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『TATTOO 14』

2013.6.29(Sat.) 17:00~19:25
シアタークリエ 4列10番台(センターブロック)

去年渋谷AXで初演されて、今回が再演、そしてこの日が再演初日です。
この舞台、渋谷AXと今回のシアタークリエともに、物語のキーになるスカイ役が日替わりゲスト。
去年は芳雄氏の回を見ようとしてとても無理で諦めたっけ・・・

この日はスカイ役は浦井健治さん。お隣帝国劇場「二都物語」の稽古を縫っての、2日間(29日ソワレ、30日マチネ)のご出演です。

物語は7人姉妹がショーカンパニーの「TATTOO 14」として活動していたシーンから始まるのですが、とある事件からショーカンパニーは解消、皆散り散りになってしまう。が、それから数年たち、1本の電話が7人姉妹をふたたび繋げようとする・・・
というストーリー。

えーと、ねたばれ入りますのでよろしくお願いします




今回見ることにしたのは、浦井くんスカイにも興味はあったけど、決め手は7人姉妹の中で唯一の新キャスト、四女オーロラ役の千弘ちゃん。

演出の小林香さんが「屋根の上のヴァイオリン弾き」の次女・ホーデル役を見て、「オーロラには千弘ちゃん」という話をされたそうで。

今回の「TATTOO 14」で次女・ビー役の水夏希さんが、同作品では長女・ツァイテル役。
実際のところ、あまりに2人の仲が良すぎて、今回の作品の稽古では「仲が良すぎるから、もう少し気持ち離れて」って香さんに言われたと、水さんが苦笑いされてました。

そして千弘ちゃんとシルビア・グラブさん(三女・ローズ役)とはご存知「レベッカ」の虐められ・虐め役コンビ(どんなまとめ方だ)でもあり、去年年末の「5th Anniversary ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL」(今回と同じくシアタークリエ)では、仲が良いはずなのに妙に噛み合わない通路MCがおかしかったっけ。

この作品、物語の軸は次女と三女なのですが、ショーカンパニー「TATTOO 14」の分裂の原因となる事件を起こしたのが次女で、三女はそれもあって次女を許していない。だから次女が旗振りをしてみんなを集めても、三女は事ある事につっかかる・・・。
この物語、次女と三女しかいないと空中分解して一幕途中で終わってしまいます(爆)が、それを止めるのが四女・オーロラなのですね。

次女が「TATTOO 14」を分裂させたことを、「何の理由もなしにそういうことをするビー(次女)じゃない」とオーロラは信じていて。
でも説明をしないビーに対して、憤りをぶつけるローズ(三女)の気持ちも分かっていて。

だからこそオーロラは多少強引であっても、ビーに「なぜあんなことをしたのか(プロデューサーをぼこぼこにして病院送り、自分は傷害他で刑務所へ)」問いかけるわけで。

ビーがそのことをずっと胸にしまっておけば、姉妹みんなが疑心暗鬼になる。
でもビーが姉妹のみんなのことを思って言ったことを姉妹みんなが知ることができたら、わだかまりなくコンテストに向かっていける。その流れがとっても良くて。

なんかそういう説得上手なところあるんですよね、彼女。

三女のぶっきらぼうなところを、でも愛のある言葉であることを分かっていて「ローズらしい」って言うところなんか、完全にローズ&オーロラでもあり、ビアさん&ちーちゃんでもあり。

次女と三女それぞれの気持ちを分かって、言うべき事をきちんと言える、というポジションが四女・オーロラなので、役者さん同士の信頼関係という意味ではもはや稽古する必要さえないのではという・・・

役柄的には去年秋に紀伊國屋サザンシアター他で上演された「地球の王様」の明梨(あかり)役とかなり重なる部分があります。天然だけど、一番本質を分かっている女の子というところ(今回のオーロラは天然なところはなくてしっかり者ですが)が。

ダンスの激しさという先入観でこの作品を観ていて、そこはとっても頑張っていたけれど、ちょっと大変そうだったのは、”踊りながら歌うところ”の歌声。シルビアさん、夏さんはじめ初演メンバーは踊っても歌が揺れないですからね。

オーロラが”知るのが怖い”と思っていた現実を知ったときに歌うソロのナンバーは、彼女のお得意の”深く染み渡る感情の歌”だったのでそこは凄く良かった。

それに対して「踊りながら歌う」のはもはやテクニックのカテゴリなので、そこは回を重ねるごとに進歩していくんじゃないかと思う。

ショーを踊っているときのオーロラはみんなに付いていくのにいっぱいいっぱいという感じだったけど、私服に戻ったときのオーロラは姉妹の核って感じでなんだかとっても自然で良かった。

ちーちゃん、ショートカットなのに妙に髪が顔にかかるシーンが多くて。
他の方は長髪でもそういうことはないので、きっと経験者の皆さまは首は揺らさないように歌っているのでしょうね。



音楽的にはドラロマの最初の曲がかなりの時間続くようなイメージ(爆)で、曲毎のインパクトが少なくて平板な感じが。
シーンセットリストがないので、「あのシーンのこの曲良いよね」と思っても、タイトルがないと気持ちの盛り上がりに欠けるというか。新曲の歌詞を全部覚えていられるわけはないので、やっぱり要約するにはタイトルじゃないですか。

ただ2幕は実は既存ミュージカルからの流用曲が多いので、どういう手続きをしているかも含めて、あまり表に出すと興趣を削がれるみたいな要素もあるのかもしれませんが。

某「みなしごミュージカル」の超有名曲(今年も上演されていました)をビアさんが歌って、四女以下のみなさんが三角帽子被ってベッドをごろごろ転がるシーンは新鮮な萌えでしたが(爆)。

某ショーを題材にしたブロードウェイミュージカル(由美子さんが演じていたことがある)の曲も久しぶりに聞けて良かったです。あれ、なんで再演されないんだろうなぁ。

ドラロマから「True Colors」が出張してきていました。



販売されているルミカライトもしっかり使って楽しんで、ここでもなんだか「明日への勇気」みたいな物語で(最近その手のを選ばずとも見まくっている気がするw)、とても楽しかったです。

舞台上に女優さん7人、そしてゲストの浦井氏1人という状態でしたが、客席も男性は超少数派なので、浦井くんへの拍手はいつもよりも更に力いっぱいさせていただきました(爆)

ちなみに浦井さん挨拶
「素晴らしいTATTOO姉妹でした。僕は明日も出演します。明日もかまってあげてください」(笑)

ちーちゃんは「I Love You!」と姉妹、客席に向かってハイテンションのご挨拶。
何回目かのカーテンコールかで感極まってうるっとしている感じだった。ビアさんから肩を抱いてもらって幸せそうだったな。
カテコ途中、浦井くんとセンターで隣り合うシーンがあって、実はこの2人は既に2作品で共演済みなので(「シンデレラストーリー」再演と「ダンス・オブ・ヴァンパイア」初演・再演)それ以来の再会シーンで感慨深かったです。目と目で通じ合った一瞬も良かったな。

課題もてんこ盛りで、女優としての得意分野も活かせる素敵な役・オーロラ。小林さんから受けた千本ノックは確かに胸の中のTATTOOとして、しまいこまれたのだろうな、と。

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