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『カルメン』(3)

2014.6.18(Wed.) 14:00~16:50
天王洲銀河劇場3階A列1桁番台(下手側)

当初、22日マチネが初見予定だったこの作品。

この日、夕方から同所発着(クルージングです)で大塚千弘さんのファン感謝イベントがあるということで、できれば作品を拝見してから参加したいな、ということで無理矢理この日に休日出勤振替(これでもまだ1日残っています。どんだけ休日出勤していたのやら)を入れて行ってきました。

製作発表、稽古場見学会と拝見したぐらいの作品なので、なぜ初日に見ないのか不思議ですが(笑)、最近初日へのこだわりが減ったというか、平日の場合だとよほどのことがない限り回避しています。

この作品は3階最後列のみA席、それ以外はS席だそうで、3階最前列のこの席さえS席(つまり諭吉超え)。が、目の前に転落防止用の手摺りが鎮座して、手摺りの下を見るようにするか、次の列に人がいないこと前提で伸びするか、どっちかが強いられるので結構疲れる席なんですよね。この手摺り、透明にしてくれないかなぁ・・・と座る度に思います。

1幕の主要曲は既に聞いているので、衣装と舞台とのマッチングが気になるところですが、噂に聞いていたちーちゃんのドレスは、それほど違和感は感じず(衣装さんのセンスが微妙な気はしますけど)、でもたーたんさん(香寿さん)のドレスは・・・うーん、ちょっと微妙

見る前の印象として、はまめぐさん演じるカルメンが「どん!」と中央に揺るぐことなく存在して、圧倒的な存在感でのしかかってくる・・・感じかと思っていたので、全編そうではなかったことがちょっと意外。
「VIVA!」を初めとしてソロとしては間違いなくさすが、はまめぐさん、という存在感ではあるのですが。

小林香さんが演出されているにしては、意外なほど各シーンの繋ぎがぎこちなくて、これも意外。
比較的流れを重視する演出家の方だと思うのですが、どうも流れがぶつぶつ切れてしまうのが玉に疵。

その解決策の一つが、「場面転換に預言者(JKimさん)を使う」ということで、それ故にチェコ版、韓国版よりこの役の出番が多いそうです。

もう一つが香寿さんが演じられているイネス叔母様の自由自在感。市長にも物申せて(まぁ聞き流されていますが)、カタリナを本当の娘のように心配する様も全く無理がなく、ホセを煽ることさえ違和感がありません。ホセとカタリナの結婚披露パーティーでひとしきり踊り終わった後、「若い子は良いわね」って言ってたのには噴きましたが(笑)。

随所にどこかで聞いた曲が登場するのも最近のワイルドホーン作品の特徴な気がしますが、ホセとカタリナのデュエット「ただ一人の人」は「ルドルフ・ザ・ラストキス(初演)」の「something more」を思い出してしまい、千弘ちゃん曰くの「星がキラキラした感じ」がそっくりすぎて。でも製作発表の時よりもずっと良い感じのホセとカタリナになっていました。親密すぎる感じでもなく、まったく接点がない感じでもなく。キラキラ担当のちーちゃん、これを待ってたんですよ!さすがデュエットの達人!(爆)

1幕は全体的に散漫な印象が強いのですが、1幕ラストの「決して振り向くな」は圧巻の六重奏。これだけでお腹いっぱいになれる凄さ。登場人物すべてが、自分の道を巻き戻せない覚悟で、そしてそれらの道は場合によってぶつかり合い妨害し合うわけで・・・

ある意味、勝手気ままに進んできた登場人物たちが、最初に一同に会することで(実際に会っているわけではないのですが)、全ての人物が戦っていることを感じさせるこの曲の凄さは、2幕への期待をつなぐものでもありました。

主演のカルメンはジプシーかつ女、この時代においては最下層で、虐げられているからこそ全てと戦わなくては生きていけない・・・というのは言われれば確かに分かるのですが、「カルメンが何と戦っているか分かりにくい」のが一幕を見ての正直な感想でした。

それに比べると2幕はかなり盛り返した印象。

何と言っても白眉はホセを挟む2人、カルメンとカタリナの教会のシーン。
この作品のコアはここにあるんじゃないかと思うぐらい印象的なシーンでした。

正直言ってしまえば、このシーンがあるからこそカタリナを千弘ちゃんが演じる甲斐があるぐらいに思えて。というのも、ただ可憐なだけなら、最近、可憐キャラから離れていた千弘ちゃんがその場に復帰する必要は薄いわけで(爆)。

これはめぐさん前作の『ラブ・ネバー・ダイ』でメグを玲奈ちゃんが演じたこととも似ているかと思うのですが、めぐさんが演じる役と、直接対峙する役にこのクラスの女優さんが来ることの贅沢さと有り難さをしみじみと感じます。

実際に何が起こったかはネタバレになってしまうので今日のところは控えますが、このシーンがあるからこそカタリナが千弘ちゃんで良かった、と強く感じました。

好敵手の対決ということで、やっぱりステファニーとマリーの関係を思い出してしまうのですが、ステファニー的なのはカタリナで、マリー的なのはカルメンなので、そう捉えると役者としてのイメージでは逆なんですよね。

自らの立場に縛られるという点でステファニーとカタリナは似ているし、自らの立場が実質的に存在しないという点でマリーとカルメンは似ているし。

ただその両者って実は表裏一体の同じものなのかとふと思えて。

父親の庇護の下で生きてきたことに、何の疑いも持たなかったカタリナが、自らの立場を必死に築こうとするカルメンに接して起きたこと。

なぜホセはタイプの違う2人-カタリナとカルメン-を好きになったのかということを不思議に思われがちだけれど、見終わった限りではホセは2人に共通する要素を見ていたのだろうなと思えるし、理性を超えた感情は、本質を見抜くということなのかと思えたのでした。

次の観劇は日曜日マチネ。今度は1幕ももっとじっくり感じてみたいです。

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