゲスト(笑)。あの存在感はすごすぎる。びびちゃんはがくがくぶるぶるしているけど、キョウヤさんはポジション的にはむちゃくちゃ怖い人なのに、どことなくおかしみがあるところが面白い。
そういえばここで客席の拍手をキョウヤさんの先導でぶった切るシーンになって、一拍で終わるはずが、なぜだか客席で1人だけ三拍続けた女性がいらして、キョウヤさんが睨んでましたが、いや、あれは美味しいでしょ(笑)。

染谷くんも大活躍ですが、ヒットは赤ジャケットの弁護士。シチュエーション的にありえない組み合わせだけに面白いわけですが、あれがキョウヤさんだとまた違ったおかしさになるし、染谷くんであのシーン大正解だと思う。しかもそこにつれてくる法律家がお堅いパターンの田宮さんとくれば、笑わずにはいられない。

びびちゃんの登場シーンは何気にご自身が、ほぼほぼネタバレされていたわけですが、それでも1シーンだけ公開されていなかったシーンの破壊力がすご過ぎて度肝を抜かれる(笑)。というか・・・なんであんなに普通にフィットする(笑)

全般的に衣装は黒と赤がメインで、このときの赤ヒールを染谷くんが履かせるところの女王様ぶりが、何というか嵌りすぎててあっけにとられる(笑)。染谷くんとのバランスもちょうどいいんですよね。

「生活に疲れた夫婦」って感じは感じなかったのですが、子育てに追われて落ち着く間もなくて、というところは表現されていましたね。それにしても、このシーンは特にびびちゃん頑張っていました(爆)

たださすがに、このシーンだけは、いつも安定しているびびちゃんの歌唱がかなりいっぱいいっぱいでちょっとびっくり。
歌も含めてクールになると、もっと面白くなりそうな気がします。と、鬼のように煽る(爆)

・・・

とにかくひたすら笑っていた記憶しかないのですが、その「笑い」って厭な笑いじゃないんですよ。それが何より素敵。
哂うとかじゃなくて、「そういうことあるよね」という共感にたった「笑い」だから、役者さんの演じるさまは客席の気持ちも含めたさまであって。「男性にとって女性に対する緊張」が存在するさまとか、「女性にとって男性に対する緊張」の存在とか、それそのものが「みっともなくても愛らしい」みたいなものがあるからなんじゃないかと思います。

どこぞの人生相談で「付き合っているとみっともないところばかり見せているんじゃないかと心配です」という質問者に「恋愛はそもそもみっともないもの」って答えていた方がいらっしゃいましたが、「至らないところも含めていとおしい」という相手が現れたときに、「自分も変わるし、相手も変える」、それが「なうちぇんじ」なのかなと思えて、なんだかとっても清清しく拝見しました(by恋愛経験極小の人の感想)

あとはラストシーン直前の、お葬式での老年カップル(染谷くん&びびちゃん)のシーンがすごく大好き。
派手さは全然ないし、お互い連れを既になくしているし、お墓は連れのお墓に入ることは決めている。
でも、あの2人の中に「感情」というものが多分久しぶりに生まれたんじゃないかなと思うと、なんだかそういうところに「幸せ」があるんじゃないかなと思えて。

「生きる」と「生き生きと生きる」には大きな壁があって、前者を後者にするのは、きっと「気持ち」や「行動」によるものなのだろうなと思えたのでした。

・・・

素敵な公演で大満足でしたが、一つだけ希望を言うなら、パンフレットにシチュエーションパートのあらすじは欲しかったです。楽しくて笑ったことは印象に残っているのですが、シーンを全部思い出せないのが悔しい・・・

さすがの村井さんの演奏も堪能しました。ヴァイオリンの方との超接近演奏も大変そうでしたが、素敵な演奏に酔いしれました。良かったです。

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『無伴奏ソナタ』

2014.9.28(sun.) 13:00~15:00
サンシャイン劇場 1階9列20番台(上手側)

初演は東京グローブ座でわずか1週間。
何とか都合を付けて見にいって作品の素晴らしさに打ち震えてから1年。待望の再演を見に行きました。
普段、見終わってからここまで時間が経つと、なかなかblogは書けないのですが、この作品に関しては自分の気持ちを残しておきたくて。
というか、1人でも多くの人に見てもらいたくて。

ただ、そう言うときに痛し痒しな部分はあって。作品を観た立場から言えば、物語について語りたいからどうしても話は詳しく書くことになる。でもこの作品は初見で何も知らないで見るときが良い意味で一番衝撃的で、心に深く深く残る。
芝居を奨めることの難しさってそういうところにあると思うんですよね。

・・・と言い続けても仕方がないので、まずはあらすじを。

作品の世界は、適性試験によって将来が決められる世界。
主人公のクリスチャン・ハロルドセンは音楽の才能を見いだされ、音楽を作る者<メイカー>として森の中で暮らし、音楽を作ることになる。両親からは引き離されて・・・
<メイカー>はその才能ゆえに誰からも尊敬される存在。
作られた音楽を聴きに来る<リスナー>は口々に彼の音楽に賛辞を贈る。
そんな中、一人の<リスナー>が<メイカー>に接触し、音楽プレイヤーを差し出す。

「君の音楽には足りないものがある。ここにはそれが入っている。バッハの『無伴奏ソナタ』だ」と。

当然、<メイカー>は純粋に音楽を作る環境にいるべきであるとの考えから、他者との接触は禁じられており、それは<リスナー>にとっても同様。最初は<メイカー>も断っていたけれども、無理矢理押しつけられた音楽プレイヤー・・・その音楽プレイヤーの存在、そしてその音楽を聴いた彼は、実質的に監視人も兼ねた<メイド>の追及は逃れたが、<ウォッチャー>の耳をかいくぐることはできなかった・・・

・・・

この「無伴奏ソナタ」という曲は、この作品の序章で語られますが、両親が<プレイヤー>(音楽演奏家)であり、夫婦で楽団で演奏している曲。つまり、クリスチャンが<リスナー>に「足りない」と喝破されたものが、両親を意味する「無伴奏ソナタ」にはある・・・

幼くして両親と引き離されたクリスチャンには<両親の愛情>が欠落していた・・・ことに感じられて深く深く印象に残りました。「君の曲は聞いていて悲しくなる」と<ウォッチャー>は語り、それゆえに「君が音楽を作ることを続けさせることは出来ない、法律を犯したことももちろんの理由だが、周囲に悪影響を与える前にその芽を摘み取るのも私の仕事」であると・・・。

初演以来、この作品で一番疑問なのは、「なぜ<メイカー>は<ウォッチャー>に従うのか」という点。

もちろん法律は犯している。「やってはならない」ことをやった以上、<メイカー>は<メイカー>ではいられなくなるし、その後の職業訓練毎の次の仕事についても、それはまた同様。

「若い頃の適性検査によって、皆の力にあった仕事に就くことが出来、結果、皆幸せになった」というこの作品の世界自体が、いささか狂信じみていて、クリスチャンが次々に法を破り次の仕事に向かっていくときに出会う人々が、クリスチャンへの所業に一度は反発しながらも、最後は諦めざるを得ないというのが、いささかもの悲しい。

でも。

「法を守らせることで秩序が守られる。だから法は守られなければならない」という大上段な視点に対する違和感に対して、クリスチャンは自ら「音楽を捨てない」ことで最後にひっくり返すんです。それがこの作品のすごいところ。

「法」による「幸せ」の押しつけに対してのクリスチャンの答えが、「シュガーの歌」であり、その曲は、作り手が誰であるといったところから離れて、ただその音楽に対しての拍手が送られている。

<メイカー>だから賛辞を贈られる、この作品世界においてはある意味、そういったことが含まれている。
だがクリスチャンは意図してかどうか、<メイカー>という立場を追われ、あまたの紆余曲折の末にたどり着いた先で、音楽家としての最大の喜び、「歌そのものにたいしての喝采」を浴びている。

「歌そのもので聞き手に喜びと幸せを与えられた」ことこそが、彼にとって一番の幸せ。すべてを奪われても、そして歌を何度奪われようとも、それでも歌から離れなかった彼に対する、神からの贈り物に思えて。

作品にタイトルに掛けるならば、「他人の導き」という意味での「伴奏」を必要とせずに、彼は「無『伴奏』」でソナタを奏でた-と思うと、その喝采にはとても大きな意味があるように感じたのでした。

・・・

初演から一人も変わらない再演という、舞台の世界ではかなり珍しい奇跡。

クリスチャン役の多田直人氏は口数の多くない寡黙な感じを見せ、「言い訳しない」感じが役にぴったり合っている感。

ウォッチャー役の石橋徹郎氏(文学座)はとにかく無限の説得力。「クリスチャンに言い訳させない」恐ろしいほどの圧力。

岡田さつきさん、大森美紀子さんも素敵でしたが、女性陣で光っていたのが2人。

メイド役の岡内美喜子さん、このポジションでやっているときの岡内さんってとても魅力的。押しすぎない「主人公を支える役回り」がぴったり。雨夢の暁子さんといい、「心臓~」のときといい、最近の岡内さん、凄く良い。

「バー&グリル」ウェイター役の原田樹里さん。え、こんなにコメディエンヌなんだとその弾け方にびっくり。コメディエンヌ系の渡邊安理ちゃんがすっかりヒロインポジに行って(正直、安理ちゃんにヒロインポジは合っていないと思う・・・)、岡田さつきさん→前田綾ちゃんと引き継がれてきた爆発性コメディエンヌの座は、きりりんできるんじゃない?ってぐらいに嵌ってた。

ちなみに岡内さんがアニーの孤児院シーンの1人として出ていたのは初めて知りました。うーむ、人に歴史あり。

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『ミス・サイゴン』(20)

2014.10.5(Sun.) 12:00~15:20
よこすか芸術劇場 1階H列30番台(上手側)

『ミス・サイゴン』2014年シーズン、米軍基地の街、横須賀での大楽です。
2014年シーズンで自分が抱き続けてきた少しばかりのもやもや感を消してくれるとてもいい公演で、見に行って良かったです。

サイゴンを見るのは帝劇前楽(8月25日ソワレ)以来1ヶ月強ぶり。2014年シーズンはさほど見ていない印象が自分にはあったのですが、この日の横須賀で10回目でした。結構見てました(笑)。

この日の公演は何といっても笹本キム。

2004年以来10年、この日が154回目の公演となる笹本キムですが、もともと彼女はキムという役のタイプの女優さんではないというイメージを、個人的にはずっと持ち続けてきて(エポという役のタイプの女優さんだとは思います)。
2008年の旧演出版2回目でようやく、彼女らしいキムを確立。2012年の新演出版ではその成果を一旦ご破算にしての再スタート、そして今回の2014年シリーズ。

2014年シリーズなりのキムというのを掴むのに、ずいぶん苦心しているように思えた彼女ですが、この日ようやく、彼女なりの答えが出たような気がしました。母という面ではリアル母な知念キムの説得力には追いつけないし、勢いという面では若い昆キムと比べると分が悪い。でもこの日の笹本キムは誰のキムにも引きずられることなく、共演者との関係性で確かに彼女のキムを作っていて、それが何よりほっとしました。

この日笹本キムとの関係で印象に残ったところで、「キムはなぜトゥイではなくクリスを選んだのか」という点。
クリスと一夜を過ごした後、クリスは「くそエンジニア」と言いますよね。その時、キムの表情が安心した顔に変わったように見えたんです。

キムにとって、エンジニアは自分の雇い主だし、サイゴンに出てきて頼る人もいない中、自分を拾ってくれた人ではあるけれど、実際にやっているのは売春だし、それを喜んでいるわけでは決してない。やむを得ずエンジニアに従わざるを得ないだけなキムにとって、「エンジニアに捨てられる=死」を意味する。だけれども、クリスはエンジニアに(正面切ってではないにせよ)暴言を浴びせる。キムはエンジニアに身分も心も拘束されていたけど、クリスがそう言ってくれたことで”エンジニアに反抗してもいいんだ”と思えたことでキムはほっとしたように見えて。

エンジニアに従う道から、クリスと一緒に歩く道へ。その道筋を示してくれたことが、キムにとってのクリスじゃないかと。

翻ってトゥイ。ウェディングのシーンで乱入したときにキムに言う言葉。従兄妹という関係性とはいえ、トゥイがキムに投げかける言葉は、キムを子供扱いしている言葉でしかない。キムは戦火の中、両親を焼かれ、必死でサイゴンにたどりついて生きている少女で、かつてトゥイと共に時を過ごしていた少女ではない。身も売り、本意ではないにせよ「生きるために」必死になっている。そんな少女に対して、かつて結婚を約束したからと言って、自分を子供扱いする相手に付いていこうとするかといえば、それはやはり「ノー」でしょう。ただでさえ自分が苦しいときに助けてもくれなかった。ベトコンが自分の村を焼いたとキムが思い込んでいたかどうかは議論の分かれるところですが・・・

トゥイが描いた「結婚して欲しい少女」のキムと、この時のキムは精神的にまったくずれていて、だからこそトゥイを拒む。
その上、自分にとって”エンジニアに対する枷”を解いてくれたクリスは、今のキムにとってすべてなわけで、そのクリスを罵倒されることは自分が罵倒されることと同じ。

トゥイにとってキムは子供だったけれども、キムにとってもトゥイは子供に見えたんじゃないかと思う。
「クークープリンセス」のシーンでキムはトゥイに対して顔をそむけますが、「なぜ横向く」の時にこの日の玲奈キム、いつもの「90度横向く」ではなく、「180度横向く」(つまりトゥイとキムが平行)になったことにびっくり。トゥイに対する拒絶感がとても強く感じて。

と、この日見ていて感じたのはキムからのクリスへの思い。ホテルのシーン以降のキムの気持ちの醒め方がダイレクトに伝わってきて。キムにとって、責任を取ってくれないクリスは、トゥイとは別の意味で「子供」に見えたように思えて。

この日、歌詞を聞いていて気づいたのですが、キムのラストシーン直前、タムへ別れを告げるシーンで「『彼は』あなたを迎えに来る」と言っている。キムにとってクリスがまだ愛している相手であれば、ここに来るべき言葉は『パパは』でないと変でしょう。そう思ったときに、キムにとってのクリスは、「かつて愛していた人」でしかなかったのだなぁと、そう思えて。
ただそれはタムの幸せを優先させるためのキム自身へのマインドコントールでもあるのかなと。

・・・

話は戻って、キムとエンジニアの関係。

先ほど書いたことで「キムはエンジニアの枷から解放された」とありますが、それゆえバンコクのバー2階でのキムの上から目線が光るというか。この日の笹本キム、両手を腰に当てて、完全すぎる上から目線(笑)。エンジニアの命運は自分が握っていることを十分に理解しているから、エンジニアもしぶしぶ従う。「口を慎め、生意気だぞ」と言ってもなんとやらの遠吠えに過ぎなくて。エンジニアが小物に見えたのも、キムに軽くあしらわれているからなように思えました。

・・・

大楽ということで、キャストの皆さまからご挨拶。
「(2004年から)10年」という表現をされた、岡幸二郎さん(ジョン役)、笹本玲奈さん(キム役)、泉見洋平さん(トゥイ役)は今期で卒業の可能性が高そう。

泉見洋平さん(トゥイ役)
「2004年から演じてきて10年。演じていないときも自分の中にトゥイはいて、いつもトゥイだったらどう考えるだろう、と思いながら生きてきた気がします。355回演じました。今日、成仏いたしました」

駒田さんつっこみ「明日には生き返っている気もしますが(笑)」

池谷祐子さん(ジジ役)
「ジジは女性として沢山のことを教えてくれる役。その役を演じられたことを誇りに思います。ジジという女性に恥じないよう、誠心誠意精進して参りたいと思います」

・・・この挨拶の間、玲奈さんは顔を手で覆い涙されていました。沢山のカーテンコールを拝見してきましたが、他の方のご挨拶で泣いている玲奈さんを拝見するのは、この日が初めてでした・・・

駒田さんつっこみ「非の打ち所がない挨拶でございました」

原田優一さん(クリス役)
「演出家のダレン・ヤップが言っていた言葉で印象に残っているのが『この作品を見て辛く嫌な気持ちになるお客さんもいると思う。でもそれで良いと思う。今まで同じような経験をした人たち、今でも同じような立場にいる人たちのことを思って欲しいから』という言葉。その言葉を胸に演じてきました・・・小ネタを楽しみにしていただいた皆さま、今日は真面目な挨拶で申し訳ありません(笑)」

駒田さんつっこみ「20年来の付き合いですが、初めて真面目な挨拶を聞きました(笑)」

笹本玲奈さん(キム役)
「2004年から10年間キムを演じてきました。(泉見さんもおっしゃっていましたが)演じていないときでも、辛いとき、壁にぶつかったとき、キムならどうするだろうと思いながら生きてきた気がします。自分の中にいつもキムがいました。(涙ながらに)私を支えてくださったすべての皆さまに感謝しかないです。ありがとうございました」

・・・この日の演技を見て、この挨拶ですからね。演じきったような表情でしたし、2年ぐらいで再演しない限りは、この日で卒業なのだろうなと、実感したのでした。

皆さまのご挨拶の後は「みんなで歌おうアメリカンドリーム」。歌詞カードが入場時に配られてのイベント。
駒田さんさすがの仕切りで何とか形になった感。

ひとまず、何とか完走したという感じの『ミス・サイゴン』2014年シリーズ。
それが正直な本音です。

卒業宣言して卒業した前日の知念キムが羨ましい、それも正直な本音です。

サイゴンが心に残すわだかまりは、作品のテーマだけにして欲しいんですけどね。

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『虹のプレリュード』

2014.10.4(Sat.) 17:00~19:25
天王洲銀河劇場 2階B列20番台(下手側)

公演期間が短く、10月2日から5日まで4日間。

この作品も『アルジャーノンに花束を』同様にチケットの捌けが早くて。
テーマ的に面白そうだし、脚本は浅井さやかさんだし、平川めぐみさん出るしで、どうにかして入れたかったのですが、スケジュール的に何とか入れられる見通しが立ったのが、唯一この10月4日ソワレ。

立ち見も見た段階で劇場公式では販売終了してしまい、半ば諦めかけていたのですが、初日ご覧になった方が太鼓判を押されたことで改めて本腰を入れて探したら、唯一1社だけ座席指定が販売しており、なんとか座って見ることが出来ました。
下手側とはいえほとんどセンターブロックなので、見やすくお得感のある席です。

原作は手塚治虫さんの漫画で、ロシア侵攻直前のポーランドを舞台に、音楽院で音楽家を目指す若者たちの姿を描いた作品。
ヒロインのルイザは乃木坂46の生田さん。ロシアへの抵抗運動・レジスタンスに加わったために音楽院を退学となったヨーゼフに中河内雅貴さん。音楽院きっての天才、ショパン(フレデリック)を中村誠治郎さんが演じています。音楽院の同志(コーラスも担当)が後藤祐香さん(オルガ役)、平川めぐみさん(ニナ役)。声楽科の歌姫、コンスタンティアをフランク莉奈さん。ロシア軍将校・イワノフを石井一彰さん・・・といった顔ぶれ。

音楽院を舞台にしてはいるものの、ライバルという趣は薄くて、”同志”という印象が強い。
演奏側にフレデリック、声楽側にコンスタンティアという圧倒的な存在がいるせいか、トップには敵わない、ということを前提に「音楽を愛する者同士」の友情がメインに描かれていて。ただ、それは共通の敵である”ロシア”の存在があるからで。祖国ポーランドを愛するものとして、音楽を通した友情こそが、ロシアに侵略されつつある自分の気持ちをつなぎ止めておく絆なのだろうなと。

物語の中心として、無限のヒロイン感を醸し出すルイザ役の生田さん。17歳という若さも含めたこの魅力的な姿。とある理由により女性シーンよりも男装シーンの方が長いのですが、凛々しさも切なさも力強さも、なかなかここまで出せる方はいないんじゃないかと思います。ヨーゼフといい、フレデリックといい、イワノフといい、とにかく周囲の男性皆を惹きつけるのに、それでいて高く止まった感じがまるでない。むしろコンスタンティアがお高く止まってショパンもフった、みたいな描かれ方になってて莉奈ちゃんはちょっと気の毒だったかな。実際にご自身でピアノを弾かれているのも素晴らしかったです。

ルイザで一番良いなと思ったのは、「なぜヨーゼフを選んだか」の理由がはっきり伝わったこと。
自分の夢が破れそうになったその時、自らの危険を顧みずに自分を助けてくれたから、なんですよね。
自分は夢のために生きている、その夢をつなぎ止めてくれた彼への恩が、いつしか恋愛感情として惹かれていった様がとてもしっかりと表現されていて。男性から見ると、ヨーゼフ以外じゃない?とか思ってしまったりするのですが(爆)、フレデリックは恐ろしいぐらいに恋愛ベタだし、逆にイワノフはありえないぐらいストレートだし。
しかもイワノフに至っては国と国の敵みたいなポジションだし。

ルイザを巡るヨーゼフとイワノフのバトルは興味深かったですね。祖国のために音楽を捨てた同士なんですよね、恐らく。
その2人が、音楽は捨ててもルイザは捨てたくない、というか手に入れたい。
これはルイザが祖国を選ぶかどうかの選択肢。

そしてルイザを巡るフレデリックとヨーゼフの綱引き(表面上は存在しない)は、ルイザが音楽を選ぶか、祖国を選ぶかの選択肢。
フレデリックはパリに来てくれとルイザに言い、最後までルイザは首を縦に振らない。

ロシアからの圧力という中で、夢と現実との間で苦しまざるを得ない若者たち。コンスタンティアはいち早く祖国を離れ、「いいところのお嬢様はいいよな」と言われる。ショパンはポーランドを脱出し、パリに移り、その後にポーランド陥落を知る。その時の慟哭は痛いほど伝わってきて。

ぎりぎりの決断を迫られたときに、人が取れる選択肢というのは限られていて、それに対して他人がどうこう言えることは限られている・・・その冷徹な事実を突きつけてはいるけれども、でもきっとそれだけじゃないんじゃないかって。

祖国を離れたコンスタンティアが見せたその後の表情は、まさに空虚で、ある意味「祖国を捨てた」ことを十字架として自分が背負っていかなければならないことを、自覚できないほどに若かったのかなと思えて。

ショパンは「革命のエチュード」を作曲する・・・それはポーランドに残してきた仲間の気持ちへのレクイエムだったのだろうし、自分が出来るせめてもの思いだったのだろうと思うと、それぞれの人の生き様が、綺麗事を飛び出して出てくるこの作品は、本当に心に強く勇気をもらえる作品でした。

”良い作品”というものの定義というのは一言では表現しにくいですが、体感的に言って「長さを感じない」作品はそれだけお客さんを惹きつけられているということだと思うし、役としての存在感に疑問を抱かせない、違和感を感じさせないということはそれだけ役として作品の中で生きられていることだと思うし。

時代のうねり、感情のわくわく感、どきどき感がまっすぐ感じられて、良い意味で”若い”作品を観られたことにすごく充実感がありました。

惜しむらくは、ただただ、なぜ4日間しかなかったのかという思い・・・
途中から「チケットが取りにくい」という話が多く出てきて、販路を狭めてしまったような感があったのが勿体なかったので、ぜひ次回はもう少し長い期間でまた拝見したいです。

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『スクリーン・ミュージックの宴』(2)

2014.10.3(Fri.) 18:30~20:30
よみうりホール 1階B列1桁番台(下手側)

シリーズ5回目のこの日。
見始めたのは新妻さんが出始めた3回目からなので、この日が3回目ということになります。
以前は2回ともめぐろパーシモンホールだったので、よみうりホールなのは近さという意味でありがたいです。

よみうりホールは「新妻聖子ライブ/アンコール公演」以来7ヶ月ぶり。
5月に事務所を移籍した新妻さんですが、この日は前事務所のオーチャードが仕切っていて、終演後、T代社長がCD宣伝のボードを掲げていたり、なかなか興味深い光景が見られたりしました。(元FC担当のY崎さんもCDの売り子さんでいらっしゃったそうです。前日にCD購入済みだったのでご挨拶できず残念(苦笑))

5回目記念ということで、今まで演奏された曲(92曲)の中からベスト10をアンケートで選ぶ(4回目の終演後にアンケートを取っていました)それを中心にセレクトされた曲の数々。途中休憩はなく、一気に突っ走る構成です。

<セットリスト>

1.ベン・ハー/ベン・ハー(インスト)★8位
2.太陽がいっぱい/太陽がいっぱい(インスト)★8位
3.My Heart Will Go On/タイタニック(アマリア)★8位
4.Tonight/ウェストサイド物語(別所・アマリア)★7位
5.スタンド・バイ・ミー/スタンド・バイ・ミー(つのだ)★6位
6.ひまわり/ひまわり(インスト)★4位
7.ムーンライト・セレナーデ/グレン・ミラー物語(インスト)★4位
8.ロシアより愛をこめて/007 危機一髪(別所)
9.ローズ/ローズ(新妻)
10.ムーン・リバー/ティファニーで朝食を(新妻)
11.エデンの東/エデンの東(インスト)
12.サウンド・オブ・ミュージック
  /サブンド・オブ・ミュージック(アマリア)
13.雨にぬれても/明日に向かって撃て!(別所)
14.夢やぶれて/レ・ミゼラブル(新妻)
15.ハロー・ドーリー!/ハロー・ドーリー!(つのだ・アマリア)
16.ゴッドファーザー/愛のテーマ/ゴッドファーザー(インスト)★3位
17.タラのテーマ/風と共に去りぬ(インスト)★2位
18.The Phantom Of The Opera/オペラ座の怪人(別所・新妻)★1位

Encore
19.アラビアのロレンス/アラビアのロレンス(インスト)
20.踊り明かそう/マイ・フェア・レディ(全員)

今回のメンバーは第1回・第2回メンバーだそうな、つのだ☆ひろさんとアマリア・ネクラエシェさんと、第3回・第4回メンバーの別所哲也さんと新妻聖子さん。

いままで拝見した2回は、女性パートは全部新妻さんの担当だったので、それに比べると聖子分不足といいますか(爆)、前半は特にアマリアさんパートが多かったので、いつ出てくるのか心配になります。

振り返ってみると、ファンテーヌ以外はすべて、10月1日リリースのCDに入っている曲。逆に選曲ありきだったのだとは思いますけれど。
「ローズ」は先日の別所さんラジオに出ていたときに聖子さん自身がおっしゃっていたことが印象的で。
「自分はセリーヌ(・ディオン)のように張り上げる系の曲しか聞いていなかったけれど、(友人が歌ったこの)曲を聞いて、こんな訥々とした歌い方なのに、なんて色々なことが伝わってくるんだろう」という言葉の通り、この日の歌も、静かさだけでない、確かに伝わる歌でした。

「夢やぶれて」は本当に久しぶりのファンテーヌで、しかも英語。聖子さんにとってのファンテーヌ、聖子さんにとってのレミゼを考えると、この曲の歌詞が何だか色々なこととシンクロしてくるようでじんわり。

しかし何といってもこの日の白眉は映画音楽アンケート1位、『オペラ座の怪人』から『Phantom Of The Opera』。

この曲は4ndのラストで歌われた曲で、増田さん曰く「4ndの終わった直後にアンケート取ったからインパクトがあったのかと思いますけど、普通だとこの曲が『映画音楽アンケート』で1位になることはないでしょうから」というコメントが付くおまけ付き。言葉通り捉えて良いんですよね?(爆)。

ちなみにこの曲、獲得票数は2位にダブルスコアの1位(65票)。
1位の名に恥じない、予想通りのどこまでも突き抜ける聖子クリスティーヌ。
いやまぁこれ聞いちゃうと、クリスティーヌな妹ちゃん、分が悪いよなぁ・・・

この曲に限らず、
なぜだか最近の聖子さんは可愛らしいモード発動中
NHKホールでもピンクの妖精でいらっしゃいましたが、この日もピンク・黄色・緑色いずれもチャーミング。

この曲は緑色のドレスでしたが、この曲終わった後に呼び込まれた時に持って出たCD、何か隠しておきたかったらしく、隠す場所がなくて困った様がチャーミングでした(爆)。いきなり「クランク・イン」の中の曲を別所さんが歌い出したもんで、「いきなり歌い出されても・・・袖で言ってくれないと」とプチクレーム(爆)。

最後までネタに事欠かない聖子さん、さすがです。

今回が5周年で一旦到達点を予定していたこの企画、前日の昭島で急遽会議が開かれ、6thも開催されることが決まったそうです。場所日程は未定なれど、来年秋予定だそうです。

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『アルジャーノンに花束を』

2014.9.27(Sat.) 13:00~15:55
天王洲銀河劇場 3階B列30番台(上手側)

再演が発表されて以来、ずっと気になっていたこの作品。
ぼんやりしているうちに、あっという間にチケットがなくなり、行ける日程も限られてきて。

今回は8年ぶりの再演で、今回の客入りからしてそれなりの時期にすぐ再演するとは推定できたけれど、やはり今見ておきたくて、苦手な当日券の列に並ぶことにします。
当日券って、見る気で並んでNGだった場合、それがラストチャンスだと辛いので苦手なのですが、この日はそうも言っていられません。翌日は楽ですし、そもそも自分は別の観劇予定が入っていました(キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』)し。

当日券は開演70分前で枚数を超える人数が並んでいる場合、その時点で並んでいる方から抽選で、と書いてあった割になぜか先着で、(1)3階見切れ席、(2)3階立ち見席、(3)キャンセル待ち(但し保証なし)の3択を選ぶ方式。なんとか(1)3階見切れ席の最後の一席を確保できたときにはほっとしました。

・・・

見終わってつくづく思うのは、『評判』が良い作品には、さすがにそれだけの凄さがあるということ。

よく劇場でお会いする方に「今日はどなたがお目当てですか?」と聞かれて「今日は作品なんです。あえて言えば浦井さんですが」と答えて驚かれましたが(苦笑)。
あ、でも見終わったら桜乃彩音さん印象的でした(←娘役好き属性w)・・・もとい。

「幼いチャーリー」「鋭いチャーリー」の2役のようでもあった今回の浦井さん。

それで思うのは今年1月に東京芸術劇場でやっていた『シャーロックホームズ』。
この時は浦井さんは2役で、兄と弟、そして片方は温厚、片方は激しい性格で、今回の役構成ともリンクする気がします。

というのも、浦井さんには性格的に2つの側面があるように思えていて。

一つには、よくStarSで見せる、オープンな面。無邪気で明るくて、疑うことすらしていないように見せる天真爛漫さ。女優さんに「なんで浦井くんはあんなに素直に女優さんを褒めるんでしょう」と、驚きを持って受け入れられる面。

もう一つには、シャーロックの時の弟、そして今回の「鋭いチャーリー」に見られる、信じることを絶対にしない、他人を拒絶する居住まい。

周囲の誰をも笑顔にする天真爛漫な少年が、「かしこくなりたい」と思ったことで動き始める止められない歯車。
素直ゆえに傷つき、純粋ゆえに孤立する。

本当の「かしこさ」は、ただ知識を身につけることで身につくものではなくて、心が伴っていなければ本当のかしこさとは呼べないと気づいた時、チャーリーは本当の意味で「かしこくなる」ことを知ったのかなと。

治療チームの主任の教授(良知くんが演じています)が絵に描いたような上昇志向な人で、そりゃもう見ていていちいち引っ掛かるわけですが、印象的だったのは治療チームの恐らくナンバー2の博士を演じている宮川さん。

宮川さんの複数役のうち一つ役がチャーリーの父親。チャーリーは知能障害ゆえに家族からも距離を置かれ、時が経った後に会いに行った時も、父親は彼がチャーリーであったことに気づきもしなかった。のに対して、博士としては教授に対して、「チャーーリーの意思を尊重すべき」「学会発表は待つべき」と、チャーリーに対する理解者であるかのように行動している。そのコントラストが印象的でした。

実際のところ原作を読んで見れば、博士は自らの研究の発表のタイミングのためにチャーリーを理由として用いているだけではあるので、とりたてて教授と博士がそこまで崇高さに差があるわけではないのですが、こと舞台版を見た限りでは、「チャーリーの理解者」としての博士、「チャーリーの疎外者」としての父親という、両極端さが印象に残りました。

ただ、父親としては「息子のために知らない振りをしている」ようにも見えて、今さら自分が父親を名乗るわけにはいかない、それはしてはならないと、ただお金に執着している”ふり”をしているようにも見えて。その本心はわからなかったけれども、でも、だからこそ妹が過去を詫びてチャーリーと向かい合ってくれたのは本当に嬉しかったな。

いや、チャーリーにとっては詫びてもらったところでどうということはないだろうし、というか詫びてもらいたいわけではないだろうし、でも、ピュアであり続けた彼にとって「自分を自分として受け入れてくれる家族」が、たった1人だけでもいたことは救いだったと思う。

チャーリーにとってすべては「自分を自分として、人間として受け入れてくれる」ための行為だったわけだったのに、実験道具としての「部品」として扱われていく様が物悲しくて、抗えない彼が不憫で。
急激に駆け上がった知能の向上は彼の大切な”笑顔”を奪い去って、周囲から本当の友人をどんどん遠ざけていった。
信頼する先生であり時に恋人だったアリス(キニアン)も遠ざけざるを得ない姿は切なくて。

浦井君のチャーリーがなぜここまで心を打つかといえば、表面的ににこやかな彼も、表面的に激した彼も、すべてはピュアでできているからかなと。傷つくことさえすべて受け入れるかに思える彼だからこその、清々しさだったのかなと思えたのでした。

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『ミュージカル・ミーツ・シンフォニー』

2014.10.1(Wed.) 19:00~21:05
Bunkamuraオーチャードホール 1階R6列20番台(上手側)

略称「MMS」、半年振りの開催です。
オーチャードで見るのは初めて。

今回のメンバーは男性陣が石丸幹二さん、山崎育三郎さん。
女性陣が濱田めぐみさん、笹本玲奈さん。
海外ゲストはジョン-オーウェン=ジョーンズさん(以下、JOJと略させていただきます)の5名。

今日も終演しましたので、セットリスト載せても大丈夫ですね。

会場で販売されているプログラム(2,000円)の写真がとんでもなく素晴らしくて絶句。
日本人キャスト4人それぞれに「思い出に残った作品4つ」を挙げてもらい、その役の写真が載っていますが、その写真のセレクトがさすがプロ。
玲奈ちゃんは『ミス・サイゴン』(キム)、『ジャンヌ』(ジャンヌ・ダルク)、『ラブ・ネバー・ダイ』(メグ・ジリー)、『レ・ミゼラブル』(エポニーヌ)の4枚。

・・・

セットリストです。

第1部

1.オーバーチュア Waterloo/マンマ・ミーア!
2.ダンシング・クイーン/マンマミーア!(山崎・濱田・笹本)
3.Love Changes Everything/アスペクツ・オブ・ラブ(JOJ)
4.君の歌をもう一度/ラブ・ネバー・ダイ(石丸)
5.Come What May/ムーラン・ルージュ(笹本・JOJ)
6.イカレた帽子屋/アリス・イン・ワンダーランド(濱田)
7.Why God Why/ミス・サイゴン(山崎)
8.命をあげよう/ミス・サイゴン(笹本)
9.Anthem/チェス・ザ・ミュージカル(JOJ)
10.時が来た/ジキル&ハイド(石丸)
11.ブロードウェイの子守唄/42nd Street(石丸・濱田・山崎・笹本)

第2部
12.オーバーチュア オペラ座の怪人/オペラ座の怪人
13.Music of the Night/オペラ座の怪人(JOJ)
14.All I Ask of You/オペラ座の怪人(笹本・石丸)
15.A Whole New World/アラジン(山崎・濱田)
16.Let It Go/アナと雪の女王(笹本)
17.僕は怖い/ロミオ&ジュリエット(山崎)
18.Defying Gravity/ウィキッド(濱田)
19.Stars/レ・ミゼラブル(石丸)
20.Bring Him Home/レ・ミゼラブル(JOJ)
21.One Day More/レ・ミゼラブル(山崎・濱田・JOJ・石丸・笹本)


第1部は何といってもM3のJOJさんの「Love Changes Everything」が素晴らしかった!
今回初来日。何でしょう、この無限の説得力。英語詞が全部はわからなくても明らかに気持ちが伝わる歌声。
万雷の拍手が起きていたのにも納得です。

の後のM4、石丸さんの「君の歌をもう一度」はそのJOJさんの後で空気が難しかったはずなのに、さすがは石丸さん。
進行役の最後の砦として、そして大人の男性として、今回の石丸さんの立ち位置はとてもありがたかったです。

表面上カンペはないとはいえ、舞台上にあるモニターを棒読みしたいっくんに「読みましたね?」と突っ込む玲奈ちゃんがいたかと思えば、玲奈ちゃんは玲奈ちゃんで「石丸さんは年々素敵になられて」を噛みながら照れながら言うもんだから、笑いが起きる(爆)

そういえば、こんなくだりも。

 石丸さん「(JOJさんに)玲奈とはどうでした?」
 JOJさん「素晴らしい!(Briliant)。
   可愛いので家に持って帰りたい
 玲奈ちゃん「(照れまくり)」
 JOJさん「でも残念ながら私には妻がいます。彼女を泣かせるわけにはいかない

・・・さすがはジェントルマン。上手くまとめてくださいました。

そういえばJOJさん、玲奈ちゃんとのデュエット(M5)で玲奈ちゃんの手のひらにキスしてましたが、対抗心か、石丸さんも玲奈ちゃんのデュエット(M14)で手のひらにキスしてました(爆)。

サイゴンのM7はいっくん2日連続のWHW。なんだかいっくんお疲れ?前日に続いてちょっと切れが薄い気がしました。
でもM17は本領発揮。さすがロミオは演じやすそうで実は初見だったのですが、聞けてよかったです。

サイゴンのM8、キムソロは前日に聖子さん、この日が玲奈ちゃん。
myキムベスト2の2人を立て続けに聞く贅沢を堪能。
久しぶりに聖子キムを聞いた後に玲奈キムを聞くと、やっぱりこの2人が揃うと玲奈キムの個性がはっきり見えるんだぁと。
2人のキムを繰り返して見ていたのが、自分にとってのサイゴンだったんだなぁと改めて痛感。

オーチャードといえばクラシックホールの音響で有名ですが、それ故にミュージカル音楽だとオケと歌がずれることが多く。
それに曲によっては演奏が上から被さりすぎて融合しない曲もあって。
めぐさんの第1部決め曲の帽子屋さんが、思ったより曲が強くてびっくり。
前方席だったからというのもあるのかも。

第2部、M13のJOJさんファントムに酔いしれた後は、M14・M15のデュエット2曲ですが、実は完全に逆の予想をしていました。

れりごーが玲奈ちゃんなのは実は本人のコメント欄を見て知ってしまって、そうなると逆算するとめぐさんがアラジン、玲奈ちゃんがオペラ座。
そうなるとめぐさんには石丸さん、玲奈ちゃんにはいっくんが来ると思ったのに・・・
で、その逆イメージがとっても良かった!これは構成の寺崎さんGJ。
あえてひっくり返したから見えた世界がとっても新鮮で、どちらも女性の素敵さが表に出たペアでした。

M16はまさかの玲奈ちゃんのれりごー。最初曲目見たときには、めぐさんだろうなと思ったのですが(イディナ・メンゼルの曲だし)、よく見ると次がDG。そうなれば必然的に玲奈ちゃんがれりごーになる。
ちなみに玲奈ちゃん、「甥っ子さんに聞かせたい」という理由でれりごー即決だったそうです(なるほど納得)。

この曲の大変さも玲奈ちゃんがどのぐらい歌えるかも知ってるこちらからしてみれば、「がんばれー」と手に汗握る事態。でも松さんも2004キムなわけだし、歌い切ってはくれるとは信じていられたけれど。
ここまでいけば次はこう来るかな、ここはきつい高音だからこう来るかな、といった歌い方を、想像しながら聞くのはとても新鮮で。

で、この曲に永遠について回る松さん・MayJさん話って、松さんタイプの「ぎりぎり感」とMayJさんタイプの「余裕感」の違いと思うわけで、それからすると玲奈ちゃんは明らかに松さん系。

間違いなく歌える人よりも、歌えるかどうかの人が何とか歌いきることにこの曲のカタルシスはあるような気がしていて・・・だからこの日玲奈ちゃんの歌声でこの曲を聞けたのはとっても良かったです。

・・・聖子さん、なるべく松さん系でお願いします(ぼそっ)

そしてそしてM18のめぐさんのDGはまさかの日本語歌詞なことにびっくり。オリジナルなエルファバなめぐさんを聞くのは念願だったので、この辺、玲奈ちゃんもいっくんもめぐさんも怒濤の勢いです。

その上ジャベールな石丸さんの安定感もさすがの一言で、そこから流れるはJOJさんの「Bring Him Home」。
もはや構成が鬼過ぎて皆さんが素晴らしすぎて何が何やらもう意味不明。

でも真打ちはその次に残っていて、ラスト来ました「One Day More」!。

日本版をもう何十回も見ているけれども、やはり本場の英語なバルジャン(なJOJさん)をセンター(アンジョ兼任)、横にジャベールな石丸さん、そして玲奈ちゃんエポニーヌ・いっくんマリウスと本役で固めて、女性キャスト残りのコゼットとテナ妻をめぐさんが担当という、「わーわーわーわー」みたいな顔ぶれ。

もう理屈とか関係なくて、あの素晴らしさとあの凄さとあの圧力とあの勢いと・・・
日本語に訳されたミュージカルが観劇歴という自分にとっても、「本場って違うんだな」と思えただけで行った意味があったなと。
正直言ってしまえば、玲奈ちゃんは英語が得手というわけではないし、玲奈ちゃんは日本語で歌ってこその歌声の魅力だと思うけれど、でもこの「One Day More」の素晴らしさは、技巧とかいった部分を越えた、魂に触れたような部分で。でもそこにはエポニーヌ10年の歴史だからこそのものも確かにあって。
心に深く残った、とても素晴らしいエンディングだったのでした。

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『岩谷時子メモリアルコンサート』

2014.9.30(Tue.) 18:30~21:30
NHKホール1階R6列1桁番台(上手側)

作詞家・岩谷時子先生のメモリアルコンサート。
出身の宝塚からOGの皆さま、そしてミュージカル界からも何名か。
第1部は岩谷先生と無二の親友、越路吹雪さんをトリビュートした構成。
第2部は映画・テレビ・舞台から岩谷先生の作品をピックアップしての構成。

セットリストです。(敬称略)

<第1部>
1.オーシャンゼリゼ(全員)
2.サン・トワ・マミー(安蘭)
3.ろくでなし(瀬奈)
4.セ・シ・ボン(真琴)
5.恋心(杜)
6.夢の中に君がいる(姿月)
7.そして今は(LE VELVETS)
8.夜霧のしのび逢い(LE VELVETS)
9.シャル・ウィ・ダンス(中川)
10.ラストダンスは私に(新妻)
11.魅惑の宵(山崎)
12.ある愛の詩(今井)
13.愛の賛歌(杜・真琴・姿月・安蘭・瀬奈)

<第2部>
14.夜明けのうた(全員)
15.恋のバカンス(姿月・安蘭)
16.ウナ・セラ・ディ東京(真琴・瀬奈)
17.逢いたくて逢いたくて(新妻)
18.君をのせて(中川)
19.ベッドで煙草をすわないで(山崎)
20.いいじゃないの幸せならば(杜)

21.運命よ、今夜は女神らしく
 /ガイズ&ドールズ(姿月・LE VELVETS)
22.Tonight
 /ウェストサイド物語(新妻・山崎)
23.Superstar
 /ジーザス・クライスト=スーパースター(中川)

24.アメリカン・ドリーム
 /ミス・サイゴン(今井・LE VELVETS)
25.神よ何故
 /ミス・サイゴン(山崎)
26.世界が終わる夜のように
 /ミス・サイゴン(瀬奈・中川)
27.命をあげよう
 /ミス・サイゴン(新妻)

28.街灯に寄りかかって
 /ミー&マイガール(安蘭)
29.So In Love
 /キス・ミー・ケイト(真琴)

30.On My Own
 /レ・ミゼラブル(新妻)
31.彼を帰して
 /レ・ミゼラブル(今井)
32.夢やぶれて
 /レ・ミゼラブル(杜)
33.民衆の歌
 /レ・ミゼラブル(全員)

第1部の越路吹雪さんトリビュートで印象に残るのはやはり第1部ラストを飾った「愛の賛歌」。宝塚OGの皆さんずらりの迫力はさすがでした。インパクトで言うとあっきーの「シャル・ウィ・ダンス」は中々すごい選曲で度肝を抜かれました。結構サマになっていたのは意外でしたが、客席の一部、ミュージカルファン方面からのとっても心配そうな空気が伝わる(爆)。

「ラストダンスは私に」は本役の瀬奈さんではなく、意外なことに聖子さんが担当。ピンクのドレスがなんだか一人アイドルみたいに見えるという(爆)。こんなに女の子女の子してるイメージではいつもはないのですが、似た曲を歌うと、やはり聖子さんは小さいんだなぁということを改めて実感。以前もその印象があったけど、NHKホールって高音届かないんだなーと思ったのが第1部の感想。

第2部の前半は舞台以外の曲をまとめて。即席コンビ「ピーナッツ」な「恋のバカンス」が雰囲気ぴったりでとても良かった。「逢いたくて逢いたくて」は、完全に聖子さんのキャラではないと思うけれど(爆)、この日の聖子さんのポジションはここということで。司会の高畑さんに「可愛い」言われて困惑する聖子さん(笑)。

ミュージカル部分はすごい勢いで参ります。
まさか来ると思っていなかったガイズから、姿月さんのスカイ。いやぁ、スカイは宝塚OGの方がいいですねやっぱり。身のこなしが洗練されてて、映える映える。バックがダンサーならもっと映えたでしょうけれど。

で、聖子さんのデュエットはこの曲で来ました「Tonight」。いっくんとのペアでデュエット。この曲で聖子さんを生で聞くのは2度目。2012年の「スクリーンミュージックの宴 Part3」で別所さんとのデュエットで見てます。映像ではNHKBSの映画音楽特集で井上君とデュエットしたことがあります。いやぁ、第1部の大人しげなイメージを良い意味で裏切る本領発揮振り。一番調子良いときはもう一段上で声出していた気がしますが、そりゃこんなマリアを前にしたらいっくんトニーも飛翔しますわな状態(笑)。素敵でした。

と思って余韻に浸っていたら、まさかのあっきーJCS。正しい意味でジーザス(笑)。
ご本人も曲の後のMCで「まさかこの曲歌えるとは」と言っていましたが、元はコーラス含め4人の曲を、1人で全部やってしまうという相変わらずの飛び抜け振り。司会の高畑さんから「あなたは神!」という言葉を贈られ、満場の拍手を浴びておりました。あっきーさすがです。

そしてサイゴンコーナーに突入するわけですが、今井さん+LE VELVETSと来たら普通は「ブイドイ」としか思いませんって。

まさかまさかの「アメリカン・ドリーム」です(驚)。ご本人も「キャラが自分と違いすぎて、これ振ろうと思ったプロデューサーはすごい」って仰っていましたが、思った以上にありでした。元々踊れるのは分かっているし、声も張っているし、見栄えもする。一点気になるとすれば、やっぱり今井さんはキャラが”いい人”なので、ぎらぎらはしていないんですよね。だから確かにキャラとは違うんですが、面白い展開だなと。バックがダンサーなら(以下自粛)。

LE VELVETSの皆さまは日野さんを拝見したことがある(赤坂ACT「ファントム」の伯爵役)以外は初めて。知り合いに聞いたのですが、「身長180cm以上で声楽卒」という条件のオーディションで選ばれた5人なんだそうです。なるほど。

1日限りの復活いっくんクリスの「神よ何故」。いやぁ、またやってくださいよいっくん。
大人のクリス、素敵すぎます。

事前に「神よ何故」「世界が終わる夜のように」「命をあげよう」が並ぶというのは分かっていたので、本役で続けるといっくん、聖子ちゃんともに2曲連続になるのは分かっていたとはいえ、実際にこうなるとやっぱりちょっと切なかったり。何はともあれ、こちらも1日限り復活の聖子キムの「命をあげよう」は、やっぱりいつ聞いても心を持って行かれます。終わった後、暗転の中、聖子ちゃんが涙を拭っているのが分かって涙。

ミーマイは宝塚版歌詞・タイトルですが華麗に踊る安蘭さんが素敵。そっか、こういうタイトルでしたか。

レミからは聖子エポの「オン・マイ・オウン」。キムも素敵だったけど、エポが思った以上に凄く良くて。
良い意味で抑えた歌い方というか、やっぱり岩谷先生のコンサートということもあるのかなと。
最後のご挨拶で仰っていましたが、自分の舞台スタートがレミだったこともあって、初心を思い出しながらといった感じで、突っ走ろうとする気持ちをより抑えていたように感じて。
レミとサイゴンは、ご自身のコンサートでも歌われていますが、それでも岩谷先生のコンサートで歌うことに、意味があるのだろうなと感じて。

「彼を帰して」の今井バルジャンの凄さは言うまでもなく、「夢やぶれて」の後は全員での「民衆の歌」ですごすぎる迫力。
これ以上ないエンディングで、思った以上に楽しめたコンサートでした。

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