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『プライド』(19)

2011.2.5(Sat.) 23:00~25:55
NHK BS-hi プレミアムシアター
2010年12月14日収録(シアタークリエ)

自宅はBSが入らないのでこれだけのために実家へ遠征するワタシ(爆笑)。

というわけで待望の「プライド」テレビ放送。
いやぁ、すんばらしく良かったです。

冒頭部分に挿入されていた笹本玲奈さん・新妻聖子さんの対談も実に興味深くて、特に新妻さんの表面上そつがない割に、妙に裏を読んでしまいたくなるかのような発言がいちいちツボでございましたが、あまりに面白くて記憶が飛びまくったので、ここは録画をお願いしている方から上がってきてから、補足予定です。

シアタークリエの座席(この日のマチネとソワレの間だったのでしょう)で最初一瞬だけ新妻さんが司会役を始めて、妙に形ばったように始まったかと思ったのに、なんか10秒ぐらいでいつもの仲良しモードだったのに笑かされましたが。

司会要らずでエコな女優です、新妻さん。
もう端っから進行役やるつもりありませんからね玲奈ちゃん(笑)。

役とのシンクロとしては笹本さんが萌、新妻さんが史緒だったようで、何しろ新妻さんに至っては「萌と唯一の共通点が『歌が私のプライド』」という話だったわけで、そりゃ新妻さんも「30cmヒールぐらい履いて役代わりやりますか」とも言いますわな(笑)。

これ見てると、新妻さんが萌をやってものすごいハードだった理由が分かる気がして。
役的にはシンクロしない萌と「歌だけでつながってる」感覚は、むしろ「史緒と萌の『歌だけでつながってる』感覚と、それこそシンクロしていたのかもしれません。

自分のプライドはと問われて、自分のプライドの高さを認識しながら、苦笑しつつ答えている玲奈ちゃんが何気にチャーミングでした(笑)。

オペラもミュージカルもスイッチを入れると言う点では同じかも、という新妻さんの答えは本質を言い当てている感。

「歌はもちろん芝居でも一回に一箇所は必ず鳥肌が立つ」とは新妻さん談。
「史緒をいたぶってると快感で」との新妻さん談に、「Sなのね」と返す玲奈ちゃんが味わい深すぎる(笑)

「同世代でミュージカルに深く強く関わっている同志とやれることはなかなかないこと」と新妻さんが(言葉をとても選びながら)語っていたのは実はちょっと意外で、玲奈ちゃんいわくの「新妻さんとやれることが私のプライド」に照れ照れだった新妻さんの、お礼の返事だったのかもしれません。

「結局ラブラブトークになってるし」とか(大笑)

「次はぜひ、いがみ合わない役で」というのも面白かった。

はい!!!(大声で同意)



しっかしお2人のこの日のTV放送告知が対照的で

新妻さん・・・テーマが「食」って(笑)→こちら
  そして「いかがわしいタイトル」に大笑い。
笹本さん・・・宣伝文句その一言ですか(笑)→こちら

ふたりとも自由ですな。



本編は全編に亘ってカメラアングルの素晴らしさにただただ脱帽。

抜いて欲しいアングルは必ずといっていいほどアップだし、ラストも直前まで史緒&萌しか映してない(そのまま終わったらどうしようかと思った・・・笑)し。

アップでは回数的には玲奈ちゃん演じた史緒の方が良いところもらっていた感じはしますが。

そういえば、玲奈ちゃんが恐怖に怯えると目が中央に寄るというのは特にこの「プライド」で実感しましたが(あえて過去を遡ると「ウーマン・イン・ホワイト」のマリアン役でもそんなシーンがありましたが)、人に頼るときは目を右に寄せ、人に食ってかかるときは目を左に寄せるというのが分かりました(爆)。

今回、ご覧になった方と話をしていて興味深かったのが、「史緒は『逃げる』という感情を持っていないんじゃないか」という話。

史緒と萌の初デュエットシーンを神野氏に奨められた時、私的な見解は神野氏にしてみれば「プライドの高い史緒は萌とのデュエットを断るだろう」だったのですが、史緒にしてみれば「チャンスは平等に与えられるべき」と語っているのが実は本心で、「一緒に歌わせろ」という萌の”挑戦”から逃げるという選択肢自体がないのではということに気がついて。

むしろ、自分が負けることなんてつゆほども考えていないのかもしれませんが、その割には直前にコンクールで萌には負けているわけで・・・

自分のメリットがあるとはいえ、神野からの怒濤の攻撃から逃げない史緒は、本当に「逃げる」ことを知らないってオチだったら苦笑ですが、案外当たっているような気がするんです。

史緒は育ちに恵まれた人なので、その場からわざわざ逃避する必要がなくて。

自分を遠巻きにしてきた人たちばかりに囲まれた史緒にとって、逃げる必要を感じなかった”居心地のよい”蘭ちゃんは例外としても、自分がいつも通りお嬢様ぶっていれば、周りがみな逃げていったから、自分から逃げる必要はなかったんだろうと。

これは以前も書いたのですが、「史緒にとっては自分を本当に必要としてもらったのは、萌が初めてじゃないか」と。これは逆もまた真なりで、「萌にとって自分を本当に必要としてもらったのは史緒が初めて」だったんだろうなと。

事あるごとに自分にぶつかってくる萌の存在が、史緒にとっては不思議でもあったんじゃないかと、ふと思ったんですね。心の中に感じていた、「他の人と違う自分への気持ち」を萌に感じていて、それが実体化した瞬間が、あの歌だったんだろうなと思います。

どう生きていけば分からなかった自分、プライドを捨ててまで神野に身を売りオペラ歌手としての成功のレールに乗った自分。
無意識で踏み台にした萌への贖罪意識がラストシーンにつながったんだろうなという思いは劇場で見たときと変わらず。

物語的にはそもそも原作からしてあぁいう出来なわけで、後味の良さを求める自体が八百屋で魚って感じではあるわけですが(苦笑)、何はともあれ「新妻さん&笹本さんの共演」というパンドラの箱(爆)を開けてくれた金字塔という称号は、未来永劫語り継がれるわけで、その点だけを取ってみても意義ある作品だと、心から思う次第です。

※とりあえず朝が早いのでここまででupします。後ほど追記。

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コメント

tvご覧になれて、羨ましい限りですclover私は家や親類にBS環境が無く、当てにしていた友人は海外に卒業旅行に出掛けていて…泣く泣く見逃しました(;∇;)レポありがとうございます。
この作品で、本当の人間の本質を見た気がします。それは、女って怖い…以上のモノでした。笑
個人的に多忙で記録を思うように書けていないので、なんとか手に入れてじっくり観たいと思っておりますsweat01

次回のハロルコ初日、楽しみですね^^

投稿: なんねる♪ | 2011/02/06 21:42

なんねるさん>
お久しぶりです。放送ご覧になれなかったとのことで残念でございます。
再放送がありますので、拝見できることをお祈りしております。

観劇記録がいっぱい溜まっておられることとは思いますが、なんねるさんがこの作品を見ての感想は実は興味があります(笑)。待ってます~

ハロルコは今のところ謎ばかりですけど、その分楽しみですね。

投稿: ひろき | 2011/02/06 23:31

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