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『こどもの一生』(1)

2012.11.4(Sun.) 14:00~16:00
PARCO劇場 C列20番台後半(上手側)

4演目の初日です。

本日は初日ということで、極力ネタバレ無しで参ります。
でも一切触れられたくない方はここで回れ右。





事前に原作を読んでいったのですが、これから行かれる方、できることなら読んでいかないことをお勧めします。
最初から断言してしまうと、原作は舞台版の5倍は怖いです(笑)。

舞台版を見て「思ったほど怖くない」と思った自分が本気で怖くなりました(苦笑)。

ちなみに、笹本玲奈嬢がご自身でblogに載せてるホラーな玲奈ちゃん→こちら、実はしょっぱな1分間だけです。

あれがずっと続くとどうしよう、と実は本気で心配しました(笑)。

玲奈ちゃんご自身「まぁホラーですから」って割り切って載せてるその肝の座り方は結構怖い(爆)。
あの山内圭哉さんに「誰よりもしっかりしている」と言われるだけのことはあります。

登場人物は7人(男性4人・女性3人)ですが、実は原作と同じ設定なのは男性4人と、女性1人。
玲奈ちゃんと中越典子さんは設定が原作と違います。
2人の役名が3演目と変わっていないので、PARCO版はこの役名みたいですね。

公式からまずストーリーをなぞりますと、瀬戸内海に浮かぶ孤島に、その診療所はあって。
先生と看護婦さん、その2人の診療所に、ストレスを抱えた患者がやってくる(男性1人、女性2人)。
プラス、実は患者じゃないんですがその島を開発しようとしてやってくる会社の2人(男性2人)。
この3人を治療する、というのがシチュエーション。
登場人物はあと1人(男性1人)いますが、ここはストーリーのネタバレの肝なので省略。

この診療所の治療は要は患者をみんな子どもに返してあげてストレスの種を取り除く、というもの。
つまり大人は様々な外的要因からストレスの基を感じている、だからその原因を若返ることで取り除く、というもの。

てなわけでみんな10歳の子どもに返されるのですが、必然的に行動が幼くなるので、10歳の登場人物が見られるという恩恵があります(笑)。つまり、玲奈ちゃんと中越さん、とっても可愛いです(←結局それか)。

玲奈ちゃんの現実世界でのストレスというのは、とある仕事の仕事病なのですが、まぁ何というかその役に対するデフォルメっぷりが結構コメディエンヌ全開で面白い。あんなに玲奈ちゃんのactで笑いが起こった役も今までなかったんじゃ?って感じにどっかんどっかん持って行ってました。

妄想ぶりも笑えるし、どことなく(役として)痛い役どころを生き生きと演じているのが結構見てて楽しかったりする。
こういう演技どこかで・・・と思ったら過去唯一のストプレだった「ハゲレット」がこの系統でしたね。

それにしてもそんな玲奈ちゃんを称して「キレる演技最高、キレられたい」と書いた谷原さん、お友達になりたいです(←をいw)。

この作品は患者となった全部で5人の中に1人横暴者がいたことから、それ以外の4人が結託してその人を追い詰める、というところから話が大きく展開していきます。

4人だけが知っている仮想の人物「山田のおじさん」を作っていく遊び、通称「山田のおじさんごっこ」。

この時に実は積極的に囃し立てるのが女性というのが実に興味深いところです。確かに男性というものは無意識に自制心というものが働くものなのかもしれません。背中を押されて「女ってこわー」って言ってる玲央君、とっても気持ちが分かる(笑)。

この作品を見て感じたのは、「人間は自分と自分の周囲の人に危害が及ばない限り、いくらでも残虐になれる」ということ。
仮想空間が仮想空間である限り、自分は安全地帯にいられる、と。

昔見た作品で、ラジオドラマで「クリス・クロス」という作品があったのですが、今回の作品はそれに印象が似ていて。

その作品は現実世界で縁もゆかりもない何人かが、仮想空間に入り込んで戦うのですが、当然のことながら最初の設定は「仮想空間の結果は現実世界に影響しない」ことで皆安心して仮想空間で戦う。つまり、仮想空間で例えば戦って敗れても、現実世界では何事も起きない。でもその前提が壊れた時の恐怖ときたら・・・というシチュエーションにちょっと近いものがありました。

今回の作品も、その点は原作と変わらずに本気で怖かった。どこまで行くのか分からない怖さがあって。
人間の冷静さって、行き着くところ「安全装置が存在する」というその一点ゆえ、に尽きるんですよね。

「ここまでは行かない」という「安心」、それは本当のところは何の根拠もないものだったりするんですけどね。
道を歩いていていきなり切りつけられるというのもありえないわけじゃないですから。

今回の作品、ちょっと気をつけて見ないとどこまでが現実で、どこまでが仮想なのか、特に結末は見えにくいのですが(その点は原作を読んでいるのが助けにはなりましたが、シチュエーションが少し違うので頭の整理に時間はかかりました)、「人間とは自分の行いに責任を持つ必要がない限りいくらでも残虐になれる」、その衝動を抑えて生きている「大人」は、そのギャップを埋められるかどうかで病むかどうかが左右される、ということなのだろうなと思えて。

タイトル「こどもの一生」が何を指すかが初観劇では見えてこなかったので、次(今のところ東京楽の予定)ではその辺りが見えてくるといいなと思っています。

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