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『リンダリンダ』(4)

2012.7.7(Sat.) 18:30~21:30
紀伊國屋サザンシアター 4列目10番台(センターブロック)

先週も「会期中一番の良席」とか言ってた割に、この日も東京楽もこの席。
あまりにど真ん前に松岡君がいるもんで、最後には目が合いました(笑)

カテコで松岡君いわく、「何度も来ていただいているのは分かっています。顔も大体覚えました」だそうです(笑)が、そこ、男の私も入っているんでしょう(笑)。座長の格好良さは男でも惚れますな(←そういう趣味はありません)



客の入りは苦戦しているらしく、それでいてプライスダウンという選択肢はないようなので(リピーターチケットは会場内のみ発売で1000円引き)、なんかそれってクール・パルチザンの「世の中に媚びない」空気を身に纏っているかのような。

前方席でもお知り合いか演劇関係か?ってタイプの方がいて、そういう人は観劇するときに足を組んだり、チラシをチェックしたりしだすからよく分かる。どういう種類の人たちか分からないけれど、どういう芝居であれ目の前の演者を前にそういうことをして平然としている様というのが、自分には理解できなかったりする。

実は日曜日の帝劇も隣が足組みのおじさん(業界人じゃない感じ)だったりしたし、何かとても悲しいものを感じたりする昨今。

舞台から客席を見た体験はないけれど、そういう空気には人一倍敏感な役者という職業で、この日の様をどのように感じたかは推し量る術はないのだけれど、初日以来見てきてこの日凄いと思ったのが、松岡君の「チェインギャング」。

初日はここまで凄くなかったよね?というぐらいな入り込み方。まさに魂の歌。松岡君なりマサオなりの不器用さで、だからこそ刺さるまっすぐな歌。公演最初は伊礼君が飛ばしていた感じもあって、松岡君が少しおさえていた感じがあったけど、ここに来てバランスが取れてきたというか、役割分担がきれいに分かれた印象。

そして伊礼君はもう芝居がとんでもないこと(褒め言葉)になっていた。いやぁ、相手が由美子さんだから120%でぶつかっていいのは前から分かってると思うんですが、全力でカオリを拒絶するところがもう・・・離れたくもなかったし別れたくもなかったんだけど、でも触れられたくないところに触れられたら、やっぱり男ってそうなっちゃうよな、とは思う。

由美子さん演じるカオリはやっぱり正しい。とにかく正しい。出演者中、間違いなく一番真っ当。なのに一番幸せになれてない(苦笑)。
女性3人みんな「耐える女」と由美子さん自身が言ってるけど、ミキとナナミが最後の一皮を残したのに、カオリはそれを残さなかった。7年という重みの違いもあるんだろうけど、やっぱりやることやって後悔はない、ってことなんだろうな。

前回気にかかっていて今回確かめたかったことをようやく回収。

やっぱり権八に連絡を取ったのはカオリだけだった。で恐らく大場に情報を伝えたのもカオリなはず。
じゃないとあぁはならない。

それをケンは望んでいないのは分かる。けれどもカオリのバランス感覚がケン始めバンドを救ったのだと思うと、それをケンが知る瞬間はいつまでも来ないと分かっていても、それで振り向いてもらえないなら、そりゃしょうがないよねと。

権八はケンにも連絡したが喧嘩別れ、ミキにも話が通じず。
ここで権八からカオリにじゃなくて、カオリが権八に連絡してるのが自分的にはうるうるポイント。

この日はマチソワということもあって、由美子さんの歌も少し荒れていた感じもあったけれど、やっぱり持っていくところは持っていく。「私ももうすぐ30だし・・・」とか裸エプロンとか、どうにも「それはやっぱり無理があるんじゃ・・・」みたいなところはあるんですが(泣)、歌では由美子さん、台詞では大高さんがとにかく安心感を醸し出します。絶対ぶれないですからね。
(ここまで聞き慣れてると半音ずれたのは分かったりしますけど、それは言わない(笑))

舞台女優として絶対に外さないことには全幅の信頼がありますが、この先のことも考えると、+αを考えなきゃいけない時期に明らかに来ていると思えます。歌に酔いしれながらも、「本当にこのままでいいの?」とまさしく問いかけられているかのような役な気がします。
与えられたものに応えるだけだと、新たな物は生まれなくて、無理をしてでも自分で次のビジョンを作っていかなければならないと思うのです。

この日、午前中から仕事に追われてきりをつけて紀伊國屋サザンシアター、翌日は帝劇。

自分自身の立場と重ねつつ、作品を見ながらご贔屓さん見ながら考えつつ。

「一歩踏み出す勇気」こそが未来を作るんじゃないか、そう思えた土日でした。

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コメント

私も由美子さんに関しては、ひろきさんと同じことを考えてました。
いま一つ何かをつかまないと、むつかしい年代になってきた気がします。歌が上手いし器用に何でもこなす女優さんと言うだけでは何だかな 松岡さんのチェインギャングは、心打つものがありました。最前列センターばかりなので松岡さんや、他の出演者と目が合っているような気がして、つらい。 笑
ラブレターは、由美子さん心情をうまく表わしていてすごいなと思いました。

投稿: てるてる | 2012/07/08 23:58

てるてるさん>
土曜日の時点ではきちんとまとまっていなくてupを見送ったのですが、日曜日に「ルドルフ」を見てようやくすっきりしたので書きました。

壁を壊そうとしていないところがもどかしくて、それができるはずの女優さんなのに、という思いがどうしても捨てられず。

どことなく中途半端な立場から、一歩抜け出す、そんなことがカオリちゃんと同じく必要な気がしています。

「ラブレター」評判いいですね。「ボーカル誰にするかって・・・カオリちゃんでいいじゃん」と言っていた人がいて噴き出しちゃいました。

投稿: ひろき | 2012/07/09 01:14

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