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2011年7月

『リタルダンド』(3)

2011.7.31(Sun.) 12:30~15:10
パルコ劇場M列30番台前半(上手側)

東京楽、終わってしまいました。

楽という感傷に浸るでもなく、いつも以上に素晴らしい舞台を見せてくれたカンパニーの奇跡にただただ感謝、そして拍手。
前日までの芝居を決してなぞらず、今日だけの芝居を追求して、それでいて作品の軸は全然ぶれないのが、この強者揃いのカンパニー。
普通、楽って思い出作りみたいなところがあるのに、自分が見た4回の中でも文句なしにベストな芝居の回でした。

前回、お芝居語りが中途半端になっていて気になってはいたのですが、何しろ書く時間がない!今日はその辺を何とかすくい上げたいと思います。
(カーテンコールレポは後半に)



●アトランダムの悲劇
今回の舞台で取り上げられているアルツハイマー病、劇中では「新しい方から記憶が失われていく」と、その病気を過去取材したことがある泉が(ストーリーテラー的に)語っていますが、この病気の「難儀」なのが、「記憶の重要度で忘れられるかどうかが決まる」わけではなさそうなところ(論文を専門に読んだわけではありませんが)。

高橋由美子さん演じる吉野が、編集長に対して(そういえば吉野は「潤治さん」とは絶対に呼ばずに「編集長」と呼びますね。決めている境界線がそこにはあるのでしょう)「私は新しい?古い?」と問いかけるシーンがあります(ここの笑いが日々減っていったのは、リピーター率の高さを物語ります)。

これは「新しい方から記憶が消えていく」と泉が言ったからではあるのですが、どうも吉野は「新しさ」や「古さ」やましてや、「重要さ」で記憶が失われるのが決まるわけではない、というのをある時点で悟ったようなところがあります。

ある時点というのは2幕で伊礼彼方君演じる藤原と一緒に歌い上げるあのシーンかなと思うのですが、あの前で編集長にとっての吉野の記憶は、「吉野にとって大切な一夜」はもう消えていて、どんなに自分が思っても、でも編集長の記憶からは消えてしまう・・・そんな吉野にとっては、「自分が重要な記憶じゃないから忘れられる」”わけじゃない”ことは、ちょっとだけ救いだったのかもと思ったりしました。

むろん、忘れられたくはないのはもちろんで、それを演じる由美子さんは本当に全身で表現されているのだけれども、「忘れたくない」と編集長に言ってもらえたことはせめてもの救いだったのかなと。

何しろ、すぐそこには「前妻の名前で呼ばれ続ける洋子さん」がいる以上、立場上あらゆる意味で吉野は自分の気持ちを出すわけにはいかないですからね(二重三重にきつい立場だなと)。

今日見ていて気づいたのですが、吉野が「吉野姫」として編集長の中に記憶が残っているのに対して、実は藤原は既に忘れられているようなんですね。「おたくもどうですか」って編集長から話しかけられたときの藤原演じる伊礼君の表情がもう・・・・

吉野ばかりを見ていたあの曲なのですが、実は藤原の心の叫びも同じ内容でリンクしているのを感じるにつけ、より重層的に叫びが聞こえてくる気がします。

●女の対決
この作品、7人の登場人物中の女性は2人ですが、一路真輝さん演じる洋子と、高橋由美子さん演じる吉野の関係は摩訶不思議の域を軽々と超越します。

吉野「私は編集長とは長い付き合いです」
洋子「吉野さん、何が言いたいの」

ここで吉野は直接対決を回避するのですが、楽で印象的だったのは、2幕で潤治が洋子にあてたラブレターを、洋子が吉野に渡すところのシーンが、どことなく「洋子は『吉野と潤治の関係』に気づいている」ように見えて。
それを受けてなのだと思うのですが、吉野も「洋子に気づかれたかのような焦り」を見せていて。

ただ、洋子も吉野を責める様子は見せないところがいいなって。
本妻と愛人なのに友情が成立してそうな、洋子と吉野の関係は不思議なのになぜか暖かい。
一緒に潤治を支える同志というのか。
一路さんと由美子さん2人が修羅場になってるのを見てみたい気もしないでもないのですが、この作品はこれでいいです(笑)。

吉野見てて凄いなと思ったのは山崎一さん演じる洋子の弟・義男が離婚届を潤治に書かせようとする時に本気で止めに行っているところ。潤治と一緒になりたければ、洋子と潤治が離婚するのは必須条件なのに、それと反する行動をしているところが。

既に潤治はかなり症状が進行しており、「私は洋子さんのようにはできない」と吉野が白旗を上げている点はあるにせよ、それでもまっすぐに洋子のためを思って(むろんそれは編集長のためという前提がある)阻止に行く吉野は、「女の中の女」だと思うのです。

洋子と吉野の、潤治を支える様子って、時にどちらかが外側になるのですね。洋子が吉野を含めた潤治を包み込むときと、吉野が洋子を含めた潤治を包み込むときと。これがいったりきたりするからこの作品は温かいのかなと。

「あんたが取り乱してどうすんのよ!一番辛いのは洋子・・・」
と吉野が言葉を切るシーンがあるのですが、ここで洋子さんが「ありがと。」と答えるのセット技で大好きなシーンです。もう2人ともイイ女過ぎて絶句します。

楽は後方側の席だったので、視界がかなり開けていたのですが、そのために見られたとあるシーンに鳥肌が立ちまして。

アルツハイマーが分かったとき、潤治に対して洋子が「大丈夫よ、やれることはたくさんあるはず、一緒に頑張りましょう」と言うシーンがあるのですが、位置関係的には下手側から潤治、洋子、吉野が一直線に並んだシーンが見えて。

実はこの言葉を掛けているときの最初は、吉野は笑顔で微笑んでいるんです。「私もいるからね」と言うかのような。でも、洋子の言葉が進むにつれて、みるみる表情が暗くなって、「私は編集長を直接支えてあげることは出来ないんだ」という表情になるのがもう見ていられなかったです。

●この日の日ネタ
ちょっと重く語り続けたところでブレークタイム。
東京楽日の小ネタです。

・潤治&泉のグーパーシーン(←そんな名称じゃない)

 吉野「何やってるんですか」
 泉「ほら、怒られたじゃないですか私が」

 ・・・なんか吉野に怒られて1%だけしょげる泉って図式は好きです(笑)。
 あ、藤原は99%しょげるわけでそれも羨ましいですけどね(こら)。

・洋子の弟・義男が最初に来たときの、吉野とのシーン。

 義男「『リタルダンド』ってどういう意味ですか」
 吉野「だんだんゆっくり・・・という意味です」
 義男「何が?」
 吉野「いや、音のテンポが」
 義男「あぁ」
 吉野「いや、他に何が」(会場内小笑)

 由美子さん、自由ですな、中の人の名前通りで。

・編集長と藤原のシーン。

 潤治「『馬鹿野郎』」と言って藤原に物投げる(笑)
  ひとしきり会話して、
 藤原「(編集長に物投げる)」

 ちょい噴いた。

・藤原と泉のシーン。
 いつもは手ではたいている泉が、何とこの日は足で蹴りつけました(笑)。
 マジ痛そうな藤原の様が会場の笑いを誘っていました。
 なんか反撃が空振りに終わってましたが。

・ホントいつ考えるんだ
 この日の吉野姫オンステージは「ゴーゴーダンス」。
 激しく手を突き上げ、会場内の爆笑を誘った後、手が首にめりこんだというオチを作って仕上げていました。

 潤治「お前何かやったろーーーーーーー!」

 はい、お約束完了(笑)

 もう一個の日替わり。

 泉「そういうことやってると婚期逃すよ」
 吉野「『うぉーっ』(と言いながら鞄を投げる)」
   「婚期ってそれが何ですかっ」(笑)

 ・・・ドスが入ってて笑っちゃった。
 そんなリアルさはもうそろそろ卒業していいんじゃないかと・・・
 結婚しないの?(笑)

●そういえばようやく気づいた この作品の後半、洋子のことを「恵」と呼び続けていた潤治。でもメモをまき散らしたそのメモからは、「洋子」の名前がたくさん出てきて・・・

 メモがいっぱい貼られて増えていたから気づきませんでしたが、実は「潤治が持っていたメモ」は泉に促されても手から離そうとしなかった。でもまき散らしたメモから「洋子」と書いた名前がいっぱい出てきたということは・・・

 潤治にとって「洋子」が「忘れたくない記憶」だったからというのは前々回に書いたのですが、そのメモを握りしめていたということが、二重三重に重くて。

 「洋子」と書いたメモを握りしめていた潤治だから、「この人が大切なんです」って叫びはより大きくなるのかなと、そう思ったのです。



そしてこの日は特別カーテンコール。
予定されてはいなかったですけれども、客席の大きな拍手のもとに突発開催決定。


鋼太郎さん「では家内から一言」
一路さん「ええっ」
伊礼君「では私が」
一路さん「(膝から一気に崩れ落ちる)」

というコントで始まり。(←コント違う)
(一路さんは完全にハプニングだったようで、舞台反対側の由美子さんが心配するぐらいの派手な崩れ落ち方でした。)

一路さん「これだけのメンバーでございますので、せっかくですから皆さまお一言ずついただきたいと思います」(会場内拍手)

松下君「素敵な作品に関われて毎日毎日幸せでした。名古屋大阪もございます。お時間のある方はぜひおいでください。ありがとうございました。」

伊礼君「ご観劇ありがとうございました。(鋼太郎さんから『伊礼は台本ないもんな』って突っ込みが入って)。ありますよ!台本通りじゃないですか!(一路さんから『台詞増やしてもギャラはね』)『ギャラ増えない』とか言わないで下さい(笑)」

しんぺーさん「(飄々と)ありがとうございました。」←何か言ってた気もするけど記憶から飛んだ

由美子さん「(一路さんから振られてしばらく気づかず)あ、私か。えーと(と言っていると隣の山崎さんから『まきまきっ』という手振りが(笑)・・・ありがとうございましたっ!」

山崎さん「初日地震で、今日の明け方(3時54分の福島県震度5強)も地震がありまして、今日も心配したのですが、無事終わって良かったです」

一路さん「全ステージ演奏していただき、全曲の作曲もしていただきました。荻野清子さんです」
荻野さん「毎ステージ、素晴らしいキャストの皆さんと一緒に演奏できて幸せでした。ありがとうございました。」(そういえば、初めて生声を聞きました)

一路さん「鋼太郎さんがあまりに自由なので、みんな一致団結して対抗していました(笑)。ありがとうございました」

鋼太郎さん「自分にとって忘れられない作品になりました。この病気になったらこの役も忘れてしまうんだろうなとは思いましたが(苦笑)。ありがとうございました」

※この前に、鋼太郎さんが客席を走り、客席のG2さんを壇上に上げてました。
実は、自分の1列前の下手端でした(L列31番)。

G2さん「演出家の特権で、この芝居を何回も、70回近くは見ているかと思いますが、未だに鳥肌が立ちます。この素晴らしいキャスト、スタッフワークにたくさん刺激され、そしてお客様からのエネルギーもいただき、演劇の醍醐味、素晴らしさを感じることが出来ました。ありがとうございました。」


4回あったカーテンコールもこの後1回の呼び出しをもって幕。由美子さんが楽しそうにスキップして出てきたのがツボでした(そういえば1回はガッツポーズもしてた)。わかりやすいお方です。

そういえば由美子さんがVサインしてて何かと思えば、客席後方にカメラらしきものが・・・・DVDの特典映像化に期待です。

舞台としても素晴らしかったし、カーテンコールもカンパニーの仲の良さ全開、誰もがやりきった爽快感とともに終わった東京楽。名古屋・大阪公演も、ぜひこの勢いで突っ走って欲しいものです。

あー、大阪遠征決めておいて良かったっ。

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『新妻聖子ライブ 2011』(2)

2011.7.30(Sat.) 17:30~19:40
横浜・関内ホール 1階27列30番台後半(上手側)

今年のライブもここ横浜が最終地。
飯田、江東、立川と巡って横浜。
前者3箇所が労音主催なのに対して、横浜はTBSラジオ主催。
だからあそこまでTBSラジオ出まくりだったのですね。

江東以来2箇所目ですが、相変わらずお客さんの年齢層が高い高い。
新妻さんより7つ上の私ですが、下手すると若い部類に属します。

セットリストは既に新妻さんblogにも発表されていますが、
すごいのがこの会場、会場内にセットリストが掲示されています。
しかもアンコール2曲まで掲載されています(笑)。

「A」とか「B」とか「C」とか書いてあるから何かと思いきや、
真下にアルファベットとCDジャケットの対照表があります(笑)

こういうところに気がつくのは新妻聖子姫でしょうな(爆)



慣らし運転で始まる今年の新妻聖子ライブ、
トークエンジンが掛かり出すのがM3の前、
「新妻聖子がいかに大人げないかを自ら宣言する件」ですが(笑)、
「サウンド・オブ・ミュージック見た方」への拍手を聞いて一言、「はい、想定内の反応ありがとうございます(笑)」
前回の江東の時よりは意識してトーク短めで、「恨んでないですよ」もこの日はなし(笑)。

その代わりに激走モードだったのがM5「会いたい」の前の、J-POP、歌謡曲の前のMC。
「タイに連れて行かれた姉妹にとって、両親が連れて行ってくれたタイのカラオケが、土日のお友達」という話なわけですが、「当時11歳の私の十八番が、『氷雨』『つぐない』『恋に落ちて』・・・(会場内笑)」

この『恋に落ちて』、実は新妻家4人とも十八番らしいんですが、「誰かがカラオケに曲を入れると、誰が歌うかで争いになり、一度順番抜かされて子供なので大泣きしました」なんてエピソードも。

「母の十八番の『恋に落ちて』はこぶしを利かせるんですよ。『もしも願いが叶うなら~』(以上アカペラ)、今日会場に来ているんで『私が歌いたかった~』って言ってると思うんですが、ゴメンねお母さん(笑)」

「父の十八番は細川たかしさんの『北酒場』なんですが、『きたっのっ、さかばどおりにわっ』ってすごく高い音で歌うんですよ。何と戦っているのかと思うんですが(笑)」

・・・「妹って自由に育つもんなんですよ」って締めが大笑いでした。

歌謡曲コーナー3曲では順調に客席から拍手も上がり、嬉しい限り。
曲目が読み上げられたときに会場の一部から挙がった苦笑も、曲を聴けばお客さんも納得。今回の3曲、絶句するぐらいキュートなのでひっくり返りそうになります。

本格派の曲ばかり歌ってもらいたくなる気持ちは十二分に同意するのですが、それでもこういう一時代前の歌謡曲、アイドル曲が不思議なまでに嵌る不思議。まぁ、自分のアイドルファン時代とはまずかぶらないので(さすがに新妻さんには似合わない)別物として聞けて楽しいです。

そして新妻さんオリジナル曲コーナーの前に、「姉妹の絆」へ。
「気持ち悪いぐらい仲がいいんですよ。1日3回電話するって普通じゃないんですね、最近ようやく気づきました(笑)」と、江東に比べてちょっと変化球。

新妻さんのMCって、前回までのネタと同じネタを使うときも、なんかその間のお客さんの反応を取り込んでパワーアップする特徴がありまして(笑)、なんかもうカスタマーサポートの理想型みたいな(爆)のがあるんですが。

新妻姉妹がピアノをやっていた話、「妹って姉のやってることやりたがりますよね(力説)」←あぁ浅田姉妹もそうでしたな

「10年やってて『エリーゼのために』の『ちゃらららちゃらららー』しか弾けないんですよ、お母さんごめんなさい」だって(苦笑)。

そういえばお姉さん(新妻由佳子さん)の話をしていたときに久しぶりにお姉さんの略歴が登場。『出版社に勤めてたんですが、私に触発されたのか「歌が歌いたい」と会社を辞めまして。』と言ってました。

この話、AKINA嬢のラジオで話して以来・・・と思っていたら、よく考えたら公開録音でマイクに入らない時間で話していた話でしたので、どうも妹君からこの話が出たのは初めてな模様。

「sisters」は初見の方にはとても評判がいいようで、確かに歌詞がすごくいいんですよね。この姉とこの妹はなんでこんなにピュアに結びついているんだろうと、聞く度に思うのですが(お2方とも人柄がピュアなのも承知しているのですが)、普通、ピュアとピュアなら、だいたいこじれるんですけどね(爆)。

MCで大笑いだったのが「中華街と言えば」というテーマの話なのですが、
「中華街と言っても横浜じゃなくて神戸」だそうなのですが、
『子供の頃連れていかれて、何か虫の居所が悪くて「迷子になってやろう!」と思ったんですよ。』

『あぁっ、子供の頃の話ですよ、時効ですよ、そんな引かないでください~』

と必死で懇願(笑)

「そうこうしてたら本当に迷子になりまして(笑)、びえーんびえーん泣いてたら、通りがかった親切な方がひょいと抱え上げて探していただいて、無事見つかったという次第でして」

・・・・なんか毎回「そんなエピソードあったの」って話がこれでもかって出てくるのは何なんですか(笑)



いつもと変わらない歌声に酔いしれ、江東と基本は同じといいながらも、変化球で変えてくるMCに浸る2時間。

そう言えばこの日はオリジナル曲「未開地」の前に「チャレンジコーナー」説明があり、去年は李香蘭さんの「夜霧の馬車」を歌ったんですよ、という前振りで何とアカペラで一小節(またですか姫)。「DVDに入ってますからぜひお買い求めください」とやらかしていた、相変わらずの営業名手ぶりに脱帽。

それにしても、2度目ともあって女王様ソング「未開地」も歌詞含めて胸に突き刺さってきましたし、『GOLD』は今時点で考えられないほどの完成度(ちなみに演出の白井晃さんがこの日、観客で来られていました)。

今年前半はこの日を区切りにようやく休めるという新妻さん。
年末「GOLD」を控え、ゆっくり休んで欲しいと願うばかりです。
「GOLD」は何しろ伊礼君との共演なので(←伊礼君株急上昇中byリタルダンド)、むちゃくちゃ楽しみです。

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『リタルダンド』(3)

2011.7.27(Wed.) 18:30~21:40
パルコ劇場 1階X列18番

「リタルダンド」と「アンダンテ」は遠い親戚。

・・・と言いたいことをちょっと書いたところで、「リタルダンド」3回目。

この日はcubeさんで取っていただいた日で、なんと最前列どセンター。
複数回観劇のこの作品の中でも最良の席。
(席番まで書いた理由は後述)

16時過ぎにシステム障害が出て、必死で17時30分までかけて終わらせて、後を同僚に任せてパルコ劇場へ。到着は開演2分前で、既に3番扉(上手側前方扉)はクローズしていました。

座ってみるとありえない程の良席で、由美子さんが目の前(笑)。
パルコ劇場では「GOLF THE MUSICAL」以来です。





ネタバレあります要注意



とにかく表情を見るのに遮る物がないから、由美子さん演じる吉野の表情にロックオン。突っ走る伊礼君演じる藤原を「ふじわらっ」と野太く止める吉野の声が大好物(笑)。

ただ止めているわけじゃないんですよね。「あんたの気持ちも分からないわけじゃないけど、それでも今は黙っていなさい」というのをたった一語「ふじわらっ」で表現してるその強者さといったらない。

この作品で興味深いのは、編集長の病気にいち早く気づくのは、妻の洋子ではなく、吉野であること。身内だからこそ、病気の初期症状も楽観的に考えるきらいがある、ことからすれば「近い他人」に指摘される今回のホンは、「あるある」と思うことしきり。

この作品のホンを「病気を知らない人のホン」と言っていた人がいたのですが、洋子さんの母君が亡くなったときに、市川しんぺーさん演じる泉が発している、「ほっとしたんじゃないですか。送る方も、送られる方も」という台詞が、「大切な人を大事に見送ったことのある人」じゃないと出てこない気がして、自分はすとんと胸に落ちました。

鋼太郎さん演じる潤治が、「両親はボケないうちに逝ってくれた。なのに自分は、なんで(病気で大事な人を苦しめているんだろう)」と吐露するシーンも、自分としては納得ができたんですけどね。

前回も書いた吉野の洋子への台詞、「私は編集長とは長い付き合いです」の後の様がとても長くなってて印象的。自分の発言が洋子の疑心暗鬼を生んだことを敏感に察知してからの様がとても「イイ女」で。

その長い間の間に、「今の言い方、洋子さんを勘違いさせちゃった。洋子さんは奥様。私は違うんだから、その立場をわきまえて編集長のことを伝えなきゃいけない」という感情の逡巡が伝わってきて、さすがだなと。

吉野にとって、自分と編集長の関係は誰にも言えない関係だから(ただし藤原は途中で気づくし、泉は前から知っているかのよう。ただし、2人とも吉野にはそれを明かしていない)、編集長の自宅を第二編集部として使うのにあたって、洋子と良好な関係を保つ必要がある、という点は確かに事実なのでしょうが、吉野の感情はそういった発言とは別の次元にあるような気もして。



もう3時を過ぎて今日もあるので、ひとまずは本編後のトークショーレポを。

この日は出演者のみの登場で、上手側から、
市川しんぺーさん、高橋由美子さん、松下洸平さん、そして司会が最下手側の伊礼彼方さん。

伊礼君がひとしきりトークをしているのですが、彼曰く、「今日は最前列の男性の方の笑い声がとても良くてですね」とおっしゃっているのですが、え、最前列に男性って私だけなんですが(笑)。
自分の笑い声が決して小さい声ではないという自覚はあったのですが、まさか四百何人の客席の中での最前列で、舞台上からいじられるとは思っていなくて(爆)、慌てること慌てること。

「笑い声が心地よくて、僕はとてもいい気分です。ありがとうございます」とまで言ってもらえて、なんだかくすぐったい不思議な気分。

スポットライトを浴びるのに慣れてないので(笑)、そんなあわあわしてる客席の自分を、舞台上のご贔屓さんがどう見ていたかを見る余裕はありませんでした(苦笑)。

前回の20日同様、twitterで募集した質問をもとにしたトーク。

伊礼君「司会は昭和の男、藤原役の伊礼彼方が務めます(拍手)」

伊礼君「(由美子さんの服を指して)水玉キレイですね」
由美子さん「(無反応)」
伊礼君「(由美子さんの服を指して)水玉キレイですね」
由美子さん「(無反応)」
伊礼君「(由美子さんの服を指して)水玉キレイですね」
由美子さん「もういいってば(笑)」・・・と、なぜか洸平君を叩く(笑)

うーん、藤原に感心がないリアル吉野ですか(苦笑)。

しんぺーさん「(由美子さんの足を指して)水玉キレイですね」
由美子さん「足は水玉じゃないから(笑)」

松下君「そういえば、コンタクト落としたんですよ」
由美子さん&しんぺーさん「ええっ」
由美子さん「いつ?」
松下君「5場、(由美子さんが)手紙を読んでいるシーンです」
由美子さん「ずっと前じゃん」
松下君「そんな前じゃないですよ」
由美子さん&しんぺーさん「いや、それ大変だよ」

・・・と、2人してソファーを乗り越えて後方に探しに行き客席は(笑)

伊礼君「いやいやお二人戻ってくださいよ」
由美子さん「だってコンタクト高いじゃん(笑)」

・・・戻るときに由美子さんががばっとソファーをまたいで越えたあたり、さすがは元祖オトコマエ女優(笑)

伊礼君「ここまでやってきてどうですか」
由美子さん「先日芝居上で台詞が飛びまして」
伊礼君「あぁ、ありましたね」
由美子さん「しんぺーさんが2回同じ台詞を言ってるから何だろうと思っていたんです」
しんぺーさん「だってこっちが2回言ったら思い出すかなって」
由美子さん「結局は一路さんに助けていただいて。助け合い精神です
伊礼君「何ですかそれ」

しんぺーさん「この作品じゃないですけど、別の作品だと自分が7役やる作品で違う役を演じちゃったことがありまして
由美子さん「(笑)」
しんぺーさん「それでも何とかなりましたけどね」

伊礼君「今回の作品のハプニングはありますか、というご質問ですが」
由美子さん「だからさっき言ったじゃん(笑)」
伊礼君「そうですね(笑)」

伊礼君「アドリブってどんなのありますか、というご質問ですが、今日は初めて拍手が起こっていました由美子さん(の鋼太郎さん笑わせシーン)」
由美子さん「拍手もらって笑ってもらって嬉しかったです」
松下君「あれ、いつ考えてるんですか」
由美子さん「しんぺーさん演じる泉さんと話してるときに考えてます」
伊礼君「えっ、しんぺーさんとそういう相談しているんですか」
由美子さん「いやいや、相談してるわけじゃないんですけど、あそこで自分で考えます」
伊礼君「今日は客席大ウケした後に『首痛い』みたいなアクションしてましたけど、首痛めたんですか」
由美子さん「ウケたのはいいんですけど引っ込めどころがなくなっちゃいまして(笑)、首痛めたことにして終わらせました(笑)」
伊礼君「そういえば今まで考えてきたネタってあるんですか」
由美子さん「どじょうすくいのネタは自分で(前もって)仕込んできた渾身の一作だったんですが、鋼太郎さんがクスリとも笑ってくれなくて玉砕しまして(笑)」

伊礼君「昼公演と夜公演の間は何をしているんですか、というご質問です」
松下君「渋谷の街へ買い物に出てます」
由美子さん「え、外に出るの?」
松下君「出ますよ」
伊礼君「公演と公演の間は仕事の時間じゃないですか」
松下君「だって休憩じゃないですか」
伊礼君「それでこの服買ったと」
松下君「そうです(と服を指して)」

伊礼君「由美子さんは何されてますか」
由美子さん「楽屋で楽しいトークを
伊礼君「どんな話をされているんですか」
由美子さん「内緒(とばっさり)」(笑)

・・・あまりにばっさりで、またもやリアル吉野発動(笑)

由美子さん「でも舞台袖に凄く近いので、大声で話したり出来ないんですよ」
 (と、下手側袖を指差す)
伊礼君「一路さんきっといらっしゃいますよね。一路さーん」
由美子さん「呼んだら出てきますよ(笑)」

伊礼君「しんぺーさんは」
しんぺーさん「我ら3人おじさん陣はそれぞれまったり過ごしてるんですが、隣がうるさいんですよ」
伊礼君&松下君「(笑)」
しんぺーさん「今日は鋼太郎さんが”うるせーぞ!”って一喝して。この2人”黒ひげ危機一髪”とかやってるんですよ(笑)」
伊礼君「松下君が持ち込んだんですよ。」
松下君「なんかテレビの1コーナーみたいな設定で盛り上げたりして」
由美子さん「(笑いすぎ撃沈)
伊礼君「まぁ封印なんですけどね」

伊礼君「鋼太郎さん舞台袖でもう飲んでますよね」
由美子さん「もう?早すぎない?」
鋼太郎さん「(客席から)俺はここにいるよ」※下手側後方。
客席「(ざわめき)」
伊礼君「こちら来ませんか」
鋼太郎さん「いやいや、俺はいいよ」
伊礼君「だってそちらにいらしたら、みんなそっち見るじゃないですか(笑)」
由美子さん「でも鋼太郎さん来たら全部持って行かれるよ(笑)」

・・・さすが分かってますね吉野姫。

伊礼君「出演者の方の意外な素顔というご質問ですが、松下君から高橋さんは」
松下君「そうですねー。お酒をすごく摂取されますよね」
由美子さん「摂取って何(笑)」
松下君「けっこう飲まれますよね」
由美子さん「良く言うよー。2人(伊礼君・松下君)して飲みに付き合ってくれないくせに(笑)」
しんぺーさん「2人は終演5分ぐらいしたら”お疲れさまでした-”って感じだよね」
松下君「そうですね。自分は2分ぐらいですね(笑)」
しんぺーさん「だからこっち(由美子さんとしんぺーさん)と鋼太郎さんでいつも飲むことになるという(笑)」

伊礼君「高橋さんからしんぺーさんは」
由美子さん「や、まんまですよ」
伊礼君「どんなところが」
由美子さん「そうだなー。飲み屋でまんま泉ってシーンがありましたね」
伊礼君「それはどんな」
由美子さん「手当たり次第知らない人を叩きまくってる(笑)」

由美子さん「伊礼君は『抜けてるのに細かい』よね(会場内大笑)」
松下君「わかります(笑)」
由美子さん「細かいこだわりがあるのに
、”そこは気にしないのかよ?”みたいなところが変(笑)」
伊礼君「そうですね(苦笑)」

・・・うわー、由美子さんマジック発動(笑)
酔っぱらったモードの本音攻撃の破壊力は抜群でした。
(注:ミネラルウォーターしか飲んでいません)



まぁそんなこんながあまりにぐだぐだで続いた揚げ句、キューブの”できる男”こと佐々木君が下手側からぬーっと姿を現し(会場内としんぺーさんは先に気づいてたので笑ってた)

由美子さんが佐々木君の名前呼んで「○○君もこっち来て一緒にやろーよ」って言ってたのが仲良しモードでちょっと噴いた(笑)
本音ですか、羨ましいですが何か(笑)



いきなりの佐々木君登場での時間切れ強制切断という無茶筋でしたが、(特に由美子さんが)思ったよりずっとリラックスモードでとても面白かったです。
仲のいいカンパニーのトークショーはやっぱり面白いですね。
20日よりずっと会場内の終演後退席者が少なかったのが印象的でした。

とうとう次は東京楽ですが、芝居面は全く書き終わらなかったので、この後追記するかも。

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LEMON LIVE『TRAIN TRAIN』

2011.7.24(Sun.) 16:00~17:40
下北沢駅前劇場 I列10番台(最後列)

久しぶりの下北。
初めての駅前劇場(当然迷った)。

この作品の存在はキャラメルボックス・前田綾嬢が客演ということでキャラメルボックス公演のチラシに入っていたので、知ってはいたのですが、7月は不意に忙しくなり、チャンスをずっと逃し続けていました。

それが、ひょんなことから再び火が付いて、無理矢理に前日申込での観劇参戦です。
この作品はBOY'S VERと、GIRL'S VERの2種類があって、27日までの公演期間で、もはやこの回しかGIRL'S VERを見られる回がなく(そもそもGIRL'Sの前楽)。

「ストーリーは全く別なので両方見た方が面白いよ」と、両方見た人から囁かれはするのですが(笑)、お目当ては綾ちゃんなので、GIRL'S VERのみを選択。

パンフレットいわく「キャラメルボックスの最終兵器」と書かれている綾ちゃん。
あの岡達を(役の上とはいえ)怯ませる存在。
直近作「水平線の歩き方」の阿部知香子先生の暴走ぶりが、まんま今作でも展開します。

妹を演じるのがこれも岡達お墨付きの猛獣(爆)こと野口かおるさん。
この猛獣の暴走を、止めるのが姉なはずなのに、姉も実は超暴走で、この2人の掛け合いは大笑いしました。なんか暴走でも違う印象ありますけどね。
妹役のかおるさんは蒸気機関車、姉役の綾さんは電気機関車みたいな違いが(←鉄っちゃん以外にその喩えは通じるんだろうか)

妹の日記をずっと隠し読みしてたのを自らバラして、「姉と妹の間にプライバシーなんてもんはない!」って力説する姉属性の綾ちゃんがツボ(笑)。

妹の暴走を止めようとして姉が座りながら妹に引きずられないように踏ん張るのがなんか面白い。

私の知る限り、舞台上で早口言葉選手権をさせたら優勝は綾ちゃん以外いないと思う(笑)。
今回も何ですかあの台詞の量と、それを一切噛まずに笑いを取るあのエネルギーは。

そうそう。ストーリーを一切話していませんでしたが、結婚式に参加する人たちが乗る「ウェディングトレイン」の中の出来事、それも「結婚式に行きたくない人たちのちゃんちゃんばらばら」をエピソード化しています。

何故みんなしてこの列車に乗っていて、そして何故みんなして結婚式に行きたくないのか・・・それぞれの恋愛のトラウマを、お互い「干渉し合わないで聞き流し」ていくのですが、この作品のポイントは、GIRL'S VERでは、男性は一人ということ。(逆に言うとBOY'S VERは女性が1人)

これ、多分BOY'S VERの方が想像が付きやすいんですが、「皆の言っている『彼女』が、実はすべて同じ人だった」って形(遊井亮子さんが演じています)。

ということでGIRL'S VERも、「皆の言ってる『彼』が実はすべて同じ人だった」がオチなのですが、これが随分後半部分まで引っ張るんですよ。
この「ウェディングトレイン」が着く町(そういや、車掌役になったときの山本芳樹君が「椿山荘と雅叙園が一緒になったかのような町」と表現してて意外にツボだったんですがみんな笑ってなかったなー自分の笑いの沸点って低いのかなー爆)に着くまで実はその話は気づかれていなくて。

途中、姉妹の暴走対決が落ち着いた後はちょっと間延びするような感じもあったけど、クライマックス10分は見応えあったなー。

女5人がいて、そのうち1人が結婚しようとしている相手が、実は他の4人の思っていた相手だったとすれば、リミッターの切れた女のすることと言えば・・・・ってのが余りに容赦なくて、他人事だという前提で笑える。

この作品でその婚約者役をやっている遊井亮子さんは、要約すれば4人に吊し上げを食らうのですが、その4人、みんなお面してて「死ね死ね団」みたいになってて笑った(←このセンスもどうかと思う)

とある少女漫画でこれと似たようなシチュエーションのがあって、モテ男が惚れられている女性がいて、でもその女性は「愛されているのが当たり前」のような顔をしているのが、同じ男を好きな他の女性にとっては許せない、みたいな話があったんですね。

この作品では、クライマックスで、一人ずつ自分の思いをヒロインにぶつけて、でもなよっとしているように見えたヒロインはことごとくその攻撃を跳ね返すんです。

遊井亮子さん演じたその女性のその様がとてつもなく格好良くて、自然に「うわー、こりゃかなわんわ」みたいになるのがすごく説得力があって。
逆にヒロインの女性にしてみれば、ともすればなよっと、ふわっとしていた印象だったのに、それでも「自分の大切な人のためには負けられない」という思いが、勢いが見えて、とても素敵でした。

4人それぞれが大事にしていた思い出の、更に上を行かれたことでの納得というものが、4人での「復路での乾杯」なのかなと。

よせばいいのに妹君が「完敗に思えちゃうよね」と言い出してみんなが凹むのも面白かったですが(笑)。



カーテンコール挨拶はお2人ずつの三方礼(駅前劇場は三方向に座席があります)の後、円城寺あやさんの「アンケートよろしく、パンフ買ってね、夜もよろしく」説明があった後、この日は遊井亮子さんがその後のコメントを担当。

「何言おうかなー。先ほど円城寺さんもおっしゃってましたが、19時30分からもう一つのバージョン、BOY'Sがあります。BOY'Sもうご覧になった方、どのぐらいいらっしゃいますか?(客席からいくつか手が挙がる)ありがとうございます。まだご覧になっていない方はぜひ、そしてもうご覧になった方はまたぜひ。。ステージから皆さんお一人お一人の顔を覚えております。あの方はいらしてる、あの方はいらしていない、みんな分かります(笑)。ぜひ、夜の部もお待ちしております。本日はありがとうございました。」

・・・・やっぱり女優さんって基本オトコマエなのね・・・・

と言いつつ、シバかれるの覚悟で夜は見ませんでしたが(爆)。

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『新妻聖子ライブ2011』(1)

2011.7.23(Sat.) 17:30~19:35
ティアラこうとう(江東公会堂)1階E列30番台後半

飯田・江東・立川・横浜と4回開催される「新妻聖子ライブ2011」、この日は2日目(首都圏初日)。元々この日しか行く予定を入れていなくて、話をしたら興味を持った妹を連れて会場のティアラこうとうへ。

午前0時頃、ご本人のblogでセットリスト発表大会が勃発しまして、見ない誘惑と戦うのが大変でした。つか見ないことにしていましたが、もともとラジオなどで曲目はぱらぱら出ていた上に、今回のupでtwitterでみんながRTしまくって、そのたびに1曲ずつ曲目が挙がってくるもんで、結局開演前に半分の曲目が分かっていました(笑)。

○セットリスト
1.アヴェ・マリア(シューベルト)
2.Somewhere(ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」★)
3.自信を持って(ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」)
4.夢やぶれて(ミュージカル「レ・ミゼラブル」)
5.会いたい(沢田知可子)
6.懐かしのJ-POPメドレー
  恋のダイヤル6700(フィンガー5)
  ペッパー警部(ピンクレディー)
  恋のバカンス(ザ・ピーナッツ)
7.ラ・マンチャの男(ミュージカル「ラ・マンチャの男」)
8.Sisters(新妻聖子)
9.愛をとめないで~Always Loving You~(新妻聖子)
10.You Raise Me Up(シークレット・ガーデン★)
11.True Colors(シンディー・ローパー★)
12.虹のかなたに(ミュージカル「オズの魔法使い」)
13.未開地(フランスミュージカル「クレオパトラ」★)
14.アンダンテ(新妻聖子)
15.GOLD(ミュージカル「GOLD~カミーユとロダン~」)
16.うちへ(ドヴォルザーク★)

 ★印の曲の日本語詞は構成の小林香さん。

アンコール
17.命をあげよう(ミュージカル「ミス・サイゴン」)
18.make our garden grow(ミュージカル「キャンディード」)



ドラロマメンバーことゴレンジャーからは、彩吹さんからお花が、知念ちゃん、Jkimさんは会場にご来場されていたそうです。(王子は公演中ですね。)

ティアラこうとうは音響が良くて、新妻さんの伸びる歌声がまさに染みこむように入ってくる幸せ。M4は何度も帝劇で聞いた曲ですが、せっかくだからやっぱりこういういいホールで聞きたいもの。

2曲に1回MCが入る構成という新妻聖子ライブの基本形は今回も踏襲されていますが、いつも以上に歌声が滑らかで素晴らしかったのに比べると、MCは最初は奇妙なよそ行きモード。リピーター系は横浜(関内)に集中したのか、最初は調子をつかむのに苦戦していた感じ。

そういえば途中のMCで、途中まですらすら進んでたのに、なぜかいきなり「あれ、次何言うんだっけ?」とプチパニックになった聖子姫にびっくり。今までそんなこと見たこともないのに。
「MCプランががたがたと音を立てて崩れていますが」という発言に、「あぁやっぱり、あれだけのMCをやるにはちゃんとした準備があるんだな」と、当たり前のことに今さらながら気づく。
聖子嬢の魅力はそういう地道な積み重ねゆえでもあるんだろうなと。


M1は東日本大震災もあって、今回のライブの最初は「祈り」で始めたかった、とのことからの選曲。

M2は渋谷にできるミュージカル劇場の柿落とし公演に決まった「WSS」からの1曲。新妻さんの「Tonight」大好きなんですが、まぁゲストを呼ぶプランがないから無理なわけで・・・

M3に入るにあたってのMCの前振りが「今年1月4日にテレビ東京系の『サウンド・オブ・ミュージック』でマリア役の吹き替えやりました」だったのですが、「ご覧になった方拍手を」と言って、その時の反応を見てご本人いわく「3分の2はご存じないということですね、ありがとうございます(笑)」

以前blogにも書いていらっしゃいましたが、「吹き替えが来たときに『やった、あれも歌える、これも歌える』って思ってたら『台詞だけでお願いします』って言われて。まぁ私もいい大人ですから『わかりました~』って言って吹き替え場に行って、『あ、この曲なら私歌えますよ』と言ったりしてたんですが『いえいえ大丈夫です』って言われて(会場大笑)」だそうで、「それならここではがっつり歌ってしまおう」ということで、この曲。新妻さんがこの作品で一番好きな曲だそうです。てっきり「サウンド・オブ・ミュージック」や「私の好きな歌」あたりが来ると思っていたのでちょっと意外。

歌い終わってからも「別に恨んでないですよ」って弁解してましたが、姫、それはいまさら言うだけ無駄です(笑)。

M4は毎度恒例の「レミゼから私の人生が始まった、そんな感じ~」の初心者向け説明(爆)終了後、ファンテーヌ役への役代わりの話を。「今までの役(エポニーヌ)から代わって、ファンテーヌになったら見える世界が全然変わった。ロンドンオリジナル版最後の時に、『こっちからレミゼを見てごらんよ』と言ってもらえたのがとても幸運でした」というコメントが素敵。

ちなみにここでピエール君の存在について話していましたが、『自称男前女優(←初めて聞きましたがあまりにぴったりすぎる)としては「絶対男になりきろう」と思って、ミュージカルではかならず付ける受信機(女性の役者さんは通常腰につける)を前に付けて演じました。理由は想像にお任せします』には笑ってしまいました。

M5の前にはタイ時代の「家族4人土日カラオケ三昧物語」。土日各7時間、2つのマイクを奪い合う新妻さん一家の中で、「歌が好き」という気持ちが培われたのはいいのですが、一昔前の曲が入ってるカラオケ(いわゆる通信カラオケの前の世代のもの)なので、カラオケの十八番が、新妻さんの実年齢を疑われるようなラインナップになったそうで(大笑)。」
ちなみに例に挙がってたのは「氷雨」「つぐない」「愛は陽炎」でしたが、だから居酒屋ライブやりましょうってば(笑)。

このM5「会いたい」はこの日の新妻さんの曲の中でも一番好きな曲なので、そう本人にtwitterでコメントしたら「この曲好きって言ってくれる人多くて嬉しい」って、初めてご本人からコメントいただいて、とっても嬉しかったです。
(ご贔屓さんのtwitter組お2人のうち、大塚千弘嬢はコメント1回目でご返事いただいて驚喜しましたが、新妻さんからご返事いただくのは実は3ヶ月来の夢でした・・笑)

何というのか、新妻さんの歌い方って、明らかに3~4年前と変わってて、以前は「歌が上手い」のは確かにそうだったんですが、言い方に難があることを覚悟して言ってしまいますと、歌の上手さで曲と客を力で納得させるようなところがあったんですね。
そうじゃないと自分の歌手としての存在が危うくなるような危機感、というのかが。

でも最近の新妻さんは歌手としての立場がそうさせるのか、ご本人のキャリアがそうさせるのか、色んな意味で余裕を感じるんですね。特にこの「会いたい」という曲では、新妻さんの今の女性としても歌手としても、懐の大きさを理屈じゃなく表現している気がして、それがとても素敵に思えて。

M6からはその「往年のポップスシリーズ」。「J-POPシンガーになるのが夢だった」新妻さんにとっては、苦手のダンスがあるとはいえ水を得た魚というか歌を得た姫というかなのですが、今回は振り付け師さんが上手いのか、「ダンス苦手なんて全然思えない」風な構成で、結構楽しめました。

というか、入る前の新妻さんのMCで、「3曲ともテンポが違いますので、皆さまのキャパシティの中でノってください」には相変わらず笑ってしまった。会場内もこの辺で新妻MCマジックに呑み込まれてきた感じです(笑)。

前方列は労音関係の招待なのか月例会なのかわかりませんが、余り拍手がなかった分、自分の列あたりからが拍手のスタート点で、この曲あたりからもう気にせず盛り上がり始めました。

M6からは着替えてボーイッシュモードに入れ替わっての、真打ち登場のM7。
「生オケ前以外では絶対に歌わない」と宣言している「ラマンチャの男」。
生で聞くのは3回目(ドラロマ→ドラロマW→ライブ2011)ですが、いやもう、言葉が見つからないですよもぅ。

終わった後「ラマンチャの男は舞台版では松本幸四郎さんが演じられています。来年帝国劇場での上演が決定しておりますので、舞台版に興味を持たれた方はぜひ帝劇へ」と宣伝してたのにわろた。あなたは東宝の営業担当さんですか(笑)。

そういやある人が「ラマンチャの男に新妻さん出ないかなー」ってつぶやいていて噴いたのを思い出します。

余談。ここでラマンチャの時の佇まい見てたら、なんか演出・構成の小林香さんに見えた瞬間がありまして。イメージかぶるんですよね。
芯が鉛筆の4Bより太くて、頑固な感じが(苦笑)。

M8は実は何気に「ボクっ子song」の「sisters」。「会場内のどこかで姉がにやにやしていると思いますが」という振りも笑いましたが「嘘っぽく聞こえますが姉妹とても仲良くてですねー、1日3回電話するんですよー、えー、会場内失笑ですか(笑)」、でしまいには自らの発言の正当性を確かめるべく(笑)、バックバンドメンバーに聞きに行く。

ピアノ進藤さんは「一人っ子です」、バイオリン帆足さんは「一緒に暮らしてます」って返事まで来たところで「あぁそうですか」と本人諦める(笑)。

あぁ漫才が絶好調・・(笑)

M9は知名度的に今回の曲の中で一番高いのではないかという、NHK木曜時代劇「陽炎の辻」主題歌、なのですが作品名を言わなかったのが実は意外だったりしました(←変な関心の仕方だ)。

M10はご存知イナバウアーソングですが、新妻さんの伸び伸び歌う声が本当に心地よく響いて、もうなんか歴史変えちゃうんじゃないか的な声の伸びに感激。
ドラロマWでは知念ちゃんのソロだったので、新妻さんで聞いてみたかった夢が叶って何より。

M11もドラロマWからのスライド曲ですが、もうなんつーか、小林さんのこういうところはもう脱帽でしかありません。

そしてM11からM12の間に3着目の衣装へ。先日のNHK「歌謡コンサート」で着ていた真紅のドレスに衣替え。

今までは休憩が間にはさまって、歌姫がお腹を満たす時間もあったのですが、今回は休憩なしのノンストップ。

このあたりだったかと思いますが、去年12月「プライド」からの怒濤のスケジュールをつぶやいた上で「8月は休みもらえます!というか休みもらいます!というかそのためにここで宣言します!」には噴いちゃいました。

たしか今年前半、6月だかに初めて1日オフもらえたって話でしたっけ・・・

「8月が世間では夏休みまっただ中でかぶることに気づきまして(笑)、大人しくしてようかと思ってます」だそうで。でも姫、たしか富山と刈谷に行くご用事ありましたよね・・・(爆)

「こう見えて私、手がかかる子でして。すぐお腹空かせますし(笑)、思われてるより体力ありませんし、皆さんに支えていただいて生きています。ありがとうございます。」というのはとっても意外でした。タフネスウーマンってイメージばかりが先行しておりましたもので。

M13は小林さんお得意の、「勝手に設定だけ膨らませちゃいました」ソング。
姫ご本人いわく、「私は世界征服を果たした女王。鋭い眼光で次の狩り場を探す」みたいな設定だそうですが、何というか男たる私的には新妻さんのああいう女王様気質ばりばりの威光は何より大好物でして(笑)、あの「誰一人逃がさない威圧感満載の女王様」はもう、ひれ伏すしかありません(大笑)。

ご本人は「ちっちゃい女王様ですけど」と余分な一言で笑いを取ってましたが(笑)。

クレオパトラかぁ。昔、「P&A」(赤石路代先生)という作品で「クレオパトラの瞳」という副題の回があって、両堂沙都香(十文字花菜)という生徒が演じる「男を意のままにする、クレオパトラの瞳」という話があったのですが、主人公・小早川志緒役を笹本玲奈さん、ライバル・両堂沙都香役を新妻聖子さんでやって欲しい夢があったりします。
まぁ、「プライド」と関係性が似てますけどね・・・。

この曲は真紅のドレスということもあってか、とてもクレオパトラ風でした。

M14は映画の解説もものすごくシンプルにまとめつつ(正常運用)。

M15は12月にシアタークリエで上演される「GOLD」からタイトルチューンの1曲。
劇中の最後、新妻さん演じるカミーユ・クローデルが自らの一生を振り返り、(新妻さんの発言を簡明に要約すると)「我が人生に悔いなし」という曲だそうですが、日本語詞が上がったばかりだそうなこの曲、フランク・ワイルドホーンの雄大な世界観に、新妻さんの歌唱力・演技力があわさって、え、開演4ヶ月前、稽古も始まっていないのにこの完成度なの、ってぐらいに素晴らしい曲に仕上がっていました。
うわー、これはもうありえないぐらいに期待です。

M16の童謡で締めた後はアンコールへ。

相変わらず無茶苦茶なエネルギーを要することをもはやまったく気にしていない、鬼軍曹・小林香女史と、それに怯むことすらしない姫・新妻聖子さんの最強タッグが、アンコールさえも無茶選曲を可能にしていまして(爆)。

M17はもはや新妻さんじゃないですね。キムです。キムだけはやっぱり別格ですね。
新妻さんの役としても別格かと思いますが。もう見られないのかなーと思っていたので、ここで聞けてとても嬉しかったです。

M18は新妻ライブEDの定番曲となりつつあるこの曲。「自らの土地を耕そう」という気持ちは、今の日本に一番合っていると思う、という新妻さんの言葉は、この曲の素晴らしさと相まって、初めて聞いた人にも間違いなく伝わっただろうと信じられるぐらい、感動的なフィナーレでした。

そして私はタイトルに(1)と付けてしまったと(笑)。

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『リタルダンド』(2)

2011.7.20(Wed.) 18:30~21:35
パルコ劇場B列20番台(センターブロック上手側)

この日は、朝っぱらから大忙しの仕事の中、昼過ぎには笹本玲奈嬢の「ジキル&ハイド」出演情報、その後すぐ新妻聖子嬢の映画主題歌(「とある飛空士への追憶」)発売情報と立て続けに入ってきて、何とまぁ落ち着かない1日でしたが、仕事を何とか終わらせて、駆けつけるのはやっぱりPARCO劇場の「リタルダンド」。

初日以来、二度目の観劇です。

二度目に見ると、やはり初日は緊張のあまり流れてたところも、かなり丁寧に進むようになっていて、さすがに噛む人もほとんどいなくて、一幕終了時点で既に涙腺が危なくなっておりました。

(ちなみにネタバレが豊富に含まれますので、一切の情報を入れたくない方、回れ右でお願いしますっっっ!)




一幕は編集長・潤治が自分の症状に不安になり、また心配する周囲の声もあって病院に行き病名が発覚、そんな中でも妻・洋子を初めとした周囲は、それぞれの立場・思いから潤治を支えようとする・・・・というシーンで、ご覧になる方によって誰に感情移入するかは変わるとは思うのですが、自分的には高橋由美子さん演じる吉野に端っからロックオンなわけで。

彼女はどんな作品でも感情移入できない役作りを絶対にしない人なので、彼女の役作りからストーリーに入っていけば、自然に周囲のキャラも含めて作品が理解できるという、とてもありがたい女優さんなわけです。

今作、男性俳優が5人、女優が2人ですが、実は女性役は3役あります。

一路真輝さん演じる洋子、高橋由美子さん演じる吉野、そして演者がいない恵。

こういったことになると、実は演者がいない役の方が存在感は大きくて、というか言葉だけで語られるだけに、見ている方が想像力を働かせやすい、いきおい大きな存在として闇に在ることになります。

正妻である洋子、過去一度関係を持ったことがある吉野、そして前妻の恵。
その関係において誠に不思議なのが、洋子と吉野の関係です。

吉野は編集長・潤治との仕事関係も長く、あまりはっきりは語られていませんが、実は洋子と潤治は仕事で知り合っての結婚(洋子は撮影関係のコーディネーターとして潤治と知り合って結婚)なので、時系列では洋子より吉野の方が潤治との関係は長いわけです。

洋子は吉野と夫との関係について、疑わないわけではないのですが、それでも吉野が洋子に対してそれをほのめかすのはたったの一回、

吉野「私は編集長とは長い関係です」
洋子「それどういう意味?」

ただ実はここも洋子が単純に気を回しただけで、吉野も実は匂わせたわけではないんですね。

吉野「最近の編集長、ちょっと変です」

と続けたことで、吉野は洋子に対して、あてつけたわけでも匂わせただけでもなく、単純に心配してくれたと思うことで、その後洋子は吉野に対しては、「ライバル」という見方はしないようになります。

吉野も潤治に対しては「結婚しちゃうんだもんなー」と愚痴ってはいるものの、正妻である洋子の前ではそれは一切出さないというのも、それはそれで凄い自制心。

妻の前で自分の存在をそのように見せること自体が、吉野にとっては恥ずべきことだったのだとは思いますが、それ故に自分を自分で縛ってしまい、結局自分の思いはどこにも出せない。伊礼君演じる藤原にそれを気づかれてはしまうけれど、表には出さない。

吉野のどこがいい女かって、藤原への突っ込みのタイミング。

自分の思いを口にできないだけじゃなくて、藤原の勢いも堰き止めている。
言いたいことを言うことは、ともすれば相手を傷つけることになりかねないことを吉野は分かっている。

だけれども、相手をおもいやって言わないこと、それは本当の優しさではないこともある、ということを市川しんぺーさん演じる泉は見せていたりする。

最初は「来るな」とまで言った泉を吉野が認めていく様子というのが、意外に興味深くて、「おおっ」と思ったのでした。

言いたいことを言わずにいた吉野が踏み出した、「社長への直訴への同意」、そして「独立」。
そして、忘れられてしまったと思っていた自分のコアを射貫いた潤治の眼差し。

洋子と吉野が共有していたのは、「恵」という存在への恐怖だったのかなとふと思ったりして。

前妻の名前「恵」で呼ばれ続けた洋子の名前を、「忘れたくない」と書き留めていた潤治。新しい記憶だからこそ、忘れてしまうかもしれない、その恐怖を書き留めることで逃れようとしていたのだと思うと、「忘れない記憶」として存在した”恵”と、「忘れたくない記憶」として存在した”洋子”の違いが、なんだかすごく重く感じてしまって。

では吉野がどっちだったのかというと、「そのどちらでもない」からこその不安だったのかと思う。「忘れない記憶」ほど古くもない、「忘れたくない記憶」ほど新しくもない。

一幕で潤治に対して発せされる「私は新しい?それとも古い?」と言う言葉は、多分演出&演者の意図もあってわざと軽くされているだけに、笑いまで起こるわけですが、その言葉の本当の意味が客席に一瞬で伝わったときの張りつめた空気が、実はこの作品で一番好きな時間だったりします。



この作品、重いテーマの割に笑いがしょっちゅう起こるわけですが、その中でも日替わりメニューなのが、二幕、笹岡家3人で写真を撮るシーン。
カメラマンは藤原が務めるわけですが、潤治を笑わせるためのアクションを藤原(伊礼君)の背後で吉野(由美子さん)がやるんですが・・・

初日はノーマルで、吉野(由美子さん)が背後から近づいて、藤原(伊礼君)の頭をバックで”すぱこーん”と叩いていましたが、あれではカメラのピントがぶれます(笑)。

2日目は行った人いわく、コマネチだったそうです(笑)。

そしてこの日・・・DVD収録日のネタは、何とどじょうすくい(笑)。
超入念に30秒以上やって、会場中の大爆笑を誘っていました。

というか、由美子さん、終えたらすました顔して椅子の方に戻って飄々としていました(私がどうかしましたか、みたいにすっとぼけて・・・笑)が、意識が薄くなってるはずの鋼太郎さんが、吉野を指差して「お前何かやっただろーーーーー!」みたいにやってたのが笑いました(会場内も気づいて笑ってた)。

鋼太郎さん、遊んでるなー。そして由美子さん、流石すぎです。



この日は終演後、トークイベントが開催。
上手側から吉田鋼太郎さん、中央に一路真輝さん、下手側に山崎一さん。
司会はキューブの「出来る奴」(←山崎さん談)こと佐々木さん。

司会からの「私服に着替えての登場です」に初っぱなから「そんなこと言わなくたっていいんだよ」「お前は私服じゃないじゃないか」と突っ込んでいるのは鋼太郎さん(佐々木氏は背広)。

この進行役の方、とても真面目風味なのですが、山崎さんが「出来る」とおっしゃるだけあって、すっとぼけ方が、鋼太郎さん的にとてもいじりやすかったらしい(笑)。

あれだけいじられればあわあわして我を忘れるはずなのに、それでも結構耐えてました。凄いなーと変な感心。

この日は、事前にtwitter公式アカウントで質問が募集され、それに合わせて答えていく形式でした。
(Q:佐々木氏、Y:山崎一さん、I:一路真輝さん、C:吉田鋼太郎さん)

Q「稽古・公演通して、忘れたくない、忘れられない思い出は何ですか」
Y「何と言っても初日の終演直前の地震ですね。続けるかどうするのか・・・あの時は忘れられないです」
I「私も同じですね。あれを超えるものはないです」
C「私は、初日の終演直前の地震ですね(←違うこと語ると思わせておいて同じだったので、会場内に笑い)」

Q「お互い、初印象と共演してみての違いってありますか」
Q「鋼太郎さんから一路さんへ」
C「一路さんは共演させていただく前は、綺麗で、凛々しくて、素敵だなと思っていたのですが・・・・(会場内笑)、共演してみて、既にご存知の方も多いとは思いますが、天然なんですよ(会場内爆笑)」
I「そこまで先に持ち上げなくていいです(笑)」
Q「一路さんから山崎さんへ」
I「あ、完全にこのまんまです(笑)ただ同世代でメカに詳しくないのにipad買ったりして偉いなと思いました(笑)」
C「だってipadって簡単だよ(笑)あれそういえばメールつながらなくなって慌ててたよね」
I「そうそう、大騒ぎしてたよね」
Y「いきなりメールつながらなくなって、G2(演出)に”直してよ”って言ったりして」
I「職権乱用よね(笑)」
Q「山崎さんから鋼太郎さんへ」
Y「・・・・・・・(鋼太郎さんの役者イメージ保持のため省略)・・・・・・・」

役者ってフリーダムだ・・・・。

Q「好きな音楽ってありますか」
I「好きな音楽があるって羨ましいんですよ」
C「というと」
I「15からずっと音楽と言えば「好きだから」より「必要だから」と歌ってきたので」
C「あぁ、『××××××××』とか(曲名自粛)」
I「はい」
C「嫌いなの?」
I「好きですよ! 誤解されるような発言しないでくださいよ(会場内大爆笑)」

役者ってフリーダムだ・・・・。

I「そういえば由美ちゃん、高橋由美子ちゃんとも楽屋で話してたんですけど、『山崎さん、どんどん歌が上手くなってきてずるいよねって(笑)』
C「何を言ってるんですか。私らは芝居でなんとか歌にしてるのに、全然ジャンル違うじゃないですか(笑)」

あ、一路さんも呼び方は「由美ちゃん」で、誰のことか分からないと困ると思って「高橋由美子ちゃん」と付け加えるんですね。
息子さん(某ルドルフ王子)と同じじゃないですかーーー。

※パルコでは女子楽屋で一緒みたいですね。仲良さそうで何より。

Q「最後にお客様にメッセージをいただければということで、一路さんに締めていただきたいと思います。では、まずは鋼太郎さんから
C「えぇぇぇ(会場内爆笑)。一路さんに締めてって言ってなんで俺に来るの?」
Q「いや、最後は一路さんと思っておりますが、まずは鋼太郎さんからということで(笑)」←この人も意外に自由な人だ
C「アルツハイマーがテーマということで、自分も親父がアルツハイマーだったので、写真のシーンでは映った自分が本当に父親に似て見えるんですね。やっぱり身近にそういった人がいると、お客さんの中でも辛い思いをされる方がいるかと思いますが、ただ”悲しい”とかだけではない作品になっているかと思いますので、ぜひそういう方も含めて、お知り合いの方にお奨めいただければと思います」
Q「では山崎さんお願いします」
Y「全く同じなんですけど、色んな方にみていただきたい思いでいっぱいです。そしてなでしこJAPANおめでとう(←いきなり)」
Q「では最後に一路さん、お願いします」
I「はい、今山崎さんからなでしこJAPANの話がありましたけれども、日本を元気にするにはどうしたらいいんだろうかという気持ちに対して、私たちはこういった芝居というものを通じてメッセージを届けていきたいと思いますし、今日来ていただいた方の思いを周りの方にも伝えていただければと思います。映像と比べて限られたキャパシティの中での(メッセージ)発信ということになりますけれど、一人でも多くの人の心に伝えられればいいなと思っています。ぜひ、またおいでいただいたり、お友達をお誘いいただければと思います」

一同「本日は誠にありがとうございました」



という内容で、20分の予定だったトークイベントは、正味25分。
本編も笑い&涙でありましたが、トークイベントは爆笑だらけのけっこう面白い空間でした。
DVD収録日ということもあって、カメラも回されていましたので、特典映像化を期待しています。

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『リタルダンド』(1)

 2011.7.15(Fri.) 18:30~21:10
 パルコ劇場X列20番台中盤(最前列上手側)

 この作品の公演初日は、忘れられない日になりました。

 公演もラストに近い21時。
 その瞬間、座席が揺れました。
 茨城県南部を震源とする地震、東京は震度4でした。

 ご存知の通り、パルコ劇場は渋谷パルコ9Fにあり、東京にある劇場の中では恐らく最高標高の劇場なので、ここで揺れると怖いだろうなーと思ってはいましたが、3月の「国民の映画」では2回とも地震には遭遇せず、しかしこの日はまさかの初日、しかもまさかのラストシーン。

 舞台上の照明が、がしゃがしゃ揺れるのは、震度3ぐらいと、キャラメルボックスの前説と、ラッパ屋の前説で同じことを聞いていたので(笑)、あぁー揺れるなーぐらいに思ってはいたのですが、舞台上も進行は一旦ストップ。

 とはいえわずか10数秒程度の様子見の後、吉田鋼太郎さんの熱演を引き金にしたカンパニー全員の「この舞台をやり切るんだ」という空気、そして舞台上からも触発され、客席が一人も立たず「この舞台を最後まで見届けるんだ」という空気で答えた様子が、なんだか、とっても「リタルダンド」の「暖かさ」というか、一心同体的な感じがしました。
 ・・・というか、「素敵な作品、好きな役者となら、運命は一緒」とみんなが肝が座ってるのはさすがだなと思いました(苦笑)。

 もはや最近は「地震が来ても立たないでその場にいてね(はーと)」というご案内はされなくなりました。
地震が来てから「あぁそういや今日は言われていないな」と思いましたけれども。

 さて、話は戻って本編の話に。

 今作は「若年性アルツハイマー」をテーマに、アルツハイマーにかかるのが雑誌編集長、吉田鋼太郎さん。その夫を支える新婚の妻が、一路真輝さん。
 その2人を取り巻く人々として登場するのが、雑誌「リタルダンド」の編集部に在籍する女性編集者・吉野役、高橋由美子さん。編集長を尊敬し、吉野に実は惚れている、若手編集者・藤原役が伊礼彼方さん。
 夫婦の息子・恵治役が松下洸平さん。妻の兄が山崎一さん、編集長の昔からの知り合いのライター・泉役に市川しんぺーさん。

 今回の演出・G2さんが、アルツハイマーは「長期間暖めていた間に、他で色々作られてしまって」と後悔の念を言われていましたが、確かに自分もどこかで見たな・・・と思っていたら、壁に貼られていた紙で気づきました。

 あ。「私の頭の中の消しゴム」(天王洲銀河劇場)だ。

 アルツハイマーになった人の、「忘れたくない」という想い、それが「メモ」という形で書き留められる、その光景は悲鳴でもあり、記憶をつなぎ止める命綱でもあるのでしょう。

 シーンを進むごとに吉田さん演じる笹岡から発せられる「今日は何月何日何曜日だ」という問いは、実は季節の巡りを日付で表現しています。最初は3月に始まり、最後が10月なので、ほぼ半年なのですが、実は発症の時点で結婚して半年なので、一路さん演じる妻が結婚してから死別するまでの一年間、半年は幸せであり、半年は「苦しみを共有」した期間なのですね。

 一路さんは「モーツァルト!」名古屋公演以来に拝見するので、6年ぶりですが、本当に「まっすぐ」そして「しなやか」な方だなと。献身的に支える妻にとって、「記憶が抜けていく明確な自覚がない夫」からの、刺さるような言葉に、それでも耐える様は凄いです。むろん、無理した様子を見せまいとしてはいるのですが、女性として、妻として、最も辛い言葉を言われながら、それでも最後の最後まで夫を支え続けたのは、一路さんだからこそ表現できたものと思います。ただ、若干のネタバレにはなってしまいますが、献身的に支え続け弱音を吐かなかった妻が、ただ一度本音を言ったとき、だからこそ、夫は本当の気持ちを返せて、それでこそ妻は救われたのかなと思ったりすると、なるほどと思うところがありました。

 吉田鋼太郎さん。今作同様、G2さんの「MIDSUMMER CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人」のガンコおやじ役で拝見して以来なので2年ぶり。あー、なんか男勝りの看護婦さん(新妻聖子さん)にてやんでい言葉でどやされてたことははっきり覚えてる(←記憶が偏っている自覚はある)
 G2さんが「この役は鋼太郎さんしかできない、60までも待つつもりだった」とまでおっしゃっていますが、実は「若年性」という言葉と鋼太郎さんのイメージが、見るまではフィットしなかったのはちょっとしたひとり言。

 伊礼彼方さん。編集部の若手編集者にして、前述の通り吉野姫(←実はねたばれ)に惚れてる役。えーこのハンサムさんになびかないんだ吉野姫・・・とか思っちゃいますが(笑)、まぁ昭和のテイストだし(←実はねたばれ)、吉野姫は編集長と一度だけ関係があったという設定ですからね。
 動けるし押しもあるし華もある、実は初めて拝見する役者さんですが結構はまりました(笑)
 この方が12月クリエ「カミーユとロダン」の新妻姫(無事、鰻骨姫を卒業)の共演者さんなんですねー楽しみ-。

 山崎一さん。一路さんの兄役で、妹を案じるばかりに笹岡にはきつく当たります。みんなが笹岡に対して「何とか支えたい」という印象が強いのに比べ、1人笹岡に対して敵対イメージなので、異色ではありますが、逆に主人公オール賛辞にならない、貴重なキャラクターです。
 こまつ座「日本人のへそ」以来に拝見します。あぁあの時と全く持ってかぶらない役(笑)

 松下洸平さん。夫婦の息子ですが、笹岡の連れ子で、一路さん演じる女性とは実は直接血がつながっていないという関係。かなり長期にわたり「洋子さん」と言っていますが、父親の様子を見るに付け次第に心が通い合っていきます。
 劇中、一路さん演じる洋子が「父親と息子ってなかなか難しいのねぇ」と呟いてるシーンが、意外なことに自分のツボでした。はい、その通りです。

 市川しんぺーさん。この作品の中で一番の自由人でありながら、吉野姫に「もう来るな」とまで言われながら、実は笹岡の心の中を一番見通せていたんじゃないかと思わせる役。まぁ、吉野姫の中の人が「羨ましい」と言うだけのことはある立ち位置です。
 喩えるならHOBOの有川マコトさん的なポジションですか。

 そしてようやくたどり着いた高橋由美子さん。初日ということもあり、由美子さんにしてはずいぶん噛んでましたが、相変わらず精神的に辛そうな役やってます。というか女性陣お二人、一路さんと由美子さんはふたりともいつ精神病んでもおかしくないような役です(爆)。

 舞台上で「姫」と呼ばれたのは初では(笑)。

 吉野は過去一度だけ笹岡と関係を持ったという設定ですが、記憶を忘れ始めた笹岡に、「私は新しい?古い?」と聞いている様はもう胸が苦しくて。
(若年性アルツハイマーは、新しい記憶から順になくなっていくと言われています)

 一路さん演じる洋子と、由美子さん演じる吉野は、笹岡からある瞬間に、それぞれものすごいダメージを受ける言葉を投げつけられ、身じろぎできずに表情がこわばる瞬間があります。ちょうど、その2人の表情が上手側から一直線に並んだとき、「プライド」の一直線事件(萌&史緒&蘭丸)以来の衝撃を受けました。

 言った笹岡にとっては、何一つの悪意もない。
 その現実を分かった上で、でも自分に投げられた言葉は、自分の大事な部分を刺し貫く言葉の刃。

 洋子と吉野は長い付き合い(だそうです)とはいえ、洋子にしてみれば吉野と笹岡の関係を薄々感じてはいるでしょうし、吉野にしてみれば洋子には勝てないけれど勝ちたい思いもある。

 でもなんだか、笹岡と対する間に、「同じ痛みを共有した同志」なのかもと思えるようになったのが、この2人の関係のとても不思議な部分でもありました。
 一路さんと由美子さんって芝居の相性いいですね(由美子さんは一路さんとの再共演を今回望んだのだそうですが)。

 でもさらにこの2人の関係といえば、2幕後半に出てくる、「リタルダンド」特別編集号実現のための最後の極めつけとして出てくるシーンが・・・・洋子には悪気はないし、吉野にとっても苦渋の思いではあったのでしょう。つか雑誌のためとはいえ、好きな吉野相手にあれはないやろ藤原。あれほど残酷なことはないなと。
洋子も辛いだろうけど、あれは吉野にとっては泣きたい叫びたい思いだろうなと。

 そういえば2幕後半の某シーンで、姫と市川しんぺーさんとやりあう、この作品まさかのコメディーパート(内容的にコメディーって言うと吉野姫に張り倒されそうだな)が会場内の爆笑を誘っていましたが、あぁいうネタで笑いを取る年代なんだよなー。
それがはまりすぎるほどはまっちゃうのも困ったもんだ(苦笑)。

 ちなみに「吉野姫」とは、彼女が新人で編集部に配属されたときに付けられたあだ名。この呼び方を笹岡からされるのが、彼女にとっては実は・・・という件も本当に胸が苦しくなりましたね。

 由美子さんの歌は1曲。伊礼君、鋼太郎さんと声を重ねるところもあるのでソロではないのですが、いわゆる芝居歌系で、多少高音に厳しさはあるとはいえ、説得力はさすがです。あぁいう歌で気持ちを表現するのはお手の物だしなぁ。

・・・・・・

 この作品、笹岡夫婦の半年、を描いてはいるのですが、それぞれの登場人物が、なにがしかの犠牲を払い、なにがしかの苦しみを味わい、その上で次に向かっていく。

 同じアルツハイマーを描いた「わたしの頭の中の消しゴム」よりも、むしろ自分にとってのこの種のテーマの原点、「時の輝き」(映画版)に似た空気をちょっと感じたりしました。

・・・・・・

 この日は、カーテンコール3回目で、鋼太郎さんから振りがあり「妻からご挨拶を」ということで一路さんが代表してご挨拶。

「あの時、誰一人立たなかったのが嬉しかったです(涙)」

 作品の感動もさることながら、あのタイミングの地震で、「リタルダンド」に対する思いが増幅されたかのように、舞台と客席が一体になったかのような不思議な感覚が味わえて。

 一人一人がそれぞれに輝いて、作品も作品で輝いて、それに加えてのこの一体感。
 本編140分が実に短く感じた作品、この作品がリピートできることが、とても嬉しいです。

(追伸)
 いつのまにか白地のチラシが本チラシに。
無事ゲットできましたが、この白地のチラシのポスター、欲しかったな-。売ってくれないかな-。

7/17追記
前日のゲネプロ後の会見記事がupされていました→こちら
相変わらず芝居のことは語らない由美子さんですが。
理屈よりも感性で演じるタイプなんでしょうけれども。

それにしても、大ピンチの一路さんを救った伊礼君。
かっこいいじゃないですか! さすがですね。

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