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2013年6月

『シルバースプーンに映る月』(5)

2013.6.30(Sun.) 14:00~16:15
東京グローブ座 2階A列30番台(センターブロック下手側)

しるすぷ6回目、東京千秋楽でマイ楽です。

実は、この作品はFCでは初日しか取らなくて、初日終了の時点で後悔(爆)。
作品公式で平日2日間、そして当日券で休日2日間と押さえたのですが、そんなていたらくなので、東京楽は望むべくもなく。しかしながら、ありがたくもフォロワーさんにお声がけいただき、良席で観劇させていただきました。

2階A列は16日に当日券で見ていますが、その時は下手端で見切れていたのですが、この席は見切れゼロ。
オペラグラスを使えば美珠希ちゃんの足の親指のデコりぶりまで見られます(笑)。光ってたわー。
雅也さんとの身振り手振りも見られましたが、なんか前半はお母さま(彩月さん)を茶化しているような感じでしたね、あのシーン。日々オーバーアクションになっていく美珠希ちゃんが楽しかったです。

茶髪といい、足の親指といい、指のネイルといい、思う存分楽しんでますね、聖子さん。
こんなストレスLessな作品珍しいですもんね。
表情がこんなに柔らかい役なんてずっと振り返っても記憶から呼び起こせなくて。

今までは去年のビタスイ(Bitter Days,Sweet Nights)が本人の地が一番現れている作品だと思ってましたけど、しるすぷ見てたこの1ヶ月、久しぶりに見たビタスイは、彼女の役で定番になっている「自分にナイフを刺す」ような場面がいっぱいあって、いつもはどれだけ身体に負担かけて演じているんだろうな、と思いながら見ていたりして。

・・・本人の地という意味では「ガマ王子とザリガニ魔人」の光岡看護婦役の方がリアルでしたけど(今回の作品の「板前」とか「ガサガサっすよ」あたりはその流れw)

さて東京楽ということで、好きなシーンをつれづれなるままにシーン順に。

完全ネタバレですよ、特に大阪公演待ちの方、注意を!


第1場/嵐の夜
「屋敷に幽霊が出る」ということでびくつく執事(女性執事・掛川=園山晴子さん/男性執事・堂島=青山明さん)とコンセルジュ・彩月=戸田恵子さんの3重奏「屋敷に響く歌」。このシーンの彩月はホント隙がなくて格好いいんですけどね。次のシーン出るたびにボロが出ていく様子が興味深いです。

幽霊シーンの「ららーららー」は夢に出るとろくなことがないですね(笑)

第2場/たくらみ
第3場/パーティー

「プロジェクトM」の「M」が「oMial」なことに絶句した(爆)・・・え、違うの?(笑)

美珠希ちゃんの登場シーンのピュアさにびっくりしたり、茶髪は変わらないにしても、日々女の子モードが強くなっていって、楽にはとうとう足の親指のデコまで登場して楽しんでるなぁと。
母親に「会いたい」と言って拒絶されなかったことを喜んでいる美珠希ちゃんがとてもかわいい。

綾佑さんに「かわいい」って言われて恥じらうシーンは、正直デフォルメしすぎてやりすぎだと思ったけど(でも、あそこでありえないぐらい声がひっくり返るところはむちゃくちゃツボでした)

パーティーシーンは恭平(上口耕平さん)が笑いを取りまくってましたが、この日の楽では事前のやりとりがアドリブと化していて、

綾佑「(自分が恭平を●するって話で)もしかして引いちゃった?」
恭平「いやむしろその逆」

・・・ってのが芸が細かかった(笑)。

そういえば、綾佑は意外なほどに鶴田(彩月)に警戒感を持っていて驚いたっけ。「鶴田、何を隠してる?」の追及が厳しくてびっくり。鶴田は雅也狙いだから雅也の前では従順だけど、その辺りの粗が綾佑には見えちゃっているのかも、と思ったり。
粗、多そうですもんねぇ。

「こぼれ落ちるスプーン~」歌詞の「シルバースプーンに映る月」、前半部はビタスイから出張してきてますね。

ビタスイと複数のメロディーがリンクするこの作品、それでいて印象が違うのはなぜかと思えば、今回はアコーディオンがあるからなんですね。荻野さんの演奏は好きだけど、やっぱりピアノだけだと鋭さはあっても温かさは表現しにくくて。アコーディオンがピアノとの間に入り込むことでなんか暖炉の中にいるような客席なんですよね。実は空調は寒いけど(関係なしw)。

第4場/嵐にまぎれて
幽霊騒動が本格化するにつれてびくつくおぼっちゃま。

美珠希「どうかと思う。」
綾佑「あん?」
美珠希「そうやって人に自分の意見を押しつけるの」
綾佑「押しつける?」
美珠希「だってそうじゃない。そんなんだから人違いなんてするのよ

クリーンヒット命中(爆)

敷島家の人たちは綾佑のことをおもんばかって「腫れ物に触るような扱い」をしているのですが、そこに切り込むのが泉美と美珠希。この2人がまた上手く分担して綾佑を引けない立場にしていくんですよね。

印象的だったのはここ。

美珠希「だから認めるわけにはいかなかったんだ。だって認めたら」

・・・ここで泉美は美珠希を目で窘めるんですよね。ここ、結構好きなシーンでした。

泉美はちゃんと分かっているんですよね。どこまで言ったらダメかを。
美珠希は出たとこ勝負で言いたいこと言ってるんですけど、このシーンを境にして熟慮型になっていく感じがしていました。

2人の距離が縮まった「2人きりの夜」ですが、綾佑の「おかしいだろ、親子なのに考えていることがわからないって」という言葉に美珠希が「いや、全然おかしくない。私だってそうだもん」と返すシーンで、ようやく美珠希も自分の心に問題を抱えていることに気づくんですよね、見ている側が。そこが印象的でした。

第5場/検討と葛藤
第6場/母の秘密

戸田さんとの母娘シーンは進化してて面白かったな-。楽は「それぐらいのことしてくれてもいいんじゃないの」を、立って脇に手を当ててまで、強要するかのような感じになってたのが興味深かったです。
最初の頃はふと気づいて言ってみたぐらい(でも実は母には大きなダメージ)って感じでしたけど、「それを強く言う権利が私にはあるよね」って感じに美珠希が開き直ったように見えた。でもなんで美珠希がそこまでするのか母も疑問に思って・・・
って流れが自然でした。

第7場/歌を作る
第8場/向かい合う時
第9場/朝陽は輝く

綾佑が美珠希に感情をぶつけるシーンがあって、いつも理不尽だよなぁと思いながら美珠希視点で見ていたのですが、綾佑視点で言えば、「美珠希がいつまでも自分にやいのやいの言ってくる」のは時に負担なわけで、それともう一点、「美珠希は自分の問題から目をそらせている」ところは否定し得ない部分だと思うのです。

前回、好きなシーンで「二人で探せば」のリプライズのことを書きましたが、美珠希が「2人で探せば自分の問題も解決するかもしれないと思ったのに」と歌っていますが、それは美珠希にしてみれば甘えだったとも思えて。

綾佑はお坊ちゃまだけれども、本質的なことを見抜く力はあると思っていて(だからこそ彩月に対しては警戒感を持っていた)美珠希が自分(綾佑)に対して関わることで、自分(美珠希)のことから目を逸らそうとしているように感じたように思えて。

「逃げるのか」って言葉を綾佑は美珠希に投げつけるけれども、あれは美珠希が綾佑から逃げるという一面と、美珠希が自分の現実から逃げるという一面、その両方に対して楔を打ち込んだように思えてならなかったりしました。

このパートで歌われる「想いを乗せて」の曲で「想いを乗せて口にしてみよう、それで世界は広がる」という歌詞がありますが、興味深いのは1幕のパーティーシーンの「身体が触れあえば気持ちは通じ合う」ってところとの対比。

パーティーシーンでは綾佑が先導して美珠希が乗っちゃいますよね。(ちなみに持ってきたバックを結構早い時期に肩から下ろして乗る気満々だったりしますけどね美珠希w)で、このシーンでは美珠希が先導して綾佑が乗っちゃう。
その対比が面白いなって。

身体のふれあいで心が近づくと思っていた綾佑。
言葉のふれあいで心が近づくと思っていた美珠希。
その両方がふれあうことで心が近づいた結末。

と思うとなんだかほっこりします。



この日は東京千秋楽ということで、カーテンコールが3回繰り返された後、勢揃いした皆さま。

壇上中央におわします坂本さんがどうしようか困っていると、お隣の聖子さんが実に自然に「どうぞ」と促した結果、坂本さんのご挨拶に。

「本日は『シルバースプーンに映る月』千秋楽にお越しいただきありがとうございます。・・・今日は当日券に60名の皆さまに並んでいただいたそうで、制作が感謝しておりました。ありがとうございます。・・・この公演はWorld Premire Japan Tourということで、これからニューヨークで公演する予定が(舞台上、客席あっけにとられる)・・・予定は未定なんですけど(舞台上、客席ともに爆笑)・・・でもこれから大阪で公演いたしますので、今拍手をくださった方(笑)、ぜひ大阪へおいでください。ありがとうございました」

カーテンコールから去っていくとき、洋館の奥で聖子さんが両手ガッツポーズで去っていく姿さすが板前だったなー(笑)

あまりに鳴り止まぬ拍手に、坂本さんが下手から上手までただ抜けていくという荒技を使っても減せず・・・最後は坂本さんが出てこられて扉から「しーっ」と客席を鎮めた後に「終わりっ!」と言っていただいて大拍手にて終了。さすがでした。

2週間強の公演、満喫しました。良かったです。

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『TATTOO 14』

2013.6.29(Sat.) 17:00~19:25
シアタークリエ 4列10番台(センターブロック)

去年渋谷AXで初演されて、今回が再演、そしてこの日が再演初日です。
この舞台、渋谷AXと今回のシアタークリエともに、物語のキーになるスカイ役が日替わりゲスト。
去年は芳雄氏の回を見ようとしてとても無理で諦めたっけ・・・

この日はスカイ役は浦井健治さん。お隣帝国劇場「二都物語」の稽古を縫っての、2日間(29日ソワレ、30日マチネ)のご出演です。

物語は7人姉妹がショーカンパニーの「TATTOO 14」として活動していたシーンから始まるのですが、とある事件からショーカンパニーは解消、皆散り散りになってしまう。が、それから数年たち、1本の電話が7人姉妹をふたたび繋げようとする・・・
というストーリー。

えーと、ねたばれ入りますのでよろしくお願いします




今回見ることにしたのは、浦井くんスカイにも興味はあったけど、決め手は7人姉妹の中で唯一の新キャスト、四女オーロラ役の千弘ちゃん。

演出の小林香さんが「屋根の上のヴァイオリン弾き」の次女・ホーデル役を見て、「オーロラには千弘ちゃん」という話をされたそうで。

今回の「TATTOO 14」で次女・ビー役の水夏希さんが、同作品では長女・ツァイテル役。
実際のところ、あまりに2人の仲が良すぎて、今回の作品の稽古では「仲が良すぎるから、もう少し気持ち離れて」って香さんに言われたと、水さんが苦笑いされてました。

そして千弘ちゃんとシルビア・グラブさん(三女・ローズ役)とはご存知「レベッカ」の虐められ・虐め役コンビ(どんなまとめ方だ)でもあり、去年年末の「5th Anniversary ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL」(今回と同じくシアタークリエ)では、仲が良いはずなのに妙に噛み合わない通路MCがおかしかったっけ。

この作品、物語の軸は次女と三女なのですが、ショーカンパニー「TATTOO 14」の分裂の原因となる事件を起こしたのが次女で、三女はそれもあって次女を許していない。だから次女が旗振りをしてみんなを集めても、三女は事ある事につっかかる・・・。
この物語、次女と三女しかいないと空中分解して一幕途中で終わってしまいます(爆)が、それを止めるのが四女・オーロラなのですね。

次女が「TATTOO 14」を分裂させたことを、「何の理由もなしにそういうことをするビー(次女)じゃない」とオーロラは信じていて。
でも説明をしないビーに対して、憤りをぶつけるローズ(三女)の気持ちも分かっていて。

だからこそオーロラは多少強引であっても、ビーに「なぜあんなことをしたのか(プロデューサーをぼこぼこにして病院送り、自分は傷害他で刑務所へ)」問いかけるわけで。

ビーがそのことをずっと胸にしまっておけば、姉妹みんなが疑心暗鬼になる。
でもビーが姉妹のみんなのことを思って言ったことを姉妹みんなが知ることができたら、わだかまりなくコンテストに向かっていける。その流れがとっても良くて。

なんかそういう説得上手なところあるんですよね、彼女。

三女のぶっきらぼうなところを、でも愛のある言葉であることを分かっていて「ローズらしい」って言うところなんか、完全にローズ&オーロラでもあり、ビアさん&ちーちゃんでもあり。

次女と三女それぞれの気持ちを分かって、言うべき事をきちんと言える、というポジションが四女・オーロラなので、役者さん同士の信頼関係という意味ではもはや稽古する必要さえないのではという・・・

役柄的には去年秋に紀伊國屋サザンシアター他で上演された「地球の王様」の明梨(あかり)役とかなり重なる部分があります。天然だけど、一番本質を分かっている女の子というところ(今回のオーロラは天然なところはなくてしっかり者ですが)が。

ダンスの激しさという先入観でこの作品を観ていて、そこはとっても頑張っていたけれど、ちょっと大変そうだったのは、”踊りながら歌うところ”の歌声。シルビアさん、夏さんはじめ初演メンバーは踊っても歌が揺れないですからね。

オーロラが”知るのが怖い”と思っていた現実を知ったときに歌うソロのナンバーは、彼女のお得意の”深く染み渡る感情の歌”だったのでそこは凄く良かった。

それに対して「踊りながら歌う」のはもはやテクニックのカテゴリなので、そこは回を重ねるごとに進歩していくんじゃないかと思う。

ショーを踊っているときのオーロラはみんなに付いていくのにいっぱいいっぱいという感じだったけど、私服に戻ったときのオーロラは姉妹の核って感じでなんだかとっても自然で良かった。

ちーちゃん、ショートカットなのに妙に髪が顔にかかるシーンが多くて。
他の方は長髪でもそういうことはないので、きっと経験者の皆さまは首は揺らさないように歌っているのでしょうね。



音楽的にはドラロマの最初の曲がかなりの時間続くようなイメージ(爆)で、曲毎のインパクトが少なくて平板な感じが。
シーンセットリストがないので、「あのシーンのこの曲良いよね」と思っても、タイトルがないと気持ちの盛り上がりに欠けるというか。新曲の歌詞を全部覚えていられるわけはないので、やっぱり要約するにはタイトルじゃないですか。

ただ2幕は実は既存ミュージカルからの流用曲が多いので、どういう手続きをしているかも含めて、あまり表に出すと興趣を削がれるみたいな要素もあるのかもしれませんが。

某「みなしごミュージカル」の超有名曲(今年も上演されていました)をビアさんが歌って、四女以下のみなさんが三角帽子被ってベッドをごろごろ転がるシーンは新鮮な萌えでしたが(爆)。

某ショーを題材にしたブロードウェイミュージカル(由美子さんが演じていたことがある)の曲も久しぶりに聞けて良かったです。あれ、なんで再演されないんだろうなぁ。

ドラロマから「True Colors」が出張してきていました。



販売されているルミカライトもしっかり使って楽しんで、ここでもなんだか「明日への勇気」みたいな物語で(最近その手のを選ばずとも見まくっている気がするw)、とても楽しかったです。

舞台上に女優さん7人、そしてゲストの浦井氏1人という状態でしたが、客席も男性は超少数派なので、浦井くんへの拍手はいつもよりも更に力いっぱいさせていただきました(爆)

ちなみに浦井さん挨拶
「素晴らしいTATTOO姉妹でした。僕は明日も出演します。明日もかまってあげてください」(笑)

ちーちゃんは「I Love You!」と姉妹、客席に向かってハイテンションのご挨拶。
何回目かのカーテンコールかで感極まってうるっとしている感じだった。ビアさんから肩を抱いてもらって幸せそうだったな。
カテコ途中、浦井くんとセンターで隣り合うシーンがあって、実はこの2人は既に2作品で共演済みなので(「シンデレラストーリー」再演と「ダンス・オブ・ヴァンパイア」初演・再演)それ以来の再会シーンで感慨深かったです。目と目で通じ合った一瞬も良かったな。

課題もてんこ盛りで、女優としての得意分野も活かせる素敵な役・オーロラ。小林さんから受けた千本ノックは確かに胸の中のTATTOOとして、しまいこまれたのだろうな、と。

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『シルバースプーンに映る月』(4)

2013.6.25(Tue.) 19:00~21:05
 東京グローブ座 1階N列50番台(上手側)

2013.6.27(Thu.) 19:00~21:05
 東京グローブ座 3階B列40番台(上手側)

しるすぷ、4回目・5回目です。

どちらも公演スタート後に作品公式でゲットした席で、25日ソワレは1つ前の列から1段高くなっていたためもあって、舞台全体が見渡せて、かつオペラグラス要らずで表情も見通せる(蚊の刺された跡は見えませんが)良席。
27日ソワレは3階で舞台を見下ろす形とはなりますが、クッションが既に準備されており、A列と違って柵が気にならないですし、某日の2階下手端よりずっと見やすくストレスレスでした。

こちらの劇場、上手側は結構端まで行っても見切れが少ないですが、下手側は相当見切れる席がありますので注意です。

27日ソワレがマイ楽の予定だったのですが、フォロワーさんのご厚意でマイ前楽に変わることになり、心なし余裕を持っての観劇となりました。

そしてネタバレモード続行中です。

●空気を読む
ラスト直前、美珠希より前に敷島家のお屋敷を出て行く泉美は、美珠希に「私にだって空気を読むことができるんです」と言って美珠希を不思議がらせるシーンがあります。

この作品に登場している人物は「固定観念」に苦しめられている人が多くて、まずは雅也さん。

「元はこの屋敷のバトラー(執事)だった」彼。

「彼(綾佑)は私と妻が愛のない結婚をしたと思っているんです。だって私は・・・」と呟きます。
「執事だったんですよね」と美珠希。
「そんなの関係ないじゃないですか」と美珠希は言いますが、
雅也は「だが世間はそう思ってはくれない」と嘆きます。

その、雅也に対してひとかたならぬ気配りをする美珠希自身、そもそも、その前に雅也に救われていて。

「私、板前なんです」
「女性の板前さんといえばご苦労がおありでしょう」

というやりとりで、雅也の「女性の板前」に対する固定観念が全くないことに救われている。

泉美のこの言葉はいきなり出てきたような台詞でいつも違和感を禁じ得なかったのですが、銀行頭取のご令嬢の泉美にとって、「私にだって空気を読むことができる」というのは「お嬢様は空気を読めない」と思われる「固定観念」に対する、自分なりの主張だったのかなと思って。

泉美にとってみれば、綾佑への好意はもともと無意識の下にあって、同じく美珠希から綾佑への好意も無意識の下にあると思ったからこそ、あえて「私にだってプライドはあるんです」とは言わずに、美珠希を変に焚きつけなかったのかな、とも思えて。
綾佑に対する恋愛感情はあの時点では明らかに美珠希からよりは泉美からの方がありそうな気がしますしね。

それにしてみても、綾佑が泉美に投げつける言葉の荒さ、それが雅也の優しさを表現することになるとは不思議です。

綾佑が泉美に「酷い言葉」(@美珠希)を吐いた後、雅也は初めて綾佑に対して本心を打ち明けるのですが、そこで「君が自然な形で彼女(泉美)を好きになることができたなら、それでいいと思った」と言っていて。

会社が傾き、社長としてどうにかしなければならないというプレッシャーの中、「お見合い」という非常手段に訴えてさえ、雅也は綾佑が「自然な形で相手を好きになってこそ」というゾーンは残していた。

それはきっと雅也にとってのミユキ(綾佑の姉)と夫婦関係になり、「執事と良家のお嬢様」という「固定観念」の中の茨の道を、「お互い愛し合っていた」からこそ乗り越えられたという、雅也にとっての支えなせいもあるのでしょうね。

●自然な形で
その前段を踏まえて綾佑から美珠希への関係を見ると、美珠希が屋敷を出て行くのを止める流れがとても自然で好きです。

あのタイミングで美珠希はシングルパンチを受けたのかと思いきや、実はダブルパンチを受けているのですね。

1つは無論、綾佑相手で、「謝ってきなさい」と促しておいて、綾佑が泉美に謝っていたらまさか、泉美が綾佑の胸に飛び込んで行っているとは・・・

で、そのインパクトが強すぎたのですっかり忘れていますが、そもそも綾佑の様子を見に行った勢いの理由というのが、母である彩月に言われた言葉。

自分に父がいない理由、母にとっての自分の存在。そのいずれもが自分の望む形でなかったことに大きなショックを受けているのですね。

この作品での美珠希の立ち位置は、綾佑を影ながら支えて、綾佑というスプーンを照らす月のような存在なわけですが、しょっちゅう忘れられるのが、美珠希自身も人生に迷って、ふたたび歩き出すきっかけをこの敷島家に求めている(正確には母である彩月に求めてきたけれど、結果的には綾佑に求めている形になっている)。

綾佑に拒絶された美珠希が歌う「二人で探せば」のリプライズは、これ以上ないほどのもの悲しさですが、この曲のこのシーンだけ、「2人で探せば、(私の)迷いの出口も見つけられたかもしれないのにな」という表現なんですよね。

ただもう一点、綾佑をかまっていれば美珠希にしてみれば自分の問題に目を向けないで済む、という側面もあったでしょうけどね。綾佑が美珠希のその迷いに一切気づかず、美珠希の立場は雅也が分かっている、という役割分担が絶妙でしたね。

綾佑は美珠希を求め、美珠希は雅也が支えて、雅也が綾佑と美珠希を見守るというバランスがどこをとっても絶品で、それでいて雅也の心の中にはミユキがいるから、雅也が美珠希を求めることはないから、綾佑と美珠希の組み合わせは泉美が身を引いた今、確立するという、まぁ上手く考えたもんだなぁという。

”自然な形で彼女のことを好きになってくれれば良いと思っていた”という言葉は、綾佑と泉美の関係に対して言いながら、雅也にしてみれば綾佑と美珠希の関係がまさにそうであることを表現しているように思えて。

●自然な形でその2
この作品で結構なお気に入りポイントが、3人(雅也・綾佑・美珠希)が夜のソファーでちょこんと座っているさま。
特に美珠希が雅也と綾佑に挟まれてちっこい(笑)バランスがとても面白いです。何か妙におかしいじゃないですか(笑)。

でここで、なかなか出てこない幽霊に業を煮やしての会話。

綾佑「絶対幽霊は出る」
美珠希「なんで断言できるの」
綾佑「(観念して)白状するよ」

ってシーンがとっても印象的で。

綾佑が美珠希に本当の意味で心を開いていることがはっきり見えたからなのだと思いますが、ここがとっても好き。
もはや抗う気さえないのねという(笑)。
それもあってか、実は恐がりな綾佑のことを茶化してきていた美珠希が、ここでは

美珠希「超自然的な何か」

という言葉で綾佑の気持ちを慰めているところが、空気の変化をよく表現していて好き。

そういえば、自然な形でといえば、屋敷を出て行こうとした美珠希を止めた綾佑の一言。

綾佑「逃げるのか!」
美珠希「逃げる?!(怒)」

・・・の言葉は、えーと、あて書きという前提で解析しますと
多分、彼女の足を止める一番有効な言葉だと思います、はい(爆)。

「自然な形で」というのは、発する言葉や空気が”共有の色”を持った時のことを指すのだろうなと思えたのでした。

素敵なストーリーと音楽と歌声に癒された半月も、ラストスパート。
マイラストは6月ラスト公演です。

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『シルバースプーンに映る月』(3)

2013.6.23(Sun.) 14:00~16:05
東京グローブ座 1階D列10番台(センターブロック)

しるすぷ3回目。

1階D列はご存知の方もいらっしゃると思うのですが、目の前が通路な席で、超良席。前回が見切れシーンが多かったことのフォローを戴いたかのような席で、全体も部分部分も見える、とても素敵な体験をしました。

この日一番笑ったポイントが、「幽霊との交信のために曲を作ろう」という提案を泉美さん(内田亜希子さん)がした時に、ひとしきり会話した後、雅也さん(鈴木綜馬さん)が「続きは上でお食事しながらでも」と答えるんですが・・・

その言葉を聞いた瞬間、上手側にいた美珠希さん(新妻聖子さん)、その瞬間、満面の笑みを浮かべつつ「お腹空いたなぁ」と言うかのごとく、お腹をおさえていて爆笑しました(笑)

・・・どんだけあてがき(爆)

ちなみにその時、美珠希さんはお母さま・彩月さん(戸田恵子さん)に連れられていくのですが、直後の不機嫌さは食事をおあずけにされたからに違いない(笑)

前作「Bitter Days ,Sweet Nights」との類似点を書いたのですが、そもそも泉美さんの名字は「市之瀬(いちのせ)さん」。
新妻さんが同作で演じていた役がそもそも「一之瀬ナツコさん」(2役のお姉さんは「一之瀬フユコさん」)でしたね。

この日、上口くん演じる恭平ってば、綾佑と美珠希のデュエットに、バックでオーバーヒートしちゃって、踊りまくった足がソファーを直撃して大笑いが起きていました(笑)。

そしてネタバレ続行ですよ-。

・・・

作品のキーになるのに、実は聞き逃している台詞というのはあるもので。
3回目にして初めて引っ掛かった台詞が、綾佑さん(坂本さん)と美珠希とのやりとり。

美珠希「幽霊を信じていないの?」
綾佑「信じていないのは幽霊だけじゃない。あの日から自分は全てが信じられずに投げやりになっていた」

多分ここで、美珠希は、以前から薄々感じ取っていた綾佑の”粗暴さの裏にある本当の気持ち”の内容がようやく分かったんだと思う。

綾佑は誰に対しても怒鳴って言うことを聞かせようとする。それにただ一人正面から異を唱えていたのが美珠希なわけだけど、結局、当たり散らせば自分の周囲に人はいなくなっていく。それが綾佑にとっては自分にとって一番居やすい空気だと信じていて。で、そんな美珠希がなぜ綾佑のそんな様子を見て助けたいと思ったか・・・

それは美珠希が中盤で歌っている「自分も迷っている。どうすればいいのか。だから同じように迷っている彼(綾佑)のことを放っておけない」ということなんですね。
この作品の中で、綾佑の「迷い」はずーっと最後直前まで続いていくんですが、美珠希の「迷い」って意外に表に出て来ないんです。むしろ美珠希が自分の迷いから目を背けているとも言えて、だからこそ不意に母親との関係で一気に傷ついたりしているんですよね。
自分の現実を受け止める覚悟ができていないのは、実は美珠希だって同じ。

綾佑に対して美珠希が口にする言葉って、立場が同じだから自分への刃でもあるんですよね。
自分への迷いの出口を、この場に求めているんだろうなと思う。
本当は、その救いは母親(彩月)に求めてきたんでしょうけどね。
彩月も、自分から美珠希を切り離したように見えていて、実は美珠希が自分で立ち直ることを促したようにも見えて。
ラスト、美珠希に「またね。」と言って去っていく様は、とても素敵だったな。
母娘の気持ちの行き違いって、この作品であまり語られてないけどきちんと解決しているんですよね。

・・・

綾佑の姉であり、雅也の妻であるミユキ。そのミユキへの想いが、2人と、2人の関係を先に進ませようとしない・・・。

この設定、以前どこかで見たことがあったなぁと思ったら、やっぱり少女漫画で見てました。
赤石路代先生の「P.A(プライベートアクトレス)」3巻の11話「ディケンズをみてごらん」。

この作品の主人公は「個人的な依頼に応える女優=P.A(ドラマ版では榎本加奈子さんが演じて好演でした)」で、その洋館にメイドとして呼ばれ、洋館の主人の前で「奥様が生きているように振る舞う」ように頼まれるというストーリー。

でもこの「P.A」という作品は仕事で呼ばれながらも、なぜだか人間的に振る舞うのですね。この話でも主人に対して、望まれるように振る舞いながらも、最後は「奥様が亡くなったことをはっきり認めないと、先に歩いては行けない」ということをご主人に自ら認識させて、そして人知れず洋館から去るのです。

今回の作品で、美珠希の存在というのは実に不思議で、以前も書いたのですが、なぜ門外漢のこの人が主人に楯突き(笑)、追い出されもせず、しかも、かつてから洋館に勤める執事からも好意的にとらえられているのかと・・・

執事2人、園山さん演じる女性の執事と青山さん演じる男性の執事は、戸田さん演じる彩月に対しては極めて警戒感を持って接しているのですが、美珠希に対してはあたかも応援するかのような立場に立っています。
積極的な支持こそなさそうに見えますが、美珠希が屋敷を出て行こうと決めたとき、掛川は憤る美珠希を止めにかかっていますし、堂島は綾佑を宥め窘め、「綾佑に本当に必要なのは泉美ではなく美珠希である」ということに綾佑自ら気づかせるようにしている。

2人は先代の頃から敷島家に仕え、恐らくは敷島家が上手く回ってきた頃のことも知っていて、敷島家がなぜこうなってしまったのかに対して胸を痛めながらも、でも自分たちの力ではどうしようもできないと思っている。
そして、そこに現れたのが”我々のゲートルード(春の嵐)”である美珠希。

先ほど「門外漢である彼女がなぜ」と書いたのですが、逆に言うと「門外漢だからこそ」言いたいことが言えるし、それが決して不快じゃないというのが、とっても心地良いんですね
(ちなみにこの辺の設定がPA11話にすっごく似てます)。

その鍵になるのは「想い」だと思うのですね。

美珠希が歌う「想いを乗せて口にしてみよう」という歌詞はまさに美珠希の魅力と存在感を見せて余りあるもので。
ただ歌うだけじゃない、「想いを乗せて」歌うことに意味があるんだと。

そういう”役”として魅せられるようになった歌い手・女優の聖子さんの姿に、ただただ、とても嬉しくなります。

・・・

人は信じたいものを信じる-だから綾佑も雅也も美珠希も、自分が一番楽になる、物事の信じ方をしていたと。
でも、「信じたくないものでも信じないと、人は先には進めない」ということを、3人はお互いがお互いで知ったのだと。

綾佑も雅也も「ミユキは亡くなった」という「信じたくないこと」を信じたからこそ、未来へ踏み出せた。
美珠希は確かにお客さんに辛く当たられたかもしれないけど、「他人から言われたことに自分のプライドが負けた」ことが本当の彼女の”迷い”なのだと思うし。お客さんからどう言われようと、自分は自分のやるべきことをやらなきゃいけないんだ、と思ったことが彼女にとってのスタートだと思う。

ラストの曲の重奏感が、以前より更に聖子さんリードボーカル的になって濃くなっていた(歌い出しは坂本さんですが)に感動。

「今日というスープをスプーンでひと匙掬えば、明日への力が」。

前作「トゥモロー・モーニング」と全く同じメッセージで、開放感も瓜二つで客席にダイレクトに伝わる作品。
素敵な作品にまた出会えたこと、嬉しい限りです。

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『21C:マドモアゼルモーツァルト』

2013.6.22(Sat.) 18:00~21:10
東京芸術劇場プレイハウス 2階C列1桁番台(下手側)

音楽座ミュージカル「21C:マドモアゼルモーツァルト」、8年ぶりの再演です。
初演は2005年のPARCO劇場。主演のモーツァルト/エリーザの2役は客演の新妻聖子さんでした。
当時カンパニー内にこの役をやれる人がおらずに客演となったそうですが、今年の再演は満を持して、カンパニー内から高野菜々さんが主演。

初演の新妻さんが今回の再演版を見た感想blogはこちら

さてネタバレありますご注意あれ




「モーツァルトは女性だった」という仮説と、「当時、女性の音楽家は存在を認められていなかった」(東宝版「モーツァルト!」では由美子さんが演じるナンネール役でさんざん身にしみてますが)という話を混ぜた結果、1幕はパパ(レオポルト)の指示により男(モーツァルト)で生き、2幕は元の女性、エリーザでモーツァルトを生きるという物語(2幕後半からふたたびモーツァルトに戻ります)。

1幕の男役で生きるモーツァルトは、正直、菜々ちゃんには大変そうな気がしました。8年前なのにいまだ鮮烈な印象がある新妻さんのモーツァルト役の突破力をついつい重ねて見てしまって。
ホント「すこーん」と突き抜ける勢いがありましたから。
菜々ちゃんも頑張っているんだけど相手が悪い・・・と思って幕間を迎えました。

そして迎えた2幕。幕が開いて菜々エリーザに一発で持って行かれました。
なんですか、あのちゃーみんぐえりーざは。
可愛さ全開、魅力全開。1幕のどこか窮屈そうなモーツァルトはどこへやら。

「モーツァルトの持ち主(=レオポルトのこと。自分を男として世間に出したという意味)は行ってしまったんだ」と本心から言うかのような菜々エリーザを見た時、1幕の違和感がようやく納得できて。

初演の新妻さんは、1幕のモーツァルト役は地でやっているんじゃないかと思うぐらいにはまり役で、逆に2幕のエリーザ役はどことなくぎこちなくて。

逆に菜々ちゃんは、1幕のモーツァルト役はぎこちないのに、2幕のエリーザ役は完全にはまり役。

2幕最初でそれに気づいてからは、2人の違いが分かったような気がして、すっきりと再演版も見ることができて。

新妻モーツァルトは、レオポルトが自分を「男」として音楽家として世に出したことに、これ幸いとのっかっちゃった感じがあったから、女性に戻ることにはしぶしぶという感じがしてました。

が、菜々モーツァルトは、男として生きることが「やらされていること」そのもので半ば嫌悪まで持っていて、そのためにコンツタンツェにも嘘を付かなきゃいけなくて、「嘘を付く人は地獄に墜ちる」という言葉が頭から離れず、女性に戻れたことが嬉しくてしょうがないという。

2幕でエリーザはコンスタンツェに投げやりに「モーツァルトも○○○だからさ。サリエリの弟子になるよ」って言ってますが、モーツァルトであることに未練がないようにさえ見える菜々エリーザの醸し出す雰囲気が、コンスタンツェの怒りを倍増させるに余りあるという(笑)

今回、モーツァルト(エリーザ)とコンスタンツェがいずれもカンパニー内からということで、2人の関係はとても密接。東宝版含めてここまで2人の感情が近い組み合わせってない気がする。コンスタンツェ役の宮崎さんもとても良いです。

宮崎さんは今回の作品の対談で、菜々ちゃんのことを「彼女がいつも頑張っていることを知っていたから、しばらく前から彼女のために自分が何かできるかずっと考えていて。そんな気持ちが今回の役の関係につながればいいなと思う」と言っていたんですね。その言葉を菜々ちゃんが聞いて感動していたのが印象的で(いい関係ですよね)。

その言葉があったからということもあるのだとは思いますが、「モーツァルトのために尽くす妻」という意味で、今までで一番良妻なコンスタンツェを見た気がします。ま、秘密明かされたら怒ってましたけど、それは当たり前だし(笑)

最近初演版のDVDを見ていないので記憶がちゃんとしていないのですが、今回、ラストへ向かう流れが印象よりずっと明るくなっていた気がしました。
モーツァルトと言えば最後は自傷的で破滅的で、自滅的な面があって、もともと初演版(新妻さん)の時にもその印象が入り込んでいた感じがあったのですが、今回の再演版はモーツァルトの最後がとても前向きで、周囲に支えられてモーツァルトとモーツァルトの音楽は光り輝いた、ことがより表現されていた気がします。

・・

初演版を見た時に思った、この作品と「戦争」を絡める意味がよく分からない、ということは今回も同様で。

その辺の話は今回配布されたパンフレット(普通の市販パンフレットレベルの凄い内容ですが何と入場時に無料配布です。会報の特別号扱い)に代表の方が書いておられて。

いわく「モーツァルトの活躍末期の困窮は、ウィーンを『戦争』の影が覆い、オペラや演奏どころではなくなってしまったから。戦争がモーツァルトを追い詰めた面があるのだという」のだそうで。

この作品ではモーツァルトと心理的に繋がった少女(21世紀に戦場にいる少女)とを連動させることで「戦争に苦しめられる2人の存在」をリンクして語ろうとしているようなのですが、ちょっと無理付けな感じがしないでもなく。

戦争は他の作品で語った方が良かったんじゃないかなぁ、ということを8年の時を経て全く同じ事を感じました。

・・

この日は終演後、「サタデーナイトフィーバー」なるイベントがあるとのことで初参加(もちろんその日を選んで取りました)。
2階で見ていた自分たちも含めて1階の前方に集められてのイベントスタート。結局中通路+3列ぐらいまででしたから、都合200人ぐらいと思われますが、ちなみに史上最高の参加人数で、かつ初体験が8割というのも異例な多さだそうです。さすがに舞台上けっこう混雑しました。

司会のお3方の軽妙なやりとりの後、客席から希望者全員が舞台上に上がってのイベント。
モーツァルトを囲み、シカネーダー一座の歌のシーンをひとしきり至近距離で聞きながら、みんなで一緒に歌うという趣向。目の前に菜々ちゃんモーツァルトが。かわええ(爆)。

主進行担当のシカネーダー役・藤田将範さんの滑らかな進行に笑い声が絶えない舞台上。
歌の練習の前に見本、ということで歌った時に歌い終わって藤田さん一言。

「フランツ(安中淳也さん)が高音で(パートに)入ったので失敗しました。まったくいつも失敗ばかり(皆爆笑、菜々ちゃんについてはあまりに面白かったのか机に突っ伏して撃沈)」

・・・(笑)

そういえばこの日はキャストのパパさんが大挙して来られていた日だそうで、菜々ちゃんのパパが広島から、藤田さんのパパが札幌から、そいでもってフランツのパパさんも来ていたって話でしたっけ。「パパゲーノ」にちなんでかなぜか藤田さんいわく「パパの日(笑)」

最後に挨拶を求められた菜々ちゃん。いきなりの不意打ちで絶句して藤田シカさまに「頑張れ」と励まされる(笑)

「ぼくはアドリブが苦手なんだ!」

とかました菜々ちゃんは好感度が超アップ(笑)。

そんなこんなで楽しい15分強のイベントも終了して、ほっこりしたまま劇場を出ました。

印象的だったことといえば、舞台上って何であんなに暑いの!?・・・ということでした。
あれで汗かかない女優さんたちってやっぱり別次元の人たちだわー。(と、この舞台に関係ない感想)

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『シルバースプーンに映る月』(2)

2013.6.16(Sun.)13:00~15:05
東京グローブ座 2階A列1桁番台(下手側)

今年50回目の観劇は、中1日の通称「しるすぷ」(←聖子さん命名、たぶん今回も定着しないw)。

去年50回目は8月18日のサイゴン厚木(玲奈キム)でしたから、2ヶ月も早く到達してしまいました。自制せな、自分。

当日券を求めて並び、抽選番号が自分的にはラッキーナンバーだったのに関わらず、席はS席の割に超見切れ席。

演奏の荻野きよちゃん(清子さん)は全く見えませんでしたし、戸田さん&聖子さんの母娘シーンも全く見えず、ただひたすらに舞台中央からの後方か、上手側に移動するのを待つ時間でしたが(笑)、それでも初日公演の観劇の記憶があるままに見られたこの日の公演は、充実したものでした。

聖子さんの作品はデビュー以来、2作品(*)を除いて全部拝見していますが、肩の力を抜いて見られる度が間違いなくナンバーワン。前作の「トゥモロー・モーニング」もおよそ”肩の力を抜いて見られる”ことにかけては相当だったのですが、まさかこんなに早く同じようなラフ系が来るとは、意外でした。

(*)「サド公爵夫人」と「NARUTO」です

今日もネタバレ攻勢中ですので、ご希望でない方は回れ右ですーーーーー!



1回目見たときに理解出来ていなかった言葉があって、前半で執事の2人(園山さんと青山さん)が話している「春の嵐」について、青山さんが「ゲルトルート」という言葉を出しながら、園山さんから意味を尋ねられて曖昧に濁すシーンがあります。

ここの意味が分からなくて、後半で青山さんが「我らのゲルトルートを逃がしてはならない」と園山さんを促すところの関係が、イメージでしか掴めていなくて。

このコメントは、聖子さん演じる美珠希がいい加減堪忍袋の緒が切れて、屋敷から出て行こうとした時に、発せられる言葉なので、およそ美珠希を評価するコメントではあろうと思ったのですが、調べてみると「ゲルトルート」とはそもそも「春の嵐」の原題(Gertrud)であり、また作品内に登場する女性の名前でもあり。

この作品にとって美珠希は「希(望)」と前回書いたのですが、もう一面が「春の嵐」そのものということで。

美珠希は敷島家にとっては実は闖入者そのものなのに、なぜだか誰からもすんなり受け入れられている。

敷島家にとって「春の嵐」であった美珠希は、反目し合う2人を変えられる人として、執事の2人、そして綾佑の友人である恭平(演:上口耕平さん)から絶大な支持をされている。

幽霊騒動の実体を突き止めるために、「歌で気持ちを伝えましょう」と提案した泉美(演:内田亜希子さん)のもとで、皆が歌詞を作ることになるけれど、綾佑は「俺は詞(を作る)柄じゃない」と言います。

が、そこに直撃する”春の嵐”な美珠希爆弾・・・「柄なんて言っている場合じゃないんじゃないの」という言葉に、執事2人+恭平が「まさに。」という感じで頷く様子に笑ってしまった。どんだけ取り込まれてるんだこの人たち(笑)

美珠希の存在で感じるのは、彼女自身「誰かを変えよう」として動いている訳じゃないんですよね。一瞬だけ母親に対して「あの人が困るから」と本音を明かしてすぐ、「あの人『たち』が困るから」と言い直していたのが印象的。自分の存在の大きさに一番気づいていないのは美珠希だと思う。



この作品を2回見た後に去年の「Bitter Days,Sweet Nights」を見返してみたのですが、やっぱり似通いすぎるほど似てる。

新妻さん演じるナツコと、姉のフユコは母の死をめぐる行き違いがあって反発し合い、ナツコは単身アメリカへ。
フユコはその後しばらくして亡くなり、夫であるミノルや、親友のヤヨイはその心の隙間を埋められない・・・

ナツコとフユコは今回作の綾佑と雅也と印象がかぶるし、ミノルやヤヨイの心情は綾佑と雅也が共通して持つ心の隙間に思えるし。
ナツコがミノルの尻を叩くさまは今回の美珠希と綾佑の関係と「どっかぶり(著作権:彩月)」だし。

ただ印象が大きく違うのは、この2作品で唯一続けて出演した聖子さんの役どころ。

ナツコはミノルを励ますにもいちいち棘があるんですが(笑)、美珠希が綾佑を励ますのには棘が一つもないんですね。
・・・と思っていたら、フユコが美珠希にそっくりなんだ、ということに気づきました。

今回の作品がビタスイのアナザーストリーなのだと思った理由が、ビタスイ見返すまで分からなかったんですが、ビタスイがナツコ視点、しるすぷがフユコ視点の作品なんじゃないかと。

ミノルがフユコのことを語った「本質的なところを理解している」点は、今回の美珠希そのものに思えて。

ビタスイの映像の聖子さんを見ていると、張りつめたストーリーのためか、とてもびりびりした表情に見えて。
でも「シルバースプーンに映る月」の聖子さんは今までのどの作品よりも表情が優しくて。

そういえば今まで見続けてきた聖子さんは、大部分の作品の表情が張りつめていたから、今年の明るいキャラクター3連発って、史上稀に見るノンストレスな表情の時期なのかも。(家族の方いわく、「役が日常生活の表情にまで現れる」お方だそうですから)。

パンフレットでも「一歩引いた存在感で立つことが目標」と言っていて、まさにそれを体現している感じですが、きっとあれだけラフに立っても全てを持っていく戸田さんの演技を横で見てこその、立ち位置であり演技なのではと思えてなりません。

戸田さんのあの”抜けた”演技の軽やかさ素晴らしいです。「軽やかに太い」、理想ですよね。

綜馬さんのダンディさも素敵だし(但し私、綜馬さんを拝見した唯一の経験がなんと「ウェディング・シンガー」のサミー役・・・笑)、綾佑より前に美珠希を狙いに行ってる感じがさすがです(爆)。

女性執事の園山晴子さん、「ミス・サイゴン」の初演ジジで有名ですが、園山さんを拝見した唯一の経験は「屋根の上のヴァイオリン弾き」のフルマセーラ役。コミカルな感じはなんか通じるところがあったかも。

上口さんは園山さんと同じく「屋根の上のヴァイオリン弾き」の今年のフョートカ役(三女・チャヴァの相手役)。その時の印象とあまりに違いすぎて絶句しました(笑)。

主演の坂本さんは拝見するのは2作品目ですが、彼の走り姿が実は好きだったりします。今回、美珠希との関係がサバサバした関係なのが(主に美珠希のキャラというか、聖子さんのキャラ故と思うのですが)、バランス良いなぁと思ったり。

色々な意味でストレスなく拝見できる作品。カンパニーの仲の良さも垣間見え(カーテンコールでキャストみんな肩を寄せ合った結果、ちっちゃい聖子さんがぎゅーっと挟み込まれる様が何だか面白い笑)、日々熟成されていくのを期待しています。

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『レ・ミゼラブル』(11)

2013.6.15(Sat.) 17:00~20:15
帝国劇場 1階G列30番台中盤(センターブロック上手側)

この日はエポニーヌ役・笹本玲奈さんの誕生日にあたり、特段特別なことがあったわけではありませんが、帝劇に玲奈ファンが大集合な日。

彼女の誕生日公演は恐らく2006年6月15日(木)のミーマイ以来2回目のはず(2009年の時は6月15日が月曜日で休演だったので、前日にサプライズお祝いがあって、7月公演の「ダンス・オブ・ヴァンパイア」稽古中の泉見洋平氏と浦井健治氏が稽古場から劇場に降りてきて2氏が一緒にランベスウォークを歌った記憶)。

それとは全く関係なしに本編ですが、3週間ぶりに拝見する玲奈エポ。まごうことなく光っていました。
前回見たときに、「幼すぎてわざとらしい」と思った1幕の不自然さが完全に消えていて、エポそのもの。
新演出版の1幕は綾エポの方が好きだったのですが、何となく綾エポのエッセンスが入ってきたかのような演技プランに見えました。過不足なき「恋する少女」って感じ。

それでいて新演出版としての「ただ者でないエポニーヌ」の色はきっちり残っていて、嫌々ながらコンビを組まされるモンパルナスを勢いよく振り払うさまが華麗すぎる。モンパルナスがエポニーヌに気があるからこそエポニーヌは嫌悪を抱くんでしょうけど。

この日いいなぁと思ったのが、マリウスに子供扱いされるところの、「本を逆さに持っていたのを直されちゃいました」のところで、直された後にごくわずか、ほんの1秒ほどだと思うんですが、玲奈エポは動きが止まったんですね。
「恥ずかしい」という赤面する気持ちと、マリウスが自分を気に留めてくれたことにちょっとだけでも浸っていたい・・・
「あ、なんか彼女っぽい」byエポニーヌ、みたいな感じかなって。

新演出版では、エポニーヌが届けに行ったコゼットからの手紙をバルジャンが読むシーンで、エポニーヌは立ち聞きしませんよね。旧演出版では途中まで聞いていたエポニーヌが、途中で自分に望みがないことを悟って去っていって「オン・マイ・オウン」に繋がっていきますが、新演出版では「コゼットへの手紙を自分に託す」時点で自分に望みがないことを分かっていて。いやむしろそれよりずっと前、それこそ「彼女と行くか、仲間と行くか、2つに1つ」とマリウスが語ったシーンの時点でそもそもわかっていたんでしょうから。

この日のマリウスはお初な田村マリウス。コゼットが目に入ってからのありえないほどの浮かれっぷりが、とても新鮮。
歴代では泉見マリウスとか岡田浩暉マリウスとかの系統かという印象で、「僕は飛ぶよ虹の空へ♪あははは♪」みたいな感じが(笑)

玲奈エポと田村マリウスは相性がどうかなと思っていたんですが、「浮かれすぎてエポニーヌが落胆する(=エポニーヌにとっては自分が視界の外)」という新境地が見られて、結構楽しく拝見しました(笑)。

マリウスがそこまで浮かれるもんだから、ABCカフェで学生みなさんのマリウスへの視線が冷たいこと(笑)
でも、マリウスに一通り浮かれさせて、それでアンジョが突っ込む辺りから、マリウスはふたたび革命の意義に染まっていって。
この日の田村マリウスで特に強く感じたのですが、ずいぶんと「染まりやすい」マリウスだなって。

コゼットへの想いに頭がいっぱいになるのもすぐ。
革命への想いに頭がいっぱいになるのもすぐ。

確固たる意思を持ったというよりむしろ、流されやすく染まりやすく、でも進む様は誰よりも真摯、といったマリウスの人物造型は正直に言って意外でした。

自分にとってのマリウスは、もっと「自分の意思を持った人」というイメージだったんですね。むしろそういうマリウスな役者さんが好きというか。マイオリジナルマリウスが山本耕史さんなせいもあるんでしょうけど。

でも何となくなのですが、この日の田村マリウスを見て、「実はマリウスって本当はこっちの人なんじゃないか」と思えて。
確固たる自分を持たず、ふわふわと生きてきて(原作では「親が弁護士で、跡取りとして何不自由なく生きて」みたいな記述があったかと)、でも、コゼットが去り、自分を救ってくれたエポニーヌを失い、何もなくなった(と思い込んだ)マリウスが、バルジャンから「生きる意味」を与えられ、コゼットとともに皆の希望として、未来として生きていく・・・という方が正しい物語なのかな、と思えたりしたのは、新鮮な体験でした。

ただそれは旧演出版と新演出版の違いでもあるのかなと。
旧演出版はマリウスが自分の意思を持ち、そこにコゼットが寄り添う感じだけど、新演出版はマリウスが自分の意思を強く持たずに、そこにコゼットが後押し役として存在する、という感じなのかと。

お初なキャストで印象的だったのはコゼット役の若井久美子さん。
出過ぎず強すぎず、コゼットとしての佇まいで物語に存在されていたのが魅力的なコゼットでした。
郁代コゼットほど情熱的でなく、レイナコゼットほど行動的でない感じはしましたが、バルジャンとマリウスとの間の立ち位置は一番オーソドックスに作られていた感じ。レイナコゼットはマリウス寄り、郁代コゼットはバルジャン寄りの立ち位置な気がするので。

ちょっと残念だったのは知念ファンテーヌ。お迎えのシーンはいいのですが、1幕の特に歌の部分が、なぜかとてもぎくしゃく。何か役に芯が通っていないというか、役をこなすことにいっぱいいっぱいになっているように思えて、らしくないなと思ってしまいました。

プレビューの時に最前列で見て以来の前方席(というかS席自体がその時以来)ということで、オペラグラスをあまり使うことなく表情が見られたのはありがたかったです。エポニーヌのアンサンブルシーンを時たま見失う自分は、何を見ているんだろうなとは思うんですが(苦笑)。

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『シルバースプーンに映る月』(1)

2013.6.14(Fri.) 19:00~21:05
新大久保・グローブ座 A列1桁番台(下手側)

G2さん演出の新作、スタイリッシュミュージカル、待望の初日です。
お陰さまで最前列で初日公演を拝見でき恐縮至極。

サスペンスというよりはスリリングな要素を織り交ぜた、でもハートフルな作品。

ヒロインポジションにあたる新妻聖子さんは、彼女の役史上最上級にピュアな役どころで、それなのにG2さんお得意のあて書きが随所に割り込み・・・

「えっ、私を褒めてくれたあの言葉は嘘だったの?!(怒)」

とかまるで地(笑)

一部ネタバレが入りますので、完全にシャットアウトされたい方は回れ右ですーーーー。




役どころを簡単に整理すると、メイン4人、サブ4人、演奏2人の合計10人のカンパニ-。
主役兄弟(非血縁)のうち、大会社の御曹司役が坂本昌行さん。
先代社長に見込まれて養子に入り、会社の跡取りとなった役に鈴木綜馬さん。
屋敷のメイド頭に戸田恵子さん。
そして彼女の隠し子が新妻聖子さん。

G2さんいわく「人生がうまくいかない4人が集まった」洋館で繰り広げられるひととき。
サブの中で大きく存在感を見せるのが内田亜希子さん。良家の令嬢という雰囲気を出しつつ、芝居も結構きっちりしてる。新国立劇場演劇研究所出身の方なんですね。

この作品のタイトルにある「月」。自分の「月」に対するイメージは、なぜだかわからないけど「欠けたる月」なので(満月はなぜかあまり興味を惹かれない)、この作品に出てくる皆が「欠けたる」ものを探しているイメージととてもだぶる。
ある人にとって「欠けている」ものが、他の人との関わりで埋められていく様を見ていると、とてもほっこりします。

他人の心の隙間を埋めまくる度が高いのが新妻さん演じる美珠希。この作品にとっての彼女は、名前の1字にもあるように「希」。つまり他人にとっての「希望」そのもの。新妻さんご自身の地を活かした、押しの強さを随所に覗かせつつ(笑)、すこぶる自然に他人の後押しをしているキャラクターなのがとっても新鮮。

正直、今までの彼女の持ち味からすれば、もっと強引に従わせるようなイメージなのですが(苦笑)、良い意味でアクが薄くて後味が良いです。いつもはとんこつなのに今回は薄めの塩味のような(をい)。

坂本さん演じる御曹司の心の隙間をいち早く見抜いて、強引でなく搦め手でやらざるを得ない立場に追い込む。役柄的に本人に自覚はないでしょうが、明らかに戸田さん演じる母親の娘です(笑)。謀略家に見えて実は抜けているところばかりな母親に比べて、純粋無垢を表に出しつつ、実は他の人をいい方向に一番持っていっているのは美珠希で、それによって美珠希自身もいい方向に変わっていく様がとってもいい。

人間関係の中で一番ぐちゃぐちゃしている、坂本さん演じる御曹司と、綜馬さん演じる社長。
自分にとって唯一の味方だった姉を自分から奪っていったと信じ込む彼にとって、「腹を割って話す」選択肢は彼にはなくて。だからこそすれ違い、だからこそ分かり合えず、あまたの誤解を積み重ね、2人の気持ちは離れていく。

「以心伝心」という言葉があるけれども、「以心伝心」って、言葉を交わさなくても気持ちが通じ合う関係になれたからこその話なんだな、ってこの作品を観て思って。反目し合う2人に、自然に入り込んでいく美珠希。(ソファーに2人の間にちょこんと座っている姿が異常なほどに似合っているのが笑った)別に「仲直りさせよう」としているわけでも何でもなくて、何が問題なのか全部わかっているわけでもなくて、でも2人が「言葉を交わしていない」ことには本能的に危機感を覚えているようで。

「話し合わなきゃ、分かり合えない」
「後ろを向いてばかりじゃ、明日は来ない」

という美珠希の佇まいは、とても勇気づけられるものがあります。美珠希は自分自身も一度進めなくなっているだけになおさら胸に染みいります。

ひるがえって、内田亜希子さんが演じている女性も、役どころがネタバレですので今日のところは控え目にしますが、女性としてのプライドを見たかな。実はもっと格好いいと思っていた戸田さんの役が意外にヘタレで(笑)・・・でもそれをあれだけ面白く見せる戸田さんはやっぱりさすがだと思う。

・・・

「シルバースプーンに映る月」って、「Bitter Days,Sweet Nights」とのカップリング作品なんじゃないかなと思えて。
(実際に2曲ほど似た曲が出てきます)

あの作品で、新妻さん演じるナツコ(2役でフユコも演じていますが)は姉が自分のことをどう思っていたかのつながりを探しに帰国しますよね。
今回の作品でも、新妻さん演じる美珠希は、母とのつながりを探しに、戸田さん演じる母を捜し当てます。

つまり、2作品で新妻さんが演じる役はいずれも「欠けたる月を探す」ことで共通して、それでいて自分の周囲を前向きにすることへの自覚がない(←褒め言葉です)ことが共通していて。

”お金持ちの象徴”である「シルバースプーン」を”照らす”月。
見る限り、シルバースプーンの中心には敷島兄弟がいて、そのスプーンを照らすためにひときわ輝く月は新妻さん演じる美珠希だったかなと。その存在感が、強すぎることなく見られたことが、何より嬉しかったです。

公演はこの回含めて2枚確保していますが、何となく悪い虫が(笑)。

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