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『カルメン』(5)

2014.6.28(Sat.) 12:30~15:20 2階ボックス席(下手側)
2014.6.28(Sat.) 17:30~21:00 3階A列20番台(センターブロック)

「カルメン」3回目、4回目と観劇してのmy楽です。

当初はトークショー付のソワレだけの予定でしたが、「特典DVDにはちーちゃん2曲も入っているよ(ちなみに登場は3曲)」という、ちーちゃんファン「以外」の方からの悪魔の囁きにより(笑)、マチネを追加。興味があった2階ボックス席にしてみました。

先日の1階2列目・2階ボックス席・3階1列目がすべて11,000円という、不思議仕様な天王洲銀河劇場。

音響としては1階2列目が超ベストなのは当たり前ですが、次に良いのは2階ボックス下手側、3階1列目上手側。一番良くなかったのは3階1列目下手側でした。つまり、この日は”当たり”が2回。2階ボックスは目の前の柵もさほど気にならず、これは当たりだなと。

マチネは1幕ちーちゃんの声が本調子ではなくて心配になりましたが、2幕からは持ち直して一安心。もともとカタリナは1幕はちーちゃんが演じるには役設定が若い気がするので、2幕での変化はちーちゃんが演じてこそ。そこをきっちり締めて来たのは流石でした。

ホセとカルメンの結び付きがどんどん強くなってきていて、カタリナの道化的なポジションが際だつ昨今。
カタリナとカルメンの教会のシーンが強く印象に残ります。

カタリナは彼女らしくもなく、恋敵のカルメンに大きな失点を犯します。
カルメンに向かって、「本当にホセがスニガを殺したの?」と言った言葉は、カルメンにとっては失望だっただろうと。

「ホセを信じていないの?」と呆れたかのように言うわけですが、ここでカタリナはホセをきちんと信じてあげられていなかった引け目を感じて「あなたがホセを守れなかったら許さない」という発言につながっていくわけですが、こちらも大きな失点。

恋敵に対して自ら白旗を上げていると同然なカタリナに対して、
カルメンはわざとけしかけるわけです。
「愛したら、正しいかどうかなんてどうでもいい。欲しいか欲しくないかだけ」

カルメンにとっては、カタリナが手を引けばホセは確実に自分のものになるのに、わざわざなぜ仕掛けるか。

手応えがない相手に勝っても意味はない、という捉え方もできなくはないのでしょうが、カルメンが勝ち負けで相手を求めるとは思えない。カタリナがどう思おうと、カルメンにとってはホセを求めることには変わりはないわけですから。

とすると、カルメンがカタリナをわざわざけしかけたのは、「仲間が欲しかった」「自分と同じ炎をカタリナに感じた」の2点かなと。

同じ人=ホセを愛した以上、2人に共通点があるのはむしろ必然ですが、思い返せばカルメンは孤独な女性。自らの立場を守るために、男という男を利用し、同時にバリヤーを張っている女性。サーカス仲間の女性とはそれなりに人間関係を築いてはいるようですが、同格な関係ではなくあくまでメインとサブの関係。

カルメンにとって、自分と同格な関係と認めたのは、ホセとカタリナしかいないんですよね。

虐げられてこそ、というか虐げられたからこそ自分が上に行かないと納得できなかったカルメンが、愛し合うという結果対等となったホセと、同じ人を愛したからこそお互いを理解し合えたカタリナは、カルメンにとって恐らくとても重要な存在だったかと。

だから、愛するホセの胸の中で天に召され、十字を切って見送られたカタリナの心の中にカルメンは確かに生き続け、自らは自由な世界で自由に生きる。

カルメンにとっては幸せな最後だったんだろうな、と思わされます。

・・・

この作品「カルメン」は結果4回見たわけですが、見る度に分かることと、見る度に分からなくなることが増えていきます。
一番の謎は、キャストのパフォーマンスが良いのに、なぜ作品としての満足が得られないのかということ。

演出家の小林香さんの作品はいくつか見ていますが、基本的にメッセージ重視の方だと思うんです。「何を言いたい」が前提にあって、そのためにどう見せるかを組み立てる方。なのにこの作品では、「カルメン」という作品で何を言いたいのかが、はっきりと伝わってこないんです。

パンフレットを読めば、演出家が見せたかったことも想像が付くんですが、それはやっぱり作品で読み取れてこそだと思うんです。同じワイルドホーン作品の「GOLD~カミーユとロダン~」と今回の「カルメン」でテーマとして共通しているかのように感じたのが「魂としての自由」。「GOLD」では女流彫刻家という、その時代では存在を認められていなかった存在の中でどう生きていくかを見せていたわけですが、「カルメン」もジプシーで女性という、その時代では最下層な存在の中でどう生きていくかを見せようとしていて。

カルメンがこの時代にいかに虐げられ、だからこそ過剰に思えるほど自由を追い求めたかといった面がストーリーとして伝わって来にくかったのが、自分としてはじりじりするようなもどかしさを感じて。

思うのが、あまりにめぐさんが凄すぎて、カルメンに合いすぎて、小林さんが見せたかったところのメッセージまで、めぐさんのカルメンが吸い取ってしまったんじゃないかと思えてしまって。作品のバランスって難しいんだなと思うとともに、何とかもう少しどうにかできなかったのかなと、ちょっと残念な気持ちを持っていたりします。もっと感情的にぐわっと揺さぶられる作品だと思い込んでいたので。勝手な感想ですが。

この日ソワレはmy楽でしたが残念な出来事が。
2幕のガルシアの出し物で縛られるカルメンを紐での拘束に失敗したんです。
このシーン、2人のアンサンブルさんが両方向に1人ずつ紐を持ちながら、セットを回転させることでカルメンに紐を巻くのですが、何と紐を持った2人が同方向に行ってしまい、途中で動線がぶつかって立ち往生。バンドスペースからはそのトラブルが判明せずにいつも通りに演奏を進めて時間切れ。1本がカルメンの腹部に残ったからまだ良かったものの、下ではだらんとぶら下がる紐。ガルシアの言である「縄が締め付ける」が滑稽な言になってしまいかねないシーンは見ていて冷や汗をかきました。
全体的に今回、男性アンサンブルさんには満足しにくかったです。

・・・

この日ソワレはトークショー。
司会はいつもの名手、ホリプロの梶山プロデューサー。
下手側から梶山氏、別所さん、香寿さん、千弘さん。役の衣装そのままでの登場です。

しょっぱなから

梶山さん「市長役のべ、べっしょてつやさんです」
別所さん「噛みましたね(笑)」

で始まる(笑)。

印象に残った事柄をつれづれと順不同に。

梶山さん「千弘さんはカタリナ演じて、婚約者に逃げられて散々な役ですが(笑)、どうですか」

千弘さん「今まで結構幸せな役が多かったので、こういう役は新鮮です。
  こういう人生もあるんだなって。人生は辛いこともあるんだなって思ってます(笑)」

梶山さん「自分の歌でも他の方の歌でも良いんですが、好きな曲は何ですか」

千弘さん「イネス叔母様の『(イネスの)アドバイス』ですね。とっても楽しいです」

香寿さん「カタリナの『聖テレサ』ですね。最初音源で聞いた時から、英語でしたけどとっても素敵なメロディーラインで大好きです」

別所さん「JKimさんの預言者やりたいです(笑)。」

梶山さん「別所さんの役、『悪い奴』ですけど、演じていてどうですか」

別所さん「別に『悪役』とは思っていなくて、そりゃ悪どいこともやっているんでしょうけど、そうなるだけの理由が彼にはあったんでしょうし。娘が可愛くてひもじい思いさせたくないとか、もしかして姉さんがお金使いすぎてとか(香寿さん爆笑して撃沈)、色々と理由はあったと思うので、そういった役のバックボーンみたいなものを想定して演じたりしています」

梶山さん「ここの兄弟姉妹のシーンとしては『鍵』のシーンがありますけど、あれどうやってできたんですか」

別所さん「『この馬鹿力~』は自分が入れました(笑)。
     けど『この行かず後家の居候が!』のくだりは演出の小林香さんの作ですよ(笑)」

梶山さん「別所さんと千弘ちゃんのシーンといえば寝室のシーンがありますが、日々進化していますよね(笑)」

千弘さん「別所さんが日々話を突っ込んで下さるので」

別所さん「今日は闘牛だったね」

梶山さん「別所さん、あれはいつ考えるんですか」

別所さん「あの場面に出てから考えてます

梶山さん「毎日違いますけど、それを受ける千弘ちゃんはどうなんですか」

千弘さん「『ラブレターでパエリアが焼けた』とか(笑)、こらえるの大変なんですけど」

梶山さん「でもばっさり『もう遅いわ』ってやりますよね

千弘さん「(笑)。どこで突っ込んだらいいかって迷いますけど、
 基本、放置しています(笑)」

梶山さん「放置プレイですか(笑)」

別所さん「そうなんですよ(笑)」

梶山さん「それにしても千弘さん、絶妙なタイミングで入れますよね(笑)」

別所さん「そうそう(笑)」

梶山さん「香寿さんと千弘さんは同じ楽屋ですが、楽屋でもこんな感じですか」

千弘さん「そうですね。毎日楽しいです。今日は楽屋にシート持ち込んでサンドイッチ持ち込んでピクニック!みたいにやってました」

香寿さん「楽屋8畳ぐらいしかないんですけど、そこに2人寝転んで、きゃっきゃやってます(笑)」

梶山さん「あの狭いところでそんなことやってるんですか(驚)」

梶山さん「それでは明日1回残すのみですが、皆さまから意気込みを含めたご挨拶をお願いします」

千弘さん「明日ご覧になっていただける方もいらっしゃるかもしれませんが、最後までカタリナとして、『カルメン』の作品の一員としてしっかり生きたいと思います」

香寿さん「宝塚にいたとき、この手のコメディータッチな役だと、『千秋楽はどんなものが出てくるんだろう』というプレッシャーが凄くて、毎回辛かったんです(笑)。今回はそういったプレッシャーがなくて楽で(笑)、明日も普通に演じて、最後までイネスとしてしっかり生きたいと思います」

別所さん「明日はあのシーンがまたどういうことになるのか楽しみですが(笑)、楽しみながらしっかりと演じたいと思います。ありがとうございました」

・・・・・

トークショーは司会が上手だと話がスムーズで面白くなる典型な、とっても面白いトークショーでした。
こんなトークショーならもっと時間を伸ばしてくれても良かったです(笑)。

無事、my楽まで完走しました。なんだかんだで作品を満喫しました。

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