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『ミス・サイゴン』(13)

2012.9.8(Sat.)
 12:00~15:00 青山劇場1階C列1桁番台(玲奈キム)
 17:00~20:00 青山劇場1階C列1桁番台(聖子キム)

取った場所が違うのに、FC席ということでたった4席しか離れていないマチソワ。

青山はB列が最前列かと思っていたら、実はセンターブロックの最前列はA列なのですね。

この日はマチソワとも下手端だったので、かなりの見切れと、キムの背中を見るシーンが多々あったのですが(苦笑)、ほとんど同じアングルで2人のキムの東京楽を見届ける、という興味深い体験をしました。

東京・青山劇場も明日9月9日の知念キムで千秋楽。9月8日のマチネで玲奈キムが東京楽、ソワレで聖子キム・優一クリス・理生ジョンが東京楽、それ以外の皆さまが9月9日マチネが東京楽ですが、知念キムは地方を回らないのでただ一人大楽ということになります。

まずはマチネの玲奈キム。とにかくトゥイへの愛情がばしばし伝わってきます。「私の夢壊さないで」とキムが歌う最初の歌詞は、トゥイのことだったんだろうなと。従姉妹とはいえ顔も知らずした婚約、であってもお嫁に行くことを「夢」と思っていたであろうキムにとって、トゥイが「国のため」とはいえ、アメリカを敵に回してベトコンに入って戦うというのは、身が裂かれる思いだろうなと。

玲奈キムはトゥイが乱入してきても何とかトゥイの気持ちを変えさせようと説得し続けるんだけど、それが吹っ切れちゃったのが、きっと自分の大切な生き甲斐であるタムを「恥」呼ばわりされたことなんだろうなと。

その後、タムを守るためにトゥイを撃ってしまったけれど、それでもトゥイを好きな原体験は変わっていなくて。
今まで見たどんな回、どんなキムよりもトゥイの存在がすごく重く感じて。
逆に言うとクリスとの関係がなんだかちょっと薄くて。

カーテンコールでそれ思うのも変な話だけど、その時に玲奈キムと育三郎クリスが「はじめまして」みたいにお辞儀してて笑ってしまいました。この日の玲奈キムはトゥイモードだったんだ・・・(苦笑)。

ちなみに幕間にちょっと書いたんですが

今日の玲奈キムはペンネーム「トゥイ大好きっ子さん」で「大事な人の命を奪ってしまいました。どうしたらいいですか」と人生相談に投稿しそうなイメージ。

・・・(笑)
我ながら観客としても壊れてる(爆)

聖子キムは、トゥイと対峙してから完全に狂った、という印象。
トゥイと対して、またトゥイを撃ってからは、トゥイについての自分の気持ちの中の亡霊によって完全に壊れたかのようで、もうどう表現して良いのか分からないぐらいに「限界」なキムでした。

聖子キムのトゥイへの愛情は、玲奈キムのそれとまた違った意味だったんだろうなと思えて。
玲奈キムよりも明確にトゥイに対して「愛した」過去があったように(根拠はないのですが)思えて。
トゥイに対してスイッチが入ったのは確かにそうなんだけれども、それは自分を追い詰めるスイッチでもあって・・・というのがよりはっきりしていたように思います。



マチソワして印象がちょっと違ったのがジョン。

マチネが岡さん(東京前楽)、ソワレが理生くん(東京楽)。

先週土曜日ソワレで聖子キム見たときも、理生ジョンは軽々と聖子キムをお姫様抱っこしてクリスの元に持っていくんですが・・・なんなんですかあの軽やかな身のこなし・・・というか聖子キムが軽いんだろうな・・・。ドリームランドのシーン、特に聖子キムだとぶんぶん振り回されて手を離したら飛んでいきそうでいっつも心配になるんですけども。

岡ジョンの場合は何となく花代エレンに気がありそうな空気をちょっと感じたんですね。
クリスとエレンが上手くいかなければあわよくばみたいな感じが(あくまで私感ですので念のため)。
それに比べると理生ジョンはそういうのは欠片もなくてクリスに「実はこのことエレンに話してないんだよ」って告白されて「バカか」って返しちゃうぐらい、クリスに対して親身なのはなんだかちょっと好対照。

むしろ理生ジョンはキムに感情ほだされている感じで、「キムが可哀相だろが!エレンと大変なのはわかるけど、ちゃんとやるべきことやれよ」みたいな感じがして、なんかこっちの方が個人的には好きかな(キム視点だからでしょうが)。

エレンは新曲「メイビー」のせいもあってか、どんどんきつい感じになっていってて正直辛い。

クリスも自業自得とはいえ、特に、苦悩タイプな優一クリスには「大変ですね」と声かけたくなるぐらい可哀相(苦笑)。
育三郎クリスにはそれをさほど感じないのは謎ですが。

今回の新演出版を見ていて感じることなんですが、旧演出版にはある意味「日本的」なところがあったと思うんですね。
何というか、勝者に対してのどことなく皮肉じみた感情とか、敗者に対しての愛情とか。
今回の新演出版ではそういうところを一切合切割り切って、まっすぐ定規で書いたかような印象を受けます。

その点でもう一つ思うのは、キムはこの物語の上で最大の被害者のように見られるし、最大の敗者であるように見えてしまうごとく、クローズアップされている。

けれども、実はキムはその混乱中の状態において、自らの命を引き換えにとはいえ、自分の願いである「自分の子をアメリカに連れて行く」という、ほとんど他の人が成し遂げていないであろう奇跡を勝ち取っているんですよね。

ドリームランドにいた同僚の誰もが恐らく得られていない果実、それを唯一得たキムは実は敗者ではなく勝者というのが、なんというか皮肉です。

この日はアンサンブルさん、前から気になっていたミミ役の青山郁代さんの登場シーンをずらずらっとチェック。

登場シーンの上手側、キュートなリボンつけて踊るシーンも新鮮だし、お客さんがエンジニアにお金払ってるときに、他の男性にかっさらわれそうになるところを断ってちゃんと待ってる律儀なところとか。

結婚式シーンでクリス(気づいたのはマチネの育クリス)が頭下げないもんだから、ぐいっと頭押して「頭下げなさいよ」ってやって、育クリスが後から「首痛いなぁ」みたいに反応してたりとか(笑)。

2幕のムーランルージュでは最上段で踊っててクラブオーナーに上手いこと取り入ってたりとか。

しまいにはご本人がクイズにしていた時計売りを某シーンで発見。

・・・まだシーンが足りない気がするんだけど・・・(ナイトメアが少なくとも足りないし、アメドリは出てたっけ・・・?)

以前、他の舞台(ちなみにガイズとプライドです)で「見たい人が2人以上いるときは、目が2つあっても絶対捉えられない」って言ったことがあるんですが、サイゴンでそれをやると、その時以上にものすごく疲れますね(笑)。



この日はマチネ・ソワレともに一部キャスト東京楽ということで、マチネはそれほどのイベントはなく、市村さんがこの日東京楽な玲奈ちゃんにひらひらと手のひらであげあげしたぐらいでしょうか。

ソワレは・・・なかなか終わりませんでしたねカーテンコール。

聖子ちゃん、出てきてしょっぱな投げキッス・・・え、そんなの今までありましたっけ(笑)。

そのまま優一くんの広げた手の中にすっぽり抱かれて嬉しそう。

あまりの満面の笑みまくりにもうこちらまですっかり幸せな気持ちに。

そういえばマチネの玲奈ちゃんもソワレの聖子ちゃんも全く同じことをやったのですが、「しゃがみこんでタムくんの後ろからキムが拍手する」という、とっても微笑ましいアングルは共通仕様なんでしょうか(笑)。

ソワレで5回目だったかのカーテンコールの時にもうやることがなくなったのか(爆)、キャスト一同腕を手元に持っていって泣き真似してたのが何気にツボでした(笑)。



サイゴンはこの後来週の仙台1週間の後は3ヶ月間のお休みで、12月の浜松から再開。

自分のサイゴン観劇はその再開する浜松(日帰り2公演)と、大楽の2013年1月の盛岡(1泊2日3公演)まで間が空きます。
サイゴンの地方公演を体験していないので楽しみです。

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