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『ミス・サイゴン』(10)

2012.8.22(Wed.) 18:35~21:00
青山劇場 1階F列20番台中央(センター)

年間数十回の観劇をここ10年続けていて、恐らく通算で4~500回の観劇をしているはずなのですが、その中で開演時間に間に合わなかった経験というのは片手で足りるほど。
なぜだかその「遅刻」という経験がサイゴンで2度目。この日も遅刻なのです。

前回は帝劇で、40分遅れぐらいだったから、入ったタイミングが松キムと由美子エレンの「今も信じてるわ」直前だったんですよね(2004年)。
この日、システム障害の対応をしていて、何とか会社を出たのが18時。

拾ったタクシーの運転手が運悪く凄まじく要領の悪い人で、通常ルートを500円以上超える結果を叩きだしてくれる始末・・・それでも何とか開演20分後には劇場入り。

目の前で原田優一クリスが「なぜ~どうして~」と歌ってるタイミングで客席入り。20分ってこのあたりなのね。
キムはベッドにいるけど、なぜかこの時の新妻キムの衣装だけは着こなしが妙に違和感。
玲奈キムだと違和感ないのにな。
地場衣装は新妻キムの方がお手の物なはずなのに。

やっぱり芝居は最初から見るに限ります。気持ちを乗せるのが難しい難しい。
クリス・キムともに初見ではないのですが(2012年シリーズでこのペアは初)、しっくりくるのに最初から見るよりずっとハードル高く。

でもつくづく思うのが今日が初日じゃなくて良かったということ。
厚木が事実上、新妻キムのプレビューになったので、そこからもかなり洗練された感じ。変な力みも取れてるし、キムとして違和感なく溶け込んでいていい感じ。

新妻さんは基本的に演技プランがエンジン全開な人だけど、今回のキムはちょっぴりアクセルを緩めにしている感じで(それが新演出版だからによるものなのか、それだけこなれたのかはわかりませんが)、その押しのちょうどさがしっくり来る。

それでいて新妻キム特有の、「心地好い重さ」というか、お腹にどすっと残る感じがイイです。
本調子マックスにはまだたどり着けてはいない様とはいえ、ようやく軌道にのった感じ。

実際、その手応えは本人、周囲ともにあったようで、カーテンコールの満面の笑顔に、市村さんからの手つなぎあり、はたまた手をひらひらされてのエール(これは新妻キムにだけじゃなくて、理生ジョン、優一クリスにもやってた)が出たりと、とても微笑ましい素敵な初日でした。タムと一緒に手を振るためにしゃがんで一緒に手を振ってたり。
この日のタムは厚木よりずっとしっくり来てたかな。実際、一番なついてくれてるタムらしいし。

カテコと言えば、新妻さんにしては珍しく、優一君に駆け寄って行って腕で抱き抱えてもらってた。厚木の時もいっくんクリスに「ふにゃぁ」って感じの安堵が混じった泣き笑顔でしなだれかかっていったし(なぜ腕で押さえるかな、いっくんw)、さすが彼女としても今日の初日を迎えるまで、不安で不安でしょうがなかったんだろうなというのが「らしくない」様子ですごく分かる。

本編の話だと、この日はキスクリスだから、新妻さんが演じる役では珍しくキスがすごく多い(笑)。とはいえ、玲奈ちゃん相手と比べると、なんでこんなに回数が違うのってぐらい減ってますけど(爆)、ちなみに見た方の感想で「あんまり本編でキスされすぎるとラストキスの感動が薄くて困る」ってのがあって噴き出しちゃいましたが。

この日のハプニング3題。

「ムーランルージュ」で、ジョンの持っていたファイルから書類が1枚ひらりひらりと上手側へ・・・。
理生ジョンはとっさに「目の前のダンサーさんの腰振りに目を奪われて気が抜けて・・・」みたいな演技で取り繕ってました(笑)。
事情をわかってるリピーターさんからは「くすっ」という笑いがさざなみのように。

初日というに、新妻キムのナイトメアシーンで2秒ほどマイクがすっ飛ぶ。兵士に両手で引き離されるところだから、その辺触っちゃったのか、たまたまなんだろうけど、その一瞬の直後に「マイクがないなら生声で叫んでやろうじゃないの」的な叫びがマイクの復活とかぶさってちょっとびっくり(爆)。

エレンに責めまくられるクリス君が振り向いた時にペンが遙か遠く、上手側階段付近にまで飛んでいったのにもびっくり。
あそこまで10m以上あるよねぐらいな距離をぴょーんと飛んでいった。ひとしきり夫婦の和解シーンが終わった後、理生ジョンがちゃんと拾って去っていきました。

拾うと言えば、キムがクリスのいるホテルに駆け込んでいくときに、「タムのこと見ててっ」って飛び出す時に放っていく衣装箱。あれを回収していくのはオレンジのシャツを着たアンサンブルさんかスタッフさんなんですが、なんだかちょっと変に目立つので、あれもう少し闇に隠れる色にならないかな-。

ストーリーに触れる時間がないので今回は1つだけ。

ラストシーン直前、「クリスキム俺、3人組忘れるなよ」とエンジニアに言われたときのキムの表情が絶妙で・・・
1幕でエンジニアに助けを求めたときのキムの反応も興味深いのですが(ちなみに新妻キムと玲奈キムそれぞれ雰囲気が違うのですが、それはまたの機会に)、エンディング直前シーンの時の「私(キム)はあなた(エンジニア)のことなんか、これっぽっちも仲間だと思ってないわよ」みたいな表情がもう・・・

エンジニアはキムの掌の上で転がされてるという、表現としては適正じゃないかもしれないけど、キムの強さはタムのためならどんなことでも、というところに「エンジニアを利用してでも」という側面が含まれてて。ま、それは自業自得なところもありますけどね。

あらゆる意味でエンジニアは正しい道化だとは思います。道化に徹しられれば、それもまた人生なのかもしれません。

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