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2011年6月

『百万回生きたねこ』

2011.6.30(Thu.) 17:30~19:50
東京芸術劇場水天宮ピット最前列

”リーディング発表会”という触れ込みで、「白いねこ」役で笹本玲奈さんが出られるということで、半休取って行ってきました。

急遽決まった発表会ということで、公表自体が6月に入ってからという駆け込みスケジュールでしたが、この発表会の趣旨は『東京芸術劇場×ホリプロで制作を予定しているミュージカル(来年夏、東京芸術劇場中ホールで上演予定)の脚本を使い、脚本ブラッシュアップのためにお客さんからの意見をお伺いしたい』ということでした。

まぁ、事前にそう説明聞いてたら行ったかどうかは微妙ですが(爆)、企画としては嫌いじゃないです。ただ、先に言っておいてねそういうことは(爆)。

原作は絵本で私は未見ですが、未見の人を相手にするのか、それとも見ていることを前提にするのかは、原作物では毎回、観客としては戸惑う部分ではあるわけですが、”ミュージカルにする”を前提にして聞くと、音楽も一部しか付いていませんので、「いかにミュージカルは曲で肉付けされている部分が多いか」というのがよく分かります。

百万回生きた(それだけ死んで生き返ってるってことですが)猫が、それを自慢するかのように「白いねこ」に言うのですが「はぁ」とつれない返事。

あまりにその台詞しかないもんで、何回それ言うのか数えようとさえ思いましたが(笑)。

私は一度も死んだことがないけど、それがどうかしたの」みたいなキャラは、そう考えると玲奈ちゃん向きの役かもしれません(爆)が、いかんせん出番も多いわけではありませんし、今回は歌うシーンは1箇所しかありません。

あと少し気になったのは、後半、「ねこ」が「白いねこ」と結ばれるのですが、そこへの感情の移行が、脚本・演出・演技的にちょっと急に思えた部分はありました。
(あれ、いつのまに夫婦になってるのこの2猫・・・みたいな・・・笑)

玲奈嬢のご本人blogにも載っている白の清楚な衣装は最前列で見られてそれは良かったんですけどね(結局それか)。

70分間の本編終了後は、場所を移してのディスカッション。
実は昼の部はキャストの皆さんもいらしたそうですが、夜は制作の方と脚本3名(そのうちお一方が演出をされています)。

演出をされていない脚本の方が「演出をするわけじゃないから、『カーペットが空を飛ぶ』みたいなシーンもどうやるか考えずに済む」と冗談めかしておっしゃっていて会場の爆笑を誘っていました(笑)

3人の競作で、あまり各シーンの方向性の摺り合わせはされていないそうで、「原作のテイストをすっ飛ばして書く人もいれば、忠実な人もいる。それを揃えるのか揃えないのかはこれからのこと」と、演出氏と東京芸術劇場芸術監督・野田秀樹氏はおっしゃっていました。
(3人のテイストの違いが現れていたか、という質問に対する答えが会場内的には半々だったのは「へー」でした。ちなみに自分は余り感じませんでした。原作読んでいないせいもあるんだと思います)

ふと気にかかったのは、この作品もしや「白いねこ」は玲奈嬢がやるのでしょうか。
何となく可能性が低い気もしてきますが(そんなんさすがに質問では聞けませんし・・・笑)曲が付いていないから何とも言えませんが、無理して玲奈嬢がやる役でもないような気がしました。

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『DRAMATICA/ROMANTICA W』

2011.6.19(Sun.) 13:00~16:00
品川プリンスホテルステラボール
1階C列40番台後半(上手寄り)

※2011.6.21(Mon.) 遅ればせながら多少加筆(写真ページへのリンク追加)

昨年、シアタークリエで行われた「DRAMATICA/ROMANTICA」、愛称「ドラロマ」が早くも再演。

シアタークリエを飛び出し(某王子いわく「追い出され」)3年前の11月に新妻さんがライブを開催した品川プリンスホテルステラボールへ。)、

横に異常に長く縦に短く、そして2階席は某王子いわく「競馬場みたい」(爆)ではあるわけでして、まぁ音響的にはお世辞にもいいとは到底言えないのですが、それでもこの5人のショー、ドラロマをこの時期にやるには、場所についての贅沢は言っていられなかったのでしょう。

ちなみに最初のMCで新妻姫いわく「首が痛くならないように左右に動かしてエコノミー症候群を防止してください」と言うてましたが、某王子いわく「興味ない人の時には首を曲げないとか」・・・まったくこの人は。

一週間前まで本番(レミゼ)をやっていた新妻さん、来月には本番(三銃士)がある井上さん、そしてその2人は稽古か本番とを二重進行という中、何はともあれ何とか形になっていたのは何よりです。

つかこの2人、歌とダンスと漫談までやるから他の方より消費エネルギー大きい気が(笑)。

セットリストです。
○が初演からの引き続き曲、●が再演で初登場の曲です。
ボーカルは、I(井上)、N(新妻)、K(Kim)、A(彩吹)、C(知念)で、ソロと明示されている曲はソロにしていますが、コーラスが入るケースもあります。香盤表がない(爆)ので、所々記憶頼りでアバウトです。

第1部 DRAMATICA

○ 1.Le Bien Qui Fait Mal(MOZART L'Opera Lock)=5人
● 2.Show Me How You Bulesque(映画:バーレスク)=K
● 3.Penser L'impossible(MOZART L'Opera Lock)=I&N
● 4.You Can't Stop The Beat(ヘアスプレー)=A(ソロ)
● 5.Bメドレー
 ● 5-1.Circle of Life(ライオンキング)=K
● 5-2.Can you feel the love tonight(ライオンキング)=K
 ● 5-3.愛あればこそ(ベルサイユのばら)=A
 ● 5-4.Memory(キャッツ)=K
 ● 5-5.今も信じてるわ/命をあげよう/神よ何故?(ミス・サイゴン)
     =順にC/N/I
 ● 5-6.我ら息絶えし者ども(エリザベート)=I&A
 ● 5-7.ママ、どこにいるの?(エリザベート)=I&A
 ● 5-8.DO-DO FOR ME=C&N
 ● 5-9~15.ウェストサイドストーリーメドレー(7曲mix)=5人
 ● 5-16.恵みの雨(レ・ミゼラブル)=N&I
 ● 5-17.彼を帰して(レ・ミゼラブル)=I(ソロ)
 ● 5-18.サンキュー・マダム(シー・ラヴズ・ミー)=C
○ 6.ラ・マンチャの男(ラ・マンチャの男)=N(ソロ)
● 7.Cell Block Tango(シカゴ)=K
○ 8.Cinema Italiano(ナイン)=C&A&I
○ 9.ガブリエラの歌(映画:喜びを歌に載せて)=I(ソロ)
○10.No Me Diga(イン・ザ・ハイツ)=N&C&A
○11.Kissing You(映画:ロミオ+ジュリエット)=C
○12.The Show Must Go On(ムーラン・ルージュ)=5人

第2部 ROMANTICA

・13.Nella Fantasia(原曲:ガブリエルのオーボエ)=5人
●14.回廊(アルビオーニのアダージョ)=N&I
・15.You Raise Me Up(シークレット・ガーデン)=C
●16.Angel(シティ・オブ・エンジェル)=I
●17.True Colors(シンディ・ローパー)=女性4人
●18.To Where You Are(ジョシュ・グローバン)=I
●19.A World To Believe In(セリーヌ・ディオン)=C&I
●20.Wind Beneath My Wings(ベッド・ミドラー)=A&N
●21.V<クインクエ>(ベートーヴェン交響曲第7番・第2楽章より)=5人
●22.Fly (セリーヌ・ディオン)=N(ソロ)
●23.Lean On Me(ビル・ウィザース)=K
●24.Lullaby(ジョシュ・グローバン)=5人

アンコール

珍しく初日も楽も取らなかったので、初日に来ていただいた方には申し訳ございません。・・・というわけで前楽観劇です。
前楽が舞台としては一番いい、と某王子もおっしゃっていたことですし。

ともあれ。

全体的な印象は、1部の「DRAMATICA」の印象が凄く強いので、2部の「ROMANTICA」もそれ単体ではそれぞれいいと思うのですが、最後に何とか盛り返されるといった印象(最後の盛り上がりは完全にライブハウスでした。)

印象が強かった曲をつらつらと。

M3、井上王子と新妻姫の「敵同士の愛」を表現した曲。
この曲に関しては新妻さんblogに載ってる演出の小林香さんのコメントが全てを表現していますがこちら、何というのか小林さんはこの2人を普通の真っ当なカップルとして扱うつもりはもはやないのですね(いや、その方が面白いですけどね)。

ドラロマの稽古場に王子が剣を持ち込んでいて、「いや、ドラロマに剣要らないんじゃないの?」と突っ込んでたら、まさか2人で剣をかわしあうシーンになっているとは。
(ちなみに王子の剣は「三銃士」のものなのかとおもいきや、実は「キャンディード」だそうです)

姫の「女だてらに剣を振りかざし」というところが、姫の背丈もあって剣に振り回されている感もなくはありませんでしたが(身長150cm台の女優の宿命です。)、ああいう衣装、実は大好きです。新妻さん、本当に黒が似合いますね。

ちなみにここに写真が。こちら
(上から2枚目の写真)

※もう一つの写真ページ こちら

M5-4、かの有名な「Memory」です。
新妻さんでも聞いたことがありますが、この曲に関してはさすがKimさんという脱帽モードの曲です。
ちなみにこのあとのMCで「今日のMemoryは自分的には失敗」と直撃本音モードでかまして全員撃沈。姫は「Kimさんの満足と不満は本当に上のところでの差ですよね」と身振り手振りでフォローしまくり。王子は「私がその話を振ったのが失敗です」と(苦笑)。

M5-5.サイゴンからサイゴントリオ3人一斉登場。
下手側に知念キムの「今も信じているわ」、中央に井上クリスの「神よ何故?」、上手側に新妻キムの「命をあげよう」。これを3曲一斉にやるのですからすごいことになるわけですが、3人それぞれお互いの曲に引っ張られないのは凄いのですが、うーん、音響良くないこのホールでそれやると、組み合わせの妙というかが活かされない気がするんですよね。無理して同時にやる必要がないというか、若干企画倒れな気がしないでもありません。

M5-7.子ルド曲を井上君に充てる、というのは実は新妻姫の案らしい(19日千秋楽のMC)。
初演で、リトコゼとリトエポやって「余興」と言われたのが癪だった・・・というわけではないそうですけれども、あれがネタ元らしい。

M5-8.Bメドレー(BとはちなみにBiographyの略で、出演作などの曲という意味)の中では異彩を放つ、知念嬢のデビュー曲。
これ、新妻ファン的にはツボしまくりなんですよ。
他の3人は一歩引いてるのに、知念嬢と新妻嬢が本当に楽しそうに歌ってまして(正確にはご本人の知念嬢が恐縮している中、新妻嬢がこれでもかとばかりにアイドル好きを発揮しておりまして)。

このあとのMCで2人(新妻さん、知念ちゃん)が残されて「どうしようか、ねー」と顔を向かい合わせで頷き逢ったときに、どうしてくれようかと(笑)思いました。
「プライド」で新妻さんと玲奈ちゃんがクリエ楽でこれに近いことされていたような。

M6.大好物続編。
というか直前のM5-18も新妻さんはほとんど最後までいたわけですが、新妻さんといえばラマンチャ、ラマンチャと言えば新妻さん。さすがのシャウトでしたが、新妻さんファン歴がここまで長くなると、今日はほんのちょっと本調子から調子落としてるかな、って感じがしました。
初演と違って、ラマンチャ終わりがMCではなくなったので、王子の黒突っ込みが聞けないのが残念。あれは合わせ技だったから面白かったのに(笑)

M7.この曲の感想は井上王子の声で
「女って怖い」
だけで締めます(笑)。だってそれ以外に何があるんですかこの曲。

※出てくる女性が色んな方法で男を亡き者にするという設定です。
しかもあたかも自分のせいでないような歌詞になってるからなおさら怖い。

M15.知念ちゃんほぼソロの通称「荒川静香さん曲」ですが、実は知念ちゃんってドラロマより前は正直あまり熱心に見ていなくて、複数キャストでも知念ちゃんだけ外してみるってこともよくやってて、多分きちんと見ていたのは2004年のサイゴンと2006年のルドルフぐらい?(ルドルフはシングルキャストですから当たり前ですが)
でもこの曲とM8という知念ちゃんメイン曲はどっちも大好き。
小林さん、新妻さん相手以上に知念ちゃんの光らせ方をよく分かってます。演出家に恵まれるっていいですよね。

M19.井上君と知念ちゃんのまともなデュエットって、もしや今まで「ミス・サイゴン」しかないんじゃないかと思うんですが(「ルドルフ・ラスト・キス」は冷えた夫婦だったので、まともじゃなかった)、改めて聞いてみると聞き慣れないだけに面白い組み合わせだなーと。知念ちゃんが王子に必死についていく様がちょっとキンキン系で辛いけど。

M20.英語で聞かないとこの曲だってことに気づきません(笑)
音楽劇「プライド」で、笹本玲奈嬢演じる麻見史緒と、新妻聖子嬢演じる緑川萌が初めて声を重ねるシーンに使われていた曲ですが、今回、小林さんによる日本語詞がついたことで、実はかなり後半までこの曲だってことに気づきませんでした。
ちなみに彩吹さんがメインで歌っており、コーラスを新妻さんが付けていました。
「プライド」とは当然ながらまるで違う世界、しかも歌詞は「あなたは私のヒーロー」に化けていました(もとの歌詞は「あなたは私の翼」でした)。

写真はこのページの5枚目。壇上がコーラスの新妻さん。

M23.この曲の後半部、上手側階段から新妻さんと知念ちゃんが下りてくるんですが、ここでハプニング発生。
長いドレスの新妻さん、階段でずるっと滑りまして。一瞬ではありましたが、上にいた知念ちゃんが本気で心配してて、遠方から見てた井上君は新妻さんとアイコンタクト。
てっきり井上君はこのネタで新妻さんをいじりまくると思ってたのですが、何一つ触れなかったところに王子の優しさを見たかな。
あぁいうのを笑いでごまかされたい人と、一刻も早く忘れたい人、人それぞれですからね(あえて誰のことを言っているかは伏せますが)
ダンスは苦手な新妻さん(あの完璧女性の唯一の弱点じゃないかと思う)。それだけに疲れは相当足に来ていたようですね。いやぁ、一段落ちだけで本当幸いでした。

M26、アンコール曲では目を疑う光景が。
この曲、自分のソロパートを歌い終わったら客席に降りる、という段取りだったらしいのですが(上手側は井上王子、新妻姫、知念ちゃんが来てくれました)、メンバーが会場一周して、壇上に上がった井上王子と新妻姫が近づいていくのを見てたら、王子ってば姫の肩がっしり掴まえてるし(笑)、ちょっと油断してたら何とまぁ腰に手回してるし(笑)、ひゅーひゅー(←何かが違う)


時間が迫ってきたのでMC編に参ります。

●言われなくても知っているんですけれども
井上君「女性4人の中に男性1人、麗しい女性の皆さまに囲まれて」
新妻嬢「汗かいてますよ」
Kim嬢「口がお上手ですね」
井上君「ミュージカル界一、口がうまいで通ってます
全員 「ほう」
井上君「女性を制する者世界を制するですよ」
全員 「はぁ」
井上君「別に何制しようと思っているわけじゃないですけど」

●本音という名の爆弾
井上君「Kimさん、昨日の『Memory』は最高とおっしゃってましたが、今日はいかがでしたか」
kim嬢 「今日は失敗でした」
全員 「うぁぁぁぁぁぁ」(撃沈)
新妻嬢「Kimさんの失敗は凄く上のレベルでの本当わずかな違いですよね」
Kim嬢 「夜も見てください」
新妻嬢「チケットないです」

●女性に聞いてはいけないこと
井上君「今回のBメドレーでは印象深かったのはどれですか」
彩吹嬢「実はレミは初演を見ているんですよ」
全員 「えぇぇぇぇぇぇ」
新妻嬢「25周年ということですから」(×複数回)
井上君「止めましょうそういう話は
井上君「皆さんはそのころ見てました?」
新妻嬢「愛知県で田植えをしていました」(笑)

●勢いって怖い
井上君「初演がシアタークリエ、追加でC.Cレモンホール、そしてここステラボール。ドラロマは、漢字の付いたホールには行きません!」(笑)
全員 「え、そうなの?」
井上君「いや、勝手に決めたんですけど。次はどこがいいですかね?」
新妻嬢「カーネギーホールはいかがでしょう」(拍手)
井上君「大きく出ましたねー。国際フォーラムとか飛び越えて」
新妻嬢「えぇ、夢は大きく」

●通販番組始まります
井上君「メンバー全員来ているTシャツ、お陰様で完売状態です」
新妻嬢「あぁーーーっ、その話をするの忘れてました」
井上君「あなた、『あぁーーーっ』って何そのおばちゃん風な返しは何なんですか」
新妻嬢「いいじゃないですか。このTシャツ、3色展開です。」(水色、ピンク、黒色)
井上君「展開なんですか」
新妻嬢「えぇ。そしてですね、スタッフの英断がございまして。英断、日本語の用法合ってますかね(会場から「OKですーー」の拍手)。ありがとうございます。21日からドラロマ公式ホームページで追加分の販売が始まります。是非皆さまホームページをクリッククリックしてください」
井上君「宣伝上手いですね」あなたが言うんか
新妻嬢「ジャパネット直伝です」(笑)←その返しも凄い
井上君「パソコンない人はパソコン買って日本経済を回しましょう」
井上君「それにしても僕らだけで話してますね。お3方との温度差がすごいですね。お3方、おっしゃりたいことは」
知念嬢「気持ちは一緒です。お任せしてます」
井上君「ふたりだけで喋ってますがこれでギャラ一緒だったりするわけで
新妻嬢「おいっ」
井上君「うまくオチませんでしたが、本日は誠にありがとうございましたーーーー!」

・・・・もうもはや何が何だか。
これでも危ないことは回避したレポだってことに素でびっくり。
ドラロマ、やっぱり素敵でした。
曲より漫談のレベルの高さに呆然したシーンも多々ありましたが(爆)。

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『水平線の歩き方』(2)

2011.6.16(Thu.) 20:30~21:30 1階19列10番台後半
2011.6.17(Fri.) 19:00~20:00 1階16列10番台前半
サンシャイン劇場

キャラメルボックス・ハーフタイムシアター。

今回は「水平線の歩き方」(2008年初演、今回再演)と「ヒア・カムズ・ザ・サン」(今回初演)の2本建て。

6月から自社はサマータイムという名の出勤時間繰り上げがありまして、実は夢見ていたことがありまして。

「仕事してからハーフタイムシアター2作品をハーフプライスチケットで見る」

という、知る人が聞くと実はすごーく難しいことで。

キャラメルボックスのハーフプライスチケットは当日券を更に半額で提供するシステムで、有楽町と池袋のぴあ2店舗限定で、当日10時から開演2時間前までの発売。
ただしハーフタイムシアターの場合は、1作品目の開演2時間前で2作品とも締めきるので、平日の〆切は17時。

会社のチャイム5分後に会社を出て、購入終了が16時58分。
ただ隣のお客さんもハーフプライスチケット&ハーフタイムシアター(ダブル)だったのが苦笑でしたが。

東京千秋楽を来週日曜日に控えていますが、その日はドラロマで品川だし、前日は実家戻りで1作品しか見られない(しかも1作品目は「ヒア~」)ということでさんざん困った揚げ句、それでも見られたのはこれ幸いでした。


「水平線の歩き方」の初演は前述の通り2008年。新宿・シアターアプル。
いまはなき新宿コマ劇場の地下にあった劇場です。岡田達也さん演じる幸一がお酒を飲んだ場所、「新宿・歌舞伎町」の台詞はまさに初演の場所そのものなのですが、今回も場所は変わりませんでしたね。酔っぱらっても府中あたりまでは帰ってこられるとなると、起点は池袋だと厳しいでしょうね(別に経験はありませんが)。

初演の時のレポ見たら、その時同時上演の「ハックルベリーにさよならを」(ちなみに今回の2作品とも、実はこの作品の数年後のパラレルワールド作品です)が私的にぴんと来なかったので・・・って書いていたのですが、すいません今回も全く同じ感想です。

「ヒア・カムズ・ザ・サン」が西川さんご病気による降板で、岡田達也鉄人がダブルヘッダー(時にはクアトロヘッダー←あるのかそんな言葉・・・1日4回舞台に立つということ)なのは凄いとは思うのですが作品としては・・・

「水平線の歩き方」の完成度の前では相手が悪すぎて。

キャラメルボックス作品は全部見るタイプではないのですが、それでも今まで見た10強の作品群の中では、2時間物だと「嵐になるまで待って」、1時間物だと今回の「水平線の歩き方」と「ミス・ダンディライオン」がツボ中のツボ。

1時間物の2作品はいずれもW岡田(岡田達也氏&岡田さつきさん)作品なわけですが、もう「芝居の相性」という言葉を説明するのに、これ以上の組み合わせはないと思います。

この作品、岡田さつきさん演じる母・アサミが亡くなってから、一人で生きてきた息子・幸一(岡田達也さん)が、なぜかアサミと再会して、今までの自分の人生を語り始める物語なのですが、まぁ本質的に、「男とはいつになっても、母親に甘えたいものなのです」という物事に集約されるのですが(笑)、もう、ももこさん(岡田さつきさん)の包容力が半端なさ過ぎて、そりゃ達也氏も容赦なく甘えるわみたいな。

母としての優しさ、母としての厳しさ。
生きたくてももう死んでしまった自分が息子にしてあげられる、最後のプレゼント。

「好きな人に遺されたくないから、もう自分は誰にも頼らない」と言う息子に対して言う、「身体は大人になったのに、心はあの頃のまま。何も成長してない」と言う母。

これ、男って生き物からすると一番の痛いところなんですね。
大人の男って生き物は基本的に「子供扱いされたくない」生き物なんですね。

「一人前だと認められたい」って気持ちは個人の差はあれ、大人男性の大部分の人が持っている気持ちだと思うんです。

人生にとって最初の女性である母親に認められたい、褒められたい。でもそんな母親から「心は何も成長していない」と思うことが、男性にとってどれほどショックであるか。

初演の時に思ったショックは、再演でも同じように感じられて、でもそれは不快とかそういう感情ではもちろん全然なくて、「成長が遅くたって構わない。生き続ければ、そして成長しようと思い続ければ、人間は変わっていけるんじゃないか」と思える気持ちってとても心地よくて。

この作品、ハーフタイムシアターなので60分しかないのですが、60分としての短さも、60分としての長さも感じさせないという意味で素晴らしい作品だと思うのですが、とにかく笑わせどころの多さも半端ない。

何しろ年がら年中何か仕掛けていないと気が済まない、猫みたいなももこさん(岡田さつきさん)がメインですから。

幸一「母さんはアリとキリギリスならアリだった」
アサミ「二択?」

・・・いやその突っ込み間違ってるけど面白い。
ちなみにもう一つのバージョンは

幸一 「母さんはアリとキリギリスならアリだった」
アサミ「私チョウがいい!」
幸一 「チョウは出ないの!」

ってのがありましたがこっちはちょい微妙。

あと今回の新規ネタで笑ったのがこれ。

幸一 「母さん、今は看護婦って言わないんだよ。看護師って言うんだ」
アサミ「看護士って男のことじゃない」
幸一 「看護師の師は「医師」の「師」なんだ。男性と女性どちらも看護師なんだよ」
アサミ「ありえない! 
看護婦ってその言葉自体が医療行為じゃない!

うわーももこさんテイスト全開
(ちなみにこの台詞は戯曲にはないのでももこさんオリジナル)。

幸一がラグビーで入った会社・初芝で同期の豊川(左東広之さん)とのくだり。
豊川は補欠で4年で引退、退社。ところがその後、社内報記者の一宮(初演は青山千洋さん(引退)で、今回は井上麻美子さん)と結婚することになり・・・

アサミ「ラグビーはダメだったけど、女を口説くのは上手ってわけね。
見習え。
幸一 「ほっとけよ」

ってのもツボ(笑)。

そしてそして幸一を茶化すもう一人、外科医師役の阿部知香子、こと前田綾さん。
声も通るし背ものっぽさんですらっとしてるし・・・そして何より笑いが取れる(笑)。そういえば「ミス・ダンディライオン」も綾ちゃんいましたね。
W岡田+綾ちゃんは岡田達也王子に気を抜かせない鉄壁の布陣なんですよね(爆)。

阿部先生も戯曲と見比べているとだいぶ綾ちゃんテイスト満開で、あの「新手のプロポーズですか」が台詞として存在していなかったのにかなりびっくり。

あ、でも家族抱き込んで外堀から埋めていった阿部先生先導の食事会、初演の「叙々苑ーーー!」の方がテンポ良かったよなぁ。



キャラメルボックスを観に行くと、なぜかカーテンコールスピーチが綾ちゃんな法則。
(多分、今までで5割以上の確率の予感)

6/16編
綾ちゃん「緊急公演『銀河旋律』出る人!」
「(綾ちゃん以外全員が手を挙げる)←笑」※綾ちゃんはその時期に客演。

綾ちゃん「申し訳ありませんが、今回のカーテンコールは1回とさせていただきたいと思います。その代わりに、キャストが通路から退場させていただきます。そこでお願いがあります。役者の匂いを嗅がないでください(笑)。だからといって息を止めないでください(笑)。傷つきます(笑)」

・・・これこれ。

補足(ヒア終了時。次は水平線なので15歳の若返り)
大森さん「岡田達也が若返りの薬を飲んで若返りました
達也氏「自分で若返るってば」


6/17編(水平線終了時。次はヒアなので15歳の老化)
綾ちゃん「ハーフタイムシアターということは何を申し上げたいかわかりますね?」
「(会場内笑)」
綾ちゃん「そうです。これから私たちは20分以内にこのセットを解体して、岡田達也の歳を取らせなければなりません
達也氏「自分で(歳)取るよ」
綾ちゃん「そうなんです。達也さんはこの次の作品にも登場します」
「(場内拍手)」
綾ちゃん「今の役以上に頑張ってくれるものと思います」
達也氏「ハードル上げるなよ(笑)」

・・・本編でももこさんが突っ込みまくってるから、カーテンコールでの岡達突っ込み担当は、綾ちゃんな次第。

あぁもっと前半に行っておくべきだったぁと後悔しても後の祭り。

小多田さんもまみゅーんも良かった(いつのまにあんなにキュートになってたんだ、まみゅーん)けど、凄く良かったのが奈穂子役の原田樹里ちゃん。あの堂々とした佇まい(岡田達也氏さえいじる小多田直樹を完全に尻に敷くという時点で、ある意味ももこさんの後継者の系譜の予感)、思った以上に素敵でした。

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『レ・ミゼラブル』(7)

2011.6.11(Sat.) 17:00~20:40
帝国劇場 2階L列40番台(上手側)

現演出版レミ、myファイナル。
現行キャストの2011年シリーズの楽です。

「舞台上に立っている全員がこの回で楽」というのが、この日の特別カーテンコールの駒田一さんの言でしたが、複数キャストのレミにあって、31人が一気に千秋楽というのも、比類なき一体感です。

本編。

舞台も客席も熱いけれど、舞台上は疲れ気味、という話をリピーターさんから聞いていましたが、なるほどと納得。

この日のバルジャン役、別所さんは2003年初日からのお付き合いで、私にしてみれば過去のバルジャンで一番多く見ている方だと思うのですが(吉原さんは結局未見で終わったのですが、観劇歴では別所さんと山口さんが回数的には2TOPのはず)、いまだ記憶にない「別所さんの作詞」があってびっくり。

「俺の過去人に押しつけて生きるか」

になっていて心臓飛び出るぐらいびっくり。

ご贔屓さん系では玲奈エポと育マリの距離関係がちょい不思議。

ベガーズシーン、あんなにエポが本を取りにくい位置に構えることないと思うんだけどな>いっくん

玲奈嬢は2009年シリーズで、本をかすめ取る達人技を習得していましたが、その玲奈エポをもってしても抜きにくいアングル。もうちょっと客席側を向くと良いような気がしますマリウス様。

そして実は前回気づいてちょっとブルーになっていた玲奈エポの役作りを1つ。

ベガーズシーンでバルジャン&コゼットの偽親子ペアが逃げていった方向を見ていた。橋の上に立つエポ。
追いかけてきたマリウスに2人の逃げた方向を聞かれて、左側を指差して・・で。以前はそれだけだったはずなのですが、前週あたりから、実は左手をぴらぴらさせてまして。

これ見たときに正直言っちゃうと自分のエポ観的にはちょっと違和感がありました。

逆方向を指すのは前からで、それはエポニーヌにしてみれば別に意地悪するわけじゃなくて、でもやっぱり出会って欲しくはない・・・そこには葛藤があるはずなんですね。

少なくとも違った方向を指差して、自分の好きな人に「行ってらっしゃい」はエポとしてそれは違うでしょうと。出会うことを望まないのは分かるんです。でもこれじゃぁ、わざと邪魔してるただの嫌な女の子みたいで、それがちょっと自分には違和感でした。

エポ&マリではこの組み合わせ(玲奈&育三郎)は、とにかくマリからエポへの子供扱いが半端ない(役者の実年齢では同級生なのに)。本でばちんと上から叩く(本当に音が出そうなほどに)ところを撫でるエポっていいよなぁと。

そういえばこの日のワンデイモアで、マリを隊列から引き離そうとするエポ、ちんまりと追っかけていって追いついたかと思いきや、マリウスが少し速度あげたので、「えっ行っちゃうのおっとっとっと・・・」みたいに前のめりにつんのめってました(笑)エポ。
なんか妙にアニメチックで噴いてしまいました。

あと門扉前、父上(テナルディエ)に吹っ飛ばされ、いつもより門より遠くなっております・・・状態で心配していたらやっぱり事故っちゃいました玲奈エポ。
その場所危ない遠すぎるよーと思っていたら。
というかあのシーン、エポニーヌが毎回叫んでいると思っていました。

さすがエポニーヌって喉強いのね、と感心していたんですが、実は先週日曜の玲奈エポもこの日と同じようなことになっていたんですけどね。何気にここのところ調子落としていたんじゃないかとちょっと思っていました玲奈ちゃん。

そしてもうお一方のご贔屓さん、新妻聖子ファンテーヌ。
弱々しさと勝ち気さの落差がはっきりしてきて、満足感高いファンテーヌ。

そしてますます元祖ご贔屓ファンテ(高橋由美子ファンテーヌ)に似てきてて。
工場シーンの登場姿なんか瓜二つ。

まぁ8年の時空を超えて2人して「ピエールが本役」って言ってるわけですし、新妻エポニーヌの初日は高橋ファンテーヌの初日でもありましたし、初日キャストは稽古が一緒のことが多いとはよく言われる話なので、多少なりとも影響は受けているのではないかと、ちょっと思っていたりして。

それにしてもレミというのは罪作りな作品で、「オーディションでの役代わり」がこれほどまでに明らかにされている作品も珍しいなと。

新妻さんがファンテで受けてエポになったのは本人も公言しているので有名ですが、今期も吉原さんはマリウスで受けて「マリウスがイケメンの役だと知らなかったんです」(←本人談)でバルジャンだし、折井さんもエポで受けてコゼットだそうだし、由美子さんにしても「エポニーヌを1回だけ歌った」(ライブのMC)と言ったからにはエポで受けてファンテだったんだろうし(その前にコゼで受けてるそうですが)。

あとこの日、テナ家のワンシーン。
リトエポがリトコゼを追い出すときに、リトコゼがちょっと物を落とした(ハンカチかな)んですが、まったく振り返りもせず、歩いて戻るときにそれとなしに拾っていました。さすがはレミ子役、度胸が違います。

三角更新「ワン・デイ・モア」での新妻ピエール&玲奈エポニーヌのアイコンタクトも久しぶりに見逃さずに見られて、眼福眼福。
新妻ピエールの右手上げて「行くよっ」とアクションするシーンが実は何気にツボだったりする。

閑話休題。

充実度の高い本編も終わり、この日は特別カーテンコール。

司会は前述の通りの駒田一さん。アンサンブルさん、リトコゼ&リトエポを前に出して客席からの大拍手の後、プリンシパルの皆さまのご挨拶へ。

「2003年からのキャストです。
レミゼ出演は、(役者人生の)1ページにしっかりと刻み込まれていることでしょう、駒田一」。

というので笑いを誘った揚げ句、挨拶終わったら

「素晴らしいご挨拶ありがとうございます」

ってやってた(笑)。

さすが自作自演も芸の域ですね駒田さん。

そしてご贔屓さんお2方。

「2003年からのキャスト、今回から役が変わりました。ファンテーヌ、新妻聖子。」

「本日はご観劇いただきありがとうございました。私は2003年の『レ・ミゼラブル』が初舞台で、今回ジョン・ケアード版が最後ということでしたが、その舞台でファンテーヌという役に出会えたことに本当に感謝しています。舞台は残念ながら記録に残る物ではありませんが、今日初めてレミゼをご覧いただいたお客様、何度もご覧いただいているお客様、そして一緒に舞台上で生きたキャストにとって、今日のこの舞台が忘れがたい記憶に残っていただければと思っています。ありがとうございました。」

・・・意外に普通にまとめましたね姫。

「こちらも2003年からのキャストです。エポニーヌ、笹本玲奈。」

「本日はご観劇いただきありがとうございました。
エポニーヌを2003年から演じさせていただいて、本日159回目のエポニーヌでした。この作品にかかわるキャストの皆さまを間近で拝見していて、舞台に立つには大好きという気持ちだけではダメなんだな、夢への扉は努力なしには開けることはないんだなと、いつも肌で感じていました。プロとして舞台に立つことの本当の意味を教えていただいた作品だと思っています。『レ・ミゼラブル』は永遠です。レミゼを愛してくださっている皆さまに、『本当にありがとうございました』(大声で)」

・・・大声挨拶するキャラじゃないと帝劇中が思っていたためか、会場内が「おおおおお」とどよめきました。玲奈ちゃんがカテコで帝劇を揺らす日が来るとは、超感慨深いです。

「2003年から唯一残っているエポですからね」という駒田さんの発言に、
「えっ、えっ、何か言いました?」と反応してる玲奈ちゃん。

その発言のせいもあってなのか、カテコ何回目かで玲奈ちゃんが駒田さんの首締めて出てきてました(笑)。


そういえば、この日のエポ&ファンテ握手シーン、玲奈エポが上から手を伸ばして待ってて、聖子ファンテが両手で握手しに行ったのが感動物でした。

あと新妻さん、駒田さんの胸にがっちり抱かれに行ってましたね。

・・・

でですね

・・・

この日の主役はまさかと思いきやですね

・・・

何度も何度もカーテンコールで行きつ戻りつ、別所さんがお得意のお姫様抱っこをしようと聖子ファンテの横に来ると、我らが姫、玲奈エポが聖子ファンテと別所バルジャンの間に「ちょっと待ったぁーーー!」と割って入り・・・

とある日の野望が現実のものに。

なんと、

笹本玲奈エポニーヌが、新妻聖子ファンテーヌをお姫様抱っこ

笹本玲奈エポニーヌが、新妻聖子ファンテーヌをお姫様抱っこ

・・・大切なことなので2回言いました

しかも2回ぶん回すという大技に、帝劇が揺れました(爆)。

客席からの大拍手を受けながらさすがによろめく玲奈ちゃんと、2回転が限界だったせいか、着地までは(玲奈ちゃんが)耐えきれずに、よろめいた聖子ちゃんと、その光景を呆然と見つめる別所さんという、実にものすごいシーンでした。

玲奈ちゃん、あえて申し上げます。

あなたは漢の中の漢です(←だからいろいろ違うんだってば)

・・・いいんだろうか現演出版レミのラストがその感想で。

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『レ・ミゼラブル』(6)

2011.6.5(Sun.) 12:00~15:10
帝国劇場 2階J列10番台後半(下手側)

現演出版レミ、myファイナルまでマジック2。

今期3度目のレミですが、どうにも私的SPの笹本エポ・新妻ファンテしか目に入らないでチケットを取っていたので、他のキャストを知らずに見始めるとか、ダメすぎる自分。

とはいえバルジャンだけは次回も含めて全部べっしー。
司教を笑い飛ばす一芸がなくなってて心から安堵しました。あれは嫌だったなぁ。

3回連続は3人+阿知波テナ妻。2回目が野島マリウスと上原アンジョルラス、駒田テナ、稲田コゼット。
・・・あれ、初見さんいないや。あ、鈴木ガブがお初。上手くて良かったなー。

2003年からレミを見始めて、ある時点までは全キャストきちんと見るようにしていたんですけどね。2007年シリーズが私的にgdgdだったおかげで、それ以降贔屓増やすのも難なんでキャストコンプリートに飽きてしまいまして。

そんな、気合いの入っていないレミをちょっとかじっただけ(見た回数だけは多い)な自分にとっても、やっぱりラストが近づいてくるとここまで熱くなるのか、というのを2階席でからさえ実感できるこの日の舞台。

KENTAROジャベールが予想以上にヒット。MOZART!のダンスキャプテンですし、もちろん”できる”方なのは分かってはいたのですが、居住まいといい押し出しといい、ベテランの別所バルと堂々の向き合い方でした。ちなみにカーテンコールではジャベールがバルジャンを迎えて握手するわけですが、けんたろさんがべっしーに「お手合わせありがとうございました」みたいに深々とお辞儀をしていたのが、妙に違和感があるぐらい、本編ではナイス対決でした。

この日の坊や2人こちら

笹本エポニーヌの2幕最初、「オンマイオウン」の前で(と言うか手紙を預かる前に)マリウスを驚かせるシーンがありますが、いたずら心に火が付いたのか、玲奈嬢、コートを上から深々と被り、野島マリウスに背後から頭突きしに行ってました(笑)。
マリウスと面と向かっては言えないエポニーヌが、わざとじゃれる感じでしかマリウスと接することができないあたりにきゅんと来ました。

1幕の本を奪い取ったところも、マリウスが「そんなのお前に読めるわけないじゃん。はっはっはっ」みたいにエポニーヌを笑いまくってたのが、もう憎たらしくて憎たらしくて(←大事なことなので二回言いました・・・笑)。
久しぶりに来ましたよ、エポニーヌをバカにするマリウスが・・・

それ、けなし言葉じゃなくてむしろ褒め言葉で。

野島マリウスは最初見たときに立ち位置もわかりにくいし、玲奈エポと芝居の相性が微妙で私的にどうしようかと思っていたんですが、この日は凄い進化。
玲奈エポひっくるめて、マリウスが凄くよく見えて。
この良くってのはマリウス的な「良く」で。

朴念仁でエポニーヌは視界にさえ入ってなくて、コゼットしか見えなくて、アンジョルラスに呆れられるマリウス。それでこそマリウス(爆)。

エポニーヌが光るにはマリウスがどこまでエポニーヌに素っ気なくできるかがポイントってのがよっく分かりました。

育三郎マリウスはどうも自分のマリウスのイメージじゃなくて、妙に女性のエスコートが上手そうなイメージがどうにもマリウスじゃない(何を言っておるんだ私は)。

そんな私のエポニーヌ&マリウスの好きな組み合わせは、2003年シリーズに固まってて、新妻エポ&山本マリ、笹本エポ&泉見マリ、真綾エポ&岡田マリでございます。
山本耕史マリウスはうちのご贔屓さんとでも見たかったな・・・

もとい。

新妻ファンテ、強さと柔らかさの加減がさすがに絶妙になってきた昨今。
次はこんな鬼スケで初役やらないようにお願いしますよ事務所&東宝さん・・・

とはいえラブリィ・レイディの下品さがオーバーフローしていて実はちょっと引いた(笑)。
いくらイカれているとはいえ、スカートまくって客を呼んでくるのはちょっとねぇ(爆)。テナ妻が派手にすっころんでスカートの中見せてるのとはちょっと話が違うんで。
「見せないで客を取ってくるのが娼婦よ」って声が後ろの女ボスさん(エポニーヌ(仮名))から聞こえてくる感じでして(笑)。

ピエール君が本役になるのは私にとってファンテーヌ役者さんがご贔屓さんの場合の定則みたいなもんなんですが、実はピエール君の初登場は2幕入ってからなんだ、と初見以来8年間思い続けていまして。ワン・デイ・モアで由美子ピエールが歩いていたのを見た記憶が全くないのがすっごく不思議。人間の記憶なんてあてにならないとはよく言うけど、そんなこと忘れるわけがないのになぁ。



コゼットは3回のうち2回がこの日の稲田コゼット、1回が折井コゼット。
折井コゼットを見たときに、「風紀委員長コゼ」という印象があったのですが(前キャストで言えば2007の菊地コゼ)、稲田コゼットは「保健委員コゼ」かなと(おいこら)。
イメージ的には2003のゆかコゼ(河野由佳コゼ)がちょっとかぶった印象。

・・・なぜ折井コゼが「委員長」で稲田コゼが「委員」なのかはよく分からないのですが、個人的なイメージなんてそんなものです(と開き直ってみたりする)。

そういえば先日発売になっていた「シアターガイド」のインタビューに、現在クリエで風を結んでいるというその菊地美香嬢がコゼット時代の話をしているのですが、「コゼットはお客様の前に出られて70点。愛されて100点」という話をされたスタッフの方がいらしたそうで、コゼットの本質だなぁとつくづく。



耳福なエピローグ、別所バルから新妻ファンテ、そして笹本エポニーヌの声が混じり合ってエンディングへ。
バルジャンとファンテがお互い柔らかく微笑みながら返すのってやっぱりいいなぁと思って。

で、ここで「鎖は切れてみな救われる」のところで別所バルと新妻ファンテ、別所バルと笹本エポニーヌのつないでいる手を両方とも離すんですが、それを見たときになんだかじーんと来て。

手を離したことは別れなんかじゃなくて、「鎖」というお互いの過去のわだかまりを解き放てて、それでお互い一人の人間として、一人の男性として、一人の女性として、それぞれが過去のわだかまりと全く関係なく、お互いを認め合う、求め合うことができたように思えて。

バルジャンにとってファンテーヌに対して申し訳ない気持ちがあったことの「鎖」がなくても、バルジャンにとってファンテーヌは大切な人だと思えたのは、この日見てとてもしっくり来て、そして嬉しかったことでもありました。



カーテンコールはいつも通りのエポ&ファンテがっしり握手、ファンテお姫様抱っことありましたが、この日はエポ&ファンテの接近シーンはなくてちょっと残念。
それにしても日曜ソワレとはいえ拍手の熱さはすごいなー



現Ver.観劇、残すところmySP3人のラスト、6月11日ソワレです。悔いのないようにしっかりと目に焼き付けたいです。

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