« 『リンダリンダ』(7) | トップページ | 『Woo!!MAN』 »

『Bitter days , sweet nights』(1)

2012.8.2(Thu.) 19:00~21:00
CBGKシブゲキ!! A列(最前列)上手側

この作品、ネタバレしないでどうやって物語を語ればいいのだろう・・・(苦笑)。

渋谷ユニクロ6F、小劇場での小品なミュージカル。

ちなみに、この物語、昼は「bitter」そのものでしたが、夜はさほど「sweet」ではありませんでした。
よかった(こら~)。

DVD化が決定しており、9日マチネ・ソワレにカメラが入ります。
6800円で会場先行予約受付中。

ネタバレに入る前に、実害のない感想。

それにしても、新妻さんの日常なんじゃないの?と思うかのようなシーンが続々。

ミノルの家で朝食作り始めて、ミノルが「どけっ」と言っても「私は上手く作れるのよ」と強がっても、できあがりが「・・・」で、結局食べる専門になるナツコ(笑)

今までナツキちゃん(青空!)が一番だと思ってたけど、今回のナツコはそれさえも飛び越して、「新妻さんの役あてがき選手権優勝」をあげてもいい(笑)

簡単にストーリーを。

橋本さとしさん演じる主人公・ミノルは、カメラマン。最愛の妻であるフユコを亡くして以来無気力で酒浸りな日々。フユコの親友だったヤヨイ(演じるは堀内敬子さん)はミノルの尻を叩くが、ミノルは全く何も動こうとしない。
そんなある日にやってきたフユコ・・・とミノルは勘違いするのですが・・・

「よく帰ってきてくれたな」
「私はフユコじゃない!」

新妻聖子さん演じる、ナツコはフユコの妹で、フユコと瓜二つ。ミノルを挟んでヤヨイとナツコが対面する傍ら、もう一人の登場人物・ジュンはナツコを追ってアメリカからやってきた。ジュンはこの日はWキャストのうち、上山竜司くん。
7月下旬に、白洲迅くんの急病でWキャストとして追加されたにしては彼、すさまじくデキます。

パンフレットも実は2人の名前が入っていたので、それなりに前からWキャストになるのは決まっていたみたいですね。
(このクラスのパンフレットを1週間で刷り直すのは厳しい気がします。ちなみに対談の大笑い大会(正確には「さとしさんマゾ状態」)がとても楽しいです。さとしさんいわく「両手に花なのに二人とも言うことキツいんだよな」←笑)

あ、あと今回のパンフレットむちゃくちゃ面白いです。
さとしさんを囲んだ”とげのある2女優”との鼎談が大爆笑ですし、
新妻さんのG2さん評に絡めた演出家評とか最高すぎる。



ここからは強力なネタバレがありますから、ご覧になる前の方はご注意!




G2さんと荻野清子さんの組み合わせ。

女優お二方が口を揃えて「似てる!」というだけのことはある(見終わってから読んでください…状態で本当によかった)、「リタルダンド」に瓜二つです。

ポジショニング的には聖子さんが一路さん、敬子さんが由美子さんという感じで、「二人の女性が同じ人を愛する」という、とある作品の某登場人物いわく「恋愛相談の基本パターンです」という(笑)

「そうか、私の恋愛はパターンなのか」(違)

敬子さんと由美子さんはコメディエンヌという点で女優さんとしてのベクトルが似ているので、実は聖子さんとの共演を望みはしたんですが、今見終わってみるとそれがなくて良かったことが分かります。

同じ人がやったらさすがに印象被りすぎるってことなんですね。

今回の物語のキーは、新妻さん演じるナツコが、亡き姉の夫である橋本さとしさん演じるミノルの元に戻ってきたか、なのです。

ナツコ本人は数年前にその家を飛び出して以来、姉の葬儀にも顔を出していない、それをミノルになじられるほどの有様。

で、ここで何がネタバレなのかというと。

先ほど「リタルダンド」に瓜二つ、と申しました。

「リタルダンド」は吉田鋼太郎さん演じる働き盛りの編集長が主人公。
奥さん役が一路さんで、編集長を想う女性役が由美子さんだったのですが、この編集長さん、若年性アルツハイマーになってしまうのです。

「リタルダンド」はその病名自体が先に明かされていましたから、それが先にありきで、みんなそこを前提に見に行くわけです。
が、今回のビタスイはそんな前提はないんですが、「なぜナツコが急に日本に帰ってきたか」・・・

えーと、新妻さんの母上が観劇後に楽屋で開口一番「あなた、また○ぬ役なの」と言うのが目に浮かぶ(爆)。



この作品の登場人物はみんな心に穴が空いているのですが、それが埋まっていく過程が感動的で無理がなくて、その辺はさすがG2さんだと思う。

「こころにぽっかり穴が」という歌詞がいみじくも新妻さん演じるナツコによって歌われているのですが、これがこの作品の肝なのかなと。

ミノルの心に空いた穴はフユコがいなくなったこと、それもただいなくなっただけじゃないこと。
ナツコの心に空いた穴は姉であるフユコを通した家族の絆の不在だし、ヤヨイの心に空いた穴は、親友のために必死になってもミノルには伝わらないことだろうし・・・etc

ミノル・ナツコ・ヤヨイの3人ではどうしようもなくなった物語が、ジュンの登場によって動き出す。
ジュンの台詞は半分が英語で、そこにはジュンより上手い英語を話す女性が一人・・・(笑)。

ナツコは実は英語でキーになる言葉を言ってます。
その事実はほぼ同時にヤヨイが知っていますが。
あの言葉、聞いた瞬間に「まさか」と思ったんですけど、聞き間違いじゃなかったんですね。



今回G2さん上手いなぁと思ったのは、ミノルの部屋の話。

この部屋、実はミノルとナツコが半分ずつ権利を持っているんです。

・・・普通に考えるとおかしいですよね。
元々はフユコとナツコが半分ずつ権利を持っていたんです。共同所有ですね。
フユコが亡くなって、夫であるミノルがフユコの分を承継。

結果的に、夫婦ではないミノルとナツコが同じ部屋を半分ずつ所有するという不思議な関係が生まれています。

で、ヤヨイはナツコに「もう出て行きなよ」と好意分50%(推定)で言う訳なのですがナツコは首を縦に振らないのですね。
自分の心に空いた穴は、ミノルにしか埋められないし、ミノルの心の穴を埋めるのはフユコの妹であるナツコにとって、自分の使命でもあるし、それは自分の心に空いた穴を埋める作業でもある。
でもそれをするためにはナツコとミノルの唯一の現実的なつながりであるこの部屋は手放すわけにはいかない・・・

もう一面、一つの部屋を共同所有する2人は、ある意味他人ではないということを示してもいて、このあたりが絶妙に上手いなぁと思います。

※共同所有の場合、売却するには自分以外の権利者の承認も必要ですが、他の権利者の権利を侵害しない範囲において法定相続するのは、自分以外の権利者の承諾は必要なかったはず・・・(ナツコはアメリカに行っていて承認が取れない)。



話は戻って。

登場人物4人、それぞれ大変に魅力的です。

橋本さとしさん。とある理由により親近感を持っている俳優さんですが(理由略)、あれだけ自堕落になってさえ魅力的なのが男性としてはずるすぎるとしか言えない(笑)。男性はちょっとダメなぐらいが魅力的だよねー(←をい)。

新妻聖子さん。縦横無尽に飛び跳ねるキリンみたいな役(どんな喩えだ)。ミノルもなぜか邪険に出来ない、自分の心にずかずか入ってくる厚かましさは、でもどこかフユコと通じる空気感なのでしょうね。ミノルにとっては、多分「心地好いおせっかい」なんだと思う。

あ、あとここのところご本人のblog、tweetとかで「体調がbitter」という話が出ていましたが、この日の彼女を見る限りは、いつもどおりな感じで一安心。

堀内敬子さん。この人も結構ズルい存在感(笑)。褒め言葉ですけど。天然な確信犯っぷりが素敵すぎる。ミノルにとっては放っておいてほしい存在なんだろうけど、自分の限界を悟ってナツコに真実を告げるあたりが本当に素敵。某シーンでのミノルへのツッコミが最強過ぎて大激笑でした。

上山竜司さん。急遽登板でここまでできるって普通に凄い。昔、新妻さんが絶賛してた「RENT」のマサ君みたいな話だ(この作品はそこまで登場シーンはないとはいえ)。

荻野清子さん。舞台上でピアノ姿を見るのはもう3回目ですっかりおなじみ(「リタルダンド」「国民の映画」そして今回の「ビタスイ」)。ピアノの音が優しくて好きなんですよ-。



今回は最前列ということで、目の前1mにさとしさんがいたり、目の前1mに聖子さんがいたり、目の前1mに敬子さんがいたり、目の前1mに・・・(←もういいw)で迫力でしたが、完全に死角になるのもあった(さとしさんがこっち見てて、聖子さんが背中だったり、その逆もあったり)ので、次回(日曜マチネ)は後方に行くのでまた違った風景が見られるのが楽しみです。

そういえば、室内という設定だったのでミノルとナツコはほぼ素足で、初めて見たので何か違和感でした(笑)

ちなみに聖子さんご自身が「アトリエのような空間」とおっしゃってましたが、
なんだかナツコがロダン、ミノルがカミーユに見えたシーンがありました(爆)。

ナツコがパワフルすぎっ(笑)

|

« 『リンダリンダ』(7) | トップページ | 『Woo!!MAN』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74093/55338943

この記事へのトラックバック一覧です: 『Bitter days , sweet nights』(1):

« 『リンダリンダ』(7) | トップページ | 『Woo!!MAN』 »