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『Ordinary Days~なにげない日々~』(2)

2014.6.14(Sat.) 19:00~20:30
日暮里d-倉庫 F列下手側

2013年10月に日本初演のオフブロードウェイミュージカル、待望の再演です。

初演時の感想はこちら 

初演の劇場は上野ストアハウスでしたが、少し座席数が減ったもののほぼ同じサイズの日暮里d-倉庫へ(定員98人)。

日暮里駅からは少し離れており、道案内はジェイソン役・松原さんのblog記事必見ですが(こちら)、初めての方は15分は見た方が安全です。

日暮里駅南口からバス通りである日暮里中央通りにさえ入れれば、後はエネオスとファミマの間を左折し、1つ目を右折、ということだけ覚えておけばOKです。(ちなみに日暮里駅から1つ目のバス停・東日暮里五丁目まで都バス(都08系統/錦糸町駅前行き、里22系統/亀戸駅前行き)に乗るのも一つの手です)

・・・

初めて来たこの劇場ですが、かなり段差があるために後方席でも視界を遮る物がなく、ノンストレスで拝見できます。
クリエの通路以降のみのミニチュア版という感じでしょうか。

登場人物4人のキャストは前回の初演と異なり、毎回回替わり。
この日3回目のこの回はクレア・ジェイソンの「大人カップル」がクレア=吉沢梨絵さん、ジェイソン=松原剛志さん。デイブ・ウォレンの「若者カップル」がデイブ=綿引さやかさん、ウォレン=今村洋一さん。

この作品としては松原さんのみ初演で拝見しており、前回クレアで拝見したのは木村花代さんだったので、吉沢さんは初めて。この日初日となった綿引さんは当然この作品としては初めてですが、前作『ON AIR』楽からわずか中4日という、プロ野球のローテーション投手みたいなスケジュール(爆)。今村さんは初見です。

クレアとジェイソンが同棲直前のカップル、デイブとウォレンが(最初は)カップル未満。というポジションで、2つのカップルはお互いを知らないわけですが、客席からは両カップルを俯瞰してみられるというお得感。

舞台上ではお互いのカップルがお互いのことを知らないけれども、物語最後で起きる奇跡が見せる、「お互いのカップルはお互いの足りないところ同士を補い合えたのでは」と思える空気がとっても好き。

「迷い悩むだけじゃ始まらない」クレア。
「待つだけじゃ動かない」ジェイソン。
「夢見るだけじゃ始まらない」デイブ。
「行動するだけじゃ実にならない」ウォレン。

皆が皆、自分の欠けている部分を分からなくて、もがいてる。
どうにもならない袋小路に入り込んだときに、人を動かすのは他者との関わりなんだなということを感じさせてくれるストーリー。

クレアはジェイソンによって変われたし、ジェイソンもクレアによって変われた。
デイブはウォレンによって変われたし、ウォレンもデイブによって変われた。
でも、クレア&ジェイソンのカップルが一歩先に踏み出すにはデイブ&ウォレンの起こした出来事が必要だったという、そのどれもが欠けても幸せになれない、という構成が絶妙だなって。

吉沢さん演じるクレアは、もう期待どおりのクレアなのですが、一番素敵なのは、思い悩むシーンのリアルさ。初演で拝見した花代さんのクレアはどちらかといえば女優さんとしてのイメージが「陽」で、思い悩むシーンがどことなく座りが良くない印象を持っていまして。その点吉沢さんは・・・と思いながらも、初演では日程的に拝見することが叶わず、今回念願の初見となった次第。一つ一つのシーンの心の移り変わりをとても丁寧に積み上げられていて、ジェイソンに対する気持ちの発露も、ともすれば発狂的になってしまうところも、あくまで理性的。逆に言うと理性的だからこそ突き破れない壁というのが、クレアにとっての自分に対するもどかしさだったのかなと、そう感じたりします。

松原さん演じるジェイソンは唯一、初演でも拝見した自分にとってのオリジナルキャストだけあって、とっても安心感。
物語の中心にどんとそびえる大黒柱。だけに、クレアの理性的な面を変えてしまうほどに奔放には感じられなかったのがちょっとだけ残念。ウォレンほどでないにせよ、もう少しぐいぐい引っ張るかなと思っていたので。ただ梨絵さんとのバランスがとっても良くて、最後収まるところに収まったときのしっくり感(笑)が良かったです。

今村さん演じるウォレンはこの作品の一番のかき回し役。芸術家肌の妄想家さん・・・な割にはこちらもちょっとパンチという面ではあと一歩弾けて欲しかったかなと。デイブをもう少し慌てさせてかき回して欲しかったんですが、ウォレンがかき回す以上にデイブが突っ走ってた気もしました(笑)。

綿引さん演じるデイブはこの日が初日。綿引さん自身はこの週月曜日まで『ON AIR』という別のミュージカルに出ていたので、恐らくは準備期間が極めて少なくこの日を迎えたのだと思いますが、予想以上に抜群のコメディセンスが爆発しておりました(驚)。

最初はやっぱり緊張している感じがしましたが、教授に言い訳メールを書いている辺りのセンスが抜群にお上手で。さすがは卒論原稿のデータを実体験ですっ飛ばした経験者だけのことはあります(笑)。しかもこれほどまでに「てへっ」が許されるデイブも少ないように思います(爆)。その上、東京特許許可局は言えなくても(←『ON AIR』ネタ)あれだけの台詞の量を、聞いている方がストレスなく聞けるというのは凄いなと。あ、あと方向音痴話がリアルに聞こえました(笑)。

クレア、デイブともにそうですが、この作品だと女性キャストのキャラクターが演じる方のパーソナリティをかなり反映するように思います。女性キャストによって役作り、そして作品の色合いが変わる印象を受けます。

明日(15日)は13時・19時と2回観劇予定。また違ったキャストで、違う景色が見えるのを楽しみにしています。

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