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『リンダリンダ』(3)

2012.6.30(Sat.) 13:30~16:35
紀伊國屋サザンシアター 4列目10番台(センターブロック)

いつのまにか休憩込み上演時間が2時間45分から3時間5分に伸びてました。

会期中一番の良席がこの日。

間違いなくセンターという場所なので(席番が分かっちゃいますね)、この作品の楽しみの一つ、通路際のハイタッチがないのですが、由美子さんの通路降りはないので、別にいいや、みたいな(笑)。

2幕後半の「ラブレター」の歌い出し、舞台に座って歌うシーンが結果的にベストポジション。
たまたま前列が空席で視界が開けているので、由美子さんのぶれない歌に浸る至福。

この曲、愛していた彼の幸せを願うように歌うカオリ役の由美子さんですが、この日は最後、なんだか安心したようにふっと微笑むのが、意外。

カオリはケンと別れてどう思ったのかって初回・2回目でちょっと分からない部分もあったのですが、携帯ばかり気にしていた彼女が、ラスト曲で手帳開いてたから、多分振り切っているんだろうなと思ってはいました。

今回、このシーンの笑顔を見て、彼女はケンのために自分が思ったことをしたわけで、そこで後悔するような女性じゃなかったのは、ちょっと納得したかも。

そういえば前方席、噂の由美子さんの一升瓶役(←こら)を発見。え、あんな上方から来てたとは全く思わずびっくり。
何だか日常な感じでしたが(爆)。



この回のハプニングはまたもや伊礼氏。

爆破実験の時、ポケットから何やら「どたっ」と落として、マサオから「大丈夫か?」と心配されてましたが、落としたのはスマホだったらしい。結構大きい音がしてました。



さて、ネタバレ始まります



今回見ていてちょっと思ったこと。

ヴォーカルが引き抜かれたことをきっかけにバンド生活に別れを告げて田舎・福島に戻ったドラマーの権八(ごんぱち)。

権八がつい漏らした「警戒区域内の牛を救いたい」という”願い”を真に受けて「自分たちが本当のロックバンドになる道はこれだ」と突き進む、伊礼君演じるリーダー・ケン。

皆が全ての準備を終えて現地に到着したとき、そこにはなぜか権八がいて。

なぜ計画が漏れたのかいぶかしがる皆に、権八は答えるのですね。「カオリちゃんが教えてくれた」と。

権八「迷惑なんだよ」

ケン「牛を救いたいって言ったじゃないか」

その時の田鍋さん演じる権八の表情が絶妙でしたね。

「あぁ、こいつは真に受けるヤツだった」

「言うんじゃなかったな、無駄なんだから」

「そういや、そんなリーダーだから10年間付いてきたんだったな」

・・・という(苦笑)。

権八は田舎に帰ってから、昔のバンドのメンバーとの接触を断つためにか、携帯番号を変えているのですね。

リーダーのケンは暴走するけれども、実は「権八の意思」を簡単に確認出来ないからこそケンの言うことが通るわけで。

権八が脱退後、権八と会話したのは3人いて、ケンとミキ、カオリの3人中、権八に自分から連絡を取れたのはどうもカオリだけのようなのですね(ミキがはっきりしないのですが、権八からミキに連絡が入ったらしい。ケンへの権八からの電話は公衆電話ということはわかっている)。

カオリは「権八さんに連絡を取った」と自分で言っているので、携帯番号を知っているか、もしくは何らかの方法で権八とアクセスしたわけで、むろんそれはケンのためであるわけですが、よく考えるとそれは凄いなと。

当初、「権八はカオリにだけは新しい携帯番号を教えていた」とも想像したけれどもちょっとその話はできすぎているし、そうなるとカオリがケンに拒否された後、「やれるだけのことはやった」という思いの理由が分かるような気がします。

ケンは頭に血が上っているから気づかないけれど、実はカオリがさらりと言ったその一言に込められた想いを考えると、胸に迫るものがあります。言いたいこと全部言ったように見えるけど、ご本人の言うとおり「耐える女」なんですよね、やっぱり。

カオリがケンに想いを伝えるシーンとか予想どおり溜めがむちゃくちゃ長くなってて、役の立ち位置の中途半端さを何とか演技で工夫しようとしている感じがありありですが、そこでできることは限られているわけで、どうしてももやもやするところはあります。



それにしても、この倦怠期カップル(爆)、色々面白くなってました。

1幕最初の由美子さんのしたポーズを伊礼君が真似したりじゃれてましたが、一番面白かったのは、晩酌のシーン。
ケンはカオリにビールを注ぐのですが、ケンは手酌(爆笑)。

食器片付けるのがケンなのは気づいていたのですが、何というか芸が細かい・・・。

この日のカテコ。

伊礼君が「ソワレはケンとマサオが入れ替わります」って言い出して、「だってあのシーン(ちなみに某下ネタシーン)やりたいんだもん」と実演付きで言ったらすかさず由美子さん「そのシーンだけやりたいの?」と突っ込んで笑いを取ってました(爆)。

そういえば伊礼君、松岡氏にキスしてました。なんか彼のマイブームらしい(笑)。
さすがに松岡氏は逃げてましたが、結局逃げ切れなくなってました。

次回は7日ソワレです。



舞台そのものの話ではありませんが、ちょっと印象的だった出来事を。

舞台作品を見ていると、ご贔屓の出演者が演出家からどう思われているかというのは実は気になることですが、今回、演出家の鴻上さんが由美子さんについて、「週刊SPA!」で触れていることを知りました。

鴻上さん「アイドルがやがては女優になりたいと言っていることをどう思うか?」

由美子さん「女優になるってこと、女優を続けるということは、本当にしぶとくないとできないと思うよ」
 「私はソロだったから、今、まがりなりにも女優をやれてるんだと思うんだよね」

・・・これを知って、なんだかとても感動したんですね。

この話を上げてくれた鴻上さんから由美子さんへの評価は疑うまでもなく、由美子さんの答えもまた絶妙だなと。

今のアイドルブームという状況に対して、何らの明確な含意を含んでいないんですね。
「今のアイドルが女優になれるか」に対してyesともnoとも判断していないという上手さ。
自分のたどってきた道に対して何ら恥じることなく、無用な貶めもしていないという点も嬉しい。

常に言葉で表現できるかどうかはともかくとして(←基本的に不器用で、誤解されることに割り切りがありすぎる)、本質的に「頭が良くないとできない仕事」なんだなと改めて実感。

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コメント

30日ソワレ見てきました。2ステだったので
お疲れの様子で、カテコで元気がなかったのが残念。歌はさすがでした。鴻上さんが、認めて下さっているのはうれしいです。今回は6列目でしたが、次回は最前列です。1升瓶抱えのところで、ステージに腰掛けて歌ってました。でも空席が目立ってて、残念でした。

投稿: てるてる | 2012/07/01 20:27

てるてるさん>
遠征お疲れさまです。
やっぱり2ステとなると体力も使うし大変でしょうね。本編で全力でしょうからカテコは多くを望めないのは致し方ないかと。

特に平日は苦戦しているようですが、入りやすいはずの土曜ソワレでそれだと、なかなか厳しいものがありますね。

投稿: ひろき | 2012/07/02 00:39

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