« 『巴御前 女武者伝説』 | トップページ | 『青空!』(4) »

『青空!』(3)

2013.7.23(Fri) 16:00~17:20
新百合ヶ丘・川崎市アートセンター 4列目センターブロック

2013.8.20(Tue) 19:00~20:20
両国・シアターX(しあたーかい)B列10番台後半(上手側)

2011年に赤坂REDシアターで初演の新妻聖子さん一人芝居
「青空」。劇場が変わっての再演です。

今回、関西ツアーは演劇鑑賞会公演ということで一般発売・FC発売はなく、実質東京4日間(5日間のうち1日は貸切)というレアな公演。ツアー公演に先立ってゲネプロ公開があり、7月中に「new version」の「青空」を見られたのは気持ち的にずいぶんと楽でした。

両国は当初楽日だけ観劇の予定でしたが、ギリギリになって仕事が妙に空き気味になったので、前日予約で劇場へ飛び込み。
そしてこの日も新百合ヶ丘で見ている安心感もあって気持ちに余裕を持って見ることができました。

ネタバレありますお気をつけて~回れ右お願いします~




今回は「new version」と銘打っているだけあって、新妻さん演じる五月(さつき)の役柄が大きく変わっています。「防空壕の中でお婆ちゃんとの対話」という点は同じといえ、五月が防空壕に来る状況が変わっています。

理由は同じといえば同じで「自分の仕事の先行きへの行き詰まり」ではあるのですが、初演は雑誌の編集者だった五月の職業が、再演では小学校の先生に変わっていて、少し印象が違います。

雑誌の編集者を辞めたところで、よほどの親友じゃない限り同僚はドライな心配しかしないでしょうが、小学校の先生、しかも担任を受け持っていたとなると、そこには生身の人間である生徒が存在するわけで、「五月の苦しみ」は一段階上に上がった感があります。
そういえばその生徒さんの名前が、まさかあのお名前を使うとは・・・新百合ヶ丘で会った知人と苦笑いしちゃいました。そうか、トロいか・・・(当該ご本人(本日お誕生日。)には到底言えないw)

初演の時には五月が防空壕に来ることには、それなりに同情できる面があったように思うのですね。落ち込むのもそりゃわかるよ、というようなところが。
再演の五月は初演に比べると遥かにダークといいますが(そもそも再演の台詞で自称「ダーク」って言ってますけどw)自分を守るために愛するお婆ちゃんをも欺くかのような面も合わせ持っている。

とはいえお婆ちゃんにはそんなのお見通しなわけで、「澱んだ気持ちを綺麗にして、前へと歩き出す力を与える」という物語展開には大きな変化はありません。

初演は1月だったため厚着気味だった衣装(今回のポスターは初演時の写真なので、エプロンつけーの、服は冬服)も、今回は軽やか衣装になっています。
また、物語の上では大きいですが、反戦のテーマが含まれているため、今回8月に上演するというのは合っているのかもしれません。

この作品では、お婆ちゃんの”反戦への戦い”に触れていて、それは「現実から逃げている五月」を”戦わせる”原動力にもなるのですが、どれも「戦い」じゃないのかなぁ・・・とふと感じてしまったりします。

進行としては新百合ヶ丘よりずっと両国の方がスムーズになっていた感じ。当たり前でしょうけど。
ただスムーズになった分、笑いは挟まりにくかったというか、両国の方が客席が遥かに硬いという印象は受けました。
あと劇のラストで歌われる「青空」が見る度に聖子さんの歌が丁寧になっていくのがとても好きだったりします。

「父さん母さん好きだった、あの日の青空探す」

「青空」とは”自分の澄み切った心”のことなんだなと思うと、お婆ちゃんが孫に「青空」を取り戻させようと、それを自分自身で取り戻してもらおうと頑張った気持ちが伝わってくる気がします。

・・・

新百合ヶ丘も両国も、「むちゃくちゃ緊張した」というご挨拶、第一声。

両国に至っては半べそかいている聖子様。うれし涙でうるっときているぐらいは今までありましたけど、「緊張しすぎて無事に終われて嬉しくて」で半べそ状態なんて初めて。
「鼻かんだあとに(同じティッシュで)涙拭くもんじゃないよね」とか言って笑い取りつつ、「あんまり恥ずかしいから冷蔵庫入ります」で冷蔵庫入ろうとしたり、自由人満開。
(ちなみにいくら小さいからといっても入れません(笑))

地方公演終了から1週間、緊張がもの凄かったようで、「携帯も開かないし(笑)」というハプニングもあり、「お婆ちゃんが出てきてから(当然1人2役)はとても落ち着いた」という表現が印象的。

この日の客席へ感謝の気持ちを表現されていましたが、日本語としては微妙な2字でしたが、英語では「Precious」だったので何よりでした。

「共演者には感謝しています。おばあちゃん、キリンのキリコ(笑)、そしてお客さま。
私1人しか出ない一人芝居を見に来ていただいたお客さまはpreciousなお客さまです。
本当にありがとうございました。」・・・でした。

|

« 『巴御前 女武者伝説』 | トップページ | 『青空!』(4) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74093/58032504

この記事へのトラックバック一覧です: 『青空!』(3):

« 『巴御前 女武者伝説』 | トップページ | 『青空!』(4) »