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『リンダリンダ』(1)

2012.6.20(Wed.) 18:30~21:30
紀伊國屋サザンシアター 13列目10番台(センター)

「KOKAMI NETWORK VOL11」と銘打たれた公演、8年前の作品の再演です。
えーと、劇場に来るまで「KONAMI」と思っていた・・(爆)。

劇場入口にいらっしゃる鴻上さんを発見しつつ、とにかく混んで混んでどうしようもない紀伊國屋サザンシアターのロビー(ホワイエというものさえ贅沢という・・・)をくぐり抜けて客席へ。

”全編音楽なので体力使うよ”と言われていたので、念には念を入れて唯一未取得だった今年のGW振替休暇をこの日に設定して行ったせいもあって、無事完走。

「男だったらブルーハーツの洗礼受けていないはずはない」というのがこの手の作品の固定観念なのだとは思うのですが、いかんせん私は変わった人生を送ってきているせいか、「リンダリンダ」をほぼ歌えたりするぐらいで、他はメロディーラインしか知らないという、30代男性としてはずいぶんと稀少なポジションなので、どこまで楽しめるかなと思いはしたわけですが、今まで見た作品ではやっぱり「ロック・オブ・エイジス」が一番近いかな。

由美子さんのポジションといい、歌の位置付けといい、似てるなと。
「権力に反抗するのがロック」という側面を否定しきれないというか、むしろ肯定的に見せているところというのが、今回の鴻上さんの意図する「社会的な側面」とフィットするのかもしれません。

個人的な好みを正直に言わせていただけるのだとすれば、主義主張を見せられることに、どことなく居心地の悪さを感じるところがあって、「今やるからには原発から目を離すわけにはいかないでしょ」と言われても、その流れに乗りきれない部分はちょっと感じたりします。現実から目をそむける気はないけれど、でも現在進行形だけに生々しすぎるような気がして。

ま、それは個人の好みではあるのですけれども。



ちょいネタバレありますーーーーー。



どぞっ。



「今の福島」にとあることをしでかそうと、バンドのリーダーが言い出す。
みなそれを止めようとしながらも、だんだんとその流れに飲み込まれ・・・

伊礼君演じるバンドのリーダーと、松岡氏演じるバンドのメンバーが、それぞれ決行日に「もう一つの大事な用事」を抱え、いわば”人生の岐路に立つ”ことになるのですが、松岡氏演じるマサオは「両立」するのに、伊礼君演じるケンは「片方を切り捨て」るという差が興味深かったかな。

伊礼君の「人生の岐路」の相手になるのが相手役・カオリを演じる由美子さん。

カップル未満だった去年の「リタルダンド」以来、晴れてカップルなわけですが「7年付き合う腐れ縁」。

「いつまでも結婚してもらえない」役をここのところしょっちゅう見ている印象があるわけですが、まぁ何というかそういうことにリアリティがありすぎてもしょうがないんですけどね・・・(苦笑)

不倫にあたる「リタルダンド」はともかく、そのイメージは「ガイズ&ドールズ」のアデレイド役で私的には定着しちゃったんですね(あれは付き合って16年)。

メインの女性の役は3人で、由美子さんを舞台上部センターに置いて上手側にバンドのマネージャー・ミキ(星野真里ちゃん)、下手側にマサオのもう一つの顔のお相手役・ナナミ(佃井皆美さん)さんが一緒に歌う「キスして欲しい」が、それぞれの女性の役のポジションを上手く表現していて印象的。

この曲は前半を女性パート、後半を男性パートとしていてそこも意味深。
女性パートは由美子さんがリードボーカルみたいになっていて素敵な仕上がり。

由美子さんのメイン曲は後半にソロ1曲(ラブレター)。この手の曲やると絶対外しませんね。

それにしても・・・この作品、ケンの周囲にいる人たちで、カオリだけが最終的には蚊帳の外になっているのですが、それだけに、ポジション的にとても曖昧となっているのが、個人的にはちょっとモヤモヤするかも。

ミキがケンを好きになっちゃっているという話が混じっているだけになおさら。
ま、ここはそれをカオリが感づくからこそミキとの関係が断ち切られちゃっていて、カオリはケンを追い詰めるような手に不本意ながら訴えるしかなくなっちゃうんでしょうけど。

ケンがカオリのことを、「自分のためを思ってしてくれたこと」と思う日が来そうもないから、カオリは気の毒だなぁと(笑)。

それにしても今回の役の由美子さん演じるカオリのあてがきって何だろうと考えるに、やっぱりあの「ぎゅっ&なでなで」を「実はされたい」というところじゃないかなと。

当然本人はそういうことを感づかれたくないから、わざわざ自分から行って笑いにしちゃってるけど、あぁいうことをやられる恥ずかしさなるものが、正に由美子さんそのものな気がします。

「肝心なときに素直になれない自分」で損をしてばかりしてきているような、そんな印象をちょっと感じました。
そして逆に、「肝心なときに一番相手が言われたくないことを言ってしまう自分」という”不器用さ”あたりは、普通にありそうな気がします。

「キミは自分のことをカッコイイと思っているでしょ」(※)みたいな話が無数にありそうな気が・・・(爆)

(※)2002年、初共演時にこう言われて以来、何でも見通されているようで、第三者に話を出すときの呼び方が「タカハシユミコ」になったという、某ヴォルフガング役者さん談。



最後、「リンダリンダ」で盛り上がれるのはいいですね。何か「終わりよければ全て良し」でごまかされている気もしないでもないけど(爆)、まぁ押さえている公演分は楽しめそうです。

ただ、これで遠征は正直きついかなー。

由美子さんの歌と存在感と今までにはありえなかった台詞(そんなにありがたいとは思わないんですが(爆))と、伊礼君の格好良さと、真里ちゃんの意外な気っ風の良さと(その歳ぐらいにいかにも由美子さんが演じてそうな役でした)・・・で遠征するにはちょっと後押しが足りないのが困ったところ。

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コメント

昨日はありがとうございました。
内容的には、?でしたが
久しぶりに由美子さんの生歌が
聞けて満足でした。

投稿: てるてる | 2012/06/21 14:10

お世話様です。

こういう作品に出ると、いまだにアイドル当時のイメージがある一般の方からは
「意外に歌がお上手で」と言われますね。

そういうポジションに納まるのもいいは
いいのですが、何か一つ物足りないものを
ちょっと感じます。

投稿: ひろき | 2012/06/23 23:12

色々ブログを読んでみると、歌が上手い
というコメントが多いですけど
ひろきさんの言われるように、物足りなさを感じています。今のポジションに甘んじているようで、歯がゆい感じです。
紀伊國屋サザンシアターから、新宿駅ッて何分かかりますか?マチネで5時33分東京駅乗車は、間に合いますでしょうか?

投稿: てるてる | 2012/06/24 02:16

お世話様です。

年齢的に色々と厳しいものがある時期ではありますけれど、現状に甘んじるようなスタンスだと先細りしかないような気がして、「これでいいのかな」という思いを最近感じます。

スタッフさんがあまり頼りにならないだけに、もっと積極的に踏み出さないと変わらないんじゃないかと思いますね。

マチネ終わりの東京発17時33分は大丈夫でしょう。
13時30分開演で16時15分終演、新宿駅までは20分あればOKで、新宿~東京が15分強ですから、17時には東京駅に着けるかと。

投稿: ひろき | 2012/06/24 22:36

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