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『GOLD~カミーユとロダン~』(1)

2011.12.8(Thu.) 19:00~22:10(うち休憩20分)
シアタークリエ 12列センターブロック

本日初日。
彫刻家・オーギュスト・ロダンとその弟子であり愛人、カミーユ・クローデルの愛と憎しみと幸福と不幸の物語、その果てにある「黄金」とは・・・

見た後に魂を抜かれると言いますか、「素晴らしい」という言葉よりは
「凄い」という言葉がぴったりくる、そんな作品。

カミーユ役に新妻聖子さん、ロダン役に石丸幹二さん。
待望の歌上手ペアの初共演。

若いながら彫刻に目覚める若かりし頃のカミーユが一幕冒頭ですが、新妻さんの今までのキャラクターからすると「マドモアゼル・モーツァルト」(音楽座ミュージカル)のモーツァルト役にかなり似た感じ。

そしてカミーユと横にはしゃぐ弟・ポール(伊礼彼方さん)の組み合わせは、なんか某作品の「赤いコート」を思い出しちゃったりして。

だってシチュエーションそっくりなんですから。

カミーユとポールが、性別ひっくり返っているとはいえヴォルフガングとナンネールみたいな感じなんですわこれが。茶化している相手が「GOLD」だと母親(根岸季衣さん)、あちらだと父親という違いはありますが。

「女が芸術家(この作品では彫刻家)を目指せなかった」というシチュエーションもどっかで聞いた記憶がありますが、意外なのは父親(古谷一行さんが病気降板し、西岡徳馬さんが演じています)がカミーユの味方であること。むろんカミーユの実力を理解しているこそなのでしょうが、カミーユの最大の理解者であり、応援者であることは実に興味深いものがあります。

クローデル一家はカミーユの才能を伸ばすため、一人反対する母親を説き伏せる形で一家でパリへ。弟のポールは高等師範学校に入れることになります。カミーユはパリで講師としてやってきたロダンと運命の出会いをして、才能を認められて彼のアトリエへ出入りするように。二人は互いの実力を認め合い、時をおかずして愛し合う関係に。

一幕はカミーユとロダンが愛し合うまでの時間なので、時に今までにないシーンがあったり、なかなか大胆なシーンもあったりしますが、絵画より彫刻って立体になる分、なんだかそういう話との相性が良いような気がします。

ところがロダンには内縁の妻がおり、それがカミーユを苦しめることになります。さっきまで愛し合っていた2人が、5秒後に罵り合っているなんというのも日常茶飯事。そしてカミーユとロダンの言い争いになると、ロダンはともかくとしてカミーユがなんであんなに生き生きするかは極めて謎(笑)。

最初にも書きましたが、主演2人と伊礼君は歌に関しては全く心配のないメンバーなので、歌が上手いことはもはや前提と化していて、心地よいことこの上ないです。新妻さんが「パンを買いに行くだけで歌い上げるようなナンバー(笑)」と語っていたワイルドホーン'sの曲、歌う方は大変でしょうが聞く方は耳福。

既に作品HPで公開されている「黄金~GOLD」(カミーユ/新妻さん)、「震える男」(ロダン/石丸さん)、「天使の園」(ポール/伊礼さん)の3曲がやはり出色。ちなみにこのうち「黄金~GOLD」はパンフレットにも書かれていますが、実は舞台版は歌詞が一部変わっています(パンフレットを読み終わる前に、実際の歌を新妻さんが歌うのを聞いたので、かなりびっくりしました)。

一幕最後のカミーユとロダンの感情のぶつかりあいを表現した「人生を取り戻す」も凄い曲です。

とにかくカミーユは全編に亘ってこれでもかとばかりに感情をぶつけまくるので、新妻さんの演じた役の中でハイテンションランキングやったらぶっちぎりで優勝だろうという役。

才能故にロダンと惹かれ合い、愛するが故に傷つけあい、疑心暗鬼の末にカミーユがたどりついた先は・・・

いやはや、あれだけ自分に精神攻撃しているような役やって平気なんですから、やっぱり女優さんって頑丈ですわ。

二幕のカミーユの激情は凄まじいばかり。疑心暗鬼になり、狂っていく様は恐ろしくなるほど。

前日のゲネプロを観劇された新妻さんのお姉さま、新妻由佳子さんが「ここまで人の心を揺さぶるあやつ(妹)は何者だろうか」とおっしゃっていたのですが(笑)、ふと思うに、この作品、「女性」×「創作者」の掛け合わせで一番の破壊力を持つ作品じゃないかと思うのです。

「女性ゆえに」、時代が「創作者であることを許さなかった」にも関わらず、「女性」かつ「創作者」であろうとしたカミーユ。

その実力にもかかわらず、というよりむしろそれ故に「女性であることを理由に」表舞台で輝かせてもらえなかった人物。

女性であればカミーユに深く感情移入できるでしょうし、しかもその人が創作者であればより深くどっぷり浸かることになるのだろうなと思わされたり。

じゃぁ男性である自分がどこに惹かれるかと言うと、お目当てが新妻さんなのでそれで十分なのですが、赤のドレスは勝ち気さがはっきり見えていいし、2幕のシックな黒もお気に入りだし(舞台写真プレゼントにエントリー希望!)でもその実、1幕のああいうシーンはどうもしっくり来ないなーと。
キムやってるけど、やっぱり役者的にそういうイメージじゃないんですよね、新妻さん。
あと濃い赤も妙にお歳を召した風味になり(以下自粛)。

それこそ石丸さんと共演してた某ストリッパーさんのお方がびっくりするぐらいハマってたのと比べると(爆)好対照と申しますか。やっぱりタッパって大事だなー。

そういえば2幕のポールとやりとりしてるあたり、演技と佇まいが驚くぐらい松たか子さんにそっくりに思えた。
作品限定なんですが「ジェーン・エア」の松さんと空気がずいぶん似てた印象。



カーテンコールで、下手側から出てきた新妻さんが、上手側から出てきた石丸さんに、ぎゅーっと握手を求めに行った姿に萌え(爆)。その様に、初日までの大変な日々をともに乗り越えた感情が見えたような気がして、遠くから不安に見つめていた立場としても、なんだかほっとさせられたのでした。

新妻さんと来たら絶対やると思っていた初日挨拶はなく、その点が拍子抜けでしたが、そこそこお客さんが帰り始めた頃、新妻さん筆頭に、石丸さんも客席にいる作曲家・ワイルドホーン氏を舞台に上げたがる(笑)。

最初は辞退されていた氏でしたが、舞台に上がって新妻さんとハグした後、スピーチ。隣には通訳さん。
あれ、通訳さんは既に舞台上にいますが(爆)

日本語で「アリガトウ」と言った後、英語で「作曲家としては、歌ってもらってこそという面がある。こんなに素晴らしい皆さんに歌っていただけて嬉しい。」という趣旨のお話をされていました。



この作品、違った公演回の2枚のチケットで、舞台写真のプレゼントがあります。初日は写真交換は対象外でしたので、私がもらえるのはずいぶん先なのですが、せめて何種類あるかは教えて欲しいなー。12月は死ぬほど忙しくて増やす余裕はないんだけどな(ちょうど1年前も同じことを言っていた、学習しない私)。

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