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『赤毛のアン』

2014.8.28(Thu.) 13:30~15:55
名古屋市・日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)
フォレストホール・26列20番台(センターブロック)

エステーさんがスポンサードされている「2万人の鼓動 ミュージカル赤毛のアン」。
存在は前から知っていましたが、一般発売は行われず、すべて抽選での無料招待制のこの作品。今年が12回目のツアーです。

今回、東京公演で応募したものの選に漏れ、見ることは叶わないと諦めていたのですが、日程をじっくり見ると最終日の名古屋が上手いこと夏休みの軸に出来そうで、26日の夜行で名古屋入り、27日に島遊びを楽しんだ後、28日の名古屋の締めにこの作品を入れました。

今回見ることにした理由は、主人公アンの親友役のダイアナ役を綿引さやかさんが演じられているからでして。ちなみに、ダイアナ役は2年前は今回のアン役である高橋愛さん(その時のアンは神田沙也加さん)、去年のダイアナ役は河野由佳さんが務めていました(つまり、去年も気になってはいました)。アンは神田さんの前は5年間、島谷ひとみさんが演じられていました。

「赤毛のアン」をテーマにしたミュージカルといえば、高橋由美子さんがアンを演じられた「新アンの愛情」を拝見したことがありますが、何と21年前(1993年)。なのでその時と印象が被ることはなく。というかそもそも描かれている時期も違いますし、同一登場人物とはいえ原作が違う(シリーズ物)なので。

「新アンの愛情」の場合はアンが自立しようと大学に通い始めたときからを描いていて、今回の「赤毛のアン」でも一方的に好意を寄せられるギルバートともう一人の男性との関係で、「恋にだけは奥手な女の子」ってイメージがアンにはあって。
今回の「赤毛のアン」はそれより前の時期、孤児院から出て農場で働くようになる時期ですから、「すべてに大して怖がっている女の子」ではあるわけですね。

孤児院から出て農場へ、というと『ダディ・ロング・レッグス』のジルーシャ嬢ともイメージが被ります。ジルーシャの方がちょっと大人ですね。

で。アンは受け入れ先の農場が(働き手として)男の子を求めていた、という初っぱなからつまずいて落ち込みますが、持ち前の前向きさで乗り越えようとします。

高橋愛ちゃんは『ウェディング・シンガー』以来で、拝見するのは2作目ですが、この作品のアンに関しては、「前向きだけど落ち込みやさん」ということを上手いこと見せてくれます。ご本人もインタビューで触れていますが、意外にネガティブ思考に囚われがちなタイプに見えます。かつてはグループのリーダーも務めあげていた方ですから、ついつい最悪の事態を想定する、みたいなところを感じさせるところがあります。

ゆえに、愛ちゃんのアンには、こういうダイアナがいてくれなくちゃな綿引さやかさん。アンだけじゃどうしようもないところに存在してくれる綿引さんのダイアナ。もうびっくりするぐらい親友属性ど真ん中。そしてポジティブ中のポジティブ。

しっかり者でお姉さん属性(そりゃミニー・メイのお姉さんですが)。誰とでも打ち解けるけど、見たところダイアナにとってもアンは初めての親友なんですよね。アンとダイアナの親友関係はこの物語の太い軸なので、「アンもダイアナを大事に思っていて、ダイアナもアンを大事に思っている」というのがきちんと見えたのが何より嬉しかったです。

アンの家にお呼ばれして、ダイアナは出された飲み物を飲んで待っていますが、それはお酒で・・・という古典的なネタがありますが、いやぁ、綿引さま、酔っぱらい演技が抜群です(笑)。

舞台上に1人、酔っぱらい演技で場を保たせなければなりませんが、驚くほどの大立ち回り(笑)
「ほっぺたも赤いしー」とほっぺたをぷにぷにしているあたり、今まで見たことがない綿引さま(爆)
というか、全編通じて見たことがない衣装が多いというか、とっても少女役というか。
ピンクとかオレンジとか、そういう色の服装を着ているイメージはあまりないので、色々インパクトがあって興味深いです(笑)。

その事件もあって、ダイアナは母親からアンと話すことを禁じられますが、あることをきっかけにアンへの誤解が解け、ダイアナとアンは心からの笑顔で抱きしめあいます。ここは凄く良かったなぁ。いっぱい話をしたいのに、周囲の目があってできない、なんとか気持ちを伝えようとして色々と手を尽くしていたとはいえ、表だって話をできないのはやっぱり淋しそうで。でもそれって、アンが起こしたことは「ダイアナと仲直りしたいから」といった打算では”一切ない”からで。「大切なダイアナの大事な妹を救ってあげたい」という心からの気持ちからだこそだし。

「気持ちと気持ちを伝え合って、人は成長していく」、「本心からの気持ちを伝えれば、それはいずれ相手に通じる」ということの大事さを伝える作品。無料招待制ということもあって、いつもミュージカルを観る層とはまた別の層に向けて、「観客側へ前向きさ」を伝えてもらえる作品。その上、「ミュージカルっていいな」と思ってもらえる機会になれば素敵だなって。

絶妙な関係性だった愛ちゃんのアンと、綿引さんのダイアナ。今回、綿引さんはオーディションでこの役を掴んだようですが、来年もぜひまたこのゴールデンペアで拝見したいものです。

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