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『Second Of Life』(1)

2013.12.21(Sat.) 12:30~14:00 Bチーム E列下手側
         16:00~17:30 Cチーム H列上手側

劇団TipTap新作公演の2日目。

実はこの劇団を拝見するのは初めてですが、前作『Count Down My Life』が好評で(DVD買っちゃいました)、ニューヨーク公演(ニューヨークフリンジフェスティバル招聘)もあったことは耳にしていて、お知り合いの皆さまも絶賛なさるので、その言葉に乗って観劇。

公演は3チーム制で、初日がA→B→Cで始まり、2日目のこの日が1つずつずれてB→C→A。日曜日がC→A→B、最終日の祝日がふたたびA→B→Cとなります。

当初はこの日のBと、翌日のAだけ押さえていましたが、初日の評判と他公演の諸々の調整が付いて、この日のCを前日追加。

フライヤーにあるストーリー説明(プラスアルファ)を。

主人公(男性A)と今の彼女(女性A)。その彼女は心の病気を抱え、主人公はその彼女を支えようとする。
そこに登場する主人公の昔の彼女(女性B)。今の彼女(女性A)は、主人公の昔の彼女(女性B)の声が聞こえていた。
今の彼女のために仕事に打ち込む主人公。しかし次第に本当に自分が望んでいた物を見失っていく。
彼女の心を取り戻すためには何が必要なのだろうか・・・

・・・

作品の都合上、どうしてもネタバレが入りますので、まっさらでご覧になりたい方は回れ右でお願いします。

上のあらすじには出てきませんが、登場人物は男性2人、女性2人。昔の彼女のことをどことなく気に止める男性が1人登場します。

最初に見たBチームは、主人公が海宝直人さん、今の彼女が須藤香菜さん。昔の彼女が青山郁代さん、見守る男性がtekkanさん。Cチームは主人公が阿部よしつぐさん、今の彼女が上田亜希子さん。昔の彼女が吉沢梨絵さん、見守る男性が港幸樹さん。

興味がある女優さんがいずれも「昔の彼女」役を演じているというのが不思議です。

この「昔の彼女」は、主人公の昔のバンド仲間。主人公が作曲(ギター)し、彼女が歌う関係。
音楽を作るという「夢」を捨ててまで、彼は今の彼女を支えようとしている、と見える。

恐らくは彼の歌のファンであった今の彼女のことを自分の家に住まわせ、治療の手伝いをしている彼。
そんな彼に守られる彼女、その”浮かれる”彼女を責め立てる、「昔の彼女」の”怨念”

この”怨念”も2人それぞれちょっとずつ温度が違った感じがして。

Bチームの青山郁代さんは、今の彼女役の須藤香菜さんがリアルで「尊敬する先輩」なだけあって、責め立てるのにどこかブレーキがあるような気がしました。

それに対してCチームの吉沢梨絵さんは、良い意味で容赦がないというか感情抜きに責め立てている感。このシーンを見た時に、特に吉沢さんだから感じたのだと思いますが、「ルドルフ・ザ・ラストキス」のステファニーの役を感じて。つまるところ、主人公がルドルフで今の彼女がマリー・ヴェッツェラに被ったという次第。
喩えて言うと、Bチームには朝ドラ、Cチームには昼ドラ感を感じます(笑)。

全体的な印象としてBチームは「歌のチーム」。Cチームは「芝居のチーム」
それゆえか、たっぷり重い物語なはずなのに、Bチームはどこか軽やかで、Cチームはどっぷり重い。

この日、自分はBチーム→Cチームと見ましたが、Bチームの次にCチーム見るのは何とかできるけど、Cチームの次に他のチームを見るのはかなりきつい気がします。

「昔の彼女」と「今の彼女」の間には、とある関係性があるのですが(超ネタバレになるので現時点では言及しませんが)、Bチーム(すどかなさんと郁代さん)を見てると「まさか」と思うのに、Cチーム(亜希子さんと梨絵さん)を見てると「なるほど」と思ってしまう。あえて言うとCチームは見た目がネタバレと申しますか(爆)。

作品中、2箇所ほど笑わせどころがあるのですが、男性ではtekkanさん圧勝過ぎる(笑)。あんなタクシー運転手いたら困りますが、アレに近いテンションの方はたまに遭遇します(爆)。

女性で笑わせどころを担当する(シチュエーション的には笑いどころじゃなくて真面目なシーンなんですが)のは「昔の彼女」。これは郁代さんのテンションが流石すぎて面白すぎる。嫌々やってる(という設定の)場面なのに、どこか楽しそうなのが面白すぎます(笑)。
梨絵さんのテンションも「お仕事」が前提なので、そちらもそちらで別の面白さがあります。そもそもあのシーンの演技指導がどう振られたのか気になります。

「なんか面白いことやってみて」

みたいな気がするのは気のせいでしょうか(爆)

・・・

今の彼女役のお2人も好対照。Bチームのすどかなさんは病みっぷりが見ていて苦しい。正直、主人公がなぜそこまで今の彼女を支えようとするかが、ちょっと見えにくかった気がする(これは相手役の方との関係性もあると思うけど)。
Cチームの上田亜希子さんは初見だったのですが、この日良い意味でサプライズだったのがこのお方。主人公の方との相性もとても良かったし、主人公が支えたいと思う要素をちゃんと表現されていて、病気ゆえに悪態をつかれても、なるほどこの子ならというのがとてもよく分かる。

Bチームは郁代さん&tekkanさんのいわゆる「後方組」のバランスがとても良かったけど、Cチームは逆によしつぐさん&亜希子さんの「前方組」のバランスがしっくり。
それもあってか、Bチームは「過去」色が強くて、Cチームは「現在」色が強い感じ。

この物語は主人公が「過去」に寄るのか「現在」に寄るのかの選択を迫られる作品なのだと思うのです。
「未来」として、夢を追い続けた「過去」に戻るのか、現実に寄り添う「現在」を続けるのか。

Bチームは「過去」色が強かった分、「現在」に寄り添った主人公の決断が、どことなく絵空事に見えて、過去との訣別を仕切っていない結末のように思えて。

逆に、Cチームは「現在」色が強かった分、「過去」に一瞬未練を見せた主人公に対して、昔の彼女が「欲張らないで」と言った言葉が、もの凄い説得力だった。
彼は「過去」も「現在」も「未来」に持って行こうとしたから、昔の彼女は忠告したのですね。”どっちも中途半端ではどちらも失う”と。

ここがさすがに「芝居のCチーム」(念のためですが勝手に命名です)の真骨頂で、それに比べるとBチームは良い意味で「過去」も「現在」も”若い”。どっちも青臭い。それがBチームの魅力でもあるように思えて。責める「昔の彼女」も責められる「今の彼女」も「精神的に子供」。

・・・

この物語の導入部で、ストリーテラー的な役割の「彼」が、「部屋は全てを見ていた。部屋だけが全てを見ていた。そして誰もいなくなった」と語っていた様が、振り返るととても印象的で。

実際には”どっちも中途半端ではどちらも失う”だったのではないかと・・・

・・・

現在公開中の映画「ルームメイト」で「部屋に同居する」ことをいみじくもこの物語と同じような意味合いで隠喩に使用しています。

「一つの(物理的な)部屋に同居した彼と昔の彼女」
「一つの(今の彼女の身体という)部屋に同居した昔の彼女と今の彼女」

と称するかのようなそれぞれの関係が、とても興味深かったのでした。

明日はAチームを観劇します。
なお、この日がDVD収録日で、会場で予約を受け付けています(1チーム3,000円)

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