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『雨と夢のあとに』

2013.8.9(Fri.) 19:00~20:55
サンシャイン劇場 1階20列1桁番台(下手側)

演劇集団キャラメルボックス、7年ぶりの再演になる「雨と夢のあとに」。
この作品との出会いは、キャラメルボックスの演出・成井さん、真柴さんがドラマの脚本を書いた2005年。

テレビ版ではヒロインの雨を黒川智花ちゃん、父親の朝晴(ともはる)を、今や堂上総合病院の院長の座を虎視眈々と狙う(爆)、エロ男爵卒業直後の沢村一樹さんが演じていました。この大好きな作品に出会ったきっかけは、そういや第3話に雨の偽母親役として高橋由美子さんが出るからだったんだよなぁ、懐かしい。

その翌年には舞台版としてキャラメルボックスで上演。この時の雨役は当時小学校6年生だった福田麻由子ちゃん。この方の演技はもう衝撃でした。回数を重ねるごとにどんどん進化していく様が凄くて、振り返ってみるとこの時4回も見ていました。普段はキャラメルボックス作品はリピートしないんですが、多分4回って最多だな。
父親役の岡田達也氏との相性と、そしてキーパーソンとなる暁子役の岡内美喜子さんとの関係性も大好きでした。

そしてそれから7年。大好きな作品の再演は、メイン2人をがらりと代えて、雨は吉田里琴(りこ)ちゃん、そして朝陽は大内厚雄さん。暁子役は変わらず岡内美喜子さん。

・・・ネタバレも含みますので以下ご覧の際にはご注意くださいね・・・

・・・

・・・

芝居を見続けて長くなると、「お気に入りの作品の再演」というのは、宿命のようにやってきます。そしてよほどの当たり役でない限り、キャストの変化は避けられません。ゆえに、好きであればあるほど次のキャストは気になるわけで。

今回の雨役、里琴ちゃん、悪くはないんです。決して。
ピュアな佇まいで、父親大好き、その軸は崩していないのですが、7年経っても初演の福田麻由子ちゃんの印象はいまだに消えてなくて。簡単に印象を言ってしまうと、綺麗すぎてガツンと来ない、というところが物足りないかな。

初演の麻由子ちゃんの雨はガンガンに攻めまくるキャラクターで、とにかくアクが強くて強くて、でもそれが全く嫌な印象にならないという稀有な役作りで。最初見た時はテレビ版の智花ちゃんとの余りの違いにしっくり来てなかったんですが、見続ける度にいきいきしてきた麻由子ちゃんの雨にどんどん惹き込まれていって。

それはきっと年齢設定のせいもあるんだと思うんです。

もともと、雨の年齢設定は中学2年生。それが、舞台版では麻由子ちゃんの実年齢に合わせて小学6年生の設定になっていたのですが、何しろ彼女はこまっしゃくれているところに関しては右に出るものはいない人でしたから(笑)それ故に朝晴に、そして客席に飛び込んでくるパワーが並大抵じゃない+「小学生がここまでできるのか!」という驚きが間違いなくあって。

テレビ版の智花ちゃんは当時16歳(高校2年生)で、役柄的には少し上。舞台初演版で麻由子ちゃんが当時12歳(小学6年生)で、今回の舞台再演版の里琴ちゃんが13歳(中学2年生)。

そしてこの作品のスピンオフとして「5年後の雨」をテーマにサンシャイン劇場で同時上演されているのが「ずっと二人で歩いてきた」。この作品群でキャラメルボックス団員初の雨を演じるのが原田樹里さんで、役柄設定は18歳(大学1年生)。

そうなると、「雨」という役を「高校生」「小学生」「中学生」「大学生」と4回見ることになるのですね。

その年代別の位置付けを見てみると、

小学生版(麻由子ちゃん)・・・大人のような子ども
中学生版(里琴ちゃん)・・・・・子どものような大人
高校生版(智花ちゃん)・・・・・大人のような大人

って印象。(大学生版は未見)

麻由子ちゃんと里琴ちゃんの違いを見いだすとするなら、”麻由子ちゃんの雨”には「迷い」がなかった。
でも、里琴ちゃんの雨には「迷い」を感じた。

これ、2つの側面を感じたのですが、まず一つのポイントとしては「2歳年齢が違う」ということ。
小学6年生、ある意味怖い物なしに走っている年代と、中学2年生、これからが不安になりだす年代との違い。

それは女優として、2歳の年齢差がリアルにそれを表現していた面が一面。
単純に言って、女優として小学6年生の女優さんより、中学2年生の女優さんの方がより心配事が多いように感じて。
だから麻由子ちゃんでさえ中学2年生で雨を演じたら、多分小学6年生の時と違った印象を受けたのではと想像したりします。

でもう一面。
この作品は、”雨が朝晴をどう見送るか”がテーマなわけですが、「小学6年生の雨が置いて行かれる」ことと「中学2年生の雨が置いて行かれる」ことにはずいぶん印象の違いがあって。

麻由子ちゃんの雨は小学6年生の雨だからこそ、「大丈夫」と言えた。「大丈夫」といったことの重大さは、もしかすると本当の意味で知るのは後なのかもしれないなと。

反面、里琴ちゃんの雨は中学2年生の雨だからこそ、「大丈夫」ということの重さを分かりかけてる。自分が置いて行かれることが、小学6年生の雨よりも、よりリアルに感じているように思えて。普通で考えれば、中学2年生で置いて行かれるより小学6年生で置いて行かれる方が、端から見ると心配に感じそうですが、逆に感じたのは、「麻由子ちゃんが一人で生きて行けそうなキャラクターだから(笑)」だけじゃないものがありそうだなって。

もう一点、テレビ版の智花ちゃんの雨は高校2年生の雨だからこそ、「大丈夫」には「覚悟」を感じた。自分で生きていくことも重大さは分かっていて、それでも父を見送る健気さが好きで。

だからそれぞれの雨ちゃんの魅力は

小学生版(麻由子ちゃん)・・・無邪気な佇まい
中学生版(里琴ちゃん)・・・・・不安そうな気持ち
高校生版(智花ちゃん)・・・・・覚悟の重さ

なのかなと思う。

・・・

他キャストについてもいくつか。

出色なのが再演で早川役の岡田達也氏。初演では雨の父親役で、麻由子ちゃんと抜群の相性を見せていて、正直あれだけのものを見せたおかたつ氏が、再演で何を見せるんだろうと、期待半分不安半分だったのですが、すんごく良いです。
あのアウトローっぽさがたまらない(笑)奥様役の楠見さんとの相性がgood。

「前科者でないことだけが誇りだったのに」

って台詞には腹抱えて笑っちゃいました(爆)

雨を取り巻く2人の女性。

雨のいい相談相手となる、実は○○な方、暁子役は岡内美喜子さん。
雨の実は○な、マリア役は岡田さつきさん。

このお2人ががっちりと固めているから強い強い。

2人とも続投組ですが、暁子さん、”デスラー総統(三浦剛さん演じた高柴)を片手で持ち上げる女”と初演で言われていましたが、良い意味でリミッターが外れていて怖すぎます・・・

結局なんだかんだ言っても好きな作品が観られて良かったです。

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