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2011年12月

2011年もお別れ。

年末大晦日恒例の、一年間振り返り企画です。
(カウントは12/31 24時現在に更新しました)
※出演者はフルネームの場合は敬称略です。

●アクセス回数統計
  2011年(平成23年) 49,433回(累計297,087)
  2010年(平成22年) 65,508回(累計247,654)
  2009年(平成21年) 30,085回(累計182,146)
  2008年(平成20年) 32,944回
  2007年(平成19年) 21,640回
  2006年(平成18年) 30,996回
  2005年(平成17年) 66,481回

30万回アクセスまでわずかながら届きませんでしたが、
いつもご覧いただきありがとうございます。
前年には及ばないものの、3回目の5万回アクセス超でした。

●日別アクセス数上位
今年は300回以上のアクセスが8回。
去年は400回以上のアクセスが13回ですから、かなり緩やかな年でした。
私自身、観劇の回数を絞ったこともあり、更新回数も減ったのも要因かと思います。
特に年後半の減速の自覚は自分でもあったのですが、ご贔屓の皆さまの出番が減ったのもあり、また無理して手を広げないようにしたせいもあって、新規開拓が少なかったのも要因でしょう。

 7/1 387回 『百万回生きたねこ』up翌日
 1/31 346回 『モーツァルト!』(30) up日
 7/18 332回 『リタルダンド』(1)up翌々日
 7/20 328回 『リタルダンド』(1)up5日目
 6/20 323回 『DRAMATICA/ROMANTICA W』 up翌日
 4/1 321回 ???
 8/29 316回 『ブロードウェイミュージカルライブ2011』 up日
 1/10 315回 『モーツァルト!』(29) up日

 1/10はM!の大阪遠征、1/31はM!の金沢遠征です。
 地方遠征でヒット数が高くなる傾向は今までと同じですね。

●キーワード検索/人物編
 1位 笹本玲奈  1,215回(前年1位/1,070回)
 2位 新妻聖子  1,059回(前年2位/610回)
 3位 井上芳雄  439回(前年3位/366回)
 4位 新妻由佳子  306回(前年4位/315回)
 5位 高橋由美子 266回(前年5位/307回)

 ここまで綺麗に去年と順番が同じだと不思議感さえ漂いますが・・・
 記事量に見事に反映しているということなのでしょう。
 後述しますが、見た回数は由美子さんと新妻さんが同回数、
 玲奈ちゃんの観劇回数は前年に比べて半減しているのですが、それでも堂々のTOP。

●キーワード検索/作品編
 1位 DRAMATICA/ROMANTICA 721回
 2位 アンダンテ~稲の旋律~  458回
 3位 ブロードウェイミュージカルライブ2011 374回
 4位 カミーユとロダン(GOLD)  299回
 5位 プライド      281回

※舞台作品限定
 1位 カミーユとロダン(GOLD)  299回
 2位 プライド      281回
 3位 リタルダンド       207回
 4位 ゾロ(zorro the musical) 203回
 5位 国民の映画        170回

 作品別だと舞台作品が上位にこなかったので、別途舞台作品限定を作ってしまいました。

 仮集計段階では「プライド」が舞台作品1位(総合4位)でしたが、ラスト3日で「GOLD~カミーユとロダン~」が一気の追い上げでひっくり返しました。

 全般的に見ると、当blogで扱った舞台作品が、ムーブメントを起こすまでには至らなかったということなのでしょうね。
 今年2011年は3月11日の東日本大震災があったせいか、「舞台」にとっては試行錯誤の年であり、また震災を作品に組み込むには間に合わなかったところもあるのでしょう(会期中に震災を迎えて、作品内で暗喩していたかのようなことになった「国民の映画」はある意味驚きでしたが)。

●観劇回数で見た2011年
舞台(製作発表、イベントを含む)は、27作品58回(去年27作品75回)。
作品数は同じで回数が減少していますが、舞台作品に限ると作品数は微減で、17作品487回(去年18作品59回)。基本的にご贔屓さんが出ない作品の新規開拓をしなかったこともあります。
リピート回数はさほど減ってはいませんが。

  7回 リタルダンド(パルコ5回、大阪シアターBRAVA!2回)
  5回 GOLD~カミーユとロダン~(クリエ5回)
  5回 Rock Of Ages(東京国際フォーラム5回)
  4回 モーツァルト!(梅田芸術2回、金沢歌劇座2回)
  4回 レ・ミゼラブル(帝劇4回)

●キャスト別よく見ました順
 1位 高橋由美子 22回 5作品(去年28回)
 1位 新妻聖子  22回11作品(去年25回)
 3位 笹本玲奈  10回 7作品(去年41回)

 ちなみにそれぞれのステージ数は、(イベントなども含む)
    新妻聖子 125回11作品(うち舞台作品4作品)
    (青空!、国民の映画、レ・ミゼラブル、GOLD)

    高橋由美子  82回 5作品(うち舞台作品4作品)
    (モーツァルト!、ハロルコ、リタルダンド、Rock Of Ages)

    笹本玲奈   73回11作品(うち舞台作品3作品)
    (日本人のへそ、レ・ミゼラブル、ロッキーホラーショー)

●2011年私的ランキング

 <作品部門>
  1位 リタルダンド(7月~8月、パルコ劇場他)
     G2さんの作品はいくつか見ていますが、私的にはガマザリに
     匹敵する大当たり。
     由美子さん演じる吉野姫のいい女っぷりに惚れ直し、一路
     さんとのバランスも良く、そして伊礼氏とここから長い
     お付き合いが始まるとは思わず(笑)

  2位 ハロルコ(2月、赤坂REDシアター、劇団HOBO)
     タイトルがネタバレだったという斬新な試み。
     おかやまはじめさんが由美子さんをどういう見方をしている
     かがよくわかった(爆)
     男性陣を振り回すだけ振り回して、でも悪気も悪意も感じさ
     せずすっきり。

  3位 GOLD~カミーユとロダン~(12月、シアタークリエ)
     展開として冗長なところもありはしましたが、とにかく新妻
     さんのカミーユの存在感に全て持って行かれた感。
     見終わった後の疲労感が半端なかったですが、その分開放感
     が待っている、ある意味麻薬みたいな作品(←経験なし)。
     「好みが分かれる」という言葉の意味を深く感じました。

  4位 青空!(1月、赤坂REDシアター)
     新妻さんは「青空」で始まって「GOLD」で終わった2011年で
     すが、実は1月が「相手役がいない恐怖」で始まって、12月
     が「最後まで完走できるかの恐怖」で終わっているというこ
     とに気づいて戦慄。よく壊れなかったなぁ。

  5位 凄い金魚(3月、座・高円寺、ラッパ屋)
     震災後、「これから舞台を見ていてもいいんだな」と思わせ
     てくれた作品。
     当然公演は震災前に始まっていたわけですが、きっとこう
     いうのは偶然じゃなくて必然なんだろうなと思う。

 <女性キャラクター部門>
  1位 カミーユ・クローデル/新妻聖子
    (12月「GOLD」、シアタークリエ)
     強烈すぎるほど強烈、脳裏に焼き付いて夢にまで出るキャラ
     クター。
     演じる新妻さんとのシンクロがこれほどまでに魅力的に映る
     とは。
     演じるのは大変だったと思いますが、ぜひまた見たい。
     それにしても新妻さん、毎年ハイリスク・ハイリターンの
     典型を繰り返していますが、身体ともかく精神頑丈ですね・・・。

  2位 ジャスティス/高橋由美子
    (10~11月「Rock Of Ages」、東京国際フォーラム他)
     登場時間が短い割にインパクト満点なキャラクター。由美子
     さんの今後の方向性をいい意味で表現していたように
     思います。
     トークショーでのいじられ方もいまだかつてない遊ばれ方
     だったし、
     主演の方のハマり方・業界的なポジションからして再演の
     可能性が高そうなのも(しかもキャス変なさそうなのも)
     期待大です。

  3位 吉野康子/高橋由美子
     (7月~8月「リタルダンド」、パルコ劇場他)
     一路さんと何一つかぶらないキャラクターポジションの
     分担が凄い。
     30代女性の微妙な感情を演じさせたら流石の完成度。
     DVDで残ったのも何より嬉しいです。映像特典がなかった
     話になってましたが(爆)。

  4位 キャバ嬢/前田綾
    (7月「TRAIN TRAIN Girl's Ver」、下北沢駅前劇場)
     だって役名ないんだもん(笑)。綾ちゃんはキャラメルボック
     ス「水平線の歩き方」の阿部知香子女医も鉄壁でしたが、
     新役ということでこちらを。
     妹の野口かおるさんの暴走から一歩も引かない猛獣使いぶり
     はさすが。
     そういえばその野口かおるさんをまさか「Oh!デビー」で
     見ることになるとは思わなんだ。

  5位 ヘレン天津/笹本玲奈
    (3月「日本人のへそ」、シアターコクーン)
     露出Yearの最初を飾ったこの役、RHSに比べればこっちが圧倒
     的に良かった。
     よく使われる「露出の必然性」とかいう(爆)。
     でも実は一番いいと思ったのは天王洲の10周年コンサート
     以来の「姐さん」姿だったりします。

 <楽曲部門>
  1位 GOLD~黄金~/新妻聖子(12月「GOLD」、シアタークリエ)
     曲で選ぶなら入魂のこれが間違いなく筆頭。本編2時間30分、
     特に2幕1時間15分の精神攻撃を解き放つ曲。というかこの曲
     をラストにもってくるフランクホーン氏というかナン・ナイ
     トン氏ってどんなSかと思っちゃうわけですが、むしろあれ
     だけの紆余曲折を経たからこそ歌える、そして感動させられ
     る曲なのでしょうね。
     無論、新妻さんが絞り出すエネルギーの強さがあってこそ
     ですが。
     因みに、この曲の邦題はご本人曰く「我が人生に悔いなし」
     でした(@ティアラこうとう)

  2位 Any Way You Want it/高橋由美子
    (10~11月「Rock Of Ages」、東京国際フォーラム他)
     あんなに格好良く&ゴージャスに歌わせてくれてスズカツ
     さんありがとーという曲。
     アップテンポな曲調もどハマリで、CD出して欲しかった-。
     日本語版を日テレ系「スッキリ!」で流したいぐらい(笑)。

  3位 Don't Stop Believin'/笹本玲奈
    (8月「ブロードウェイミュージカル2011」、新国立劇場)
     シェリーは玲奈ちゃんがやってくれればと何度思ったことか。
     これ、著作権の関係でDVDにも残らない、本当にこの時
     だけの曲なんですよね。
     偶然か分かりませんが玲奈ちゃんが歌った歌ってその確率が
     高い気がする。
     某天王洲で某氏とデュエットした曲もDVDには残らなかっ
     たなぁ。

  4位 Penser L'impossible(MOZART L'Opera Lock)
     /井上芳雄&新妻聖子
     (6月「DRAMATICA/ROMANTICA W」、品川ステラボール)
     もはや普通のカップルとして扱われない(by小林香女史)、
     バトル系デュエット。
     とにかく2人して負けず嫌いなもんだから、なんと生き生き
     してることか。
     去年念願のカップルをやった(サイゴン以来2度目だったん
     ですけどね)んだから、今度は王子と姫の敵対関係、この
     作品じゃなくても見てみたい。
     でも王子、姫にグルメで張り合うのは無謀ですよ?(苦笑)

  5位 人生を取り戻す/新妻聖子&石丸幹二
    (12月「GOLD」、シアタークリエ)
     ほとんど歌ってるのカミーユですが、舞台でのデュエット
     筆頭でこの曲。
     「成し遂げていないこと」はカミーユソロだし。
     こういう正面衝突系(爆)デュエットを待ってました。
     お相手が石丸さんだったから、
     新妻さんもついついエネルギー全開になって
     後半しんどくなったんだろうなぁ。

  番外 つぐない/高橋由美子(3月)、新妻聖子(10月)
   ・・・をい(笑)。
     持ち歌じゃない曲をここまで違ったテイストで聞けたのは
     けっこう興味深い体験でした。
     由美子さんは「ハロルコ」、新妻さんはFCお茶会。
     某曲と決選投票になって必死で「つぐない」以外に入れて
     抵抗して敗北したのも貴重な思い出(笑)

 <男性キャラクター部門>
  1位 ポール・クローデル/伊礼彼方
    (12月「GOLD」、シアタークリエ)
     いくら姉がふ●だらでも、「あなたが私のただ一人の味方」
     と言われたい(笑)

  2位 昭和の男・藤原君/伊礼彼方
    (7月~8月「リタルダンド」、パルコ劇場他)
     個人的にですが、先輩の女性の下で働いてきた経験が長い
     ので、ああいうのはツボ一直線。

  3位 散髪屋ご主人/本間剛
     (2月「ハロルコ」、赤坂REDシアター)
     男は女に振り回されたいものなのです(程度問題)。

  4位 幸一/岡田達也
    (6月「水平線の歩き方」、サンシャイン劇場他)
     母親に褒められるって、男にとってはいつになっても嬉しい
     物なのですわ。叱られるのも。

  5位 ロニー/川平慈英
    (10~11月「Rock Of Ages」、東京国際フォーラム他)
     ジャスティスはまともに相手してなかったけどさ(爆)

・・

というわけで部門まで増やしての2011年完結編。コメント書くのが存外に大変だったので来年やる力が残っているか分かりませんが(爆)、結構面白かったです。

ただ、楽曲部門はそれなりに困った(数が挙がりすぎて)のですが、他の部門は意外にも候補自体が少なく、それは今年の観劇の仕方をある程度反映したのかなと思います。

来年はご贔屓さん皆さまとも、それほど作品数が多くないようなのでゆっくりできそうです
(むしろ飛び込みが多そうな予感もしますが)。

個人的には仕事でなまじっか昇格なんぞというものをしてしまったので仕事の忙しさが半端なく。平日ソワレの行きにくさが尋常じゃなく、来年も苦労させられそうです。

来年もどうぞよろしくお願いします。

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『GOLD~カミーユとロダン~』(5)

2011.12.27(Tue.) 19:00~22:00
シアタークリエ21列10番台中盤

今年の観劇納めは「GOLD」の前楽。
日が変わってしまいましたが、「GOLD」の楽は今日12月28日。

どうしても抜けられない会議があり、休暇許可も出なかったので、その時のためにと取って置いたこの日が今年の観劇納め。

座席表的にはどセンターの番号なのですが、実はクリエさんってば、音響的には微妙に下手側に傾いているんです。この列あたりになると、10番あたりが音響的にはセンター。

新妻姫が完全な本調子でないのがどうしてもこの席だと聞いて取れてしまうのですが、それでもラストの「GOLD」の凄さは色んなことを補って余りありすぎます。

前回は「ロダンがどんだけクズ人間か」に焦点を当てて書いたのですが、今回はロダン寄り、つまりカミーユをねちねち(笑)責めてみます。

前々回、「カミーユは周囲の人を遠ざけるためにわざと狂っているふりをしたんじゃないか」と書いて、その感想はなくなってはいないのですが、今回聞いていて、うぉっと思った歌詞が。

カミーユが発狂して、「あの彫刻も私が作ったの。その彫刻もそうよ。」と歌っている横で、「彼のため息も私が作ったの」って歌詞があって・・・さすがにびっくり。

カミーユも人並みに「愛する」ことはしたい女性であることを初めて認識したのですが、カミーユという人物は「愛し方が分からないから愛され方も分からない」人物。それはまさにロダンも同じなのですが、それ故に「分かり合おうと思いもしないから、分かり合えるわけもない」2人。

あぁ、「愛していれば分かり合える」がしっくりこない理由はこれか・・・(をい)

2幕で2人が今までの自分たちの「愛する」ことを後悔して、「もし分かり合えることが愛ならば」と歌われる曲(邦題が「愛の学習」というのが何とも・・・歌ってる内容に比べて邦題が幼いというか(苦笑))も印象的なのですが、とにかくカミーユにとって全く価値を持たないもの、それが「愛」。

弟君が全身で神への信心を説こうとも、そこにある「愛」は、カミーユにとっての「石ころ」、つまり何の価値もないもの。

なぜそこまで頑なに弟の説得に耳を貸さないのか理解できなかったのですが、カミーユにとって「愛」というものの価値が何より低いのですから当たり前。

1幕の「腕の中の女」でカミーユは「腕の中に抱かれたらただの女」と歌っているのですが、カミーユのコアは「自分がただの女であっていいはずがない」ということと思われるわけで、「天才であるからには名誉も欲しい」って言ってるんですね。他人の評価なんて関係ないとか言っている割に一度だけ「名誉も欲しい」って言ってます。

この曲で「このままここに残ればどうなるのか」とカミーユが歌うのですが、やはりそこから読み取れるのは、「芸術家であり続けたいカミーユは、愛に溺れて無力になる」自分が何より怖かったんだろうなと。

この曲、リプライズでロダンが2幕で歌いますが、同じ歌詞なのに「カミーユが残ってくれなかったの悔しいよ-寂しいよー」と言う女々しさ満開の歌になっているのも面白い。

カミーユがカミーユとして有り続けるためには、またカミーユが芸術家として有り続けるためには、「愛」こそが最も自分から遠ざけるべきものだったと思うと、ロダンと通じ合えそうな最後の最後で自分から接点を断ち切ったことにも、納得がいくというか。

1幕の「人生を取り戻す」で「心も身体も私のもの」と言っているのは、「腕の中の女」での「愛」への没頭への後悔。
ロダンの弟子として、自分の作品を世に出せない不満ゆえと最初は思っていたのですが、それもちょっと違うなと。

ロダンの元に帰ってきたカミーユの前で、ロダンは自分のことしか言わない。カミーユのことを心配していたのは上っ面だけで、結局自分は「ロダンにとって必要なピース」でしかなくて、そうなると「自分を抱いたのも計算ずくでしょ」となる。
ロダンはカミーユを支配したつもりで、カミーユも一時はロダンの愛に甘えることを選択しようともしたわけだけれども・・・となる。

まぁ逆の考え方からすれば、カミーユは全てをロダンのせいにできて楽だなぁという面もあるのですが(苦笑)。

カミーユは本当は誰を愛してたのか、という話が上がっていて、私思うに、

カミーユが本当に愛したのは「自分」だけなのだろうなと。

カミーユはロダンを「自分のことばかり」って糾弾しているけど、カミーユだって実は全く一緒。

カミーユが男だったらロダンになってて、ロダンが女だったらカミーユになっていただろうし。

だからこそカミーユはロダンを見ていると「本当はそうしたいのにできない自分」が目の前にいるから、より頭にくる(笑)

人間というもの、自分と似たものには生理的な嫌悪感をもよおすものですし。

じゃあカミーユよりロダンが幸せだったかというと、必ずしもそうも思えないことが興味深い。

ロダンは「カミーユ以外の全てを手に入れ」てはいるけれども、結局一番手に入れたかったものを手に入れられなかったように思えるし。「自分の人生がいかに空虚なものか、後で振りかえってもそれはどうしようもない」という老いたロダンの語りは、「後悔なく人生を終えた人」のそれとは到底思えないし。

死の1週間前にローズと結婚したのも、長年寄り添ってくれたローズへのお礼という面より、カミーユと一緒になれなかった人生の、ロダンが自分自身の人生を納得させるために無理やり取った手段のようにも思えて。

カミーユはあれだけ狂って(見せて)、最後は彫刻もできずに精神病院で30年。
実際はどうだったかは判然としないとしても、精神病院のシスターに寄り添われ、温かい光に向かって「GOLD」を歌う姿は、「闘い続けた」自分への満足だろうし。

きっと現実というものは、カミーユほど闘えないし、ロダンほど守りに入っていられるわけではないし、ポールのような実直さも必要だし、カミーユとロダンとポールのブレンド(コーヒーか(笑))ではあるのでしょうけれども。

んー、カミーユ2、ロダン1、ポール7かな・・・自分の中身(爆)。



平日ソワレには珍しく3回のカーテンコール。

とにかくカミーユの2幕の狂気が凄かった。
初日とか何だったんだろうというぐらい、2幕の濃度が濃すぎる。

特に「分別盛り」がサロン出店を却下されたあとの「もしも」は圧巻過ぎました。

物語の構成的にしっくり来ないところもあったから、あと1回は見たかったなぁ。

カメラ入っていたらしいので、映像化に期待です。

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『GOLD~カミーユとロダン~』(4)

2011.12.23(Fri.) 13:00~16:00
シアタークリエ 19列センターブロック下手側

2回続けての観劇。

観劇4回目です。
後方席ですが、センターブロックということもあり、また前列が女性ということもあり、視界が開けて仲々の席。

カミーユ役・新妻聖子さんは昨日に引き続き良いのですが、1幕を中心に少し抑えている感じもあり、声質と役が合っているとはいえ、テクニックを駆使してやりくりしている印象も受けます。
それでさえこれだけ客席の魂を持って行かれてしまうのですから流石の一言。

この芝居を男性がリピートするのはかなり難儀と申しますか、基本的に新妻さんファン以外はそんなことやらないと思うわけですが(爆)、男性としてどの役になりたいかと聞かれるとやっぱり弟君・ポール氏ですね。

自分は姉がいない長男なので、姉に遊ばれる経験というのは無条件でいいなと思ってしまうと申しますか、まぁ要するにそんなにヴォルフガングやポールになりたいんかって話ですが(苦笑)。

2幕で狂ったカミーユがポールだけは家に迎え入れて、「私の味方はあなただけ」と言ってもらうのに憧れると申しますか(苦笑)。ある程度の確率で、弟にとって姉は最初の恋人ですからね。

ポールにとって、「演劇的である自分が」外面的には外交官として”親の誇りとして”生きる反面、晩年において文学でその才を見せたことが、「全て姉のお陰」と言うことも含めて、姉の奔放さを羨ましく思っていた面は確かにあると思いますし。ポールはカミーユの暴走を止めることはできなかったけれども、「自分ができなかったことを成し遂げた」姉を実は誇りに思っていたように思うし、そんな姉に「唯一の味方」と言ってもらえる自分というのは、何物にも代え難い宝物であったでしょうし。

カミーユにとってロダンは深くシンクロしすぎた故に、近づくほどに傷つけ合った存在で、お互いを愛すること以外全てを成し遂げられたからこそ、愛し合うことだけは出来なくて。愛し合うとカミーユはカミーユでなくなってしまう、だからこそカミーユはロダンから離れたのだと思うし。

愛することを知らない2人が、愛し合おうとしてしまったからこその悲劇なのだろうなと思うのです。

その過ちに気づいた2人が歌う2幕「もしも」でカミーユがロダンを遠ざけたこと、それはカミーユがカミーユであるために必要なことだったのかなと。

ロダンが羨ましくないかといえば、そりゃ膝枕は羨ましいですが(爆)、あれはどんな男性の願望でもある、と思われてしまうとさすがに違うと申しますか。
この芝居が男性からの受けがものすごく悪い(ように見受けられる)というのも、よく分かります。

この舞台での男性は役割分担がされていて、ロダンが「本能」、ポールが「理性」、クローデル氏が「理解」を表現しているんですね。男性にとってロダン的側面もポール的側面もクローデル氏的側面も持っているけれども、男は本能的な表現を見せられると不快感を持つ生き物と申しますか、「そうしたいけどそうできない現実」に対して憤りを感じるものなのかなと。

そう考えるとカミーユ役への女性の見方も気になってくると申しますか、カミーユとロダンは表裏一体というかまさに同床異夢みたいなところがあって、「似たもの同士は上手くいかない」の典型なわけです。

女性にとってもカミーユは、男性にとってのロダン同様、「そうしたいけどそうできない現実」を見せているように思うのですが、それでも男性にとってのロダンよりずっと、女性にとってもカミーユは共感される要素を持っているように思えます。「女性が彫刻家として認められなかった時代」の過去は、現在にも通ずるところがあるからというか(ここに新妻さんがblogで触れていたのは相変わらずチャレンジャーだと思いましたが)。

今回、見ていてとても興味深かったのは、母親(根岸季衣さん)が1幕で歌う「世界にはぐれて」の歌詞。
ここで、クローデル夫人は「石に閉じ込められて」と歌うのです。

カミーユが「私はママのようにならない」と言った言葉と重ね合わせるととても興味深くて。

母親は「石に閉じ込められた」日常を過ごし、娘と息子が(自分が思う通りに)一人前になることだけを望んだ。

カミーユはそんな母親のようにはなりたくないと、「自ら石を作り、そこを自分の無限の王国とした」わけで。

そう考えると、「石に閉じ込められた」母親と、「自分が作った石に閉じこもった」カミーユという対比がとても興味深く。

結局そこの差は「自分の意思」でしかないのだなと。

自分の運命をただ受け入れるのではなく、自分の力で切り開いていこうとしたカミーユ。
その姿は時代もあって、あたかもドンキホーテのようで(そういえば、「ラマンチャの男」歌ってますね新妻さん。何となく無関係とも思えない気が)。

そういえば、昨日たまたま去年の12月公演「プライド」の原作本を読み返していたのですが、新妻さんが演じた緑川萌がこんなことを言っています。

「他人に認めてもらえなければ、頑張った意味がないです」

・・・まさにカミーユと真逆。

カミーユは他人からの評価より、自分の中での「意味」をずっと重視した女性に思えるし、それが新妻さんとここまでシンクロすることを考えると、萌ってやっぱり真逆な役だったんだなと。

役者さんは真逆がやりやすい人とシンクロがやりやすい人に分かれる気がしますが、役にどっぷり浸かるタイプの新妻さんは真逆の方が精神的負担は小さいのかなと思うのでした。

ご当人自ら「誰かに褒められたいとかそんなこっちゃない」って言ってるところがもう(笑)。


この日のハプニングは、カミーユがロダンの元を去るシーン。アトリエから出て行くシーンで、あろうことかトランクの留め金が外れていて、カミーユが持って出ようとしたら客席側にどどーんと開いた(笑)。ロダンが慌てて追いかける振りをしてしがみついて閉じたという。

そういえば昨日書かなかったのですが、昨日ソワレはロダンが1幕最後「人生を取り戻す」の「あばずれ!」を一小節早く入ってしまって、とっさにカミーユがフォローしていました。

ここ数日、特にカミーユが彫刻にぶつかる回数がとみに増えていて、それは「狂ったカミーユの朦朧としたさま」に見えなくもないのですが、どうもそれだけではないような気が少し。きついんだろうなやっぱり・・・。

前回も書きましたが「偽善者!」と叫ぶときに彫刻を動かしたりってのは効果的で好きですけどね。

最近、カーテンコールでは上手側から出てくる石丸さんが手の平を差し出し、下手側から出てくる新妻さんが上から手を当てに行って、その後ぎゅっと握手するパターンですが、この日2回目(カーテンコール累計3回目)ではなんと新妻さんがジャンプしてタッチしに行っててどびっくり。とってもキュートでした。

相変わらず予測不能なキャラクターでした(締めがそれか)。

長いようで短い、クリエ12月の女こと新妻聖子さん年末の会、次がmy楽・12月27日ソワレです。

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『GOLD~カミーユとロダン~』(3)

2011.12.22(Thu.) 19:00~22:00
シアタークリエ 2列目20番台前半

3回目観劇。
カミーユ役・新妻聖子さんが「今日GOLDを手にしたのかもしれない」と呟いた言葉が、この回によるものかは正直分からないのですが、「GOLD」の名に相応しい回でした。

正直、前日の彼女のコンディションが「らしく」なかったので心配していたのですが、要するにカミーユが一日新妻聖子さんに戻ったということだったのでした。

それにしたところで結果的に会期中一番前の回となったこの日の「2列目」の迫力は半端ないです。

それに、カミーユ役は下手側が定位置だと思い込んでいたのですが、実は時間的には上手側の方がずっと長く、実のところこの回のポジションがベストポジションでした。
つまるところ、「目の前のカミーユが狂ってるよぉ」であります(爆)。

今まで見た2回に比べて、身体がどっぷり疲れたということがなかったのですが、それはあえて登場人物の誰かに感情移入せずに見たからかなと思います。冷静に一歩引いて見ると、やっぱりロダン(←あくまで役)のクズさが半端ない(笑)。

1幕最後「人生を取り戻す」の歌詞をようやく認識できるようになったんですが(まだまだ全部は覚えてない)、ロダンさんってばカミーユ様に「なんで堕ろしたんだ」みたいなこと言ってるんですよ。「芸術家に子供は必要ない」と言ったその口でですよ(爆)。

愛した人の子供を身ごもり、「芸術家に子供はいらない」と言われた「冷たい声」に深く傷つけられ、ロダンを置いて単身ロンドンへ旅立ち、後々弟に責められることになる「命を摘み取った」カミーユ。
そこまでして「芸術家」で有り続けたいと願った彼女は、「ロダンの右腕」として居続けることを、よしとはしなかったわけです。

「女性だから」芸術家として認めてもらえない。
「女性だから」結婚して家庭を作らなくちゃいけない。

そんな他人の物差しにとらわれることに何の意味があるのか

既成の概念に囚われる必要性がどこにあるのか

そんな魂の叫びが歌われる「成し遂げていないこと」が最近のお気に入り。

前回、「カミーユはわざと狂っているように見せて周りに寄せ付けないようにしたんじゃないか」と書いたのですが、その感想は今回も変わっていなくて。

天賦の才能に恵まれた自分が、「女性だから」という”既成の概念”に従う必要が、どこにあるのかという思い。もう一方には「女性だから」という「他人の物差し」に囚われることで、自分が自分でなくなってしまう怖さを感じたんじゃないかと思うんです。

ただ未来を求めて、過去を切り捨てたカミーユ。
否定され続けることを怖れず、人生の意味を求めつづけた潔さ。
何百もの否定の末に辿りついた黄金、それは自分が求め続けた欠片。
周囲はいくらでも無責任に論評するけれども、自分の人生は自分の人生でしかない。

だから、「お前の人生はお前のものだ」と、カミーユの進むべき道をはっきり指し示した父親から、別れの時に「間違った夢を与えたのか」と聞かれても、はっきりと「私に生きる勇気をくれた」と答えられるカミーユがいるのだと。

カミーユが新妻さんとかぶるところがあるのだとすれば、実はここじゃないかと思うんです。

はっきりとした物言いは新妻さんの長所でもあり、また誤解を諸々招く部分でもあるわけですが、それすなわち、「自分の価値観が世間一般の最大公約数と一致する必要がない割り切り」と言いますか、むしろ「自分の価値観が世間一般の最大公約数と反する頑固さ」にあるような気もしたりします。

カミーユがなぜロダンと袂を分かったのか、そして最後まで父と弟とは全部とは言わないまでも分かり合えていたのか。

まだその「GOLD」にちょっと触った感触しかないのですが、「カミーユが大事にしたもの」に対する敬意がロダンに欠けていたからではなかろうかと思うのです。

一度は愛した男性として、ブリュッセルからパリに戻ったカミーユが、結局はロダンと分かれざるを得なかった結末。

カミーユの才能を誰よりも認めながら、実は世間一般の「女だから」よりもっと酷いカミーユへの見下し。

弟はただ一つの事実を責めていただけで、自分には出来ない姉の奔放さを、心底羨ましく思っていた分、姉に自分の夢の一部を分けていたんだろうなと思う。

カミーユはポールに「私が堕ろしたのは、彼がそう言ったからよ」と言えば、ポールはロダンをより憎むことになったでしょうが、それを言わなかったのはカミーユをカミーユをたらしめていたコア。

自分の行いを言い訳することは人生の否定。

「反省はするけど後悔はしない」

とはっきり言った新妻さんが、かぶさってかぶさってしょうがない。

ネットで見つけた「腕の中の女」英語バージョンをリピート中。
素敵な曲ですね。→こちら

それにしても、明日はマチネ。出演者連投どころか、こちらも連投観劇です。

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『辛島美登里コンサート』

2011.12.21(Wed.) 19:00~21:20
すみだトリフォニーホール 3階1列1桁番台(下手側)

12月の師走バタバタする中、「ひょんなことから」辛島美登里さんのコンサート「Winter Picture Book 2011 手をつなごう~ひとりぼっちじゃない~」に行ってきました。

きっかけはゲストが新妻聖子さんだからなわけですが。

セットリスト。

1部
1.DRY&WET(千住明)
2.虹の地球(ほし)
3.Kiss
4.抱きしめて
5.クリスマスメドレー
  Silent Night・きよしこの夜~
  Merry Christmas To You
6.ピアノ協奏曲宿命~第一楽章抜粋~

2部
7.愛すること
8.時代(辛島美登里&新妻聖子デュエット)
9.ありがとう~お母さん、お父さんへ~(新妻聖子)
10.美しい地球(ほし)
11.大切なもの(星美学園小学校聖歌隊)
12.サイレント・イヴ
13.桜

アンコール
1.手をつなごう~ひとりぼっちじゃない~

演奏は新日本フィルハーモニー交響楽団。この楽団がメインホールとしているだけに、音響が素晴らしくいいです。辛島さんの澄んだ歌声が、3階席にまでまっすぐやってきます。

「サイレント・イヴ」が生で聞けたのも嬉しかったけど、「愛すること」の激しさが好きだったな。

当初予定2時間で休憩含むという話になっていた割に曲数が少なくて、この日のゲストさんみたいにMCを長くいっぱい入れるのかと(爆)思っていたら、そういうことではなく。

東京都墨田区に住む「たなかゆきこさん」(32歳、OL、独身。宮城県出身)から辛島さんへのお手紙を本人の許可をもらって読み上げる・・・という展開で、その手紙に絡めて上手いこと曲をちりばめていました。

仙台から上京し大学に入りOL生活。好きな人が出来たけどその人には奥さんがいて。
大震災の日に連絡を待ったけど連絡が来たのは翌日だった。
結局、理屈じゃなくて本能で、「大事なのは家族」だって分かったから、別れを告げた。
クリスマスは地元に帰って母と祖母と一緒に過ごすので
今日のコンサートには行けません←おち

・・・という話。

話の仕方も歌い方も、辛島さんの人となりの柔らかさを実感できて、「あったかい」ってこういうことなんだろうなと思う。なんだか理由抜きでほっこりしてしまう。もちろんプロとしての厳しさというのはあるんだろうし、最後のMCで指揮の千住明さん(辛島さんの編曲を手がけて10年)が「1曲に4日かけますから100曲以上やってたら結構な日数一緒にいますね・・・」とぼそっと言ってて辛島さんが「すいません・・(赤面)」みたいになってたやりとりが面白かったです何気に。



ゲストの新妻さんの出番は2部の2曲目(M8)・3曲目(M9)。

「ミュージカル界の歌姫」とご紹介にあずかりありがたい限り。
「本当に良くできた方でこんな方をお嫁にもらいたいと思ったり、自分が男性だったらぜひお嫁に来て欲しいと思ったり」とまで言っていただいて新妻さん恐縮しまくり(苦笑)。

辛島さん「今日は大人しいですけど本当におきゃんな方で」
新妻さん「こんな素敵な(ピンクの)ドレスを着せていただいたんで今日は大人しく

2曲目は辛島さんとのデュエットですが、得意の張り上げ系なもんだから完全にガチンコ歌合戦(笑)。
でも何となく新妻さんの余裕がなさそうに見えた不安は次の3曲目で的中しました。

3曲目は今回の辛島さんコンサートに新妻さんが出たきっかけとなった曲。
つまるところ新妻さんの未発表の新曲なわけですが、曲の内容は、

「新妻さんが新妻になって新妻さんじゃなくなるときに
新妻さんに歌う歌」

です(をい)。

修飾語を入れると
「新妻(聖子)さんが(結婚して)新妻になって(名字が)新妻さんじゃなくなるときに新妻さん(のお母さんとお父さん)に歌う歌」

です。

要はブライダルソングですね。

今回はアコースティックバージョンでしたので控えめでしたけど、素敵な曲でした。
仮歌が辛島さんの吹き込んだテープでやってきたときに、「素晴らしい曲をいただいたんですよぉ」とマネージャーさんに電話したぐらい、仮歌が私の宝物です」と言ってて辛島さん、「でも今日は新妻さんに歌っていただきますので」と返してました。

なんかノリがお姉さんと妹さんみたいな感じになってました。

M8、M9ともに思ったのですが、伸ばす系の音はいつもと同じぐらいなのですが、裏声の高音系がとみに厳しくて、しかも前述の通りこのホールは音が良いので、声の綺麗さをはっきり出してしまうところがあり、新妻さんの歌声を過去100回以上聞いてきている自分にとっても、微妙な方から数えた方が早い出来というのが正直な感想です。

「GOLD」のカミーユ・クローデル役に合わせた喉になっていた状態らしく、ここでいきなり1日だけ高音対応するのも難しかったようで、そこが残念でもあり心配にもなったのでした。

とりあえず、この日から3日連続新妻さんということになったのですが、今までの観劇歴で「同じご贔屓さん2日連続」はたくさんあっても、「同じご贔屓さん3日連続」はなくて今回初、かと思い込んでいたら実はそうではなく去年12月の「プライド」シアタークリエ公演で、12/17・18・19と3連投(しかも18日のソワレは「モーツァルト!」でした)していたことに気づき。

なんで12月はこうなるんだろうなぁ・・・

おまけ
「この日配られたセットリストの載った紙にクリスマスプレゼント当選のお知らせがある」と辛島さん。
期待せずに開けてみたら当たりでした(★が貼ってある)
協賛の味の素さんからの調味料等々のセットでございました。料理しないから実家に持って帰ろう・・・。

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『GOLD~カミーユとロダン~』(2)

2011.12.17(Sat.)13:00~16:00
シアタークリエ 1階11列1桁番台 センターブロック下手側

初日以来2回目の観劇。

見ている間はさほど感じなかったのですが、終わった後に実家に戻る際のバスで、ありえないほどの爆睡。
とにかく重く重くのしかかっていたことを実感しました。
見る側でさえこれだけ重いのですから、演じている方はいかばかりかとも思います。

カミーユ・クローデル役の新妻さんの出演時間が長い(本編160分のうち、多分100分以上は出ていると思います)ので、私のような新妻さん推しの方や初見の人向きといいますか、新妻さんが苦手な人はきついでしょうね・・・。

この日、2回目の観劇ということでようやく念願のリピーター特典を入手。
1階受付(チケット販売窓口ではなく、ドアを入ったところ)での引渡しで、幕間と終演後の交換。
係員の方は、日付・座席番号をメモされていました。
(実際には重複チェックは裏面にゴム印を押して確認しています)

4枚1組で、新妻さん・石丸さん・伊礼さんのソロが各1枚と、新妻さん&石丸さんペア1枚。
・・・うーん、新妻さんの赤ドレス系欲しかったな・・・

初日は気づかなかったのですが、クリエ扉には「Merry Christmas ~ GOLD」のゴールド地ペインティングが貼られていて綺麗でした。



この回、一番印象的だったのは2幕最後の「GOLD」。

カミーユがロダンへの嫉妬に狂い、ロダンありでは生きてはいけないと、必死に逃げ惑い、狂うカミーユ、そのカミーユの魂の浄化のシーン。

このラストシーンが初回では感動だったわけですが、2回目も感動的ではありながら、ここのシーンは前からの繋がりがあったことに気づいて。

カミーユの才能を応援する父親(西岡徳馬さん)が天に召され、カミーユが狂いながらも父と対話するシーン。父・クローデル氏が投げかける、「私はお前に間違った夢を渡してしまったんだろうか」といった言葉にカミーユが答えたときの安らいだ顔が一番良かったな。

カミーユの「GOLD」が何だったかというのはこの舞台のテーマの大きな位置を占めるでしょうが、結局行き着くところは「カミーユ自身の価値観」なのかなと。

他人の物差しで測れない、その時代にはあまりにも似つかわしくない「女性として、彫刻家としての自らのアイデンティティ」。だけど、そもそも「幸福」だって「成功」だって他人の価値観でしかなくて。

狂ったように見えるカミーユも、実はカミーユの中では一貫していたように思えて。
カミーユがカミーユとして、女性として、彫刻家として貫き通したものの太さに比べると、ロダンの男としてのどうしようもなさに苦笑。

カミーユは不器用だった不幸な女なのかもしれないけど、
ロダンは優柔不断なずるい男でしかないですからね。
男の嫌らしいところが詰まりまくっていると言った知人がおりましたが、さもありなんです。
その割に、ずるさに徹しきれないようなところも見えて、それが石丸さんの役作りなのか演出家さんからの話なのかがちょっと分かりませんでしたが。

初日前会見の話を見たら、「男はダメだなって話です」って西岡さんと伊礼さんが口を揃えて言ってて、新妻さんが素でひっくり返ってるのを見てもっと苦笑。こちら

ロダンとカミーユの違いで興味深かったのは、
ロダンは求めるだけで良かったけれども、カミーユは求めるだけでは良くなかったこと。

ロダンは名声高い彫刻家であり男性であり、求めさえすれば何でも手に入れることができた。
カミーユはロダンの弟子として初めて認められる存在であり女性であり、彫刻家としての名声を求めても、時代がそれを許すことはなかったし、愛する相手・ロダンの一番になることを望んでも、自らが一番になることはできなかった。

もう一面で見れば、求めさえすれば何でも手に入れることができたロダンにとって、
求めても手に入れられない唯一の存在がカミーユだったんじゃないかと思うのです。
死に際の言葉は、カミーユに対しての贖罪よりむしろ、ロダンにとっての心残りのように思えました。

カミーユから見れば、求めても何も得られないけれども、求めずにはいられない生き様との狹間で、どうして良いか分からなくなっていったんだろうと思うのです。

この作品でカミーユは人の話をことごとく聞かないわけですが(母の発言が最初から無視、弟の発言は結果的に無視)、そのカミーユが人の話を聞いたことが2つ。

父からの「お前はお前の作品を作らなければならない」と、
ロダンからの「芸術家は子供を持ってはならない」

ここで浮かび上がるカミーユの「価値観」が、「自らが芸術家であるために、子供との結び付きを自ら断ち、そして自分を惑わすロダンを遠ざけた」のかと思うと、なんだかちょっとカミーユの「GOLD」に触れたような気がします。

カミーユが2幕後半で狂っていく姿は、まさに日々狂気の度を増しているのですが、今回見てふと思ったこと。
カミーユご乱心は、「ロダンに対する被害妄想」もありはするのでしょうが、「狂ったところを見せて周囲の人を遠ざけようとしている」ようにも少しだけ見えました。
そんなことをする必要がないポール相手に、受け取ったお金で「大理石が買える・・・」と呻いている様は、正気には見えないのも確かではありますが。

初日からの変化としては、カミーユがブリュッセルで個展を開いた時にやってきたロダンに対して、皆の注目をそらさせようとした時の、ロダンいじりが超上達してた(笑)。ホントに楽しそうにいじってましたカミーユ。
弟のポール君と一緒にお母さまいじってるのも絶賛上達中。あの辺しか楽しめるところないもんなぁ。



本編終了後のカーテンコールは初日とはまたちょっと違っていて、先に待ち受ける石丸さんが両手の掌を上に向けて待ち受けるところに、上から飛び込む新妻さん。2回目はお転婆にスカートまくり上げつつ走ってきて石丸さんに胸に抱きつくという、回変わりが楽しいです。
3回目のカテコでほとんどスタンディングになったのは嬉しかったなぁ。

次回は22日ソワレ、2列目・・・なのですが、新妻さんは前日の21日(すみだトリニティホール・辛島美登里さんコンサート)が先。「GOLD」の合間に、ゲスト出演とはいえコンサート出演・・・どこまで鉄人。

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『GOLD~カミーユとロダン~』(1)

2011.12.8(Thu.) 19:00~22:10(うち休憩20分)
シアタークリエ 12列センターブロック

本日初日。
彫刻家・オーギュスト・ロダンとその弟子であり愛人、カミーユ・クローデルの愛と憎しみと幸福と不幸の物語、その果てにある「黄金」とは・・・

見た後に魂を抜かれると言いますか、「素晴らしい」という言葉よりは
「凄い」という言葉がぴったりくる、そんな作品。

カミーユ役に新妻聖子さん、ロダン役に石丸幹二さん。
待望の歌上手ペアの初共演。

若いながら彫刻に目覚める若かりし頃のカミーユが一幕冒頭ですが、新妻さんの今までのキャラクターからすると「マドモアゼル・モーツァルト」(音楽座ミュージカル)のモーツァルト役にかなり似た感じ。

そしてカミーユと横にはしゃぐ弟・ポール(伊礼彼方さん)の組み合わせは、なんか某作品の「赤いコート」を思い出しちゃったりして。

だってシチュエーションそっくりなんですから。

カミーユとポールが、性別ひっくり返っているとはいえヴォルフガングとナンネールみたいな感じなんですわこれが。茶化している相手が「GOLD」だと母親(根岸季衣さん)、あちらだと父親という違いはありますが。

「女が芸術家(この作品では彫刻家)を目指せなかった」というシチュエーションもどっかで聞いた記憶がありますが、意外なのは父親(古谷一行さんが病気降板し、西岡徳馬さんが演じています)がカミーユの味方であること。むろんカミーユの実力を理解しているこそなのでしょうが、カミーユの最大の理解者であり、応援者であることは実に興味深いものがあります。

クローデル一家はカミーユの才能を伸ばすため、一人反対する母親を説き伏せる形で一家でパリへ。弟のポールは高等師範学校に入れることになります。カミーユはパリで講師としてやってきたロダンと運命の出会いをして、才能を認められて彼のアトリエへ出入りするように。二人は互いの実力を認め合い、時をおかずして愛し合う関係に。

一幕はカミーユとロダンが愛し合うまでの時間なので、時に今までにないシーンがあったり、なかなか大胆なシーンもあったりしますが、絵画より彫刻って立体になる分、なんだかそういう話との相性が良いような気がします。

ところがロダンには内縁の妻がおり、それがカミーユを苦しめることになります。さっきまで愛し合っていた2人が、5秒後に罵り合っているなんというのも日常茶飯事。そしてカミーユとロダンの言い争いになると、ロダンはともかくとしてカミーユがなんであんなに生き生きするかは極めて謎(笑)。

最初にも書きましたが、主演2人と伊礼君は歌に関しては全く心配のないメンバーなので、歌が上手いことはもはや前提と化していて、心地よいことこの上ないです。新妻さんが「パンを買いに行くだけで歌い上げるようなナンバー(笑)」と語っていたワイルドホーン'sの曲、歌う方は大変でしょうが聞く方は耳福。

既に作品HPで公開されている「黄金~GOLD」(カミーユ/新妻さん)、「震える男」(ロダン/石丸さん)、「天使の園」(ポール/伊礼さん)の3曲がやはり出色。ちなみにこのうち「黄金~GOLD」はパンフレットにも書かれていますが、実は舞台版は歌詞が一部変わっています(パンフレットを読み終わる前に、実際の歌を新妻さんが歌うのを聞いたので、かなりびっくりしました)。

一幕最後のカミーユとロダンの感情のぶつかりあいを表現した「人生を取り戻す」も凄い曲です。

とにかくカミーユは全編に亘ってこれでもかとばかりに感情をぶつけまくるので、新妻さんの演じた役の中でハイテンションランキングやったらぶっちぎりで優勝だろうという役。

才能故にロダンと惹かれ合い、愛するが故に傷つけあい、疑心暗鬼の末にカミーユがたどりついた先は・・・

いやはや、あれだけ自分に精神攻撃しているような役やって平気なんですから、やっぱり女優さんって頑丈ですわ。

二幕のカミーユの激情は凄まじいばかり。疑心暗鬼になり、狂っていく様は恐ろしくなるほど。

前日のゲネプロを観劇された新妻さんのお姉さま、新妻由佳子さんが「ここまで人の心を揺さぶるあやつ(妹)は何者だろうか」とおっしゃっていたのですが(笑)、ふと思うに、この作品、「女性」×「創作者」の掛け合わせで一番の破壊力を持つ作品じゃないかと思うのです。

「女性ゆえに」、時代が「創作者であることを許さなかった」にも関わらず、「女性」かつ「創作者」であろうとしたカミーユ。

その実力にもかかわらず、というよりむしろそれ故に「女性であることを理由に」表舞台で輝かせてもらえなかった人物。

女性であればカミーユに深く感情移入できるでしょうし、しかもその人が創作者であればより深くどっぷり浸かることになるのだろうなと思わされたり。

じゃぁ男性である自分がどこに惹かれるかと言うと、お目当てが新妻さんなのでそれで十分なのですが、赤のドレスは勝ち気さがはっきり見えていいし、2幕のシックな黒もお気に入りだし(舞台写真プレゼントにエントリー希望!)でもその実、1幕のああいうシーンはどうもしっくり来ないなーと。
キムやってるけど、やっぱり役者的にそういうイメージじゃないんですよね、新妻さん。
あと濃い赤も妙にお歳を召した風味になり(以下自粛)。

それこそ石丸さんと共演してた某ストリッパーさんのお方がびっくりするぐらいハマってたのと比べると(爆)好対照と申しますか。やっぱりタッパって大事だなー。

そういえば2幕のポールとやりとりしてるあたり、演技と佇まいが驚くぐらい松たか子さんにそっくりに思えた。
作品限定なんですが「ジェーン・エア」の松さんと空気がずいぶん似てた印象。



カーテンコールで、下手側から出てきた新妻さんが、上手側から出てきた石丸さんに、ぎゅーっと握手を求めに行った姿に萌え(爆)。その様に、初日までの大変な日々をともに乗り越えた感情が見えたような気がして、遠くから不安に見つめていた立場としても、なんだかほっとさせられたのでした。

新妻さんと来たら絶対やると思っていた初日挨拶はなく、その点が拍子抜けでしたが、そこそこお客さんが帰り始めた頃、新妻さん筆頭に、石丸さんも客席にいる作曲家・ワイルドホーン氏を舞台に上げたがる(笑)。

最初は辞退されていた氏でしたが、舞台に上がって新妻さんとハグした後、スピーチ。隣には通訳さん。
あれ、通訳さんは既に舞台上にいますが(爆)

日本語で「アリガトウ」と言った後、英語で「作曲家としては、歌ってもらってこそという面がある。こんなに素晴らしい皆さんに歌っていただけて嬉しい。」という趣旨のお話をされていました。



この作品、違った公演回の2枚のチケットで、舞台写真のプレゼントがあります。初日は写真交換は対象外でしたので、私がもらえるのはずいぶん先なのですが、せめて何種類あるかは教えて欲しいなー。12月は死ぬほど忙しくて増やす余裕はないんだけどな(ちょうど1年前も同じことを言っていた、学習しない私)。

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