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『屋根の上のヴァイオリン弾き』(5)

2013.3.20(Wed.) 17:00~20:45
日生劇場2階B席 H列センターブロック20番台

3姉妹トークショーの回。

開演前に東宝受付を覗くと、リピーター特典(観劇回に次以降のS席購入で写真プレゼント)の写真が変わっていました。
前回の箒シーンに変わって、2幕の通称「ぷんすかシーン」(パーチックに怒って坂を下りてくるところの服装)の写真でした。
それにしても前回も今回も、なんでそんなに引いて撮るかな。
ちゃんとフレームにぴったり入っていれば購入意欲そそるのにな、ということで一旦見送り。

で、トークショーの話はひとまず置くとして、まずは本編の話から。

・・・

ちーちゃんホーデルで何気に好きなシーンが、1幕初っぱな、テヴィエが「しきたりがいつ始まったか知っているか?」と尋ねたときに、人一倍ぶんぶん首を横に振って「私を指名しないで、先生お願い」みたいになっているとこ(笑)

ここ、この日は市村さん、遅れてきて1階センターに入ってきた人をいじって組み合わせて遊んでたな。

3姉妹シーンで好きなのが三女と次女のシーン。安息日の前に、テヴィエが帰ってきて、チャヴァが納屋から戻ってきたとき、(確か)四女がミルクの入れ物を回収したら、チャヴァが隠してた本が落ちて・・・というシーン。
ここ、テヴィエが拾って、埃を払ってチャヴァに返してあげて、それもいいんですが、たたたっとチャヴァがホーデルのところに駆けていって、ホーデルが「良かったね」とチャヴァに声をかけるシーンが結構好き。チャヴァの笑顔もいいんだよね。

「テヴィエは学がある人が好きだからね」とは母・ゴールデの言ですが、チャヴァから本を取り上げようとしないのは、「女性も学を持っていた方が良い」と思っているからなのかなと思う。ゴールデもそういう点には口を挟まないし、テヴィエはパーチックに対しても驚くぐらい寛容で、むしろパーチックに対してはホーデルの方が怪しがってますもんね。

・・・

「屋根の上のヴァイオリン弾き」というタイトルについて、テヴィエは最初のパートで意味を語っています。

「しきたりがないと我々の暮らしは危なっかしい、そう、屋根の上のヴァイオリン弾きみたいに」と。

ユダヤ人という、特定の土地を持たずに土地から土地へ流れていった人たちを隠喩して、「屋根の上のヴァイオリン弾き」と称しているのだと思うのですが、この日見ていてふと気づいたのが『屋根』というもののもう一つの意味。

「屋根」って、もう一面として「庇護」の象徴だと思うのですね。
雨風から自らを守るものは「屋根」であり「壁」であり。

「屋根の下で住む」ことが”束の間の時”でしかないという現実。物理的な「屋根」だけではなくて、何の庇護も求められない存在なのかもと思えて、胸を突くものがありました。

・・・

もう一つ、この作品には「永遠の別れ」と思わざるを得ない別れが、いくつも現れます。

現代社会、というか現代日本で「永遠の別れ」を自覚するときというのは、主に亡くなるときでしかないわけで、よほど喧嘩別れとかでない限り、「会おうとすればいつかは会える」関係。

この作品での「別れ」はいつ再会できるか全く保証のない別れ。父母とホーデル、ツァイテル夫婦、チャヴァ・・・、そして同じ土地に一度は暮らしたイエンテ、ラザール・・・

特に、気が合わなかったテヴィエとラザール、それも更に因縁までもが加わった2人が、それでも最後はひっしと抱き合って別れるさま。それが本当の「別れる」という意味なのだということを感じずにはいられません。

・・・

ツァイテルの結婚式の時、ホーデルとパーチックは手を取り合うという、「しきたり破り」を起こします。
起こしたのはパーチックで、乗ったのはホーデルですが。

これ、パーチックが言った「ツァイテルとモーテルは愛し合っている。それ以上何が必要なのか」と言った”勇気”に対する、ホーデルのお礼なのかなと思えて。ホーデルがパーチックを本当の意味で認めた瞬間って、ここじゃないかと思う。

確かにパーチックの言うことは荒唐無稽だし、学生特有の絵空事が多分にあるし。
でも、「しきたり」に閉じこもったみんなに比べれば、口に出すだけ進んでいるし、進歩的だし。
ホーデルは「全てのしきたりが本当に必要な物じゃない」ということを、聡明さゆえに分かっていたんだろうなと思う。

ここ、途中まで男性と女性が手を結ぶのはホーデルとパーチックと、テヴィエとゴールデに限られて、ホーデルはゴールデ、パーチックはテヴィエと手をつないでいるのですが、その後入れ替わったときに、パーチックとゴールデが手をつないでるんですね。ホーデルとパーチックが手をつなぐのは、(主にパーチックが)手をつなぎたいから当たり前だけど、パーチックとゴールデが手をつないでいることに気づいた時、「あぁ、本当の意味でしきたりが破られたんだな」となんだかちょっと感動。
それはそれこそ「本当に必要なしきたり」ではなかったからこそだろうけど。

・・・

この回、モーテル役の照井さんを初見。役者としての照井さんは前回の「ミス・サイゴン」クリス役で拝見しているのでほぼ4年ぶり。植本さんの気の弱さに輪を掛けて気が弱そう(笑)。でも予想以上に役になじんでいたし、歌のシーンでは流石の本領発揮だし。もともとこの役として想定されていたのかもしれないなぁ、と思うぐらいにマッチしていました。

植本さんの日替わり回替わりツァイテルいじりも、もっと見たかったですけど。

・・・

そしてそして。この日は準女子会トークショーということで、3姉妹トークショー。振付の真島さんが司会ということで、下手側から真島さん、長女・水さん、次女・千弘ちゃん、三女・吉川さんという配置。

休憩前まで置かれていたトークショー用質問箱に寄せられた質問に答えていくという進行で約20分。

水さんが超リラックス、千弘ちゃんがナチュラル、吉川さんがガチガチに緊張という、対照的な3姉妹。

真島さん「水さんに質問が来ています。結婚式のシーンでどんな
  ことを言われているんですか」

水さん「『きれいです』とか(照れている水さん)ですね。
 あのシーンではツレさん(母親・ゴールデの鳳さん)に
 いつもとても気を使っていただいて。
 燭台が前にあると(ツァイテルの)顔が隠れちゃう、
 とかいって燭台横によけたり。
 本当にいつも助けていただいています」

真島さん「やっぱり同じ宝塚(出身)ということもあるんですか」

水さん「(宝塚で)ご一緒したことはないんですけど、やっぱり
 同じ場所出身ということで稽古前からいつも気にしていただいて。
 『いつでも守ってあげるからね、教えてあげるからね』って言って
 いただいて、本当に感謝しています」

真島さん「それでは大塚さんに質問です。イエンテにお婿さんを
 世話してもらうとしたらどんな人がいいですか」

千弘ちゃん「うーん、そうですね・・・。
 でも拒否権ないですよね(笑)。
 いい人ならいいなと思います」

真島さん「それでは友ちゃんに質問です。緊張しなくていいからね。
 テヴィエみたいなお父さん、ゴールデみたいなお母さんなら
 どう思いますか」

友ちゃん「お父さん、テヴィエみたいな感じいいですね。
 いつも笑わせてくれる感じで。うちの父、無口なのでそういうのは
 いいですね」

真島さん「水さんは今まで女性の役ってありましたか?」

水さん「和物でやったことはありましたけど、ほとんどが男性の役
 ですね。こんな(足を広げた)感じとか(笑)」

・・・ここで真島さん、水さんにオスカルの歌の一小節を
 歌ってとお願いする
という。
 水さんもノって歌われてました(拍手)

真島さん「で、ここで宝塚の話を出しましたのが、
 千弘ちゃん、昨日宝塚見に行ったんだよね」

千弘ちゃん「そうなんです。お隣(の東京宝塚劇場)で
 「ベル(サイユの)ばら」を見まして。宝塚大好きなんですよ!
 水さんも宝塚時代から拝見していまして。
 (ここのところ)ずっとアナテフカにいたので最初は違和感
 ありましたけど(笑)、夢の国ですよね(宝塚って)、
 リフレッシュできました」
 ↑いきいきしまくってる千弘ちゃん(爆)

・・・

真島さん「そういえば千弘ちゃん、男っぽいよね」

千弘ちゃん「よく言われます(笑)。なんか乱暴者といいますか(爆)」

水さん「(それでも)千弘ちゃんと友ちゃんに
 女の子の所作を学んでます」

真島さん「そういえば、
 最初はホーデルがパーチックをリードしてたよね」

千弘ちゃん「(笑)パーチックが(ホーデルより)年下なの
 って初めて
みたいなんですよ。」

・・・確かに調べたら、少なくとも市村さんがテヴィエやるようになってからは確かにホーデルがみんな年下。

パーチックに比べると、知念ちゃんが14歳下、たまきちゃんが5歳下、玲奈ちゃんは2歳下。
どんどんホーデルとパーチックの年齢差が縮んできていたけど今回、千弘ちゃんは2歳上。
それで初めて見る新鮮な感じになるんだな。

千弘ちゃん「そういえばみんなでラーメン食べに行こうって
 話をしてて」

真島さん「でもそれだと子ども連れてく感じになる?」

友ちゃん「四女、五女2人ともしっかりしてて、3人年齢近いんで
 一緒にいることが多いです。18,19,で私が20なので・・・」

・・・

そんなこんなで正味20分ぐらいのトークショーでしたが、シャンテの時の空気を引きずりつつ、水さんがテンション↑だったので、千弘ちゃんが頑張りすぎなくて大丈夫なぐらいになっていて良かったです(爆)。

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