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『ミス・サイゴン』(16)

2014.7.27(Sun.) 17:00~19:45
帝国劇場2階I列40番台(上手側)

本公演2回目の観劇は、初の昆キム。

この日は元々マチソワのつもりでしたが、体力的な面を考えてマチネはお嫁に出してソワレのみに。
結果からすると色々な意味でそれが良かったような気がします。

昆キムは予想したとおり、2004年の玲奈キムにかなり似ています。
「17歳で全く分からぬまま都会に出てきて」戸惑う様をナチュラルに出すのは、舞台経験を積めば積むほど難しくなってくるようで、そのフレッシュさとの出会いは一期一会のようなところがあるのでしょうね。

「夢があるのよ、果てない夢が」と歌われていますが、恋も愛も夢も、キムの持っていたものがいったいどのようなものだったのか、推し量りにくいのが若いキムの特徴であり、”売り”なのかなと思います。

ただ、当時の玲奈キムとはっきり違うのは、何しろ昆ちゃんは小さいので、岡ジョンが昆キムを振り回している様は・・・本当に飛んでいきそうで、さすがに心配になりまくります。
ただ、この日はクリスが若い上野さんだったのでバランスは良かったです。”お互いに初めての相手”といった風が自然に出ていて。

ドリームランドでジョンがエンジニアに対して、「あのクリス、クレイジー」と言っています(今回から)。
何がクレイジーなのかと思えば、恐らくは「(女の子取っ替えひっかえのジョンにしてみれば、)女の子に見向きもしないクリスはクレイジー以外の何物でもない」のかと(苦笑)。

クリスがキムとの子供の存在をすぐ信じたのは、それこそクリスにとってキムが「Only One」だったからのだろうなと・・・

それに比べてジョンはといえば「ブイドイ」で『生まれながらに背負う罪はない』と、語りかけているわけですが、裏を返せば自身が『生きてきて罪を犯した』からこそブイドイ活動に関わっていると・・・。

相手がキムと特定されているクリスが苦しんで、相手が特定されていない(か、特定されているように描かれていない)ジョンが苦しんでいるように見えない、という図式は何だか不思議な気がします。ジョンにしてみればキムに情が移っているのでしょうが、クリスに大上段から説教できる身なのかどうかが、ちょっと疑問です(苦笑)。

今回版で唯一はっきりいいなと思うのは、クリスとエレンの間で、タムについての結論が出た上で、ジョンが入ってくるところ。2人で結論を出していない間にずかずかと入ってくるのは、いくら親友といえどデリカシーがないと思っていたので、「2人にしようか?(席を外そうか?)」とジョンが言うところ含めて好き。

ここでキムが声を重ねますが、今回版からキムの出位置が下手端の舞台袖からになって、これも好きです。

幸いというか、今回は舞台が妙に暗いので、ここから出てくるとキムの足が一部見えなくなったりして、なんだかそれが『タムを引き取ってくれることが、私の現世でのただ一つの心残りを消してくれる』ことを暗示しているような気がして。あの時点で”覚悟”を感じさせて、それが胸に迫ります。闇の中にキムが吸い込まれていくような、そしてそれをキムが選んでいるように見えるんですよね。

・・・

昆キムは既に見た方から「恋も愛も知らないように見える」と言われ(爆)そこまではさすがに思わなかったですが、特にこの日のトゥイが神田君だったためか、中学生の恋愛のような初々しさを感じました。つまるところ、

中学生の恋愛→昆キム
高校生の恋愛→玲奈キム
(大学生の恋愛→新妻キム)
社会人の恋愛→知念キム

といった違いは感じずにはいられませんでした(爆)

・・・

この日の市村エンジニアは、正直25日の初日と変わった様子は見せず、いつもの通りエンジニアを生きておられましたが、終演後、今期はこの日を最後にお休みされることを発表されました。

本編ではお休みされることを微塵も見せず演じきられたことが、市村さんらしいなと。
プレビューも明け、初日も明け、一区切りついた休演日前の発表。
出来うる最大の配慮をされてお休みに入られる市村さんが、快復されますことを心から祈念しております。

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