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『ジャンヌ・ダルク』

2012.6.3(Sun.) 17:05~18:55(うち休憩10分)
上野水上野外音楽堂 D/エ列(4列目)20番台後半(下手側)

当日まで心配されていた雨は、欠片も見あたらず。
さすがは晴れ女属性全開の新妻姫。
(ちなみに昨年真綾さんがやったときは、2日間でしたが、1日は2幕から雨だったそうです)

自由が丘が小雨だったのはこういう理由ね・・・(爆)

というわけで行って参りました、
朗読活劇レチタ・カルダ「ジャンヌダルク」。

ご本人いわく、「キリスト教徒だから寺じゃできなくて水上音楽堂なんです」だそうですが、ホンマかいな(笑)(*1)。
今年のレチタ・カルダで「義経」を(池上本門)寺で演じられた別所哲也さんを客席で拝見しました。

(*1)J-WAVEラジオより。

あまりに有名すぎるフランスの救世主、ジャンヌ・ダルク。

去年はこのテーマで坂本真綾さんが朗読劇をされていて、2年連続のこの題材。
今年は同じ2003年レミゼ・エポニーヌ役の新妻聖子さんがジャンヌ・ダルクを演じることに。

新妻さんがこのテーマを演じると聞いた時に、「当たり役間違いなし」と思いはしていたのですが、実際見ると予想以上。

新妻さんバージョンの特徴として3曲の歌が入っていますが(ご本人のご希望だそうです)、その曲に過度によりかかることのない、女優・新妻聖子の力量を存分に発揮した100分。

フランスの救世主への道を駆け上がる1幕は、押せ押せのエネルギッシュモード。

田舎に産まれた何も知らない少女、というあたりはちょっと聖子さんには違和感を感じるのですが(汗)、旗振り回してオルレアンへ行進とか言われると、もはやそれはマルグリットモード(@MA)なわけで、もう水を得た魚、戦闘を得た姫(爆)。

射貫くような視線からも目が離せないのですが、何しろ聖子さんの声色の七変化がものすごい説得力。
一人芝居「青空!」も一人数役でしたが、今回も一人数役。

その上、大部分の時間は台本を見ながらなので、「青空!」の時のように台詞が出てこないのを心配する必要もほとんどないというメリットもあり。
というか、今回も台本見ても、ちら見という感じで、言い出しさえ分かればあとはすらすらと、という感じでしたけれども。

1幕・2幕とも客席降りがあり、1幕ではたまたま自分が通路際だったので、わずか50cmのところを歩いていくジャンヌダルク様のオーラに圧倒されます。

神に使わされたジャンヌが、自らを疑いもせずに進軍する一幕は、まだ物語としてみてはいられるのですが、1幕最後にジャンヌが語った言葉により、2幕の先行きは最初から危ぶまれます。

その言葉とは「裏切り」

2幕、ジャンヌは余りの成功を妬まれる立場に陥り、必死に即位させた王からもはしごを外され、敵国であるイギリスと内通する貴族達との中で、孤立し、いつしか邪魔者として扱われるようになります。

その2幕のジャンヌの変わり果てた苦しみは、見ていてこちらまで苦しくなるほど。

見ていて印象的だったのは、「ジャンヌは何が何だか分からなかった」という表現ベクトルになっていたこと。

ジャンヌは結局、何も変わっていないというのがこのホンの軸で、そこは印象的。

フランスの救世主になろうと、異端者として扱われるようになろうと、ジャンヌはジャンヌでしかなくて、自分を貫いている軸は何も変わっていなかった。

まっすぐにしか生きられない故に、時代を動かしたものの、周囲からはしごを外され、時代の中に埋もれた少女。

彼女がもたらした災禍もあったかもしれないけれど、彼女が「正しかった」からこそ、名誉も回復され時代の中に確固たる存在として戻ってくることができた。

その様を全身全霊で演じる新妻さんのジャンヌダルクは、彼女自身の「まっすぐさ」とも相まって、恐ろしいほどリアルに伝わってきたのでした。

今回見てもつくづく思うのですが、「不条理に対し憤る、自立した女性」というカテゴリが、新妻さんを一番光らせるものなんだと思う。

「自分が演じることで何を生み出せるのか」を第一に演じている(と自分は思っている)新妻さんにとって、演じることで問題提起をできることが一番の喜びなんじゃないかと思う。

ジャンヌを演じた喜怒哀楽は、まさにジャンヌそのものに見えて、そして終わった後の新妻さんはジャンヌを演じきった満足感に充ち満ちていて。

「晴れて良かった-!」と満面の笑みを残して、投げキッスまでして消えていった新妻さん。

素晴らしかったですし、何よりらしすぎた(笑)。

あとはもう少し腰に優しい席ならもっと良かったな-(木は痛いですわ)。

1回きりだともったいないと思いつつ、1回きりだからこそ感じられた緊迫感だったようにも思えて、なんだか奇跡のような2時間に立ち会えたことを、神に感謝することとなるのでした。

追記
NACK5のえみえみさんこと青山アナ(フリー)はちゃんと来られてました。こちら

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