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2012年6月

『骨唄』(1)

2012.6.28(Thu.) 19:00~20:55
あうるすぽっとB列1桁番台(センターブロック)

トム・プロジェクトプロデュースの3人芝居、3演目の東京初日。

2006年が初演ですが、この時は見ておらず、2009年の本多劇場(下北沢)の再演で初見。

今回がこのメンバーでのラスト上演、と新妻さんが言っていますが、とにかく東京は短期間公演。
愛知、福岡と上演して東京ですが、実はこの前後に出張公演や観劇同好会公演があり、10公演前後演じているのだそうです。

3年ぶりに見て思った印象というのが、とにかく新妻さんの素にずいぶん近い役だなぁという。

3年前と今とでは、新妻さんの人となりについての見え方が違うせいもあるのだと思うのですが、ピュアなところも、それだけに人を疑い出すと止まらないところも、個人的な印象ながら、すごくご本人とだぶります。どことなくぽわんとした天然さや、触れる物すべて傷つけるかのような通称マルグリット属性とか、ころころ変わる気持ちの動きとか、まさに「まんま」見ているかのよう。

幼少の頃に負った傷を、冨樫真さん演じる姉は自身にとって”十字架”であるかのように思い、そして妹のために全てを投げ打つ様とかを見ていると・・・姉妹の絆の強さまで、これまたシンクロして感じたりします。

懐かしかったのは、新妻さんの堂の入った少女っぷりもさることながら、冨樫さんの堂の入った行き遅れっぷり(念のためですが褒めてます)。この方、トム・プロジェクトの「エル・スール」で、初演で由美子さんが演じたヒロイン役(あれも相当いっちゃってる役でしたが)を再演で演じているんですよね。・・・つまるところ、演技的にはとても好きな系統です(笑)。

そしてお父さん役が高橋長英さん。劇中、新妻さん演じる栞が父親をなじるところで、姉に「あなたは父親を責めちゃいけない」と言っているシーンが凄く好きだったことを、今回見て思い出した。

「私は父を責めていいの、あなたは父を責めちゃ行けない。2人から責められたらお父さん可哀相じゃない」

これを聞いた栞は、「なんでお姉ちゃんは良くて私はダメなの?」ってだだをこねるのが、妹属性でとても可愛いんですが(栞は少女とはいえ実はしっかりしているので、全編に亘って実はそれほどまでにはだだをこねてない)、これを最初に聞いた時は栞と同じく、「お姉ちゃんずるい」って感想を持ったんですね。

ただ、3年経って改めてこの物語を見てみると、姉が率先して嫌われ役を買って出ているんだというのがよく分かる。
妹はピュアじゃなくちゃいけない、汚れた分は全部私が引き受けるんだという、姉の思いが伝わってきて、だからこそ妹も甘えられる。この姉は母親の属性もあわせもっているからとも言いますか。

もう一面から見ると、栞はそれだけ父親と姉に守られていながら、天真爛漫さを発揮しつつ、どこか息苦しさを感じているように見えて。あたかも「籠から飛び立てない鳥」のように見えたのは、そこは彼女自身の点と恐らく真逆なんだろうなと思えて。

舞台一面に置かれた風車が、一斉に回り、そして照明を効果的に使ったラスト。本多劇場で見たときよりも、前方だったせいもあるのですがとにかく圧迫感あってぐいっと迫ってきて、圧巻でした。

たまたま今回通路際だったのですが、通路を白のジャージ着た新妻さんが至近距離を突っ走っていったのがとても印象的でした←どういう締めだ(爆)。

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『リンダリンダ』(2)

2012.6.26(Tue.) 18:30~21:15
紀伊國屋サザンシアター 10列20番台前半(上手側)

初日に続き2回目の観劇。

今週日曜から来週月曜にかけて、
休み・残業・観劇・残業・観劇・残業・観劇・実家・観劇
という、むちゃくちゃな(爆)スケジュールなので、元々入れてなかったこの日の観劇というのは結構なハードスケジュールを引き起こしました。

当初は次回は30日(土)マチネのつもりでしたが、なんか初回見て以来ブルーハーツが頭から離れない(笑)というわけで、行ってきました。

今のところ、明確に何かが変わったというところはない感じですが、笑いのスタートが早いところを見ると、リピーターがかなり多いようですね。

前回はキャスト別の感想を書いていなかったので、つらつらと。

○マサオ役/松岡充さん
今回の「リンダリンダ」初日で初見かと思っていたら、実は「nine the musical」で新妻聖子さんが奥様ルイーザ役を演じた時の主人公・グイード役が初見。というか豹柄の今回の衣装(衣装というのか・・・笑)がその時のイメージと違いありすぎてびっくりします。
松岡氏、客席降りがあるので通路際でタイミング良く手を出すとハイタッチしてもらえます。近くの方がそれはそれは華麗にこなしていて綺麗でした。

○ケン役/伊礼彼方さん
この1年で3作品目、なんかしょっちゅう拝見している印象がある伊礼氏。去年夏の「リタルダンド」で初見、その時は由美子さん演じる先輩に片思いな後輩でしたが、今回は由美子さん演じるお相手の人が積極的という、全く逆な恋人役。んで、その中間にこれまた新妻さんの弟役が間に挟まっていて、かつハムレットを殺しに行く役もあったわけで、もう何が何やら。
「リタルダンド」とある意味かぶる”昭和の男”全開です。
この日、2幕後半の「大事なものを抱えている」時に何と階段を踏み外し、上で見てたミキちゃんに「大丈夫なの?」と本気で心配されていました。本人は「あっぶねー」ってごまかしてましたが(笑)。

○ミキ役/星野真里さん
初見なのですが、今年春のキャラメルボックス公演「トリツカレ男」に客演・ペチカ役で出演。この作品は見なかったのですが、この役と今回の役両方見た知人曰く、「同一人物とは思えない」そうで(笑)。初日に比べるとちょっと台詞が早くなり出しているかも。バンドのマネージャー役。思ったより身長が高くなかったのと、いわゆる瞬発力系の台詞からして、なんか5年ぐらい前の由美子さんがいかにも演じていそうな感じの役ではありました。

○ナナミ役/佃井皆美さん
初見。今回、女性アンサンブルさんの中では一番良い役で、マサオのもう一つの顔の相手役。二重生活がばれたときのマサオの表情とミキのしてやったり的な表情が実は自分的にはツボな場所だったりしますが(爆)、JAE所属ということでアクション系の女優さんなんですよね。すらりとした長身(女優メイン3人では唯一背が高いのでその点で目立つ)が印象的。本人曰く「露出担当」らしいのですが、種明かしが何かといえば、2幕後半で、舞台上部でせくしー系ダンスを踊ってる方が実は佃井嬢だったりするんですね。

○カオリ役/高橋由美子さん
男性バンドのボーカル曲揃いの今回の作品で、女性なのに持ち歌かのように歌う姿がしっくりくる由美子さん。ブルーハーツの曲の旋律のきれいさそのままに素直な歌い声がかぶさるのは流石。相変わらず闇にすーっと吸い込まれる感じの歌声です。
音楽をフューチャーした音楽劇やミュージカルでは最近では「ロック・オブ・エイジス」がありますが、メロディーラインに決して逆らわないのがいいんでしょうね。
伊礼君とは「リタルダンド」以来で、今回も”姉さん”的な位置付けですが、某シーンの「なでなで」がどう見ても「ぽんぽん」に変わっていたのは・・・弟扱いも堂に入ってますな(爆)。




この日感じた、カオリとミキの話を少し。

この2人はお互いがどう感じていたかはともかく、ケンのことを思うというところに共通点がある・・・と初日は思っていたのですが、この日見ていると何かちょっと違和感があって。

それは、ケンのやろうとしていることにどう対応しようとしたかの違いで感じて。2人は元ドラマーのごんぱちに連絡を取って真意を確かめているという共通点があるのですが、どちらも常識人なのにかかわらず、取った行動は正反対。

カオリの立場は「ケンのためを思って止めたい、どんなことをしてでも止める」なのですが、ミキの立場はケンを止めていない・・・とふと考えていて「バンドのためを思って止めない」んだなということに思い至り。

ミキにとってはケンよりもバンド、だからこそケンが「ロックのためにこれはやらなきゃいけないんだ」ということに賛成してるんだということに気づき。

「どこまでも行けると思った」という対象が、カオリにとっては”ケンと”だったし、ミキにとっては”バンドと”だったんだろうなと思う。ただ実はミキはその「どこまでも行ける」がケンとマサオからの聞きかじりということに、どことなく危うさを感じはするのですが、その感覚をケンやマサオと共有できていない引け目を、何となくミキからは感じます。ミキも置いて行かれないように必死なんだろうなと。




この作品ラストには「客席と一緒にタイトルチューンを歌いましょう」大会があるのですが、何日目からか日替わりで担当が決まって客席を煽ることになったそうで。座長の松岡氏のご指名で、この日は「虚構の劇団」からの参加者3名がご指名。

大高氏と3名を残して、松岡さんが出したお題というのが、「新宿駅南口でギター片手に、目の前に小銭入れ置いて歌ってる大高さんと出会ったという設定でエチュード(演劇的即興)を30秒で」という・・・なんという無茶苦茶な(笑)

松岡さん「じゃ他の皆さまは捌けましょう。由美子さーん、帰らないでくださいね-」
由美子さん「お疲れさまでしたーーーー!」(会場内大笑)

・・・何ですかその清々しささえ感じる即答は(爆)

という小ネタも挟みつつ、3人は苦戦しつつもなんとかタイトルチューンに繋げてみんなで歌って幕。

ちなみに最後にセンターに捌けていった松岡氏、会場拍手で再び登場。

「いやー、拍手してくれて助かったよ-。真ん中にかっこよく捌けていって・・・と思ったら出口がなくて(会場内爆笑)・・・みんな出てくまで出てこられないかと思ってた」

というおまけ付き(笑)

次回は30日マチネです。

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『リンダリンダ』(1)

2012.6.20(Wed.) 18:30~21:30
紀伊國屋サザンシアター 13列目10番台(センター)

「KOKAMI NETWORK VOL11」と銘打たれた公演、8年前の作品の再演です。
えーと、劇場に来るまで「KONAMI」と思っていた・・(爆)。

劇場入口にいらっしゃる鴻上さんを発見しつつ、とにかく混んで混んでどうしようもない紀伊國屋サザンシアターのロビー(ホワイエというものさえ贅沢という・・・)をくぐり抜けて客席へ。

”全編音楽なので体力使うよ”と言われていたので、念には念を入れて唯一未取得だった今年のGW振替休暇をこの日に設定して行ったせいもあって、無事完走。

「男だったらブルーハーツの洗礼受けていないはずはない」というのがこの手の作品の固定観念なのだとは思うのですが、いかんせん私は変わった人生を送ってきているせいか、「リンダリンダ」をほぼ歌えたりするぐらいで、他はメロディーラインしか知らないという、30代男性としてはずいぶんと稀少なポジションなので、どこまで楽しめるかなと思いはしたわけですが、今まで見た作品ではやっぱり「ロック・オブ・エイジス」が一番近いかな。

由美子さんのポジションといい、歌の位置付けといい、似てるなと。
「権力に反抗するのがロック」という側面を否定しきれないというか、むしろ肯定的に見せているところというのが、今回の鴻上さんの意図する「社会的な側面」とフィットするのかもしれません。

個人的な好みを正直に言わせていただけるのだとすれば、主義主張を見せられることに、どことなく居心地の悪さを感じるところがあって、「今やるからには原発から目を離すわけにはいかないでしょ」と言われても、その流れに乗りきれない部分はちょっと感じたりします。現実から目をそむける気はないけれど、でも現在進行形だけに生々しすぎるような気がして。

ま、それは個人の好みではあるのですけれども。



ちょいネタバレありますーーーーー。



どぞっ。



「今の福島」にとあることをしでかそうと、バンドのリーダーが言い出す。
みなそれを止めようとしながらも、だんだんとその流れに飲み込まれ・・・

伊礼君演じるバンドのリーダーと、松岡氏演じるバンドのメンバーが、それぞれ決行日に「もう一つの大事な用事」を抱え、いわば”人生の岐路に立つ”ことになるのですが、松岡氏演じるマサオは「両立」するのに、伊礼君演じるケンは「片方を切り捨て」るという差が興味深かったかな。

伊礼君の「人生の岐路」の相手になるのが相手役・カオリを演じる由美子さん。

カップル未満だった去年の「リタルダンド」以来、晴れてカップルなわけですが「7年付き合う腐れ縁」。

「いつまでも結婚してもらえない」役をここのところしょっちゅう見ている印象があるわけですが、まぁ何というかそういうことにリアリティがありすぎてもしょうがないんですけどね・・・(苦笑)

不倫にあたる「リタルダンド」はともかく、そのイメージは「ガイズ&ドールズ」のアデレイド役で私的には定着しちゃったんですね(あれは付き合って16年)。

メインの女性の役は3人で、由美子さんを舞台上部センターに置いて上手側にバンドのマネージャー・ミキ(星野真里ちゃん)、下手側にマサオのもう一つの顔のお相手役・ナナミ(佃井皆美さん)さんが一緒に歌う「キスして欲しい」が、それぞれの女性の役のポジションを上手く表現していて印象的。

この曲は前半を女性パート、後半を男性パートとしていてそこも意味深。
女性パートは由美子さんがリードボーカルみたいになっていて素敵な仕上がり。

由美子さんのメイン曲は後半にソロ1曲(ラブレター)。この手の曲やると絶対外しませんね。

それにしても・・・この作品、ケンの周囲にいる人たちで、カオリだけが最終的には蚊帳の外になっているのですが、それだけに、ポジション的にとても曖昧となっているのが、個人的にはちょっとモヤモヤするかも。

ミキがケンを好きになっちゃっているという話が混じっているだけになおさら。
ま、ここはそれをカオリが感づくからこそミキとの関係が断ち切られちゃっていて、カオリはケンを追い詰めるような手に不本意ながら訴えるしかなくなっちゃうんでしょうけど。

ケンがカオリのことを、「自分のためを思ってしてくれたこと」と思う日が来そうもないから、カオリは気の毒だなぁと(笑)。

それにしても今回の役の由美子さん演じるカオリのあてがきって何だろうと考えるに、やっぱりあの「ぎゅっ&なでなで」を「実はされたい」というところじゃないかなと。

当然本人はそういうことを感づかれたくないから、わざわざ自分から行って笑いにしちゃってるけど、あぁいうことをやられる恥ずかしさなるものが、正に由美子さんそのものな気がします。

「肝心なときに素直になれない自分」で損をしてばかりしてきているような、そんな印象をちょっと感じました。
そして逆に、「肝心なときに一番相手が言われたくないことを言ってしまう自分」という”不器用さ”あたりは、普通にありそうな気がします。

「キミは自分のことをカッコイイと思っているでしょ」(※)みたいな話が無数にありそうな気が・・・(爆)

(※)2002年、初共演時にこう言われて以来、何でも見通されているようで、第三者に話を出すときの呼び方が「タカハシユミコ」になったという、某ヴォルフガング役者さん談。



最後、「リンダリンダ」で盛り上がれるのはいいですね。何か「終わりよければ全て良し」でごまかされている気もしないでもないけど(爆)、まぁ押さえている公演分は楽しめそうです。

ただ、これで遠征は正直きついかなー。

由美子さんの歌と存在感と今までにはありえなかった台詞(そんなにありがたいとは思わないんですが(爆))と、伊礼君の格好良さと、真里ちゃんの意外な気っ風の良さと(その歳ぐらいにいかにも由美子さんが演じてそうな役でした)・・・で遠征するにはちょっと後押しが足りないのが困ったところ。

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『ジャンヌ・ダルク』

2012.6.3(Sun.) 17:05~18:55(うち休憩10分)
上野水上野外音楽堂 D/エ列(4列目)20番台後半(下手側)

当日まで心配されていた雨は、欠片も見あたらず。
さすがは晴れ女属性全開の新妻姫。
(ちなみに昨年真綾さんがやったときは、2日間でしたが、1日は2幕から雨だったそうです)

自由が丘が小雨だったのはこういう理由ね・・・(爆)

というわけで行って参りました、
朗読活劇レチタ・カルダ「ジャンヌダルク」。

ご本人いわく、「キリスト教徒だから寺じゃできなくて水上音楽堂なんです」だそうですが、ホンマかいな(笑)(*1)。
今年のレチタ・カルダで「義経」を(池上本門)寺で演じられた別所哲也さんを客席で拝見しました。

(*1)J-WAVEラジオより。

あまりに有名すぎるフランスの救世主、ジャンヌ・ダルク。

去年はこのテーマで坂本真綾さんが朗読劇をされていて、2年連続のこの題材。
今年は同じ2003年レミゼ・エポニーヌ役の新妻聖子さんがジャンヌ・ダルクを演じることに。

新妻さんがこのテーマを演じると聞いた時に、「当たり役間違いなし」と思いはしていたのですが、実際見ると予想以上。

新妻さんバージョンの特徴として3曲の歌が入っていますが(ご本人のご希望だそうです)、その曲に過度によりかかることのない、女優・新妻聖子の力量を存分に発揮した100分。

フランスの救世主への道を駆け上がる1幕は、押せ押せのエネルギッシュモード。

田舎に産まれた何も知らない少女、というあたりはちょっと聖子さんには違和感を感じるのですが(汗)、旗振り回してオルレアンへ行進とか言われると、もはやそれはマルグリットモード(@MA)なわけで、もう水を得た魚、戦闘を得た姫(爆)。

射貫くような視線からも目が離せないのですが、何しろ聖子さんの声色の七変化がものすごい説得力。
一人芝居「青空!」も一人数役でしたが、今回も一人数役。

その上、大部分の時間は台本を見ながらなので、「青空!」の時のように台詞が出てこないのを心配する必要もほとんどないというメリットもあり。
というか、今回も台本見ても、ちら見という感じで、言い出しさえ分かればあとはすらすらと、という感じでしたけれども。

1幕・2幕とも客席降りがあり、1幕ではたまたま自分が通路際だったので、わずか50cmのところを歩いていくジャンヌダルク様のオーラに圧倒されます。

神に使わされたジャンヌが、自らを疑いもせずに進軍する一幕は、まだ物語としてみてはいられるのですが、1幕最後にジャンヌが語った言葉により、2幕の先行きは最初から危ぶまれます。

その言葉とは「裏切り」

2幕、ジャンヌは余りの成功を妬まれる立場に陥り、必死に即位させた王からもはしごを外され、敵国であるイギリスと内通する貴族達との中で、孤立し、いつしか邪魔者として扱われるようになります。

その2幕のジャンヌの変わり果てた苦しみは、見ていてこちらまで苦しくなるほど。

見ていて印象的だったのは、「ジャンヌは何が何だか分からなかった」という表現ベクトルになっていたこと。

ジャンヌは結局、何も変わっていないというのがこのホンの軸で、そこは印象的。

フランスの救世主になろうと、異端者として扱われるようになろうと、ジャンヌはジャンヌでしかなくて、自分を貫いている軸は何も変わっていなかった。

まっすぐにしか生きられない故に、時代を動かしたものの、周囲からはしごを外され、時代の中に埋もれた少女。

彼女がもたらした災禍もあったかもしれないけれど、彼女が「正しかった」からこそ、名誉も回復され時代の中に確固たる存在として戻ってくることができた。

その様を全身全霊で演じる新妻さんのジャンヌダルクは、彼女自身の「まっすぐさ」とも相まって、恐ろしいほどリアルに伝わってきたのでした。

今回見てもつくづく思うのですが、「不条理に対し憤る、自立した女性」というカテゴリが、新妻さんを一番光らせるものなんだと思う。

「自分が演じることで何を生み出せるのか」を第一に演じている(と自分は思っている)新妻さんにとって、演じることで問題提起をできることが一番の喜びなんじゃないかと思う。

ジャンヌを演じた喜怒哀楽は、まさにジャンヌそのものに見えて、そして終わった後の新妻さんはジャンヌを演じきった満足感に充ち満ちていて。

「晴れて良かった-!」と満面の笑みを残して、投げキッスまでして消えていった新妻さん。

素晴らしかったですし、何よりらしすぎた(笑)。

あとはもう少し腰に優しい席ならもっと良かったな-(木は痛いですわ)。

1回きりだともったいないと思いつつ、1回きりだからこそ感じられた緊迫感だったようにも思えて、なんだか奇跡のような2時間に立ち会えたことを、神に感謝することとなるのでした。

追記
NACK5のえみえみさんこと青山アナ(フリー)はちゃんと来られてました。こちら

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