« 『ワンダーガーデン』(3) | トップページ | 『ジキル&ハイド』(3) »

『ジキル&ハイド』(2)

2012.3.18(Sat.) 12:30~15:25
日生劇場1階XA列10番台

2012.3.19(Mon.) 18:30~21:45
日生劇場GC階A列50番台

名古屋のウィーンコンツアーファイナル、高円寺の東京楽が気になりつつも、身はジキハイへ。
それというのも日生初の最前列。うわー見上げる、肩凝る、一部見切れる…ですが迫力は満点。

石丸演じるハイドがステッキをこっち向けて歌い叫んでくる日には、悪夢にでるんじゃないかと心配になります(一応、日曜夜には出ませんでした・・・笑)。

エマ・ルーシー登場曲の「嘘の仮面」も、今まで2回とも「いついたの」状態だったのですが、今回ようやく判明。ただし前方席だともやがかかっていて、少しぼやけるのですが、翌日は上手側の通ろからちょっと階段上がって来るのがわかりました。さすがは絶景なGC階。

最前列だと、けんたろさんも石丸さんも、吉野さんさえ汗ほとばしらせて演じてるのがよくわかる。
そして汗一つかかないエマ女優さん…

エマの人物像をみるのに一番印象的なのが、婚約披露パーティで公爵夫人に対して「この場で人の婚約者の悪口を言う方がいらっしゃるとはびっくりだわ」って言って公爵夫人がぐーの音もでないシーン。

なんか玲奈ちゃんエマはここをすごくウキウキで演じているように見えるのですが(笑)、エマが「自分の意志でジキルとの結婚を選ぶ」ことを一番見せているシーンに思えるのです。

自分の意志を通しながらも、周囲にも目を向ける才女。

エマってなんか、吉野さん演じるアターソンにすごく似ている気がするんですね。ある意味、ジキルにとって必要なタイプが同時に2人いるような感じ。

玲奈ちゃんエマと吉野さんアターソンの、「心からジキルを信じる、心配する気持ち」って本当に無償の気持ちでしかも同質で。
エマとアターソンは話し合わなくても気持ちが通じあっていて、でも2人は結婚相手ではあり得なくて、って関係がとても興味深いです。
ヘンリーに惚れてる要素が同じというのか、不器用なところも人となりにも惚れている感じがとても心地いいです。

下手側でエマとアターソンが仲良さそうに会話してるのをとても聞いてみたい。読心術習ってみたい。

アターソン「ヘンリーにも困ったものだな」
エマ「今に始まったことじゃないじゃない」
アターソン「そうだな」

…みたいな(笑)

月曜日ソワレに至っては、「私の味方はあなただけよ、ジョン」(なんかどっか違う作品で同じような台詞を聞いた気が・・・)ってアターソンに駆け寄っていくのですが、なんかちょいジャンプしてガッツポーズ作ってたエマさん。どんだけ仲がいいんだこの2人。

病院理事会で自らの研究が却下されて失意のジキル(ヘンリー)が病院理事でもあるエマの父に突っかかっていきそうな時に、アターソンが絶妙なタイミングで「おー、もうこんな時間だ」って茶々を入れたときの様も。

エマ「助かったわ」
アターソン「いえいえ、お嬢様のためですから」
エマ「まぁ、お口が上手いこと。何も出なくってよ」

・・・みたいな(笑)

ジキルが研究室にこもりきりな時に心配してやってきたエマ(ゴスロリ←著作権はアターソン俳優さんにあります)とアターソン氏の空気も、「ジキルを心から心配する二人の気持ち」が空気になって歌になって・・・

エマが「無償の愛」なら、アターソンは「無償の友情」。
ジキルが理事会メンバーを糾弾するのも、一利ないわけじゃないのですね。
「私の才能が怖いのだ」という言葉は自惚れである面はあるにせよ、「科学の進歩を妨害している」という面も確かにある。

この「ジキル&ハイド」を見て思ったのは、『「正しい」「正しくない」で世の中が回っているわけではない』ってこと。
あるべき姿を指向しても、それは本質のごく一部しか理解していないことだったりする。
ある部分を一部だけ切り出せば正しくても、それを組み込んだ全体が正しいとは限らない(・・自分の仕事はそんな仕事だったりする)。

科学者は様々な前提を物事に置くけれど、前提が全て満たされること自体がそもそもまずありえないことなのだと。

ジキルは自分が見える範囲においては「正しい」ものを作ったけれども、自分が見えない範囲までは見ようとしなかった。
そこが科学者としての限界だったのかなと、少し思ったりした。

2幕でルーシーにハイドが呼びかける、「あいつにあって俺にないものは何だ」という言葉。
それに対するルーシーの言葉にハイドが示した反応を考えると、「心」なのかなと思う。

この作品、メイン3人の歌がハイレベルなので、アンサンブルさんのソロとか、ちょっと弱いかなと思う。
一番辛いのはエマのお父様ですけどね。

かの昔、アターソンさんがステッキもって踊ってた「モーツァルト!」の初演、アルコ伯爵の音程に絶対釣られることないナンネール(由美子さん)って凄い、って感心されていたことがありますが、何か今回のエマパパとエマがそれと同じ感じというか・・・玲奈ちゃん凄い。


この作品を見ていると、本当に疲れます。

でもそれは心地よい疲れで。
普段生活しているだけでは気づかないことに気づかせてもらえる、「舞台」というものの本当の力を感じさせてもらえる気がして、気持ちよく舞台に拍手が送れて。

今期のジキハイは4回目のこの日が最後になりそうですが、初日・トークショー、最前・GC・2階と様々なパターンで見られて毎回新鮮でした。


そして、月曜日はトークショー。

東宝ナビザーブ・ホリプロオンラインチケットの舞台写真プレゼントも兼ねての追加です。

玲奈嬢は1幕・婚約パーティーでのドレス。石丸氏はハイド。めぐさんは黒ドレス、吉野氏は白蝶ネクタイ付きのタキシード。写真選択はちょっと微妙かな(日比谷シャンテの舞台写真の方が遥かにレベル高い)。それに写真に指紋が付いているのはどうかと思うなぁ・・・(玲奈嬢の写真は幸いのことに被害少なし)

舞台上手側からメンバー登場。

ステッキを振り回す吉野アターソン、吉野氏の動きに笑いオチしながらやってくる玲奈エマ&はまめぐルーシー、そして司会者の山崎邦正さん(自称)・・・もとい、指揮の塩田明弘さん。

吉野さんは正装、玲奈嬢は青ドレス、めぐさんはどん底ルック(←もっと言い方ないんか)

めぐさん台上のマイクを拾って「よろしくお願いします。」
玲奈ちゃん台上のマイクを拾って「よろしくお願いします。」
吉野さんステッキ持って「よろしくお願いします。」←一人聞こえません

という案の上のネタから始まったトークショー正味20分。
※細かい言葉のずれは主催者発表のものとご確認ください(笑)

塩田さん「東京公演もう折り返しすぎましたが、どうですか」
めぐさん「今回の役(ルーシー)ほど『どういう居住まいで着ていたらいいのかわからない』役はなくて。やっとなんとか腑に落ちたという感じです」
塩田さん「そうだよね、娼婦の経験ないもんね

・・・会場内一瞬の静寂の後に失笑。山崎邦正さんったら・・・

玲奈ちゃん「(演出の)山田和也さんもおっしゃっていますが、エマはとにかく『ぶれちゃいけない』って思ってて、軸にならなきゃ!と思ってやってます」
塩田さん「エマって強いよね。(めぐさんを向きながら)ルーシーが強いように思えるけど、実はエマが強くないとこの『ジキル&ハイド』って成り立たないんだよね(3人うなづく)」
玲奈ちゃん「ルーシーとエマは、ジキルとハイド両方を知ってるただ2人の女性なので、稽古帰りとかに濱田さんと『ルーシーとエマ(の共通項とか)』についてずっと話しますね」
めぐさん「(うなづく)」

塩田さん「そういえば2人仲良いんだよね」
玲奈ちゃん&めぐさん「(うなづく)」
塩田さん「どんな感じなの?」
めぐさん「メールやりとりしますね」
玲奈ちゃん「なんか濱田さんから絵文字メールが来て目が覚めるんですよ(笑)」
塩田さん「え?」
めぐさん「自分でも何打ってるかわからない感じなんですけど(笑)、劇場着くまでずっと(絵文字で)メールのやりとりしてるんです」
玲奈ちゃん「お互い絵文字で(笑)」

塩田さん「圭吾さんはどうですか」
吉野さん「いやぁ、毎日ハラハラドキドキですよ。(それは芝居が?)そうですね。」
塩田さん「ステッキ持ってると気分違っちゃったりしません?」
吉野さん「『嘘の仮面』とか、ステッキにシルクハットだと何か変な気になっちゃいまして。『いかんいかん、今は庶民だ』とか思っちゃう(笑)」
塩田さん「『ちょっぴりー』とか?(笑)」
吉野さん「はい(笑)」

塩田さん「こんな場で難ですけど、舞台上の失敗談とかあります?」
玲奈ちゃん「まだ本番の話はやめときます」←あったのね?(笑)
塩田さん「だね。じゃぁ稽古場の話でも」

玲奈ちゃん「あぁ、吉野さんが私のことエマかレナかわからなくなっちゃって(笑)」
吉野さん「あぁ、あったあった」
玲奈ちゃん「玲奈の時にエマ、エマの時に玲奈って呼ばれて」
吉野さん「だって似てるじゃん」
玲奈ちゃん「『違いがわかんねーよ』ってキレられました(笑)」
めぐさん「でも玲奈ってエマそのものよね」
吉野さん「そうだよね」
塩田さん「芯のしっかりしたところとか、確かにそうだよね」

玲奈ちゃん「ハプニングといえば、ある日に血のりが舞台上に真っ直ぐできちゃって」
吉野さん「あったね」
玲奈ちゃん「本当にラストのシーンで、石丸さんが血糊を避けて死んでいただいて(←原文通り)
石丸さんありがとうございますって感謝しました」
めぐさん「石丸さんって凄いよね」
吉野さん「一緒に30分間ウォーミングアップしてるんですけど、凄いですよ」
めぐさん「私も入りが早いほうなんですけど、だいたい石丸さんと私がワンツーで、『よぉっ』ってあたりから毎日始まりますね」

吉野さん「舞台上といえば(←結局言ってる)あの橋の上にワイヤーがあるんですよ」
塩田さん「あ、あるね」
吉野さん「『ヘンリーに神のご加護を・・・』ばちーん、みたいなのがありました(笑)」

塩田さん「疲れを取るのってどうしてます?」
めぐさん「寝ますね」
塩田さん「寝るの早いんだよね。帰って30分で寝るんだっけ?」
めぐさん「はい」
塩田さん「玲奈ちゃんは?」
玲奈ちゃん「家帰って『ショップチャンネル』や『QVC』見ますね」
めぐさん「好きなんだよね?(笑)」
塩田さん「(吉野さん)圭吾は?」
吉野さん「『ジャパネットたかた』ですね(笑)。付けたままスリープモードにして寝ます」

玲奈ちゃん「あ、5分前って出てますね(1人冷静)
塩田さん「ホントだ。・・・この作品オケピがないので、モニター3台見てみんな歌ってるんですよ」
吉野さん「その分袖に行くとオケさんがいるので親近感湧きますね(2人うなづく)」

塩田さん「この作品みんな死んじゃいますね」
めぐさん「私死にましたね」
玲奈ちゃん「私は死にませんよ(笑)」
吉野さん「俺も生き残りましたよ(笑)」

塩田さん「それではそろそろ時間でもありますので、お一人ずつこの後の抱負をお願いします」
吉野さん「そうですね。毎回スリリングに新鮮に過ごしたいです。」
塩田さん「圭吾は最初の出がそうだもんね」
吉野さん「そうなんですよ。あれ、2幕と間違ってやいないかって毎回ヒヤヒヤするんですよ」
塩田さん「え、同じでしょ?」
吉野さん「いや、微妙に違うんですよあれで(苦笑)」

塩田さん「じゃぁ玲奈ちゃん」
玲奈ちゃん「エマはジキルの妻で、ジキルにとって救い、癒しの役なので、
私も、日常から石丸さんにとっての救い、癒しでありたいと思っています」

めぐさん「感動したよぉ-。凄いね-(舞台、客席一同同意の空気)」
塩田さん「素晴らしいですねー。では締めをめぐさんに。」

めぐさん「ぜひまた何度も見ていただいて、そのたびごとに新しい発見をしていただけるように頑張ります。ありがとうございました。」

・・・最後にエマそのものな玲奈ちゃんが全部感動を持っていきましたが、GC席から見ていて、感動のさざなみが本当に見えたのが、一番印象的な風景だったような気がします。ホント誇張じゃなくて。

|

« 『ワンダーガーデン』(3) | トップページ | 『ジキル&ハイド』(3) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74093/54263021

この記事へのトラックバック一覧です: 『ジキル&ハイド』(2):

« 『ワンダーガーデン』(3) | トップページ | 『ジキル&ハイド』(3) »