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『ウィーンミュージカルコンサート~2nd Season~』(2)

2012.3.10(Sat.)
12:00~15:30 梅田芸術劇場1階13列30番台(センターブロック)
17:00~20:30 梅田芸術劇場1階18列40番台

行ってきました「ウィーンミュージカルコンサート」大阪・梅田芸術劇場公演。

大阪に行こうとした理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由は、井上芳雄氏出演の「闇が広がる」が見たかったこと。現段階では3月25日の東京国際フォーラムホールC公演を見られる可能性が極めて低いわけなので。

ところが、直前にDVD発売の発表が出て、地方行かないと絶対に見られないと思っていたプリンス闇広が映像に残ることがわかって、ちょっとだけ後悔。

ですが実際行ってみたらやっぱり生の闇広に勝る物はなく。

さすが舞台は生もの。

梅田芸術劇場は2011年の「MOZART!」以来なのでまだ1年しか経っておらず、新妻さんを梅芸で見るのも初。
(MAとレミゼでしか出演していない)

クリエと大きく違う劇場サイズで、どう印象が変わるかと思っていましたが、やはりかなり印象が違いました。

ちなみにマチネが13列目のどセンター、ソワレが18列目の下手側で、マチネ席の方が期待が大きかったのですが、座って見ると梅芸のセンターって千鳥配置じゃないのですね。

たまたま前席の女性の座高が高くて、俳優さん・女優さんの背の高さで見えるかどうかが決まるという残酷な人生(爆)

祐一郎さんははっきり見えますが、聖子ちゃんは完全に隠れて、こちらが居住まいただすと何とかたまに見えるという、水平線から出てくる日の出(爆)みたいな状態。

それに比べるとソワレは視界が丸々開ける超良席。遮るものがなにもない絶景は、素晴らしかったです。



●祐さん絶好調
梅芸のポイントは何と言ってもこれでしょう。

クリエの1幕は慣らし運転で、2幕のエリザベート「私が踊る時」「闇が広がる」でようやく準本領発揮、みたいな感じでしたが、梅芸は「幸せの風景」でさえ感情入ってるし、「幻かっ」(曲名は「Illustion」)の迫力ハンパないし、でもなんだかんだ言っても珠玉は井上プリンスとの「闇が広がる」でしょう。

もう一つ強く思ったのは、祐一郎氏はやっぱり大劇場の人なんだなということ。

クリエサイズにはアンマッチという印象はずっと持っていたのですが、役者さんともなると劇場に合わせた演技をするのに長けているというか。由美子さんがその典型(100人クラスの劇場と2000人クラスの劇場は芝居が違う)。

今回の日本人プリンシパルは全員がクリエの舞台公演経験者ですが(山崎育三郎氏だけクリエ舞台経験がない)、その中でも一番クリエの活かし方を体得しているのが新妻さんかなと。クリエでどう歌ったら自分が活きるかを2つの作品(「プライド」と「GOLD~カミーユとロダン~」)で理解しているから、だからこそクリエであそこまで圧倒的な印象を残せたんじゃないかというのが、梅芸を見て分かった。

梅芸も1幕は新妻さんオンステージなのは変わりはしないのですが、それでも2幕の井上君と、それに引きずられた祐さん、さらに引きずられた一路皇后さまという順序で、いい影響の相乗効果が増幅していったことで、全体としての満足度はぐっと上がったように思えます。

●空気が変わる
今回のコンサートで最初に空気が変わる瞬間は、新妻マルグリットの「百万のキャンドル」だと思うんです。

「レベッカ」がほぼカバー曲(祐一郎氏除く)なので、2作品目の「MA」の新妻さんの第一声で一気に作品の中に突入!って感じで。

歌声で作品世界に連れて行くっていう領域に、ちょっと前までは達していなかった気がする新妻さんだけれど、キムとマルグリットだけは当時から別格で、いい意味で異次元を生きて、表情の深さも戦慄が走るぐらいにリアル。

「百万のキャンドル」の憎しみの目、土居さんアニエスの歌声が重なり子供のように微笑む「流れ星のかなた」へのマルグリットの心の動きが、身体全体から溢れだして、とてつもなく魅力的。

そんな心満たされたマルグリットが「心の声」を歌うまでには、作品上では大事なエピソードが入っていて(※1)、今回は抜けているので物語的にはすっ飛んでいるんだけれども、「心の声」は単独でさえ凄まじい破壊力。

(※1)恩人であるマダム・ラパンが殺されたのが理由

ここでの新妻さんの寄り目の怖さに恐怖さえ感じるわけですが、いやはや、狂気というものは人をここまで壊してしまうのかと実感するさまです。

マチネは珍しくガッツポーズがなくて心配したのですが、ソワレはジャストタイミングでのガッツポーズ。
ねじるようにして天に高々と拳を突き上げる新妻マルグリット。

さすがは女シローです(感想いろいろ間違ってる)

空気が変わると言えば「闇が広がる」の前の客席の空気が一瞬「姿勢を正して、さぁ始まるぞ」という意味で”ぎゅっ”と引き締まったのが実感で分かったのが印象的。まさに運命共同体なミュージカルリピーター連2,000人。

●すべてはあなたに

今回、新妻さんはマルグリット役だけではなくマリー役も演じているわけですが、それが癖になるほどハマる。

ドレスが壮絶に綺麗で、美貌で男を意のままに操るクレアパトラ風と言いますか。

・・・玲奈ちゃんと聖子ちゃんで「P.A.」やってくれないかなー・・・(ひとりごと)

新妻さんのマルグリットって、マリー・アントワネットを憎みながらも憧れている部分があったように思うんです
(ちなみに玲奈ちゃんのマルグリットは、憎みきっていて憧れなんてかけらもないって印象ですが)。

マリー・アントワネットを憎み憧れる故に、マリー・アントワネットの厭らしさの本質を理解しているというか。

誤解を恐れずに言えば、新妻マリーには役柄としての「エゴ」を感じるのですね。

エゴがないと薄っぺらく感じかねないマリー。

新妻マリー・アントワネットが「あり」だと思えたのは、それ故だったように思うのです。


●大阪MC
なんか大阪MAの変形みたいだ(爆)

マチネはなぜだかとってもぎこちない感じ。

武岡さん「大阪の印象はどうですか」

新妻さん「(通訳)」
パトちゃん「東京も素晴らしかったけれども、大阪も素晴らしいです」
新妻さん「なんか緊張しているみたいです(>パトちゃん)」

それに比べるとソワレの自由きままさは何というかもう・・・本領発揮。


武岡さん「大阪で何か美味しいもの食べましたか」
新妻さん「(通訳)・・・」
パトちゃん「(返事)・・・」
新妻さん「え、昨日何食べたか覚えていないの?(驚)」
パトちゃん「(返事)や、そういうことでなくてね・・・」
新妻さん「あぁ、美味しかったけど名前がわからないのね」
パトちゃん「(返事)昨日オカモトサンに連れて行ってもらった・・・」
新妻さん「リサーチ不足ですいません。連れて行った当事者呼びましょうか(とかいいつつさすがにセルフスルー)」
パトちゃん「(返事)・・・」
新妻さん「あぁ、餃子ですかぁ」


新妻さん「パトリックに大阪弁仕込もうと思っているんですよ。何がいいですかねぇ。『なんでやねん』とかですかねぇ」
会場内から心の声「なんでやねん」


・・・ちょっと落としてみた(笑)。


武岡さん「え、仕込むんですか」
新妻さん「仕込みますよぉ(とやる気満々)」

パトちゃん「キミカワイイネー」(会場笑)


・・・うーん、掛け合えてない(笑)


●地方公演の追加曲
翌日で東日本大震災から1年ということで、モーツァルトの曲から、「世界三大レクイエム」の一つ、「モツレク」(モーツァルトのレクイエム)から第8曲「ラクリモーサ」(日本語題は「涙の日」)を14名の演奏、14名の合唱で。
プリンシパルから井上さんと土居さん、そしてカンパニーアンサンブル12人の構成でした。



何はともあれ、期待以上に楽しめた大阪マチソワでした。
行って良かった-。

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