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『レ・ミゼラブル』(16)

2013.11.26(Tue.) 18:15~21:40
 帝国劇場1階G列40番台(上手側)

2013.11.27(Wed.) 13:00~17:00
 帝国劇場1階B列10番台(下手側)

レミゼ2013年公演、終わってしまいました。

大千穐楽公演カーテンコールで発表された「2015年春、帝劇公演」の狂乱に、全てが飲み込まれてしまった感もありますが、前楽・大楽とレミゼを堪能して参りました。

両日ともなぜだかセンターが前列の視界で遮られる不思議な偶然で、キャストが座り込んじゃうと見られないシーンもちらほらなのがちょっと残念でしたが、それでも「色々あった」2013年レミゼが、良い形で終わりを迎えられ、それを見届けられたことに何よりの安堵を感じています。

まずは本編編。

●エポニーヌ話
26日ソワレ(前楽)は綿引さやかエポニーヌの楽日。
27日マチネ(大楽)は笹本玲奈エポニーヌ(通算219回目)の楽日。

今期エポニーヌの推しはこの2人、玲奈エポ・綿引エポでワンツーですが、このお2方に共通するのは、佇まいというか空気が凄く似てるところ。

マリウスにほっぺたぎゅってされたところを、愛おしげにさするのもこのお2方で共通。玲奈エポはマリウス去ったあとすぐ触るのに比べて、綿引エポは橋の上で触りますが。あと、マリウスからお金をもらって投げるのも同じですね。自分の記憶では、新演出版の初期はここは投げていなかったですが・・・ちなみに、昆エポは大切そうにしまいます。綾エポはキャラ的に投げ派だったかも。

26日綿引エポと27日玲奈エポで共通していたのが、「恵みの雨」の凄さと、その後のマリウスの反応が実に似ていたんですね。

エポニーヌが命の限りマリウスに気持ちを伝えた「恵みの雨」、自分の胸の中で死んでいったエポニーヌ、それが現実だと理解出来ないマリウス。

26日優一マリウスと27日育三郎マリウスの反応まで似ていて。とにかく呆然として立ち上がれない。
砲撃が始まる直前でも身じろぎしない。エポニーヌが置いていった帽子を見つけて、優一マリウスはぎゅっと抱きしめ、育三郎マリウスはその帽子を自らの戦場であるバリケードに持って行きます。

26日優一マリウスの時はグランテールがマリウスを気遣ったのですが、さすがに酒まで勧められて我に返ってましたが(笑)。

育三郎マリウスは玲奈エポの帽子を持ってバリケードに持って行き、じゃぁその帽子はどうなったのか・・・

マリウスにとってエポニーヌは、確かに自分の胸の中で死んでいった忘れられない存在だけれど、自分が愛した存在ではない。マリウスが愛するのはあくまでコゼット。

エポニーヌの死の後、バリケードの攻防の後に、「(僕の人生は)空しい人生。僕が死んだらコゼット、泣いてくれるか」と歌っていて、マリウスの気持ちの中にはコゼットしかいない。エポニーヌは出てこない。

ここ、ずっと違和感があったのですが、育三郎マリウスが玲奈エポの帽子を持って戦いに出て、そしてバリケードから持って帰らなかったことと考えると、なんか色々な違和感が氷解したんですね。

エポニーヌは「勇気ある同志」としてバリケードに殉じたのだと。マリウスにとってはABCカフェの同志とまた別の意味の同志であって、そしてエポニーヌにとっても、「マリウスの心の中にいられる」唯一の細い道、唯一の答えであったのだろうと。

そう思うと、いつもずっと不自然に思ってきたこのシーンがすっきりしたのが、この2日間続けて見られた一番の収穫でした。

そういえば後半の玲奈エポ、マリウスに「サツも探してた」って言われて「ちぇっ」って答えてたのツボでした。エポニーヌって忘れられがちだけど盗賊団の中でも名うてのやり手ですもんね。

あと大楽のマリウス&エポニーヌは日曜日同様に、育三郎マリウス→玲奈エポニーヌのお姫様抱っこバージョン「僕は飛ぶよ虹の空へ」でしたが、なんと2回転して完全に玲奈エポニーヌを投げ飛ばした形になった育三郎マリウス。フィギュアスケートのペアじゃあるまいし(笑)。

それでもそのまま「突き刺さる彼の言葉が-」をちゃんと入れられる玲奈エポニーヌ、さすがベテラン女優(後述)。

●客席と舞台の共有感情
レミゼのナンバー『民衆の歌』には「彼ら主の国で自由に生きる」という歌詞がありますが、この舞台を見ていると、自分の気持ち次第でこれが「我ら主の国で自由に生きる」に聞こえることがあって、不思議な気持ちになります。

舞台との一体感というのか、舞台上で繰り広げられていることは「彼ら」という他人なのだけれども、客席から同化したと感じられるとき「我ら」という自分から見た舞台になって。
レミの普遍的な魅力って、誰にとってもの、感情の乗せやすさだと思うんですよね。

●グランテールの存在感
凱旋公演で特に印象に残ったのが、グランテールの存在感です。

ABCカフェでもバリケードでもグランテールはただの飲んだくれ・・・ではないことは自明の理ですが、「誰よりも先を読むことに優れ、先が見えるからこそ酒に逃げている」ことをはっきり見せるようになったのが、凱旋公演版の特徴に思えます。

というのも、アンジョルラスがバリケードに殉じるときに、後をグランテールに託している姿は、ここまではっきり記憶になくて。菊地グランも丹宗グランもそれぞれ違ったグランテール像でどちらも良かったです。

●カーテンコール
26日ソワレの楽の皆さまからのご挨拶は既に動画でupされていますが、郁代ちゃんのちょっとあっぷあっぷな感じの(笑)ご挨拶を微笑ましく拝見。うまくまとまってほっと一安心。ちょっと冷や冷やはしましたが、うちのご贔屓さんにはもっと冷や冷や女王様がいらっしゃいますから・・・(苦笑)。
お言葉通り、また見られる機会があったら嬉しいなぁ。凱旋公演は安定度抜群で、ご自身のコゼットを確立した感がありました。

綿引さんは、演技も挨拶もプリンシパルの水が合ってきた感。
そもそもアンサンブルで出られていた日曜日公演の存在感の強さに圧倒されたんですが、考えに考え抜いたご挨拶という感じで、どことなくMCについて台本を書く方を思い出してみたり・・・(笑)

27日マチネの玲奈ちゃん。
司会の駒田さんから「2003年からレミゼに出ております。ベテラン女優でございます」と紹介されて恥ずかしさに顔を覆う代わりにお辞儀して態勢立て直した様が動画で残っていない。悔しい(笑)。

「大変なことも沢山あったけど、カンパニーみんながお互いを思いやって自分がやるべきことを認識したからこそやってこれた。お客さまからの後押しでありがたいことに毎回完売という形で盛り上げていただき感謝」といったご挨拶が素敵でした。

皆さんのご挨拶を聞いていると、個性それぞれではあるものの、いくつかのパターンに分かれる気がします。
もちろん、その役の方はほぼその型に納まるとは思うのですが、他キャストも大概この3人のどこかに入る感じがします。

■バルジャン型・・・理念を追求
 思い浮かぶのは知念ファンテ。
 「人はやり直せることをバルジャンから学んだ、その学びを人生に生かしたい」といったあたり。

■ジャベール型・・・実務に忠実
 思い浮かぶのは笹本エポニーヌ。
 「カンパニーみんなのお互いを思いやる気持ち、やるべきことを認識したことこそ成功の理由」といったあたり。
 縁の下の力持ちと言う意味ではテナ妻もこの系統かと。

■マリウス型・・・理想を追求
 思い浮かぶのは郁代コゼット、若井コゼット。
 レミに関わることができたことをストレートに喜び、「まだ夢の途中、幸せは続く」時が続いていて欲しい、というあたり。

・・・・・・

27日マチネ、メインカーテンコールの後は、何と2013年凱旋公演オールキャストによるカーテンコール。
びっくりしたのが、みんな扮装姿なこと。複数キャストでこれやったの見た記憶がないです。
製作発表だって普通の服ですしね。

エポニーヌは上手側、コゼットは下手側と完全に別れたので目が忙しくて仕方がない(笑)。
3人並んだコゼット、この日登板の若井さんだけがウェディングドレス、郁代ちゃん、レイナちゃんはグリーンの衣装。
で、3人並ぶと正に3人姉妹に見えます。

それに比べてエポニーヌは、同役なのにイメージが全然違う。下手側から順に玲奈エポ、綾エポ、昆エポ、綿引エポで、視覚的には完全に逆富士山という(苦笑)。玲奈エポが一人高く(最近身長が1cm伸びてる事を確認したそうです)、ちょっと下がって綾エポと綿引エポがほぼ同身長、だいぶ下がって昆エポ。
コート付きが昆エポと綿引エポ、コートなしが玲奈エポと綾エポ。綾エポが手を玲奈エポに掛けてる様がなんか良かった。

それもあってか、エポニーヌ4人はなぜだか同級生か、そうでなくとも部活の先輩後輩ぐらいの関係に見えます。
コゼットとエポニーヌそれぞれの役の違いをはっきり見せた全員集合な気がしました。

キャスト全員での「One Day More」。スタンドマイクの本数が足りず、マリウスのマイクをアンジョパートの時にマイクを持っていく様が面白すぎました(笑)。あれは原田優一氏の遊び心だった感じですが。それと同じ話がエポニーヌのマイクをテナルディエパートの時に起きてましたが、さすがに1回でテナの皆さまから遠慮されてました。

そのぐらい本数用意してもいいのでは・・・と思いつつ、かえって面白かったとも言えました(笑)。

レミゼの作品のエネルギーあってこそのダブルカーテンコールに身を委ね、「2015年春帝劇公演決定」の発表を聞く至福。
大楽をここまで幸せな空気で迎えられ、そしてその場にいられたことにただただ感謝。駒田さんの言ではありませんが、もっと仕事も頑張らないとですね(笑)。

ご贔屓さんキャストがまた見られることを願っています。

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