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2011年4月

『シマシマ』

2011.4.29(Fri.) 24:20~24:50 TBSテレビ

4月22日放送が第1話、そしてこの日が第2話。
第1話にもちょっとだけ登場していましたが、第2話のゲストが笹本玲奈嬢。


ちなみに東京地区以外はこれから放送ですのでネタバレ注意




第1話での登場シーンと予告が壮大なネタバレで、「私の職業を聞いて態度を変えないでくれたのは彼(ラン)だけだった」って言ってただけに、そういう系統なんだろうなと思ってはいましたが、デビュー以来初の下ネタ系(爆)というわけで、野本蕗(フキ)という本名のAV女優でした。

このドラマは”添い寝屋さん”ということで、不眠の女性に寄り添う男性を派遣する業というわけで、その経営者が主役・汐(シオ)役で、矢田亜希子さんが演じています。

まぁそれにしたところで、主役の名前が「しお」で、添い寝を頼むのが「らん」というのが、「プライド」フリーク的には激笑なわけですが(笑)。

蕗が居酒屋でランをみつけて「ランちゃん!?」と叫んでる玲奈嬢は、12月に聞いた声そのまんまだったわけで(笑)

ちなみに、ここで素の声が出てるから居酒屋のお客さんに気づかれてるんですね。

このドラマはイケメン鑑賞会という側面があるので、演技とかはまぁ、そういうもんだよね、というところなんですが、さすがはキャリア豊富な矢田さんと笹本さんは頭抜けています。というか、2人だけ演技が浮いているというか。

ゲストという立場から見れば、主役である矢田さんの汐の”悩み”を浮き上がらせるための存在で、いわゆる”ワンポイントリリーフ”の役目は、玲奈嬢はしっかり果たしていて、実は添い寝屋役・ランを同事務所の菊田大輔君がやってるからの”応援出演”だったりするんですが(この動画の菊田君へのいじり方が絶妙すぎる。PS3買ってなくて良かった(笑)。こちら)、深夜だから玲奈嬢の普段の仕事を知ってる人も少なくて、いい意味で勉強になる仕事かも、と思ってみたりしながら見てました。

玲奈嬢的には着こなしが似合っててさすがだなーって思ったりしましたが。
ウェディングドレス見てる時のドレス姿も、某シーンの白い衣装も。
そういや三つ編みもあまり見た記憶ないなぁ。
blogに載ってた赤い服は私服かな?本編にはなかったけど。

ちなみに1話目、2話目と見ましたが、「いいなぁ」と思ったのは実は音楽だけでした(爆)。

役柄的には、「日本人のへそ」のストリッパー役の次が、このAV女優役だったわけですが、今まで清純系の役が多かったせいもあって、影響が出ない程度に役の幅を広げておきたいということなのだろうなとは思います。

ドラマ的には某所にモテキ的な演出やってたり、でもなんか弾け切れてなくてちょいと微妙な感じもしましたが。

「他人の不眠をなくそうとしてるのに、自分は不眠と離れられない」という汐も、どことなく綺麗事の女性というか、そりゃ蕗にしてみりゃ頭に来るタイプなんだろうなと思うけど、蕗から汐に伝わったことも、汐から蕗に伝わったこともあるんだろうなと思ったりすると、なんかいいなぁと思う(ちなみに蕗は原作にもある役だそうな)。

なんかこういう感じなら、汐と蕗が親友になって、沈みまくった汐を蕗が救ってあげるようなことがあってもいいなぁとか思ったりする。

まぁ多分次からは見ないのですが(爆)。

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『ウェディングシンガー』(3)

2011.4.26(Tue.) 日本青年館2階G列センターブロック
 1幕 14:10~15:35(14:00~15:25)
 2幕 16:20~17:30(15:50~16:50)
 トークショー 17:40~18:30(17:00~18:00)

( )内が予定時刻で、実際の時刻が左側。

大千秋楽、予定は予定といっても、ここまでとんでもない盛り上がりになるとは、予想のはるか上を行っていました。

クリエに続き、出演者集合の募金の列にも並んだので、会場を出たのはほとんど19時でした。開演から5時間・・・

クリエ公演真っ最中に東日本大震災に見舞われ4回の中止。私の隣に座っていたおばさまも17日(あの大規模停電が予測された日です)の休演回にぶつかってしまったそうで、井上君の言葉を借りれば「皆が自分のやるべきことを考えた公演」だったこの公演。
フルパワーで飛ばした大阪、名古屋他の地方公演を経て、この日が追加公演にあたる打ち上げ公演。

ご贔屓さんがいないのに打ち上げ公演に見に来る私も妙なヒトですが(あえて言うなら出演作観劇率90%を超えてる井上君なんですが)、お客さんの女性率99%にも増して、男性のお客さんの背広姿なんてほとんどいません(基本、背広姿は会場スタッフです)。

午前中フルパワーで仕事をして日本青年館に駆けつけて、でもって1曲目「君の結婚式」から、ありえないぐらいの客席大拍手状態。客席一同、どこぞに持っていたであろう鬱憤をここぞとばかり拍手に込めての、凄まじい盛り上がり。

井上君も「今日はお客さんいっぱいだねぇ」「盛り上がってるねぇ」と茶々入れるあたりはさすがですが、何が凄いって、この日、ジュリアの歌(花嫁さんぶちぎれさせソング)にさえ”手拍子”が入るんです。

”拍手”なら分かるんです、歌った後の。
じゃなくてジュリアの歌に手拍子・・・いやぁ上原さんファンなら感無量の瞬間じゃないでしょうか。
トークショーで井上君が「1幕で2幕分ぐらい盛り上がった」って言ってましたがまさにその通りでした。

この日は入場時に特製キャンディ&キャラメルセットと、ペンライトが配られまして、照明きらきらシーン(新納さんリサイタルシーン)でペンライトをみんなが振るわけですが、それが綺麗で、今日は2階で良かったとつくづく。
そういえば、ゴミ溜めシーンをあのきらきらシーンにしたらもっと爆笑しそうな気がするんですけどね。


大千秋楽謹製の当日アドリブも皆さん全開で、一番のヒットはグレン@大澄さん。

ロビーが弟子入りしたウォール街で、部下が持ち込んでくる儲け話を、たちどころに捌くシーンがあります。

女性の部下「シアトルのコーヒーショップが成長しそうです。スターバックスコーヒーって言うんですが」
グレン「おぉ、それは買いだな」(会場内一瞬の静寂の後大拍手)

男性の部下「コカコーラが新しいコーラを出すそうです。ニューコークって言うんですが」
グレン「誰が新しいコーラなんて欲しがるんだ」(会場内大拍手)

ロビー「何だかわからないけど、そのチョイスは当たりそうだ」(会場内大拍手)

・・・・

あはははは。

これ、完全にリピーター向けの話なのですが、実はここ、グレンの本当の台詞は、「スターバックスコーヒー」を「そんなのダメだ」、「ニューコーク」を「それは行けるな」って答えてて、要はグレンのビジネスセンスのなさを嘲笑っている台詞なんですが、グレンは完全にこの日限定で遊んだらしく、会場内は一瞬何が起こったかあっけにとられ、その後に「やってくれた~」の大拍手(どよめきも上がってました)、さらに井上君の返しも絶妙すぎて、さすがは返し王子。

ロビーがリンダに振られるときの、リンダからの手紙が、なぜか既に開封されていたシーンも大笑い。

ロビー「なんで(手紙が)開いてるの?」
サミー「ごめんもう読んだ」(会場内笑)

(20分後)

サミー「手紙読めよ」
ロビー「さっきは開けてたじゃん、今回も開けなよ」
ロビー「人の手紙を開けちゃう人の言うことなんか聞きたくないよ」

そうくるか(笑)

ちなみに、この日の話ではなかったのですが、とある日(名古屋だそうです)の話。
カンパニー中、一番チョンボが多いのは綜馬さんだそうなのですが、サミーが直前に歌詞で噛んだら、

ロビー「(台詞を)噛む人の言うことなんか聞きたくない」、ってやったらしい(笑)
綜馬さんはそれ聞いてへこみまくったらしいですが(笑)

もとい。当日限定のアドリブは山ほどあって、結婚式シーンでロビーがガニ股みたいな歩き方で新郎新婦に迫っていって爆笑を誘ったり、できのいい弟のためにスピーチする兄貴がいきなり「会いたかった~会いたかった~会いたかった~yes!」とかやったり(笑)

2幕のそっくりさん大集合で偽レーガン大統領がいつもなら「ジーザス」で終わらせるところを「ジーザスクライシススーパースター」とフルネームで(←ちょい違う)やって大拍手もらってたり、もはや何が何だかわけ分かりません。気づいたら笑ってて、気づいたら拍手してて、気づいたら歓声あげてて、気づいたらペンライトを振ってる、そんな空間。

ラスト曲で、普段はいないはずのグレンとリンダが上段で歌い踊っていたのが新鮮。

クリエよりずっと広い空間で、客席降りが1階に限られたのは残念でしたが、こんな空間で日々やれたらいいなぁというサイズ。雰囲気的には日生に随分似てました。

ちなみに、この日本青年館、私が来るのは実は3回目で、最初が由美子さんのファーストコンサート(1991年)、その後がdreamのコンサート(2003年)なので、ほぼ10年に1回来ていることになります。動線が余り良くないので、30分前開場というのは失敗だったかと(結局開演時間までに客席に入れられなかった)。



この日は終演後トークショーになるということで、通常カテコは短め。

井上君からの挨拶が中心になりますが「公演中に地震があったこともあり、メンバーそれぞれが自分のやるべきことが何なのか、自問しながらの公演になった。そんな中みなさんの応援もあって今日の公演をすることができて本当に嬉しかった。」という趣旨の挨拶。
「初演の初日にはこんなに愛される作品になると思ってなかった。もういいよってぐらい盛り上がってくれて(笑)嬉しかったです」

クリエ公演から登場した義援金箱、この日金額が発表されていましたが、何と1642万円(本日分除く)だったそうです(驚)。

仕事が早い公式動画こちら

そしてトークショー。

現れるは井上君と、ウェディングベールかぶって花を持った新納さん(笑)。
まぁ、予想通りのパターンですが、

「花嫁が呪いのブーケを投げます!」

って、だから(笑)

舞台下手側に吸い込まれていきました。(10列目あたりだから結構飛んでました)

でびっくりなことに、何とカンパニー24人全員登場という、超豪華版。
アンサンブルの皆さんは中央階段に座るんですが、窮屈そうで、落ちやしないか心配になります。が、皆が座り終わった後の、

「20人乗っても大丈夫!」

というアドリブは大ウケでした。

新納さんがおっしゃった「アンサンブルは『変わった人』と言う基準で選んだ」という話は彼の言うことですから(笑)話半分に聞くとしても、アンサンブルさんが皆さん『私は普通』と言っていたのが面白かったですね。

カンパニー全員にアンケートを取った「WS一番印象に残ったこと」というカードで進行。綜馬さん話は既に書きましたが、面白かったことをいくつか。

新納さん「メイクのためにメイクペンを何十本も立てておいたら、とある日それが全部ちーかま(チーズかまぼこ)になっていた(大笑)」
新納さん「こんなのやるの誰かはわかっていたから、彼の荷物のところに置いておいたら、カンパニー全員、本番中、ちーかま渡しあいっこしてた(笑)」

井上君「テーマ”食あたり”って、焼き肉のこと?」
賢也さん「男性4人とスタッフで取材受けて、焼き肉たらふく食べたら、翌日調子悪くて。飲み会は無理だと思って”今日は飲みに行けない”って言ったんだよ」
新納さん「翌日本当に調子悪かったんだけど、いつも通りに稽古して、でもホントは死にそうで、終わった後聞いてみたら、4人みんな調子崩してた(爆)」
井上君「自分も今日は飲みはダメだな、昨日飲み過ぎたかなとか思っていたら、賢也さんが調子悪いって話だからもしや・・・と思ったら」
新納さん「でも不思議なんですよ。行った人の内、50代以上は腹壊してないんですよ(笑)」
井上君「やっぱ軟弱なのかな若者って」
新納さん「だから綜馬さんは被害小さかったんですよね」
綜馬さん「をい(笑)」

樹里さん「サミーのこと色々突っ込んでるけど私もけっこうやらかしてて。ジュリアと一緒に出てきて、自分の人物説明もちゃんとできていないうちからネックレスを客席に投げたりしてて(笑)。客席の人に拾ってもらって「すいません」って相撲(の懸賞金受け取る時)みたいな仕草してた(笑)」



そんなこんなで笑いっぱなしのトークショー、ほぼ1時間。
最後は「僕の結婚式」を客席からはペンライトで呼応しながら盛り上がって幕。

既にblogに出ていますが、再再演も遠くない時期にあるようで、いやぁベタながら化けたなぁこの作品。

仕事を半日放り出した甲斐はありました。燃え尽きました。
一ヶ月ぐらいの笑いをまとめて笑った気がします。

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『新妻聖子FC みんなのお茶会9.5杯目』

2011.4.18(Mon.) 19:30~20:45
都内某所

舞台「国民の映画」出演中の新妻さん。

大阪公演を4月17日に終え、横浜公演が4月20日から始まる”空白の2日間”に差し込まれたお茶会。

平日夜しか時間が空かず、場所も苦心された結果95人限定ということで、抽選制となりましたが、ライブハウスなので95人というのは語呂合わせ優先という感じはありました(笑)←要はちょっとばかし詰め込みバージョン。開演間際に来た人(私含む)は座る場所に苦心してました。

●セットリスト
1.ヴァージン・ロード
2.Life~命~(萌ちゃんVer.)/「プライド」
3.恋に落ちて/小林明子
4.「レ・ミゼラブル」母娘メドレー
 In My Life(コゼット)
 ~I Dreamed A Dream(ファンテーヌ)
5.歩く花/ザ・ブルーハーツ
6.ひとつ
7.make our garden grow/「キャンディード」

●主役から本日の主旨説明
「土日が舞台で全部埋まっちゃいまして。
でもお茶会は年に2回と『規約で決まっていまして』(会場内爆笑)」

いやぁ、これ聞いた途端、さすがは法科出身と思っちゃいました。

「今日はライブハウスということで歌中心で行きますので」と言っていて、8杯目・9杯目の「5曲」を上回る「8曲」でしたが、ご本人のblogからして、なんか「歌うのに飢えていた風」がありあり。
去年みたいに舞台の間にテレビで歌うとかもないですし、「国民の映画」も歌い手とすればあのシーンは昼飯前というか、おやつ前というか、そんなの1日何回あるんだろとか(以下略)。

その割には随分しゃべってましたが、表に書けないこと含めて(笑)

「ゆるーい感じで行きます。でも、はきはきはしてるんですよ」
・・・そこは姫のこだわりなんですか。

さすがにこれだけの準備期間のなさということで歌詞カードは見ているわけですが、当然それにみんな気づくわけで。

新妻さん「1回しか見てませんからね」
会場の目線「(うたがいのまなざし)(笑)」

でもよく見てると英語歌詞の方が歌詞カード見る回数が圧倒的に少ないことに気づきます。
小林明子さんの「恋に落ちて」(初めてカラオケで歌った曲だとか)の英語部分と日本語部分の動きの違いにちょっと吹いちゃいました(笑)。

●この日の演奏
新妻さんライブ常連の扇谷さんではなく、進藤克己さん。(ちなみにご本人が既に書かれていますこちら

扇谷さんの演奏も好きですが、進藤さんの演奏も素敵です。
さすがは藤岡正明氏から強奪した(笑)だけのことはあります。

新妻さんが藤岡氏のライブに行って、進藤さんの演奏に惚れ込んで頼んだということだそうで、今年の夏のコンサートツアーのバンドマスターはこの進藤さんがされるそうです。

そういえば「ひとり」の時「ピアノが弾けなくなった訳じゃないんですよ。今は無理かもしれないけど」と言ってたのが、さすがは負けず嫌い(←著作権は某史緒さんにあります)だなぁと、またまた納得。

●こんな時期だから
M6とM7は、「こんな時だからこそ、改めて分かることがある」という趣旨のMC付きの2曲でしたが、たしかに歌詞を思い返すとこの2曲は、今回にこそふさわしい曲なんだろうなと思います。ここに「アンダンテ」が加わったら、2011年4月、という時期にはとてつもなく意味のある曲だったように思います。

新妻さんのMCは笑いを取りに行きつつも、色々な点で「考え抜かれた」結果だから、その言葉の力に圧倒されることがしばしば、そしてこの日は特にそう。

きっと文字にすると誤解を受けるようなことも多々あるのだろうし、ご贔屓さん皆さんどうしてそれぞれ違った方向に言葉が危ういんだろうと思わないでもないんですが(爆)、ことこの場に関しては、新妻さんにしてもここにいる皆にとっても、それぞれ何かを犠牲にして、それぞれ何かを求めて来ていて、それはあたかも”共同体”に思えて。

M7の「Do The Best」という歌詞が聞けたことが、なんだかとても嬉しかったのでした。

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『ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路』

2011.4.12(Tue.) 10:40~12:55
渋谷ル・シネマ(bunkamura)ホール1

もう一つのモーツァルトの物語。
といっても、マリア・アンナ、ナンネールこと
ナンネル・モーツァルトの生涯を脚色した物語です。

公式サイト
 
ミュージカルファンの中ではすっかり「ナンネール」の呼び名が定着していますが、もともとのニックネームは「ナンネル」(Nannel)が近いようで、映画もそのネーミングに沿っています。

今月9日が東京初日で、初回に行くとチョコレートが一粒貰えたらしいのですが(笑)、時間が取れずにこの日に。

平日1回目の回の割に、100席近い客席の7割強が埋まっていて、ロビーも予想外に賑やかです。
パンフレットは700円、サウンドトラックCDが2,000円です(こちらは買いませんでしたが)。

上演前日まで発売されていた前売り券を買っておいたのですが(クリアファイルが付いていた110116_182912_2 図← ので)、実はこの日は火曜日でサービスデー。1000円で見られた日だったので、ちょっぴりだけ損した気分。

ナンネルの物語は何十回となくミュージカルで見ていて、関係書籍もそれなりに読んではいるのですが、もともと「弟の影に隠れた存在」だっただけに、パンフレット1冊まるごとナンネルというのは嬉しいものがあります。

ストーリーは、モーツァルト一家のヨーロッパ演奏大旅行の3年間を拾い上げたもの。
ヴォルフガング(演じたのは実際音楽家の卵、神童だそうで)はやんちゃながきんちょです。
ナンネルは優れた音楽的才能を持ちながら、女性であるがゆえに作曲法も教えてもらえず、とこの辺りはミュージカルとほとんど同じシチュエーション。

ナンネルを演じるのはルネ・フェレ監督の長女、マリー・フェレ。
そして彼女の親友となるルイーザが監督の末女、リザ・フェレというわけで、女優さんが普通に身内という、家内制手工業的キャスティングではありますが、まぁ2人とも可愛いし(爆)、ナンネルの設定を借りて自由にイマジネーションしている作品なので、もろもろ突っ込みどころはあれ、興味深く拝見しました。

そういえば見ていて違和感があったのが、母親が意外に長生きしてる!ってことだったのですが、これは実は勘違いで、映画版の時期である演奏旅行中に母親がパリで亡くなったわけではなくて、ザルツブルグに帰った後、少し大人になったヴォルフガングと母親がパリにいた時に亡くなっているんですね。

ミュージカル版では演奏旅行って最初のM1(「奇跡の子」)だけですからね。
描いているスパンが違うことになり、その意味で新鮮に見られたのかもしれません。

この映画ではオリジナルストーリーとしてナンネルが王太子と恋におちるというシーンがずいぶん長い時間続きますが、この時代の女性ですから「女性にして音楽家」ということは許されることはなくて、男装して演奏なり作曲なりするわけですが、これが意外に似合っているという。
男装向きの顔立ちな気がしました。

この作品の論評記事で「モーツァルト、ナンネルの物語でありながらその両方ともの曲を使っていない」ことを書かれていた方がいらっしゃいますが、それを言えば実はミュージカル「MOZART!」もモーツァルトの曲を一切使っていなくて。

ナンネルの曲はそもそもが残ってもいないので当たり前で、この作品の音楽はナンネルを想像して新たに作られていますが、いわゆる中世風で、それでいて優しげで、「音楽からナンネルの人物像を感じさせる」ことには一定程度成功しているように思えます。

この作品、演奏旅行の3年間をほぼ2時間で見せるのですが、その3年間を「ナンネルにとってとても濃かった時間」として見せている代わりに、78歳というこの年代にしては長寿の年齢まで生きた、16歳からの62年間を、わずか2分弱で見せているところに、まさに「ナンネルの哀しみ」を感じずにはいられなくて。

女性であるが故に音楽家の道を閉ざされ、恋も成就することなく(この作品は創作としてそうなっていますが、現実にも最愛の人とは結ばれずに35歳まで独身、ようやく結婚した相手は子持ちのバツ一。ミュージカル版には登場しますが判事のベルヒトルト)、弟の名誉を守るため奔走し、父の支えとなって生涯を全うしたことが、ほんのわずかしか語られずに「2分」で語り切れてしまう側面を持っている、それこそがまさに「哀しみ」だなと。

「時代が違えば、あなたは音楽で、わたしは政治で、世界を変えられたかもしれない」とルイーザが語っていますが、ルイーザの聡明さも、ナンネルの才能も、それが嘘ではないと思わせるだけの描かれ方をしているのは、逆説的に、はかないものだなと思えてしまうのでした。

パンフレットの中で書かれていたことで改めて思い知らされたのがレオポルトとの関係。

息子・ヴォルフガングに惜しみない愛情という名の束縛をするけれども、ヴォルフガングからは必要とされず省みられることもなく、自らの限界を知らしめられることしかない。
比べてナンネルは音楽家としての道を閉ざされたとはいっても、それが父のただ勝手な思いでなかったことは分かっていて。自分の立場の弱さを嘆きはしても、それはある意味ではしょうがないことなのだと思っているからこそ、父の面倒を最後まで見ているのですね。
ちなみにナンネルがヴォルフガングの葬式に出てない話は今回初めて知りましたが、まぁミュージカル版の「決して許さない」がものすごくリアルに感じることからして、不思議でも何でもないですね。

レオポルトは何もしなくても伸びていく(逆に言うとどうしようもできない)ヴォルフガングを育てるより、ナンネルの音楽家への道を作ったら、別の意味で歴史に名を残したかも、とものすごくありえないことを想像したりもしたのでした。

この作品、公開前はチラシがA5両面でしたが、公開後はA4の中折り両面になっており、見開き面にはナンネルゆかりの皆さまのコメントが出ています。

ミュージカル版の出演者からは井上芳雄さん(ヴォルフガング役)、市村正親さん(レオポルト役)からのコメントが。

ここにご当人である高橋由美子さん(ナンネール役)のコメントがないのは、「一人称」になってしまうからなのかもしれないけれども、それはそれで、またまた「哀しみ」なのだなと思ってしまう。
日陰の存在の更に日陰の存在って、ちょっとシンクロし過ぎ(苦笑)。

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