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『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ~』(4)

2013.1.4(Fri.) 14:00~17:50
東急シアターオーブ 8列14番

もう今日は席番書いてしまいます。
座席表見ていただくとわかりますが、東急シアターオーブ1,972席中、恐らく5本の指に入る良席。
というかこの作品に関して、ですけどね。

1幕の捕り物おつゆ(自称シアターオーブのご案内係)もここの目の前で、舞踊少女歌劇団の皆々様が衣装替えをお手伝い(←ちょっと違う)しますし、2幕でご贔屓さん客席降りの時も目の前でわたわたされてますし。

階段降りにえらい苦労してましたが、あの衣装とてつもなく走りにくいんですね。
五右衛門、前田慶次郎がもの凄い勢いで走っていく後ろを、シャルルと春来尼が付いていくのですが、尼さんが「あなた走るの速いわねぇ」って突っ込んだ揚げ句(笑)、シャルルは紳士様でございますのでちゃんと尼さんを待っていてあげたのでした。さすが王子。姫扱いありがとうございます(爆)。
さすがに「おにぎりいります?」のアドリブは消えてました。自主規制ですか、ちっ(笑)。

あっ、ネタバレありますんでいつものごとくご注意ください。




この日は三が日のはしゃぎすぎ一段落の日のせいか、みんな噛む噛む(笑)

噛まなかったのはメインどころじゃ、シャルル&尼さん&慶次郎&三成ぐらいじゃないのってぐらい。
お銀ちゃんに至っては一瞬台詞が飛んだ(笑)。この日、何人が罰ゲームポイント貯まったことやら・・・
いのうえひでのり銀行さん、残高増えましたね(爆)。
そういえば開演前に男性お手洗いで同行頭取こと演出家さんとすれ違いました。今作2回目です。

実質3列目(この舞台は6列目が最前列です)ということで、舞台下の演奏スペースも見えますし、舞台上のほとんどのものが肉眼で見えるのも嬉しい。
大音響で耳つんざくというこの劇場のネックもこの席ではあまり感じられず。サイドブロックがスピーカー直撃なので最初のジューダスとかただの修行ですもんね。

上手側に行ったときに春来尼さんはおにぎりくるくる回して握ってるし、ホント油断ならんお人ですわ。
物語の軸になるお方ですが、遊べるところは遊び放題遊んでるし、ちゃんと笑ってもらえて嬉しい。
(本人いわく「笑ってもらえないと凹む」って言ってますが、そりゃあのポジションならそうだよなぁ・・・)

アドリブが増えたって噂だったけどそんなに増えてるかなぁ?

はっきりアドリブだったのは慶次郎@じゅんさんの「ヒカリエには蚊がいるんだよぉ、ほんとだよぉ」ぐらいか(笑)
「福の神右京とないないお仙」も定番かな(他のパターンもあるらしいけど自分はこれしか聞いてない)。
五右衛門のシャルル弄りはとうとう「うるせぇシャルル、出しゃばるな」に到達したのですが、めげないシャルル。
古田さんも言ってたけどシャルルに「影」ってないよね。ただひたすらに「明」。

今回、ゴエロク3は4回目ですが、見てて何となく感じたこと。
新感線の舞台ってあてがきって良く言われますが、作品的にフィットする人の比重を意図的に調整している感じがして。

筆頭は明智心九郎役の三浦春馬氏。今回彼のオンステージのようになっていますが、どうも見ていると「思ったより凄くできるから出番の重み増やそう」的な印象を受けたりするんです。
というのも、主役のはずの石川五右衛門役の古田新太さんの気張りどころがかなり絞られているからで、”春馬氏にずいぶん任せられるから、古田さんの負担が減らせる”ようにシフトしたように思えます。

劇団員組では石田三成役の粟根まことさんと、前田慶次郎役の橋本じゅんさんがその関係かなと。お2人とも役どころ的にヒットしているとはいえ、ストーリー的なマッチングとしてはやっぱり三成に一日の長がある感じ。じゅんさん、腰痛められているという話も聞きましたし、ここは重きを三成側に置くようにしたかなと。

シャルルはシャルルだから、もはや何の理屈もないかと思いますが(笑)、シャルル+アンヌが表側の軸になってくれるから、春来尼さんは安心して正体不明な役ができるわけですが、尼さんの場合はあえて登場場面を絞って謎キャラにしている感じがあります。あれだけ役にもストーリーにも馴染んでいるなら出番がもっと多くても不思議はないのに、それでも「いざという時にしか現れない」感じが真のボスキャラ感を感じさせます。アンヌもボスキャラですけど表だっては出てこれないですからね。

天海さんがキャスティングされていれば前回と密接に関わっていることを公演前時点で明らかにしてしまう、という面もあるでしょうし、この作品世界で言えばアンヌを身動きできないようにするのがマローネの策かな。

今回、前方席ということもあって春来尼と太閤殿下のシーンの表情の変化をじっくり見られたのですが、春来尼が言う「五右衛門様が差し上げると言うことでしたら私には止められません」の言葉が深いなぁって。

『止められない』ってことは本心は『あげたくはない』わけですよね。春来尼は正体不明の尼さんですけど、恐らくはずいぶんと長い期間生きている(下手するとあの薬を飲んでる)存在。

『太閤がこれを食べるということはこの世の中がこの後も続く』ことを『本当は止めたい』ということ。
尼さんにしてみれば『太閤を止められるのは五右衛門しかいない』と見抜いているってことなんですよね。

尼さんは太閤の命の恩人だけれども、この世をこのようにしてしまったのはもしかして自分なのかもしれない、って思いはあるんだと思うんですよ。で、太閤はその戦利品を結局は受け取らないわけですよ。
『今の姿のまま生きながらえて何になる』って。この秀吉の表情を見て春来尼さんはゆっくりと微笑むんですよ。

『それでこそ太閤秀吉様、大きな人間になられましたね』と言うかのように。

その時の微笑みは、その前に春来尼さんが発された『立派になられましたね』という言葉よりも雄弁に、『さすがは天下を取られるだけのことはあるお方ですね』ということを表現していたように思えました。

この作品の興味深いところは天下の大泥棒な石川五右衛門がいちばん性根が綺麗(笑)

秀吉にしたところで悪い人間には描かれてない。太閤にしても「お前が嫌いじゃ」と五右衛門のことを言いつつも、それでも「絶対に潰す」という様にはならない。
石川五右衛門の盗んだ物は「堺との戦」ではなく「太閤の本心」でしたけどね結局。

春来尼さんの手の上で五右衛門が意識して踊り、五右衛門は手の上で太閤を踊らせ、太閤は手の上で蜂ヶ谷を踊らせた今回のピラミッドに個人的に満足です。ビバ、フィクサーさん(大笑)。

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コメント

春来尼さんの、マイクがおにぎり型ですか?
次回の時よく見てきます。次回は春来尼様のバースデー何もないとは思いますが、少しだけ期待しています。
いつもながら、ひろきさんの感想は素晴らしい。私も参考にして観劇します。

投稿: てるてる | 2013/01/06 01:26

てるてるさん>
マイクは正確に言いますとマイクにおにぎりがくっついてます
(「二人は英雄」のシーンでだけ使われてます)。

以前は記憶にないので多分最近遊んでるんだと思います。

明日が春来尼さんお誕生日ですが、
お誕生日スペシャルあるといいですね!
もしありましたらレポよろしくです。

今回は語るネタがないと思って見ていたのですが、
結局一筋縄じゃいかない春来尼さん起点にすると
書けちゃったりしました。

投稿: ひろき | 2013/01/06 02:07

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