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2012年9月

『広くてすてきな宇宙じゃないか』

2012.9.23(Sun.) 13:00~14:00(forest)22列1桁番台(下手側)
2012.9.23(Sun.) 14:30~15:30(slope)8列1桁番台(下手側)
2012.9.23(Sun.) 16:00~17:00(river)16列20番台(上手側)

梅田芸術劇場シアタードラマシティ

演劇集団キャラメルボックスハーフタイムシアター、CSC結成20周年記念公演。

東京公演があれよあれよという間に終わってしまい、見られずじまいになっていたのですが、2005年に見てとても素敵な舞台だった記憶があったので、大阪行をぎりぎりまで迷っていました。

最後に背中を押したのは、この日の最終公演、つまり大楽が、キャラメルボックスの女優さんで一番好きな、ももこさん(岡田さつきさん)の2500回記念ステージということ。

記念ステージに立ち会えるのは、くしくもW岡田のもうひと方、先日握手もしてもらった(爆)岡田達也氏以来だから、せっかくだしということで行って参りました。

体調がそれほどまで良くはないので夜行は回避して新幹線で往復。4日前まで購入で大阪往復19,900円。やすいっ。
(ぷらっとこだまも往復20,000円なのですが、最近はすぐに埋まってしまうのでこのタイミングではまず取れない)

・・・

3チーム制の今回の5演。この日1回目のforestを見るまで、何の略か分からなかった私。おばあちゃんを演じる役者さんから来ているんですね。大『森』さんだから「forest」、『坂』口さんだから「slope」、石『川』さんだから「river」。
もう1つの文字選んだら「big」「mouse」「stone」ってこれじゃマズイですな(笑)。

3チーム見事に印象が違うので、まずはmy favorite castを挙げてしまいます。

おばあちゃん 大森美紀子さん(forest)
クリコ    渡邊安理さん(slope)
カシオ    畑中智行さん(forest)
スギエ    岡内美喜子さん(forest)
柿本さん   岡田達也さん(river)
サイゴウ   岡田さつきさん(river)
ヨシダ先生  前田綾さん(slope)
オオクボ   筒井俊作さん(slope)
カツラ    小林千恵さん(forest)
サカモト   市川草太さん(river)
ヒジカタ   三浦剛さん(river)
コッコちゃん 岡田達也さん(forest)←w

12役のうち、forestが5役、slopeが3役、riverが4役。
といえ本来は同じ人が演じているサイゴウとヨシダ先生が物の見事に好みが分かれたのが面白い。

各チーム実は横一線なイメージなサカモトとか、どのチームも光ってるヒジカタとか(大内さんが柿本じゃなくてヒジカタやったのがとても興味深いです。そんなに尾崎歌いたかったですか(爆))。

おばあちゃんは初演以来の大森みっこさんがやっぱりさすがなのですが、新しかったのは、おばあちゃんの小ネタに、先日の「ワンダーガーデン」の銀座の画廊さんみたいな人がいたこと(笑)。腹かかえて笑っちゃいましたですよ。しかも「おばあちゃんの歌」のフルコーラス演奏に成功して、「うわ全部歌っちゃったよ@カシオ」→「2番もあるのよ@おばあちゃん」→「もういいよ@カシオ」って3段オチが高度でした(爆)。

riverの石川さんはもともと初演~再再演でクリコをやられていたそうなのですが、そのせいかみっこさんおばあちゃんに近い印象。むしろslopeの坂口さんが独自路線。どことなく斜に構えてそうなところが油断なりません(爆)。

おばあちゃんは家族のぽっかり空いた穴を埋めるためにやってくるアンドロイドなのですが、それを招き入れるのが柿本家。
その中心にいるお父さん、「柿本さん」。

本来この役はforest、西川さんの当たり役中の当たり役なのですが、今回実はちょっと厳しかったなと。
西川さんが倒れて以来、短い出演時間で見ることはあったのですが、ここまでがっつりな出演役は初めて。やっぱり滑舌が、こちらが心配になるぐらい。ただ西川さんの凄いのは笑いの神様が降臨してることなんだよなー。

「エリザベートに出てる夢を見たんだ。ほら知ってる?トートダンサーって言うんだけどさ」

会場内のごく一部から局地的に大・爆・笑が起こった(笑)。

(註:シアタードラマシティの上にある梅田芸術劇場では、9月28日まで「エリザベート」が上演中、ここの笑いポイントは西川さんがトートダンサーを知ってることw)

そういえばよくよく思い出したら、2005年にシアターアプルでやったときも、

「(その時シアターアプルの上の新宿コマ劇場でやってた)『We Will Rock You』に出てる夢を見たんだ。だからの喉が涸れてるんだな」ってやってたことを思い出した。確信犯か(笑)。

なので柿本さんは正直迷ったけど、線が細いアベジョー(あれはあれでありだと思う)よりは、贔屓目でおかたつかな、やっぱ。

おかたつ柿本は酔っぱらって帰って、娘息子達とちゃんちゃんばらばらやるシーンでカシオと「それがお前のTRUTHか!」とかやってて客席からどっかんどっかん笑いが(初見じゃわからないってこれ)。

柿本さんはニュースキャスターで、柿本さんとペアを組むのがサイゴウ。このペアが3組、もうびっくりするぐらいに三者三様。一番正統派なのはforestの西川さん&真柴さん。ビジネスライクの典型という感じで、一番しっくりきます。

で、飛び道具なのが予想どおりなのが、slopeのアベジョー&綾ちゃん。もう前田綾といえばキャラメルボックス一の爆弾娘、特攻隊長でございますからして、もう、片思いを妄想させたら綾ちゃんの右に出る人も左に出る人もいるわけないじゃないですか(笑)。

「ご家族の皆さんに」って柿本さんにケーキ渡してて、酔って帰ったお父さんいわく「距離を取ってお礼をするんだぞ」というのが面白すぎた(笑)。

んでその中間に位置するのがriverのW岡田なのですが、最初は完全にビジネスライクなんですが、サイゴウ役の岡田さつきさんが完全に柿本役の岡田達也さんの情にほだされて、「私が支えてあげなきゃっ」になっていたのがとっても新鮮。
「最初は何とも思っていなかったのに、柿本さんのこと放っておけないんです」は新しい方向性だったな-。実は今回大阪見に行って一番良かったのはこれを見逃さずに済んだことかもしれない(W岡田萌えな自分としては特に)。

スギエは岡内さんが苦手な自分にしては数少ない好きな役なのですが(もう一役は黒川智花嬢がゲストで出た「君の心臓の鼓動が聞こえる場所」の真知子役)、温井さん(river)も結構好きな作り。

飛び道具といえば反則過ぎたのが筒井俊作(←あえて”さん”なし)。
あの生き物は反則過ぎる(笑)
「デブ-大久保さん」とかその時点でも相当な反則だけど・・・
いじりー綾ちゃんも素で笑いオチしてるし。

2回目と3回目の間に左東氏が「キャラメルボックスチケットインフォメーション」の史上初公開録音をやるにあたって舞台袖で舞台衣装のままでつかまってたけど、これも反則過ぎる面白さだった(筒井氏の力だけじゃないけど)。

プリプリの某曲かけて後ろで小多田氏が歌って去るとか、もはやもうなんでもありなお祭り状態。

キャラメルボックスは年数回見に行くけど、ここまでロビーがごった返して、熱気に溢れまくるのってそうそう見られないので、やっぱり記念公演なんだよなと思う。



大千秋楽公演が終わった後のカーテンコールは、全チーム集まっての総勢30名勢揃いで壮観。
千秋楽公演恒例ということで役者さんたち皆さんの一言挨拶。
みんな思い思いに面白いこと言うもんだからどんどん記憶が上書きされて忘れる忘れる(笑)

アベジョーが「次回作は柿本(自分)とサイゴウ(綾ちゃん)の未来が描かれた訳じゃないですからね」と言ったのが意外にツボでした。そうなんだよなー次回は久しぶりに綾ちゃんがメインヒロインで来るんだよな-(「キャロリング」)。正統派系は最近なかったので実はとっても楽しみ-。

「コッコちゃん(岡田達也氏)にはやっぱり勝てませんでした」って言ってる畑中カシオも、うん、ありあり。

この日2500回記念ステージとなった岡田さつきさんに、会場内から満場の拍手が。拍手できて嬉しい!

「3000回・・・までできるかわかりませんけど、やれるだけやっていきたいと思います」

という力みもない地道さがラフで好き。

締め職人は石原さん。
「●代目締め職人として・・・」

皆さん「●代目だっけ」(●は6か8。どっちか忘れましたw)

石原さん「や、そのぐらいかなと」

・・・そのアバウトさは締め職人向き(笑)

3本締めで綺麗に終わりかと思いきや、本当のオーラスは「岡田達也先輩に・・・」と振る。

岡田さん「それでは、キャラメルボックスの先輩、近江谷太朗の意思を継ぎまして・・・『とっとと帰んなさい!』
(会場内大拍手)」

という大団円ネタで終わりました。

やっぱりこれだよなーというキャラメルボックスづくしな1日。

ももこさんと直接お話できなかったのと、ポストカードが頼めなかったのがちょっとだけ心残りだけど(平日のがらくた市だけの扱いだったので)、でも記念品のペンはいただけたし(「毎日がはじめの一歩」って深いわー)、あとそうだ、今回はトーク&フォトブックがなかった(作ってない)のが残念だったんだ、でも行って良かった-。

大阪らしいものは一軒でたこ焼&いか焼&お好み焼&ねぎ焼の「大阪セット」を食べただけでしたが。

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『ダディ・ロング・レッグス』(2)

2012.9.15(Sat.) 18:00~20:50
シアタークリエ 16列20番台後半(上手側)。

2回目にしてmy楽。初回見たときに「何でもっとチケット取っておかなかったんだろう」と後悔したのは正に後の祭り。
集客力抜群な井上芳雄氏&坂本真綾嬢のペアのこの作品、連日の「満員御礼」となっているのです。

そういえば今作品までお休みをいただいているクリエちゃん、どうも次の『デュエット』からは復活するみたいですね。
ジルーシャなクリエちゃん、見たかったんですけどね。

前回見たときは「体調は今最悪」状態(←作品違い)だったので、特に2幕とか気が気じゃなく、1幕にしても仕事疲れで心地好い音楽の前には無意識のうちに首を上下して後ろのお客さまにご迷惑をおかけして・・・だったのに比べるとベストコンディション。

・・・ネタバレありますのでご注意あれ・・・


この作品、とにもかくにもジルーシャが魅力的、これに尽きます。女性の深謀遠慮を十二分に理解している(と思われる)坂本真綾嬢がやるからこそとは思いますが、なまじな女優さんではこの役を魅力的には見せられまい、というぐらいの適役。

真綾さんを初めて生で見たのは「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役(2003年)で、由美子さんのファンテと声の相性が抜群で、当時は選んで真綾エポを見ていました(2003~2004年のエポで一番回数を見たのは、玲奈エポでも聖子エポでもなく、実は真綾エポでした)。そんなこんなで実は真綾嬢の歌声は実はとっても好き。で、その時の真綾さんのイメージが『「どうせ私なんて・・・いじいじ」ってキャラがエポニーヌにぴったり』って話で(blogに何度も書いています)、で、それは今回のジルーシャの導入部にぴったりはまるんです。

孤児院に預けられ、孤児(みなしご)な彼女は、ただ一色に塗り込まれた孤児院の空間で、ただその日を生きていて。
自分には何のとりえもなくて・・・と自信なさげに振る舞うさま、そしてMr.スミスからの申し出に「なぜ自分なの?」と戸惑いながらも喜ぶ様が本当に可愛い。(ポジションが「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアに似ている気もする)

ジルーシャがMr.スミス、つまりダディ・ロング・レッグスを特別に思うのは、「他の誰でもない、自分を必要としてくれたから」なわけですね。「自分」の個性を認めてもらえない、「個性」というものを必要とされていない空間で10年以上を過ごした彼女にとって、自分を認めてもらうことがどれだけ夢心地で、ありえない経験だったのかを思うと、「私はあなたにお金以上のものをもらったから」と言う、ジルーシャの気持ちがすごく伝わるのです。

高等教育を受けさせてもらって、首席で卒業して、でもそんな表面的なこと以外の部分で、ジルーシャは見る間に歳月以上の成長をして、どんどん素敵な女性になっていく。その様を真綾さんはとても自然に、時にアクティブに見せてくれて、見ている側を飽きさせません。なんだかずっと弾んでいるゴムボールみたい(笑)。

時に拗ねたり、時に怒ったりするあたりも、実に魅力的。井上君演じるジャーヴィスをこれでもかって戦慄させる真綾ジルーシャのフリーダムさがたまらない。
「お、怒ってる怒ってる・・・」みたいなのが客席までもさざなみのように伝わる(笑)。
この舞台、舞台上と客席の信頼関係というのか、完全に同化している感じも好きなんですよね。
リピーターが多いはずなのに、フライング笑いもほぼ起こらない。拍手ポイントもほとんど固定。その統制の取れ方が素晴らしい(爆)。

一番面白かったのは、夏休みに知り合いに誘われて”若い男性がいる土地に行く”ことを阻止しようとするジャーヴィス(の秘書)からの手紙に、「手紙が間に合いませんでした-」ってやってるジルーシャ。
「そんなに急いで伝えたいのなら、もっとタイプを早くするよう秘書に言って下さいな」あたりはもう大笑いポイント。

ここ、ジャーヴィスの手紙とジルーシャの手紙、ほとんど1日ずつしか進んでいないところがさらに笑いポイント。ジャーヴィスが焦って毎日手紙を出すのは分かるのですが、ジルーシャの即レス(←ちょい用語違う)が不思議。放っておけばいいはずなのに、それでもすぐ返事をわざわざ出すあたり、ジルーシャの本物の怒りを感じます(笑)。

この辺からのジルーシャの気持ちってもの凄い混乱状態なんだろうなと。

本人いわく「想像力」の逞しい人だし、ジャーヴィス坊ちゃまからの話やら、秘書の話やら色んな話が入れ替わり立ち替わり入ってくる。でも肝心のMr.スミス-つまりダディ・ロング・レッグス-からの言葉は伝わってこない。

一大決心をして勇気を振り絞った、「卒業式に来て欲しい」という気持ちも伝わらずに、きっとここでジルーシャは「ダディ・ロング・レッグスへの片思い」からも卒業を決意したんだろうなと思う。

翻ってダディ側。井上君、普通に格好良すぎます。見た目だけじゃなくて。
井上君の役はけっこう見ているけど、ここまで受けになる役って珍しい。心情的には内面的に籠もる役が多いとはいえ、相手役に対しては攻め側に回ることが多い気がするので、かなり新鮮。

真綾さん演じるジルーシャが語っているシーンが多いので、それに振り回される感じが強いけれど、「どうしていいのかわからなくなった男性の思い」を歌うシーンはさすがに得意中の得意という感じで水を得た魚な状態。

ジルーシャに真実を告げるシーンのジャーヴィスの様がおかしくておかしくて。
ジルーシャも最初はいつもの「ちょっとピントのずれた、変わり者な女の子」なんだけれど、真実を悟ったときのその反応が・・・男性的にはジルーシャの奔放さが心地好いながらも、ちょっと一線を越えているようなところを感じないわけではないので、実は男性から見るとあのジルーシャの反応はツボそのものです。

このシーンの扱い方が、この作品の一番素敵なところだと思うのですが、「お互い騙していた(部分があった)」ことが、決定的な決裂を全く呼ばないのですね。
それは、2人の気持ちが実は通じ終わっていたからと言えるかと思うのですが、少なくともジルーシャはMr.スミスことダディ・ロング・レッグスには何一つ隠し事をしていないわけで、早い話が「嘘偽りのない自己紹介が終わっている」のですね(笑)。

ジルーシャにしてみれば、ダディは何一つ明かしていないから不本意ではありましょうが(笑)、ジャーヴィス坊ちゃまと接したときの気持ちの通じ合いで「ダディとジャーヴィス坊ちゃまが実は・・・」という部分さえ解決すれば、「人となりを知っている」ということになるわけで・・・

それでもジルーシャがただ昔のジルーシャなら、ダディのことを許すかどうかは微妙だと思うし、そしてジャーヴィスがただ昔のジャーヴィスなら、ジルーシャに対して真実を告げるかは微妙だと思うし。

でもジルーシャはジャーヴィスから「お金以上のたくさんのものをもらって」いて、それは彼女の人生の豊かさとして積みあげられてきていて、ダディの今までのことが「悪意」ではないことを含めて判断できるだけの女性になっていたし。
片やジャーヴィスは自分の殻にこもって外へと出なかった過去から卒業して、ジルーシャという女性から人生の豊かさをもらっていて。
だからこそ2人はお互いを必要としていることに、意地はることなく同意することができて。

ジャーヴィスが苦悩する「チャリティは壁を作る。どちらからも超えられない壁を」というくだりがこれまた印象的で。
「与えたわけじゃない。もらったものばかりなんだ」、そう思えたとき、ジャーヴィスとジルーシャの気持ちが、本当の意味でシンクロしたのだと思うのです。



この日のカーテンコール。

何回かのカテコ後、恒例のご挨拶。

井上君「あしなが・・・といってもこれ(と言って右足を出す)じゃないですが」
真綾嬢「(なぜか大ウケ)
井上君「え、毎日やってるじゃんこのネタ」
真綾嬢「それはそうなんだけど、今日が一番面白かった」(会場内爆笑)

・・・何が面白かったのかは凡人からは分かりかねるのですが(笑)、確かにこの日の井上君の右足を出したタイミングは感動的なぐらいベストなタイミングでした(爆)。

井上君「高いチケット代を出していただいて更にまた(募金を)お願いするのは心苦しいのですが・・・と演出のジョン・ケアードも言っていまして
真綾嬢「(笑)」
井上君「未来のジルーシャのためにも、皆さまのお気持ちをいただければ幸いです」

と、上手側・下手側前方それぞれに置かれた募金箱(上演中舞台上に置かれていたもの)を準備するお2人。

この「未来のジルーシャ」って言葉が凄く好き。
このフレーズをリアルに作れちゃう井上芳雄さんはやっぱりさすがだと思うのでした。

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『ミス・サイゴン』(13)

2012.9.8(Sat.)
 12:00~15:00 青山劇場1階C列1桁番台(玲奈キム)
 17:00~20:00 青山劇場1階C列1桁番台(聖子キム)

取った場所が違うのに、FC席ということでたった4席しか離れていないマチソワ。

青山はB列が最前列かと思っていたら、実はセンターブロックの最前列はA列なのですね。

この日はマチソワとも下手端だったので、かなりの見切れと、キムの背中を見るシーンが多々あったのですが(苦笑)、ほとんど同じアングルで2人のキムの東京楽を見届ける、という興味深い体験をしました。

東京・青山劇場も明日9月9日の知念キムで千秋楽。9月8日のマチネで玲奈キムが東京楽、ソワレで聖子キム・優一クリス・理生ジョンが東京楽、それ以外の皆さまが9月9日マチネが東京楽ですが、知念キムは地方を回らないのでただ一人大楽ということになります。

まずはマチネの玲奈キム。とにかくトゥイへの愛情がばしばし伝わってきます。「私の夢壊さないで」とキムが歌う最初の歌詞は、トゥイのことだったんだろうなと。従姉妹とはいえ顔も知らずした婚約、であってもお嫁に行くことを「夢」と思っていたであろうキムにとって、トゥイが「国のため」とはいえ、アメリカを敵に回してベトコンに入って戦うというのは、身が裂かれる思いだろうなと。

玲奈キムはトゥイが乱入してきても何とかトゥイの気持ちを変えさせようと説得し続けるんだけど、それが吹っ切れちゃったのが、きっと自分の大切な生き甲斐であるタムを「恥」呼ばわりされたことなんだろうなと。

その後、タムを守るためにトゥイを撃ってしまったけれど、それでもトゥイを好きな原体験は変わっていなくて。
今まで見たどんな回、どんなキムよりもトゥイの存在がすごく重く感じて。
逆に言うとクリスとの関係がなんだかちょっと薄くて。

カーテンコールでそれ思うのも変な話だけど、その時に玲奈キムと育三郎クリスが「はじめまして」みたいにお辞儀してて笑ってしまいました。この日の玲奈キムはトゥイモードだったんだ・・・(苦笑)。

ちなみに幕間にちょっと書いたんですが

今日の玲奈キムはペンネーム「トゥイ大好きっ子さん」で「大事な人の命を奪ってしまいました。どうしたらいいですか」と人生相談に投稿しそうなイメージ。

・・・(笑)
我ながら観客としても壊れてる(爆)

聖子キムは、トゥイと対峙してから完全に狂った、という印象。
トゥイと対して、またトゥイを撃ってからは、トゥイについての自分の気持ちの中の亡霊によって完全に壊れたかのようで、もうどう表現して良いのか分からないぐらいに「限界」なキムでした。

聖子キムのトゥイへの愛情は、玲奈キムのそれとまた違った意味だったんだろうなと思えて。
玲奈キムよりも明確にトゥイに対して「愛した」過去があったように(根拠はないのですが)思えて。
トゥイに対してスイッチが入ったのは確かにそうなんだけれども、それは自分を追い詰めるスイッチでもあって・・・というのがよりはっきりしていたように思います。



マチソワして印象がちょっと違ったのがジョン。

マチネが岡さん(東京前楽)、ソワレが理生くん(東京楽)。

先週土曜日ソワレで聖子キム見たときも、理生ジョンは軽々と聖子キムをお姫様抱っこしてクリスの元に持っていくんですが・・・なんなんですかあの軽やかな身のこなし・・・というか聖子キムが軽いんだろうな・・・。ドリームランドのシーン、特に聖子キムだとぶんぶん振り回されて手を離したら飛んでいきそうでいっつも心配になるんですけども。

岡ジョンの場合は何となく花代エレンに気がありそうな空気をちょっと感じたんですね。
クリスとエレンが上手くいかなければあわよくばみたいな感じが(あくまで私感ですので念のため)。
それに比べると理生ジョンはそういうのは欠片もなくてクリスに「実はこのことエレンに話してないんだよ」って告白されて「バカか」って返しちゃうぐらい、クリスに対して親身なのはなんだかちょっと好対照。

むしろ理生ジョンはキムに感情ほだされている感じで、「キムが可哀相だろが!エレンと大変なのはわかるけど、ちゃんとやるべきことやれよ」みたいな感じがして、なんかこっちの方が個人的には好きかな(キム視点だからでしょうが)。

エレンは新曲「メイビー」のせいもあってか、どんどんきつい感じになっていってて正直辛い。

クリスも自業自得とはいえ、特に、苦悩タイプな優一クリスには「大変ですね」と声かけたくなるぐらい可哀相(苦笑)。
育三郎クリスにはそれをさほど感じないのは謎ですが。

今回の新演出版を見ていて感じることなんですが、旧演出版にはある意味「日本的」なところがあったと思うんですね。
何というか、勝者に対してのどことなく皮肉じみた感情とか、敗者に対しての愛情とか。
今回の新演出版ではそういうところを一切合切割り切って、まっすぐ定規で書いたかような印象を受けます。

その点でもう一つ思うのは、キムはこの物語の上で最大の被害者のように見られるし、最大の敗者であるように見えてしまうごとく、クローズアップされている。

けれども、実はキムはその混乱中の状態において、自らの命を引き換えにとはいえ、自分の願いである「自分の子をアメリカに連れて行く」という、ほとんど他の人が成し遂げていないであろう奇跡を勝ち取っているんですよね。

ドリームランドにいた同僚の誰もが恐らく得られていない果実、それを唯一得たキムは実は敗者ではなく勝者というのが、なんというか皮肉です。

この日はアンサンブルさん、前から気になっていたミミ役の青山郁代さんの登場シーンをずらずらっとチェック。

登場シーンの上手側、キュートなリボンつけて踊るシーンも新鮮だし、お客さんがエンジニアにお金払ってるときに、他の男性にかっさらわれそうになるところを断ってちゃんと待ってる律儀なところとか。

結婚式シーンでクリス(気づいたのはマチネの育クリス)が頭下げないもんだから、ぐいっと頭押して「頭下げなさいよ」ってやって、育クリスが後から「首痛いなぁ」みたいに反応してたりとか(笑)。

2幕のムーランルージュでは最上段で踊っててクラブオーナーに上手いこと取り入ってたりとか。

しまいにはご本人がクイズにしていた時計売りを某シーンで発見。

・・・まだシーンが足りない気がするんだけど・・・(ナイトメアが少なくとも足りないし、アメドリは出てたっけ・・・?)

以前、他の舞台(ちなみにガイズとプライドです)で「見たい人が2人以上いるときは、目が2つあっても絶対捉えられない」って言ったことがあるんですが、サイゴンでそれをやると、その時以上にものすごく疲れますね(笑)。



この日はマチネ・ソワレともに一部キャスト東京楽ということで、マチネはそれほどのイベントはなく、市村さんがこの日東京楽な玲奈ちゃんにひらひらと手のひらであげあげしたぐらいでしょうか。

ソワレは・・・なかなか終わりませんでしたねカーテンコール。

聖子ちゃん、出てきてしょっぱな投げキッス・・・え、そんなの今までありましたっけ(笑)。

そのまま優一くんの広げた手の中にすっぽり抱かれて嬉しそう。

あまりの満面の笑みまくりにもうこちらまですっかり幸せな気持ちに。

そういえばマチネの玲奈ちゃんもソワレの聖子ちゃんも全く同じことをやったのですが、「しゃがみこんでタムくんの後ろからキムが拍手する」という、とっても微笑ましいアングルは共通仕様なんでしょうか(笑)。

ソワレで5回目だったかのカーテンコールの時にもうやることがなくなったのか(爆)、キャスト一同腕を手元に持っていって泣き真似してたのが何気にツボでした(笑)。



サイゴンはこの後来週の仙台1週間の後は3ヶ月間のお休みで、12月の浜松から再開。

自分のサイゴン観劇はその再開する浜松(日帰り2公演)と、大楽の2013年1月の盛岡(1泊2日3公演)まで間が空きます。
サイゴンの地方公演を体験していないので楽しみです。

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劇団HOBO『ナイアガラ』

2012.9.6(Thu.) 19:30~21:15
下北沢駅前劇場 B列1桁番台(下手側)

劇団HOBO第4回公演「ナイアガラ」。

高橋由美子さんがお休みということで、今回は・・・とちょびっとだけ迷いはしましたが、HOBOのお芝居自体も好きなので観劇決定。実は日曜日のチケットを取ったのですが、所用を忘れてて行けないことが判明し、改めて取り直した回。

ところが。

開幕日の0時を過ぎたあたりで、「今回お休みの有川さん、由美子さん急遽参戦決定!」とのお知らせが劇団twitterで流れた(爆)。それも日付は当日までのお楽しみとのこと(ちなみに結局登場日の発表は出ていません)。

初日はいらっしゃるだろうなと思い、当日券で行こうかとも思ったのですが、仕事が長引き泣く泣く回避。
(因みに初日は飛び入りで有川さんと夫婦役で出ていたそうです)

そして2日目のこの日、昼公演で由美子さん目撃談を確認して、期待しつつ下北沢へ。

観劇が趣味の割に、下北沢駅前劇場が南口か北口か迷うぐらい(笑)な下北沢初心者なのですが、あぁ去年「TRAIN TRAIN」で前田綾嬢を観に来たときに同じ迷い方したのを思い出しましたよ・・・

駅前ビル3階に上がると、由美子さんがチケットをもぎってます(笑)。
自分のチケットは窓口の方がもぎられたのですが、いやはやご贔屓さんに「いらっしゃいませ」って言ってもらう日が来るとは思っていませんでした(大笑)。

「開場しております」とか「こちらへどうぞー」とか、お客さまとの応対とか(お客さんは普通に小劇場なお客さま方なので、由美子さんを見てどよめくようなことは一切なかったりする)、普通にスタッフさんな働きっぷりでした。さすがは自他ともに認める裏方属性。



さて本編。

劇団HOBOの味といえば
「飄々ときどき毒、嵐のち台風一過の快晴」でしょうか。

今回の舞台は、恐らく今の東京。
場所を想定するなら明らかに新宿中央公園(バックに新宿超高層ビル群が描かれている)。
ホームレスの人間模様がテーマです。

とにかく男性濃度100%な舞台なのですが、本間さんが過去を語るときに「自分、高崎が田舎で床屋やってたんですよ。嫁が○○似のフィリピン人でしてね」とか、何気に前作「ハロルコ」とのシンクロもあったりする(笑)。

本来は女性濃度そこだけだったはずなのですが、この日は由美子さんも1シーンだけ登場。

「え、あの有名な人じゃない?」といわれて照れつつ、でも名前が全然思い出してもらえず、「もう向こう行った方がいいよ」とか言われて、半泣きで「あーともだちでいいからー」ってアカペラで歌って捌けていきました(爆)・・・で、「あっ、本物だったんじゃん・・・」とかいう芝居が続いてました。

もとい。

今回のお芝居のパンフレットが「THE HOBO ISSUE」(ホボイシュー日本版)という売価500円のパンフレットなんですが、この作り、分かる人には分かりますよね。劇中でも本間さん演じる方がこれを売ってる話が出てきますが、「BIG ISSUE 日本版」に作りを似せてます。相変わらずそういうところの芸が細かい。

劇団員の皆さん。

ホームレスの大ボス、林さん。
新入りの割にすっかりボスの右腕、はじめさん。
先輩の割にすっかり下っ端、本間さん。
働き者な実は若手、省吾さん。
ホームレスじゃないけど出入りしてる自称ルポライターな古川さん。

そして、悪気はないけどどうにも困ったちゃんな西條さん(モダンスイマーズ)。
ただ者じゃない感をそこはかとなく醸し出す喰さん(WAHAHA本舗)。
1シーンだけ登場する本業は演出助手なあさひさん(WAHAHA本舗)。

という顔ぶれ。

ゲストがいらしても、それでもいつものHOBO風味は変わらなくて。
何というのか、芝居の中でも、お客さんにも無理をさせないんですよね。背伸びして突然変異みたいなものがない。登場人物それぞれに美学があるように、芝居の中にも美学があって。
それぞれの役に存在する意味があるというか。

今回の中では省吾さんの男っぷりが印象的だったかな。



カーテンコール。はじめさんからキャスト紹介。
劇団員からということで、出演キャスト紹介後に、はじめさんいわく「イレギュラーですけど本日出演いたしました高橋由美子です」という紹介のされ方で、なんかいつもより滑らかに物販紹介してましたとさ(笑)。

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『ダディ・ロング・レッグス』(1)

2012.9.4(Tue.) 19:00~21:45
シアタークリエ 16列1桁番台(下手側)

この作品、実は見るまでが凄く大変でした。
チケット発券ができたのが当日の午前7時30分。完全な綱渡りでした。

この回、ロー●ンチケットで取ったのですが、ここ、発券時に決済したクレジットカードが必要なんです。
普通、ぴあだろうがイープラスだろうが、払い込み票か番号があれば発券できますよね。
で、実は決済したクレジットカードを紛失してしまって発券できなくなってしまったんですね。

メールで問い合わせても電話で対応すると言われ、電話は何度かけても繋がらず(ナビダイヤルで毎回料金を取られるのが苦笑)、しまいにどうしたかというと・・・

紛失したクレジットカードの前の有効期限のカードをスキャンして発券に漕ぎ着けました(爆)
決済もしないのに与信なんてやらないと思ってた読みが当たって良かったのですが、しばらくローソ●チケットは利用中止だな・・・。


「満員御礼」の看板がかかる公演3日目のシアタークリエ。
8月公演から姿を消してしまったクリエちゃんは今月も復活ならず、一人寂しく引退なのかな・・・

邦訳「あしながおじさん」な作品の2人芝居での舞台化。

井上芳雄さんと坂本真綾さんって配役を聞いた時に、「やられた」と思いましたね。どんな鉱脈いままで残してたのかと。しかも(イメージなかったのですが)同級生(昭和54年度生まれ)なのだそうで、ちょっとびっくり。
期待どおりのナイスな掛け合いが見られます。

真綾さん演じる孤児のジルーシャが、芳雄君演じるお金持ちのジャーヴィスから援助を受けて、高等教育(大学進学)をさせてもらえることになって、その条件が「1ヶ月に1回、ジルーシャがジャーヴィスに手紙を書くこと」。

その手紙に書かれる内容が、ジルーシャの成長にしたがって、どんどん奔放になっていって、ジャーヴィスが焦りまくっていく様が面白くてしょうがない(笑)。

ジルーシャも最初は猫かぶってたよね?的なことを思うぐらい、特に2幕あたりからはコントロール不能な学生生活満喫状態。夏休みに遊びに行く先に同年代の男性がいて・・・みたいなことも、ジャーヴィス(手紙上では「ダディ」)には気にせず書くもんだから、ジャーヴィスが焦る焦る。ここ、男性から見ると凄く興味深かったです。

ジルーシャは男性には自分の本心は隠してるつもりで、でもジャーヴィスに対しては、年がいってる人と勝手に勘違いして安心して何でも言ってて、でも実は・・・ってひっくり返され方が微笑ましかったです。

ジルーシャは小悪魔属性があって女性視点からの勝ち誇りがあったりしますが、ラストシーンの反論がジルーシャらしくてとっても可愛い(←結局それか)。アニメとかによくある「顔を真っ赤にして必死に抗弁する」ってキャラが真綾嬢にぴったり(笑)。

この作品を見て思うのは、ジルーシャとジャーヴィスは実は似たもの同士なんだということなんですね。お金を持っていない少女、お金を持っている青年、という違いはあるのだとしても、結局、属するコミュニティにおいて「孤児」というところが同じなんですね(パンフレットの曲タイトルを見るとあぁなるほど、と納得できます)。

ジルーシャの台詞そこここに現れる強気さは何となく真綾嬢の地なんじゃないかと思えたりして、客席のクスクス笑いに乗っかるとなんだか楽しくなります。なんか分からないんですがこの作品、空気が「春」なんですよね。いわゆる「うっきうっきみゅーじかる」と申しますか。

奔放な女性に振り回される芳雄氏、というのは芳雄氏見逃し作品3作な自分にとって、記憶を遡っても由美子さんとやった「バタフライはフリー」まで記憶にないぐらい久しぶり。

一つ間違えばただ奔放なだけになってしまいかねないジルーシャを真綾嬢が本当に魅力的に演じていて、女性としての強みを最大限活かした、女性ならではの振る舞いとか、ぎりぎりに嫌味にならない場所で止めていて、なんだか許せてしまうところが凄い。

最初は自分に自信がなかったジルーシャが、学年を重ねる度に自分に自信がいっぱいになってあたかも「大丈夫よ♪心配しないでっ(←作品違い)」みたいになっていくのを、ジャーヴィスがどう見ているのかと、観客としてどう見えるかはちょっとずれるかもしれません。

でも自信をつけていった彼女が、ある意味初心を忘れているかに見えた彼女が、ラストシーン近くで、素直な感情を「初心そのもの」で言ってたのは感動したなぁ。ジルーシャも、「存分に勉学に励める環境」と「遊び回れる環境」を得ながらも、”満たされた人”ならではの”心の空白”を抱えちゃったのかなと思うと、なんだかちょっと腑に落ちるところがあって。

「得られたもの」そして「失ったもの」。
「失ったもの」を探していた2人、ジャーヴィスとジルーシャが、出会うべきして出会った物語なのかなと、そう思えて。

まぁそれにしてもこの2人芝居、男にしてみりゃジャーヴィスが羨ましいという話ですが(爆)、男性というのは不器用な生き物だよなとつくづく思って、芳雄氏の芝居を男だてらに好きだったりするのは、演出含め、「かっこ悪いところも含めてかっこいい」ところなんですよね。

この作品、基本が女性視点の物語なわけで、男性観点から見ると好みが分かれるところなのかもしれませんが、自分は結構好き。真綾嬢のライトファンなところを差し引いても、心にぽっかり穴が空いたような生活を日々している自分のような人には(爆)とっても心地好い物語でした。

問題は特に1幕、あまりに心地好すぎてすーっと吸い込まれていきそうだったところですが(苦笑)、次回は1幕もベストコンディションで見たいです。


そういえばカーテンコール。

下手側真綾さん、上手側芳雄くんで出てきて、芳雄くんが真綾さんを紹介、真綾さんがさらに下手側を紹介したら誰もいなくて真綾さん赤面・・・

実は奥で演奏してたバンドさんを紹介するのを「2回目のカーテンコール」でやる予定だったそうで・・・

「ジルーシャが段取り間違いまして」とは芳雄くん談。
真綾嬢が手で顔を覆って本気で恥ずかしそうにして顔を上げられなかったのがとってもキュートでした。

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『新妻聖子ミニライブ』

2012.9.2(Sun.) 14:00~14:30~15:00
2012.9.2(Sun.) 16:00~16:30~17:00

小田急OZエルミロード新百合ヶ丘1階イベントスペース

先週急遽発表された「ありがとう」発売記念イベント。

発売が5月ということにファンのみんなして心の中で突っ込んだわけですが(笑)、
聖子さんの歌とトークを聞きに、珍しく遅れなかった小田急で新百合ヶ丘へ。

ステージ前に並べられたパイプ椅子は約150。最前列は開始2時間前の12時頃でほぼ埋まったようですが、さすがにそこまでの気力体力時の運(←一番最後は違うと信じたい)がなく、45分前に到着、14時の回は立ち見でした。

このイベントスペースは、7階まで吹き抜けになっていて、上階からも見下ろすことができるのですが、開始時間が近づくにつれて、2階・3階はては4階まで人人人。

14時の回、1曲目は「愛を止めないで~Always Lov'ing You~」。これは無難な選曲ですね。自分もこれは当てました。
この日の曲目は5曲ですが、1曲がミュージカル曲の某曲と言っていたので、残り3曲は「ありがとう」CDから来るとなれば残りは1曲。
何しろ聖子さんの曲の中で一番の知名度を誇る曲(NHK木曜時代劇「陽炎の辻」主題歌)ですから、掴みとしては十分。

「自己紹介の前にまずは1曲行きましょうかね」と言って始める聖子さん。うん、全く正しいです。

で、この1曲目、16時の回は違った訳なんですが、「自己紹介の前に歌紹介で行きます」と言った後に、「『Time To Say Goodbye』を歌います」と・・・
その時、いつも劇場でお会いしている知り合いのみなさま方から、声を揃えてどよめきが(笑)。

まさかここでこの曲来ると思っていないわけですが、ここでこの曲歌えば何が起こるか、知り合いのみなさまが同じように知っているわけで・・・。

いやぁ、今日一番の功労者は新妻さんのこの歌声を受け止めきって壊れなかったマイク君だと本気で思います(大笑)。

もう凄かったです。

それしかないです。

反則です。

販促です(笑)。

何しろ歌い終わった後に、客席から「ブラボー!」が出て、満場の大拍手。
本人も「駅ビルで『ブラボー』をいただけるとは思っていませんでした」とむちゃくちゃ驚き&お喜びのご様子。

そりゃぁ「ありがとう」も用意した数完売するはずだわ・・・2回回し合わせて600人ぐらいいたはずだけど、多分用意した数は200ぐらいだったと思われ・・・。
当初はサイン会対象は「ありがとう」だけだった(チラシにもそう書かれてた)けど、他のアルバム・DVDでもいいことになってて大正解。

1回目、2回目それぞれ掴みの凄さで持っていって、次何が来ると思えば

「命をあげよう」@ミス・サイゴン

ですからね。

反則です。

反則過ぎます(笑)。

この日の青山劇場キムを知念ちゃんに任せつつ、1曲だけとはいえ2回回しのキム。

表情からして一瞬で変わるわけで、やっぱり根っからのキム。

トークはいつもどおりの軽妙さなのに、歌になるともう誰にも止められない凄さ。

いつもは劇場の中である意味閉じ込められている聖子キムが、吹き抜けのこのスペースで、エネルギーを空に向けて解放するかのごとく歌う「命をあげよう」は、いつもとはまたちょっと違った印象だったかも。



トークと言えば新妻印謹製の自己完結ゆるいトークですが(笑)

1回目登場時に2階以上の吹き抜けの方に手を振ってて「なんか街頭演説みたいですね(笑)」

「今回の『ありがとう』はいわゆるウェディングソングなんですが、きっかけは私の名前『新妻』でして、『新妻だからウェディングで行こう』と3秒で会議が終わりました」・・・「えっ、そこでノーリアクションですか(会場内笑)、そりゃ反応しようがないですよね」

「エルミロードの『エル』って何ですかね。えっ、みなさんご存じない。・・・新百合の地元の方少ないんですか?・・・皆さま遠くからありがとうございます」

→2回目で「エルは『Lily』だそうです。新百合ヶ丘だから『百合』ですね。ほら何でしたっけ、なんか叩くの(左手で叩く真似)」・・・あ、「へぇ」ですね(笑)

「今日は新妻家親戚一同勢揃いしています。どこにいるか探してみて下さい。大きな泣き声が聞こえてきたら2歳の姪っ子だと思ってください(笑)」
・・・ちなみに、下手側後方の円卓が新妻家親戚ご一同のスペースになっておりました。

一番強烈なのは2回目の「Time To~」の後の超爆弾発言ですが、さすがにそれは表に書けない(大笑)。
知り合いの皆さん、そこでタイミング合わせて激笑してたのが素敵でした(笑)。同志万歳(爆)。

「11月30日に神奈川・相模大野で単独ライブやります。・・・」会場名が出て来なくて前方列の常連さんに聞いてた(笑)

「こんなのにも出まーす」と掲げたチラシがドラロマだったりする。
宣伝の必要がないから作品名も言わないという徹底ぶり(爆)。

全般的に宣伝は省略されてました。
(1回目に至っては宣伝がそもそもほとんどなくてさすがに某所からツッコミが入ったらしい(笑))

・・・で、最終的には。
「(多少の告知をした後)一部では『食べログ』(←本人に手紙で書いたことがあるw)と言われてるブログを見て下さい」

・・・それで完結するのがすごい(笑)




そして1回目・2回目おのおの2曲が終わった後が、”今日の本題”の3曲。

CD「ありがとう」から、「おかえり」→「私の星」→「ありがとう」のコンビネーションです。

そして、そのハプニングは1回目3曲目の「おかえり」で起きました。

歌い始めてしばらくして、異変に気づく常連さんたち、そして常連さんには分かる聖子さんの動揺・・・

はい、1小節目をリピートしちゃいました。途中とうとうどうしようもなくなって・・・

「すみません!もう1回初めからお願いしていいですか?」(会場内大爆笑)

「間違えちゃいましたー。ごめんなさーい(と座り込む)」

「ダメなんですー作詞能力ないんですー」

「いっぱい練習したのにーなんでー?」

「歌詞カード見せてー」←用意してたマネージャーのH嬢、さすがです(爆)。

「キムよ出てってー」←これが皆さまに好評でした。同意です。

とかもう混乱の仕方がもう超お得(笑)

でも歌詞がすっ飛んだと言ってた割に歌詞カード15秒ぐらい見て回復するのは流石。

・・・とある方面の人たちからはいくらでも突っ込まれそうな話だけど、でもその後3曲をかっちりと歌いきって、その後のサイン会につながる長蛇の列が、お客さんの掛け値ない反応そのものなんですよね。それが分かっているから安心していられる。

「わやくちゃになってる聖子さん」というのはFCイベントでしか見られないと思っていたので、まさかオープンスペースで皆さまに向けて大々的に公表されるとは思いませんでしたが(苦笑)。

個人的には生歌初披露の「私の星」が聞けて嬉しかったなぁ(サイン会でもそう言ったら喜んでもらえた)。

1回目の時は実は「おかえり」ハプニングの後だったので実はちょいと作詞してるよね?があったんですが2回目は落ち着き払った、じんわりくる歌声が聞けて満足。

2回見たわけですが、2回見た人も1回しか見なかった人も満足させる構成って、前から思うけど本人のポリシーなんだろうなと思う。劇場でいつもいる人にも、そして新しい人にも、それぞれに自分をより知ってもらいたいというご本人のバランス感覚は大切にして欲しいなと思います。知られていないところにも飛び込んでファン増やして帰ってくる、みたいなアグレッシブさは、本当はもっと必要なことだと思うんですよね。

お財布的に、お高い趣味になっている「舞台」「観劇」という世界にとって。

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『ミス・サイゴン』(12)

2012.9.1(Sat.) 17:00~20:50
青山劇場1階B列40番台(上手側)。

B列・・・実はこの作品での青山劇場の最前列です。
この作品を最前列で見ると見えるものが色々違います。

この日のキムは笹本玲奈さん。
今期通算で笹本キムが3回目、新妻キムが3回目なので今期6回目(小数点以下四捨五入)。

この日、マイクに入るか入らないかぐらいのキムのつぶやき台詞がとても深くて。

一番印象的だったのはトゥイと対峙して、キムに向かってくる時にキムが発した「お願い、来ないで」って言葉。
ここだけじゃなくて、玲奈キムはとてもトゥイに対する好意を感じた。
クリスのことは愛したけど、トゥイのことを好きだったんだよね、みたいに思えた。

「生きてきたその理由(わけ)を、『知りたいなら』見せるわ今」、という言葉がキムから発せられたときに、本当はキムはトゥイには知って欲しくなかったんだろうなと思えた。「知りたいなら言うけど、でも私は言いたくないの」、「私はあなたを傷つけずに去りたいの」みたいな印象を受けて。

新妻キムの場合は、トゥイとの関係にはきっちり気持ちの区切りをつけている印象があって。ご本人も多少匂わせていましたが、「昔は許嫁だったかもしれないけど、自分の両親を殺したグループ(ベトコン)の仲間になった時点で、もうトゥイはあの時の『自分の相手』じゃない」という感じが。

玲奈キムと優一クリスと言えば、「ミス・サイゴン」では超有名なキスカップル。
とある人曰く「最後の感動が薄れるぐらいキスしてる(苦笑)」カップルですが、この日、玲奈キムが「プリーズ」の後のソロで、クリスとの過去を懐かしむかのように唇に指を立てて感情に浸っていたのがすごく印象的。
そうだよね、あれだけキスしてくれたんだもんね。まぁ、キスが全て愛情なのかは別の話だろうけど・・・。

何しろ他カップルでは、結婚パーティーのキスは成功した記憶がないのに(その前に引き離される)、このカップルはいつのまにってぐらい早く完了してて(笑)、「キスはさせまい」としているかのようなドリームランドの他女性メンバーを悔しがらせている(爆)。

あのシーン、「一人が出ていく」のに他のみんなはドリームランドに残る(それを前演出版では部屋でやっていたのを新演出版では開店前の店でやっているのは露骨ですよねぇ)わけでそりゃキスをさせたくないのも分かりますわなぁ・・・。

で、話は戻って。

反面、実は優一クリスは花代エレンには途中までキスを全くしないのですね。
エレンがキムの登場を経てクリスに思いの丈をぶつけるシーンで、クリスはエレンをキスで宥めようとはしなくて。
エレンが納得して(ジョンは納得してはいないけど)初めて、クリスはエレンにキスをするんですね。それを見たとき、優一クリスの役作りが、何となく分かったような気がしました。で、その「クリスがエレンにキスするシーン」、その瞬間に玲奈キムの「懐かしいキスと、あなたの声・・・せめて今夜はあなた、タムを連れに来て」の叫びがこだまするんです。無論演出ではあるはずなのですが、クリスがエレンを選んだことが残酷なほどに表現されているシーンなんだな、と思ったりします。


そういえば聖子ちゃんと玲奈ちゃん、ダブルキャストでやった「MA」の時に、聖子マルグリットが「人を信じたがっている眼」、玲奈マルグリットが「人を信じられない眼」って書いたことがあるんですが、今回の新演出版キムだとそれが明確に逆で、聖子キムは「人を信じられない眼」、玲奈キムが「人を信じたがっている眼」に見えます。
時を経たからなのか、役柄との相性なのか、興味深いものがあります。



この作品を見ていると、アメリカの「悪意」とベトナムの「敵意」の中で、ただ普通の人たちがもがき苦しむ物語に思えるのですが、それからすると敵役に見られがちなエレンだって別に「悪意」な人じゃなくて、むしろ「善意」な人。
自分が妻で、権利を主張しているだけでもいいのに、キムのことも心配してるいい人。でも信じていたクリスに全てを打ち明けられていなかったからぶち切れてクリスを追い詰める。
クリスも決してフォローされるべき人ではないとはいえ、演出なのかどうなのか、花代エレンのクリスへの責めは、「あれじゃクリスの立場がなさ過ぎる」とちょっと思う。どんどん花代エレンの歌も責めもきつくなっているような気がして、ちょっと見てて辛い。

新曲「メイビー」も青山公演まで来てようやく歌詞の意味が理解に追いついたけど、(ネタバレなので白反転)「クリスの気持ちが軽くなるならキムとより戻すのもいいのかもね。クリスと付き合ってたときになんか影があったけどその意味も分かったし。でもキムと付き合ったらクリスは苦しむだけよね。だから私しかクリスを助けられないわよね」というなかなかの我田引水論法(笑)。
まぁでもそれがただの「普通」なんであって。

クリスはミュージカル界3つの指に入るほどのダメ男と言われますが、それでも自分の過去に誠実だと思うけど。
むしろ人ごとだからといって言いたいこと言ってるジョンの方が自分は気になる(笑)。
言うだけなら誰でもできるわけで・・・ジョンが苦悩した期間が全く描かれていないからそう思うんでしょうけどね。



最前列上手側というのは、実はキム役者さんのファンにはたまらない席で、2幕の某シーンは目の前でとあるスタイル抜群さが認識できたりするし、かなりのシーンでキムがこっちに向かって歌うんですね。ジョンに向かって話してて、目線の先がちょうど自分のところらへん、みたいなのとか。



この日のタム君は恐らく自分としては初の荒川槙タム。
カーテンコールでは玲奈キム&優一クリスにぶらーんと両手でぶら下がるブランコごっこしてました(笑)。
何度かのカーテンコールの後、下手側から市村さんがそーっと登場。なんか「しー」って言ってるけど・・・あ、手元にあるのはバースディケーキじゃないですか。

幕が上がり・・・市村さんから「今日はクリス役、原田優一の30歳の誕生日です!」と言う言葉とともに、オーケストラ&会場全体で「(はっぴーばーすでぃ・とぅーゆー)×2、(はっぴーばーすでぃ・でぃあ・ゆうちゃん)」というカテコ。
3本立てられたローソクの火を吹き消し、コメントを促され、原田君からコメント。

「何が起こってるのか全く分かりません(笑)。『ミス・サイゴン』公演中、しかも出演回にお祝いしていただいて本当に嬉しいです!ありがとうございます!」と。

その後、幕が一度降りた後、優一君がケーキにかぶりついて指で「Good!」(美味しい!)の合図。隣にいた玲奈ちゃんが「(舞台上でケーキを)食べるのっ!?」みたいに素で驚いていたのがとても面白かったです(大笑)。

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