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『LOVE LETTERS』(1)

2011.11.24(Thu.) 19:00~21:25
パルコ劇場 D列20番台前半(センターブロック上手側)
22nd Season (Vol.405)

植草克秀さん:アンディ
高橋由美子さん:メリッサ

念願の「LOVE LETTERS」への高橋由美子さんの登場。

以前からずっと出て欲しいと願っていたのですが、今回は夏公演「リタルダンド」の出演もあってか出演が決定。
座り位置もメリッサが上手側ということでイタレリーツクセリー(著作権略)。

とはいいつつ、実はこの作品、これだけ長く上演され続けていながら、私自身はこの日が初見。坂本真綾さん、新妻聖子さんといった興味を惹かれた出演者もいたのにもかかわらず、なぜかこの日まで温存。

ゆえに、「そもそもどういう物語なのか」「そもそもどういう役どころなのか」という情報はほとんど入れずに観劇。ですから他キャストと比べてどうこうという表現は一切ありません。

アンディとメリッサの50年の物語。
「手紙」で結ばれる「幼なじみの心のぶつかり合い」が実は「心の通じ合い」だったと思わせる物語。

2人してちょっと台詞を噛みすぎなところは気になりはしたのですが、というか固有名詞がたどたどしい時点で、台本を先読みしていないのがもろバレだったりします(笑)。
どうなることかとヒヤヒヤしているうちに一幕終了。

この作品、通常なら120分の作品なのですが、一幕終了時点で70分ということで、一幕はペースがゆっくり目というか、たっぷり間を取った感じの展開。
15分休憩後、最後は145分だったので、結果からすると二幕はオンタイム進行だったようです。

この作品を以前見た知人から「メリッサって本当にどうしようもない女性だよ」と言われていたんですが、一幕ちょっと見た時点でその理由はすぐに分かり(笑)、いやぁこれ普通に演じるとただの嫌な女性だよなとか、男性サイドからは思ってしまうのですが、そこはさすがは由美子さんというか、台本に忠実に沿いながらもぎりぎりのところで踏みとどまり、「メリッサ」でありながら「嫌なメリッサ」になっていないところが流石。

奔放であり、寂しがり屋であり、かまってもらいたがり、それゆえに気持ちが不安定になる彼女の様を、時に大胆に、時に弱々しく見せていたあたりは、正直、予想よりずっと良くて。特に最後に至るシーンのメリッサの心の動きと来たらそれはもう胸に痛いほどで。

アンディ、それは人としてどうなのよという思いと、男として分からないではないけどさ、みたいな思いが交錯する不思議な時間。アンディの最後の手紙は「それはいくらなんでもご都合主義的だろう」とか思うんですが、それに対してのメリッサの言葉が、いかにも由美子さんのメリッサという感じで、本当に言葉に暖かさを埋め込むの上手いんだよなぁ。

由美子さんの台詞をずっと聞いていて思うのは、いわゆる仕込みのような技術的なところを、包み込むように和らげて出す、テクニックとまた別物の温かさ。「ガイズ&ドールズ」だったり、「Rock Of Ages」だったり、「モーツァルト!」だったり。その台詞であり歌声があるから、やっぱり何度聞いてもいいと思うんだろうなと。

由美子さんの朗読劇は「苦情の手紙」(2009年2月、銀座博品館劇場)以来2度目ですが、その時よりもずっと女優としてのメリットを最大限活かした役作りという感じで、予想外の収穫でした。足の動きで焦れている様子を表現するあたりとか、声色を威嚇モードに変えてアンディをマジ怯えさせるところとか(笑)、水を小道具と化して勢い付けて言葉を発するとか、できること総動員してやっていた感じが、由美子さんの売りの「動」の部分と上手く組み合わさって素敵。

お相手の植草さんはそんな由美子さんに怯えている時もありつつ、とても受け上手で良いバランスだなぁと。少年隊のお3方とこれで2人目の共演ですが(初共演は去年の「ガイズ&ドールズ」で錦織一清さんと)、実は年代が違うのにこの相性の良さときたら不思議以外の何物でもないです。ただ由美子さんは基本、年齢が少し離れた年上の方と組むのが一番しっくりくるんですよね(「SHIROH」の上川隆也さんとか好例)。

キャスト写真入りのパンフレットは次回公演で出るんだそうで、今回の場合は来年夏。その代わりにキャストコメント入りのリーフレット(100円。パンフレット等購入の方には無料添付)があることを知り合いに教えてもらい、無事get。何もないと寂しかったので嬉しかったです。



終演後カーテンコールでは、由美子さんは笑顔で登場。
植草さんに手を差し出してエスコートしてもらっていましたが、いつから由美子さんのカーテンコールは笑顔バージョンになったのでしょうか(笑)。
いや無論その方がとてつもなく良いのですが、本人的にもしやとても満足?
1日1回限りだから開放感に溢れ、なのかもしれませんが、今までは楽日でもそこまで笑顔じゃなかったし(爆)。

植草さんにエスコートされつつ、半ばスキップで可愛く去っていく由美子さんの姿に撃沈しました(笑)。

同じペアでの再登場というのはあまりないようですが(それでも過去には20演という途方もない組み合わせがあります。別所哲也さんと古村比呂さん)、植草さんとの組み合わせは是非他の作品で見てみたいし、この作品としては是非他の方とも見てみたいです。
共演経験のある方だと、以前共演希望を出してくれていた泉見洋平さんとか、今期2度目の登場となる岡田浩暉さんとか。

無理なの分かっているけど、「私の頭の中の消しゴム」、由美子さんで見てみたいんだよなー。今やると「リタルダンド」のスピンオフみたいだけど(爆)。



11/26追記
そういえば、「ワンダーガーデン」(2012年春公演)の次の由美子さんの作品が決まったようです。
音楽劇「リンダリンダ」の再演。2012年6月~8月の上演。
共演は松岡充さん、伊礼彼方さん、星野真里さん、丸尾丸一郎さん、大高洋夫さん。
あ、「リタルダンド」ペア再び(笑)。

今年から数えると、ウィーンミュージカル→ストレート→音楽劇→ロックミュージカル→ストレート→音楽劇と、実に振り幅が興味深いです。

たしか劇団HOBOが夏と言っていたような気がするんで、バッティングだけが気がかり。
「Rock Of Ages」でサードステージさんから花が来てた理由はこれだったんでしょうね。
サードステージさん=第三舞台
この「リンダリンダ」、演出が第三舞台の鴻上さんです。

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コメント

無事帰れました。
疲れも吹っ飛ぶ由美子さんの
朗読劇素晴らしかったです。
お芝居の中で、水をうまく使ってみたり
表情も上手くさすが、由美子さん
植草さんとの相性もよかったようで
カテコの登場の満面な笑顔が
物語ってました。
今年はこれで、終わりです。11月は
遠征で疲れました。

投稿: てるてる | 2011/11/25 02:25

お世話様です。

水の使い方上手かったですね。
芝居の緩急を付けるのにぎりぎり許される
範囲の小道具としての使い方という感じ
でもありましたけど。

それにしても2幕は時間通りで良かったです
よね。1幕と同じペースでやっていたら
きっと間に合っていないかと(笑)。

投稿: ひろき | 2011/11/26 02:09

やはり第三舞台に出演だったのですね。
チケットがうまく取れるといいのですが
HOBOも、バッテングがないといいですね。
ROAも、再演ありかも
ラヴレターズ、1日だけなのは残念でした。
はじめあまりにも静かな雰囲気だったので
びっくりしましたが、由美子さんは朗読とはいえ、抑揚をつけたり子供時代も声を変えたりさすがでした。
違う人とのコンビでも、見たいです。さしずめ私の好きな堺さんなら尚いいですが
あり得ないですけどね。

投稿: てるてる | 2011/11/27 17:52

来年の予定は
『リンダ リンダ(再演)』
松岡充/伊礼彼方/星野真里/高橋由美子/丸尾丸一郎/大高洋夫
2012年6月中旬~7月中旬 紀伊国屋サザンシアター
7月中旬以降大阪ほかツアー公演予定

とのことです。紀伊国屋サザンシアターってどこにありますか?

投稿: てるてる | 2011/11/27 18:14

てるてるさん>

お世話様です。
情報ありがとうございます。
この感じだと、地方が大楽ですね。

東京公演の紀伊國屋サザンシアターは、
東京メトロ新宿三丁目駅と繋がっている
高島屋新宿店(タカシマヤタイムズスクエア)の7階にあります。
駅としては代々木駅の方が近いんですけどね。

といいつつ、実は行ったことがない劇場なのでそちらでも楽しみです。

投稿: ひろき | 2011/11/28 01:18

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