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『Bitter days , sweet nights』(2)

2012.8.5(Sun.) 13:00~15:10
CBGK!!シブゲキ I列1桁番台(センターブロック)

初日の最前列からうって変わって中盤列。とはいえ何しろ小劇場サイズですから、全然遠い感じはありません。
多少前の人の座高が気になるものの、特に新妻さんの死角は上手端でしゃがみ込んだシーンぐらいだったので、無問題。

初日にはお見かけしなかったいつもいらっしゃる皆さまは、この日に大集結。日曜マチネのみというのは・・・皆さまお考えになることは一緒ですね。

もう日曜日も回ったし、ネタバレ全開でいいですよね(微笑)

ちなみにこの日印象的だった新妻さん日常シーン(と思われる部分)

「禁止されるとやりたくなっちゃうんだよね」
「わかってないなーーーー」
「あったま悪いなーーーー」

以上が三強でした(笑)



この作品、新妻さんいわく「アトリエミュージカル」なのですが(ちなみにプロデューサーさんの命名だそう)、個人的な命名は「洞窟ミュージカル」です(爆)。

や、なんだか暗闇の中で光を追い求める感じがなんか。



1回目は釈然としなかったところが回収できるのがリピート観劇の醍醐味。
それはある意味言い訳ですけど(笑)。

今回感じたのはフユコの存在の大きさ。

自暴自棄になってるミノルにとっても、親友のために親身になろうとするヤヨイにとっても、そして姉との10年間の別れがあったからこそ、姉との時間が愛おしく思えるようになったナツコにとっても。

興味深かったのは、その中でもナツコの割り切り。
フユコを失って、前に進めないミノルとヤヨイに比べると、ナツコはフユコとの関係に先に区切りをつけているんですね。
「憎む」ことで忘れられると信じているナツコ。
大事な母の最期を、大事にしなかった(と思っている)フユコの存在を、ナツコは憎むことで忘れたいと。

亡くなってなお、むしろ亡くなったからこそ強く存在が生き続ける人というのは実際にいるのでしょうし「恨み言一つさえ言わなかった」とミノルが言い、憎んでいる(と思い込みたい)ナツコも、そこは認めざるを得ない。

3人の姿を見ていると、「人間とは忘れたい生き物なんだな」と思わされます。
ただそれはナツコが語るように「忘れたい、忘れたいと思ったら忘れまい、と思っているのと同じ」。

妹であるナツコは、妹であるが故にフユコの存在から逃れる術を一番最初に気づいた。
けどそれは決して前向きな解決策じゃなくて。心に抱いた違和感が、彼女を日本に向かわせたのだろうなと。

ミノルもヤヨイも、ナツコのお陰でフユコとのことを消化して前に進むことが出来た。
そしてナツコも、不幸な形でなしに、フユコとの関係を再認識することが出来た。

「病」というエッセンスを隠し味に、というのは何しろ「リタルダンド」で「病」を前面に出した時に比べると正直、安易なストーリー展開だし、お陰様で新妻聖子さまの舞台作品生存率はまた下がったんですが(※)

(※)舞台作品18作19役目で、劇中で亡くなるのは10役目。
特に最近は、去年1月の「青空!」の後は、一度も舞台で生き残っていません

新妻さんと堀内さんの歌は本当に耳福だし、今まで経験したことがない同調のハーモニーを感じるのですが(「プライド」の玲奈ちゃんの時は競い合うという感じで、今回とまた違った魅力)、こと物語としてはどうしても自分の中にある「リタルダンド」の残像から抜け出せないというか。

似た物語のはずなのに、気になるのは、今回の物語では2人もの「死」ないし「死が見えた状況」を扱っているのですね。既に亡くなったフユコ、そしてもう一人(亡くなったという話まで語られてはいないけれども)。
そこに多少なりともの、やり過ぎ感を感じるのですね。

フユコが亡くなっているのは物語上前提だからしょうがない。
でももう一人にまで「死」を絡ませる必要はないでしょう。
というか「死」が見えたからこそ周囲の取り巻く人々の気持ちが変わったかのようで、なんだかちょっと安易。

誤解を恐れず言うなら、「死」をただの物語の転回ツールとして使ったような点は、自分にはどうにも釈然としません。



そんなモヤモヤはありつつも、音楽の心地良さに酔う2時間。
目立つ曲はダイジェスト+歌稽古風景に漏れなく収録されているのがある意味困ったモノですが(苦笑)、色々な意味で、この時期の共演者が声調のフィット感満点の堀内さんと、芝居勘ぴったりのさとしさんで良かった。

「気にしないように気にしないようにと思うと、かえって気になるもんなんだよ。視野を広げなきゃ」

G2さんがナツコに言わせた言葉、これは7月から8月にかけての、新妻さんへのメッセージだったように、少しだけ思えるのです。

舞台作品が何事もなく上演されていることが、実は奇跡そのものなのだ、ということが、この作品で一番身にしみてわかったことなのかもしれません。

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