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『シルバースプーンに映る月』(5)

2013.6.30(Sun.) 14:00~16:15
東京グローブ座 2階A列30番台(センターブロック下手側)

しるすぷ6回目、東京千秋楽でマイ楽です。

実は、この作品はFCでは初日しか取らなくて、初日終了の時点で後悔(爆)。
作品公式で平日2日間、そして当日券で休日2日間と押さえたのですが、そんなていたらくなので、東京楽は望むべくもなく。しかしながら、ありがたくもフォロワーさんにお声がけいただき、良席で観劇させていただきました。

2階A列は16日に当日券で見ていますが、その時は下手端で見切れていたのですが、この席は見切れゼロ。
オペラグラスを使えば美珠希ちゃんの足の親指のデコりぶりまで見られます(笑)。光ってたわー。
雅也さんとの身振り手振りも見られましたが、なんか前半はお母さま(彩月さん)を茶化しているような感じでしたね、あのシーン。日々オーバーアクションになっていく美珠希ちゃんが楽しかったです。

茶髪といい、足の親指といい、指のネイルといい、思う存分楽しんでますね、聖子さん。
こんなストレスLessな作品珍しいですもんね。
表情がこんなに柔らかい役なんてずっと振り返っても記憶から呼び起こせなくて。

今までは去年のビタスイ(Bitter Days,Sweet Nights)が本人の地が一番現れている作品だと思ってましたけど、しるすぷ見てたこの1ヶ月、久しぶりに見たビタスイは、彼女の役で定番になっている「自分にナイフを刺す」ような場面がいっぱいあって、いつもはどれだけ身体に負担かけて演じているんだろうな、と思いながら見ていたりして。

・・・本人の地という意味では「ガマ王子とザリガニ魔人」の光岡看護婦役の方がリアルでしたけど(今回の作品の「板前」とか「ガサガサっすよ」あたりはその流れw)

さて東京楽ということで、好きなシーンをつれづれなるままにシーン順に。

完全ネタバレですよ、特に大阪公演待ちの方、注意を!


第1場/嵐の夜
「屋敷に幽霊が出る」ということでびくつく執事(女性執事・掛川=園山晴子さん/男性執事・堂島=青山明さん)とコンセルジュ・彩月=戸田恵子さんの3重奏「屋敷に響く歌」。このシーンの彩月はホント隙がなくて格好いいんですけどね。次のシーン出るたびにボロが出ていく様子が興味深いです。

幽霊シーンの「ららーららー」は夢に出るとろくなことがないですね(笑)

第2場/たくらみ
第3場/パーティー

「プロジェクトM」の「M」が「oMial」なことに絶句した(爆)・・・え、違うの?(笑)

美珠希ちゃんの登場シーンのピュアさにびっくりしたり、茶髪は変わらないにしても、日々女の子モードが強くなっていって、楽にはとうとう足の親指のデコまで登場して楽しんでるなぁと。
母親に「会いたい」と言って拒絶されなかったことを喜んでいる美珠希ちゃんがとてもかわいい。

綾佑さんに「かわいい」って言われて恥じらうシーンは、正直デフォルメしすぎてやりすぎだと思ったけど(でも、あそこでありえないぐらい声がひっくり返るところはむちゃくちゃツボでした)

パーティーシーンは恭平(上口耕平さん)が笑いを取りまくってましたが、この日の楽では事前のやりとりがアドリブと化していて、

綾佑「(自分が恭平を●するって話で)もしかして引いちゃった?」
恭平「いやむしろその逆」

・・・ってのが芸が細かかった(笑)。

そういえば、綾佑は意外なほどに鶴田(彩月)に警戒感を持っていて驚いたっけ。「鶴田、何を隠してる?」の追及が厳しくてびっくり。鶴田は雅也狙いだから雅也の前では従順だけど、その辺りの粗が綾佑には見えちゃっているのかも、と思ったり。
粗、多そうですもんねぇ。

「こぼれ落ちるスプーン~」歌詞の「シルバースプーンに映る月」、前半部はビタスイから出張してきてますね。

ビタスイと複数のメロディーがリンクするこの作品、それでいて印象が違うのはなぜかと思えば、今回はアコーディオンがあるからなんですね。荻野さんの演奏は好きだけど、やっぱりピアノだけだと鋭さはあっても温かさは表現しにくくて。アコーディオンがピアノとの間に入り込むことでなんか暖炉の中にいるような客席なんですよね。実は空調は寒いけど(関係なしw)。

第4場/嵐にまぎれて
幽霊騒動が本格化するにつれてびくつくおぼっちゃま。

美珠希「どうかと思う。」
綾佑「あん?」
美珠希「そうやって人に自分の意見を押しつけるの」
綾佑「押しつける?」
美珠希「だってそうじゃない。そんなんだから人違いなんてするのよ

クリーンヒット命中(爆)

敷島家の人たちは綾佑のことをおもんばかって「腫れ物に触るような扱い」をしているのですが、そこに切り込むのが泉美と美珠希。この2人がまた上手く分担して綾佑を引けない立場にしていくんですよね。

印象的だったのはここ。

美珠希「だから認めるわけにはいかなかったんだ。だって認めたら」

・・・ここで泉美は美珠希を目で窘めるんですよね。ここ、結構好きなシーンでした。

泉美はちゃんと分かっているんですよね。どこまで言ったらダメかを。
美珠希は出たとこ勝負で言いたいこと言ってるんですけど、このシーンを境にして熟慮型になっていく感じがしていました。

2人の距離が縮まった「2人きりの夜」ですが、綾佑の「おかしいだろ、親子なのに考えていることがわからないって」という言葉に美珠希が「いや、全然おかしくない。私だってそうだもん」と返すシーンで、ようやく美珠希も自分の心に問題を抱えていることに気づくんですよね、見ている側が。そこが印象的でした。

第5場/検討と葛藤
第6場/母の秘密

戸田さんとの母娘シーンは進化してて面白かったな-。楽は「それぐらいのことしてくれてもいいんじゃないの」を、立って脇に手を当ててまで、強要するかのような感じになってたのが興味深かったです。
最初の頃はふと気づいて言ってみたぐらい(でも実は母には大きなダメージ)って感じでしたけど、「それを強く言う権利が私にはあるよね」って感じに美珠希が開き直ったように見えた。でもなんで美珠希がそこまでするのか母も疑問に思って・・・
って流れが自然でした。

第7場/歌を作る
第8場/向かい合う時
第9場/朝陽は輝く

綾佑が美珠希に感情をぶつけるシーンがあって、いつも理不尽だよなぁと思いながら美珠希視点で見ていたのですが、綾佑視点で言えば、「美珠希がいつまでも自分にやいのやいの言ってくる」のは時に負担なわけで、それともう一点、「美珠希は自分の問題から目をそらせている」ところは否定し得ない部分だと思うのです。

前回、好きなシーンで「二人で探せば」のリプライズのことを書きましたが、美珠希が「2人で探せば自分の問題も解決するかもしれないと思ったのに」と歌っていますが、それは美珠希にしてみれば甘えだったとも思えて。

綾佑はお坊ちゃまだけれども、本質的なことを見抜く力はあると思っていて(だからこそ彩月に対しては警戒感を持っていた)美珠希が自分(綾佑)に対して関わることで、自分(美珠希)のことから目を逸らそうとしているように感じたように思えて。

「逃げるのか」って言葉を綾佑は美珠希に投げつけるけれども、あれは美珠希が綾佑から逃げるという一面と、美珠希が自分の現実から逃げるという一面、その両方に対して楔を打ち込んだように思えてならなかったりしました。

このパートで歌われる「想いを乗せて」の曲で「想いを乗せて口にしてみよう、それで世界は広がる」という歌詞がありますが、興味深いのは1幕のパーティーシーンの「身体が触れあえば気持ちは通じ合う」ってところとの対比。

パーティーシーンでは綾佑が先導して美珠希が乗っちゃいますよね。(ちなみに持ってきたバックを結構早い時期に肩から下ろして乗る気満々だったりしますけどね美珠希w)で、このシーンでは美珠希が先導して綾佑が乗っちゃう。
その対比が面白いなって。

身体のふれあいで心が近づくと思っていた綾佑。
言葉のふれあいで心が近づくと思っていた美珠希。
その両方がふれあうことで心が近づいた結末。

と思うとなんだかほっこりします。



この日は東京千秋楽ということで、カーテンコールが3回繰り返された後、勢揃いした皆さま。

壇上中央におわします坂本さんがどうしようか困っていると、お隣の聖子さんが実に自然に「どうぞ」と促した結果、坂本さんのご挨拶に。

「本日は『シルバースプーンに映る月』千秋楽にお越しいただきありがとうございます。・・・今日は当日券に60名の皆さまに並んでいただいたそうで、制作が感謝しておりました。ありがとうございます。・・・この公演はWorld Premire Japan Tourということで、これからニューヨークで公演する予定が(舞台上、客席あっけにとられる)・・・予定は未定なんですけど(舞台上、客席ともに爆笑)・・・でもこれから大阪で公演いたしますので、今拍手をくださった方(笑)、ぜひ大阪へおいでください。ありがとうございました」

カーテンコールから去っていくとき、洋館の奥で聖子さんが両手ガッツポーズで去っていく姿さすが板前だったなー(笑)

あまりに鳴り止まぬ拍手に、坂本さんが下手から上手までただ抜けていくという荒技を使っても減せず・・・最後は坂本さんが出てこられて扉から「しーっ」と客席を鎮めた後に「終わりっ!」と言っていただいて大拍手にて終了。さすがでした。

2週間強の公演、満喫しました。良かったです。

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