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『I LOVE YOU, YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE』(1)

2014.10.11(Sat.) 13:00~15:15
日暮里d-倉庫 C列1桁番台(下手側)

「太古の昔から、男と女は~」というキャストナレーションで始まるこの作品。
お堅目の作品なのかと思いきや、当然そんなことはほとんどなく、始まって1分してしまえば、「男と女のシチュエーションあるある物語」のオムニバス作品。

オフブロードウェイの人気作で、タイトルの長さに略称をどうするかで喧々諤々議論噴出した結果、当初はリードしていた「アイラブ」を、大外からの差しで逆転した「なうちぇんじ」(なぜかひらがなが似合う)に取って代わられ、すっかり「なうちぇんじ」で定着しました。

そんな作品、今回は2チーム制でシャッフルなし。そのため、安心してチーム毎の作風を見られます。この日は本命のクローバーチーム。綿引さやかさんがせくしー担当のチーム。

男性陣の麻田キョウヤさんは『Ordinary Days』以来、染谷洸太さんは『ミス・サイゴン』以来。荒田至法さんだけお初ですが、この方は今月から新妻さんの前事務所(有限会社オーチャード)所属となった方ですね。

女性陣は田宮華苗さんはお芝居では『ひめゆり』以来ですが、岡村さやかさんのLive『スキップス』でお見かけしたので全然お久しぶり感なく。大胡愛恵さんのみお初です。

カップル構成は基本パターンは想像のとおりで、大人チームがキョウヤさんと田宮さん。中堅チームが染谷さんと綿引さん。若手チームが荒田さんと大胡さんですが、場面によって一部変わる場面があり、その変化も面白いです。

そもそも1幕のデートの組み合わせからして手前側がキョウヤさん&びびちゃん、奥が染谷さん&大胡さんでしたので。
いやぁ、キョウヤさんのゴルフトークはあてがきなんでしょうか(爆)、話聞かされるびびちゃんの嫌がった顔が最強に面白かったですが、これは全然序の口だったことを後で知る(笑)

NGワードとか○○コードとかそういうものが一切ないので、特にびびちゃんはNGワードがもうなくなっちゃったでしょ?みたいな突っ走り方。

昼間に公園で稽古やってたら、いかめしい制服の方が眉を潜めながら近づいてくるレベル(笑)。

夜の自主練してたら通報されていかめしい制服の方が部屋をノックするレベル(笑)。

でありながら、全体的に出演者がサバサバしているので、てらいなく笑い飛ばせる。登場人物の突き抜けたさまを、自分と重ねて面白がるような空気が客席を含めてあって、だから他の回とどう違うかはわからないけど、確かにこの回は笑いもすごく起きてたしすごく楽しかった。

客席と舞台上で垣根を作っていない感じで、「一緒にあるある話を楽しもうよ」的な空気になってて。

出演者も緊張している感じが全然ない。最若手の荒田くん(元Jr.だそうですね)はさすがに居住まいが違うんだなと思いましたが、予想以上に良かったのが初見の大胡さん。どことなく平田愛咲ちゃんにポジションが似ている気もしますが、エネルギッシュな感じにとても好感。青いドレスもとてもお似合いでした。

田宮さんは田宮さんだった(笑)
なんと言うか、あの方は面白さを出せる瞬間をいまやいまやと待ち続けるタイプの人だから(笑)、笑いの爆発力が半端ない。
もうずるいレベル(笑)

「自分の役は一人ぼっちだから」ってご本人がパンフレットに書いていますが、ほぼ唯一のペアシーンである、キョウヤさん父親・田宮さん母親で、荒田くんが息子、大胡さんが息子の恋人のシーン。両親は2人は結婚すると思っているんだけど、実は2人はあることを決めていて・・・のときの田宮さん母親の容赦のなさが無敵すぎて。息子に「穀潰し」、息子の恋人に「行き遅れ」といっているのが(笑)。この作品全般的に、「いざとなると女性の本音の方が濃い」のですが、その究極がこれでした(爆)。

キョウヤさんはなんと言っても○○所でのゲスト(笑)。あの存在感はすごすぎる。びびちゃんはがくがくぶるぶるしているけど、キョウヤさんはポジション的にはむちゃくちゃ怖い人なのに、どことなくおかしみがあるところが面白い。
そういえばここで客席の拍手をキョウヤさんの先導でぶった切るシーンになって、一拍で終わるはずが、なぜだか客席で1人だけ三拍続けた女性がいらして、キョウヤさんが睨んでましたが、いや、あれは美味しいでしょ(笑)。

染谷くんも大活躍ですが、ヒットは赤ジャケットの弁護士。シチュエーション的にありえない組み合わせだけに面白いわけですが、あれがキョウヤさんだとまた違ったおかしさになるし、染谷くんであのシーン大正解だと思う。しかもそこにつれてくる法律家がお堅いパターンの田宮さんとくれば、笑わずにはいられない。

びびちゃんの登場シーンは何気にご自身が、ほぼほぼネタバレされていたわけですが、それでも1シーンだけ公開されていなかったシーンの破壊力がすご過ぎて度肝を抜かれる(笑)。というか・・・なんであんなに普通にフィットする(笑)

全般的に衣装は黒と赤がメインで、このときの赤ヒールを染谷くんが履かせるところの女王様ぶりが、何というか嵌りすぎててあっけにとられる(笑)。染谷くんとのバランスもちょうどいいんですよね。

「生活に疲れた夫婦」って感じは感じなかったのですが、子育てに追われて落ち着く間もなくて、というところは表現されていましたね。それにしても、このシーンは特にびびちゃん頑張っていました(爆)

たださすがに、このシーンだけは、いつも安定しているびびちゃんの歌唱がかなりいっぱいいっぱいでちょっとびっくり。
歌も含めてクールになると、もっと面白くなりそうな気がします。と、鬼のように煽る(爆)

・・・

とにかくひたすら笑っていた記憶しかないのですが、その「笑い」って厭な笑いじゃないんですよ。それが何より素敵。
哂うとかじゃなくて、「そういうことあるよね」という共感にたった「笑い」だから、役者さんの演じるさまは客席の気持ちも含めたさまであって。「男性にとって女性に対する緊張」が存在するさまとか、「女性にとって男性に対する緊張」の存在とか、それそのものが「みっともなくても愛らしい」みたいなものがあるからなんじゃないかと思います。

どこぞの人生相談で「付き合っているとみっともないところばかり見せているんじゃないかと心配です」という質問者に「恋愛はそもそもみっともないもの」って答えていた方がいらっしゃいましたが、「至らないところも含めていとおしい」という相手が現れたときに、「自分も変わるし、相手も変える」、それが「なうちぇんじ」なのかなと思えて、なんだかとっても清清しく拝見しました(by恋愛経験極小の人の感想)

あとはラストシーン直前の、お葬式での老年カップル(染谷くん&びびちゃん)のシーンがすごく大好き。
派手さは全然ないし、お互い連れを既になくしているし、お墓は連れのお墓に入ることは決めている。
でも、あの2人の中に「感情」というものが多分久しぶりに生まれたんじゃないかなと思うと、なんだかそういうところに「幸せ」があるんじゃないかなと思えて。

「生きる」と「生き生きと生きる」には大きな壁があって、前者を後者にするのは、きっと「気持ち」や「行動」によるものなのだろうなと思えたのでした。

・・・

素敵な公演で大満足でしたが、一つだけ希望を言うなら、パンフレットにシチュエーションパートのあらすじは欲しかったです。楽しくて笑ったことは印象に残っているのですが、シーンを全部思い出せないのが悔しい・・・

さすがの村井さんの演奏も堪能しました。ヴァイオリンの方との超接近演奏も大変そうでしたが、素敵な演奏に酔いしれました。良かったです。

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