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『キャロリング』

2012.12.9(Sun.) 14:00~16:00
サンシャイン劇場 1階22列1桁番台(下手側)

キャラメルボックスクリスマスツアー2012、東京公演は先週から始まっており、通常は後半に観劇を入れる自分ですが、今回は好みの作品になる予感がして前半に初見をセット。

むちゃくちゃ良かったです。

キャラメルボックスの核弾頭もとい特攻隊長な前田綾ちゃん久しぶりのヒロイン。

というかキャラメルボックス見だして実は綾ちゃんがヒロインするのを見るの、初めてなんです。

ももこさん(岡田さつきさん)はベテランの域に達していますが「ミス・ダンディライオン」「水平線の歩き方」と2大作品を抱え、みっこさん(大森美紀子さん)も「広くて素敵な宇宙じゃないか」のメインキャスト、とキャラメルボックスの女優陣は代わる代わるヒロイン格・メイン格を務めるのを見てきました。そのお2人も今回はサブに回り、温井摩耶さんと岡内美紀子さんまでもがサブに回る贅沢な公演。

トーク&フォトブックで綾ちゃん自身が言っていますが、この舞台の主演のあべじょー(阿部丈二さん)と綾ちゃんは貴重なコメディー要員なので、どちらかは必ず賑やかしに回っているわけで、その2人が普通のラブストーリーで絡むとどうなるか、興味津々でしたが、もーもーもーもー、

綾ちゃんが「女の子」で可愛い!

新鮮以外の何者でもなくてって言って怒られたくはないのですが(爆)、おしとやかな北田武子って想像しても想像できなかったからなぁ・・・(笑)

綾ちゃんがヒロイン格として難しいのはやっぱりタッパなんですよね。すんごく背が高い。
自分なんか見下ろされる自信満々です(笑)が、あべじょーも高いからとってもバランスが良い。
2人が惹かれ合う様子も、普段の綾ちゃんのキャラを忘れさせてくれるほどに普通にカップルの雰囲気を醸し出してて。

・・・・えーと、ネタバレ一部ありますからご注意ください-。


この舞台、登場人物の全員といっていいほどに共通点があって、それが「不器用」。

とにかく不器用な人たちオンパレードです。

主役カップルの2人からしてそもそも不器用。
特にあべじょー演じた男性は過去の不幸を十字架に生きていて、その思いを継いだ子どもなんて嫌だ、と思っているのに、表面的なことしか伝えないから、心惹かれ合った相手(前田綾ちゃん演じる女性)にも思いのいくばくかしか伝わらない。
綾ちゃん演じる柊子はそれでもずっと待とうとするんだけど、また傷つけられるのが怖くて自分からは一歩を踏み出せない。

それでいてこの作品、そして2人の関係を進めた最後の一押しは綾ちゃん演じる柊子が、レイ(原田樹里ちゃん)に言った一言だったのが、なんだかとっても救いで。

2人の職場の社長(大森美紀子さん)も夫の残してくれた会社を必死に守ってはきたけれど、結局は会社を清算することになる。「思い」はすんごくあるんだけど、きっと上手く立ち回るのは無理だったんだろうなと思える人のいい社長さん。だからこそのあの温かい職場なんでしょうけれど。

この会社の業務の一つに保育があって、そこにやってきた少年と、その少年の母親(温井摩耶さん)。父親(大内厚雄さん)は妻の支えになりきる重圧に耐えかねて家を出て別の職場で働いている。少年は2人が仲直りして欲しいと思っているけれど、その気持ちは母親にも伝わらないし、父親には伝える手段もなかなかない。

誰もが伝えたい気持ちを持っているけれども、みんなが伝えようとする”機会”をただ待ち続けている空間。

きっとそれって別に特殊なことじゃなくて、間違いなく普通に世の中にいっぱいある光景。

少年の素直な気持ちは胸を打つけれど、この作品の肝はその少年の言葉がえぐり出す、特に主人公の過去の棘なのですね。
自分の棘は誇るようなものと思っていないから自分から言い出すことはないけれども、少年のエゴを止めるには、自分の過去を明らかにすることでしかできなかったと。

「不幸自慢をしてどうするんだ」

これはこの作品の一つの肝だと思うのですが、多分どんな人にも”不幸”と”幸せ”は同居しているのだと思うのですね。
もう一面としては”不運”と”幸運”も同居しているのだと。

”不幸”という殻に閉じこもれば、その場はしのげるのかもしれない。
でも、”幸せ”を見つけようとする努力なしでは、人生は過ごしてはいけない。
ちょっとしたささいなことでも”幸せ”と思えることが、人生を豊かにするのだろうなと、そう思わされるお芝居でした。

今回は原作が有川浩さんということでいつものキャラメルボックスと少し違って、エンディングがちょっと違うのが印象的でした。成井さんにしても真柴さんにしても、お2人の作風の違いはあれ「ハッピーエンド」の型が決まっている感じがあったので、今回の少し外した変化球がとても新鮮でした。

今回、綾ちゃんも良かったけど岡内さんのすっ飛びキャラも最高でした。
ももこさんの坂本冬美役(名前ネタが笑った)と温井さんというある意味両極の”自立した女性”も素敵だったし、みっこさんはハートウォーミング全開だし、皆さますんごく素敵でした。女性陣、林たかちゃん含めてみんなキャラ立ちしてたなー。きりりんも凄かった。あんなクールビューティーが合うとは思ってなかった。綾ちゃんが弱々しくへたり込んでいるときのきりりんのあの表情と、それでいて綾ちゃんがきりりんに放つあの一言に痺れましたね。女性は強いですね。

反面、男性陣はちょっと押された感じだったかな。あべじょーが孤軍奮闘してた感じですが、大内さんのヘタレキャラもある意味貴重。ちなみにああいう整体師さんはよくいます(笑)。

まぁ、基本クリスマスツアーはいつにもまして女性重視になってますけどね。

今度はぜひ綾ちゃんの朗読回に行きたいな-。お誕生回は平日マチネだし、12月はこれでもかと観劇入れてるから余裕ないんだよなー。

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初めてのキャラメルボックス小箱の劇場で、劇団っていうのの舞台を見るのは初めてだったから、半分期待で半分緊張。先月のはちょっと正直期待したのと違ってたから・・・。今日は、2階の前のほうの席で、上からよく舞台が見える席でした。どきどきしながら開演を待ってい...... [続きを読む]

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