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『ハロルコ』(2)

2011.2.15(Tue.) 19:30~21:45
赤坂REDシアター B列(最前列)下手側

劇団HOBO第3回公演、たった2週間ぶりの赤坂REDシアターです。

おかたつ(キャラメルボックスの岡田達也)氏のも観に来たかったんですが、日程調整できずに結局「青空!」の後が「ハロルコ」になりました。

とりあえず(1)の時に書いた
「オジサンを振り回すことを無意識でやる小悪魔ちゃん」

「白いドレス」
は両方当たりました。わーい(笑)

この作品、世田谷FMの時から予想はしていましたがネタバレなしで面白さ語れません。公演会期も短いですし、ネタバレ全開で参ります。

ほぼ2時間の舞台で休憩がありませんが、多分由美子さんが今まで出た作品全てひっくるめても、登場が一番遅いのがこの作品だと思います。開始3分で出てくる「モーツァルト!」、開始1分で出てくる「SHIROH」等々、どんな遅くとも10分以内に出てきていた由美子さんですが、この作品は恐らく40分ぐらいは登場せず、男性だけで物語は進行します。

舞台は片田舎の床屋、名付けて「高橋理髪店」(笑)←由美子さんの実家は床屋さんです。初日、ご両親がご観劇でした。

いやはや、まさに技術指導要らずという話でして。

そんな理髪店のご主人が本間剛さん。そこに集まる悪友のみなさまがた。
酒屋の古川悦司さん、介護ホームの従業員の省吾さん、葬儀屋の有川マコトさん、警察官の林和義さん。

そんな皆さまの掛け合い漫才はいつものごとく絶好調でございますが、第1回公演「喧嘩農家」、第2回公演「明日の幸福論」とちょっと違うのは、今回の時代設定がそれほど昔ではないということでしょうか。割と現代的、といってもここ10年ぐらい前の話でしょうか。ノスタルジックでもなく、かといってばりばりに現代でもない床屋。

というか床屋さんって独特な「時の止まり方」をしていますからね。1000円散髪屋さんに通い始めて以来、そんな空気とはとんとご無沙汰していますが、言われてみればなんかどうでもいい仲間が、どうでも良い時間を過ごす空間という意味では、床屋さんって最適なのかもしれません。

そんなただの日常の繰り返しをちょっと変えてみたくて、都会の高崎(ということは舞台は群馬県の郡部なのでしょう)にみんなで出ていって、その店で働いていた女性を古川氏演じる酒屋さんが連れてきて、理髪店の2階に匿ってもらう・・・

その女性こそが「ハロルコ」。
てっきり愛称なのかと思っていたのですが、実は本名。
いずこかの南国から出稼ぎに来ている女性、その役を演じるのが劇団HOBO紅一点、高橋由美子さんというわけです。

主宰のおかやまはじめさんいわくの「むさくるしい空間」が続いた鬱憤を晴らすかのように(爆)、ハロルコの放つマシンガントークはある意味アデレイド級の台詞の多さ。
登場時間一番短いのに、台詞は一番多い気さえしてきます。

海外からの出稼ぎということで、日本語が色々可笑しいわけですが、おかやまさんが描いた台本の台詞も絶妙に面白いのですが、それを由美子さんのあのマルチテクニックでいいように遊ぶもんだから、その面白みはますます増幅。ご本人「アイドル生命を投げ打つとこんなに弾けられるのか!?と思っていただけるほど体はってます! 」と珍しくも派手にぶちあげていますが→こちら、言うだけのことはある面白さです。

やっぱり由美子さんは弾けさせてナンボだと、それをつくづく再認識。

ハロルコ狙いのみんなが、お互い他を出し抜こうと必死で抜け駆けをする様は滑稽ながらも、それでもそうさせるだけのものはあるなぁと。

ある意味、何の意味なのか分からない「ハロルコ」って言葉自体が、意味として「女神」とかに見えてくるから不思議です。
中盤まではピンク色を基調にした、パジャマとの境界線の薄い服装ですが(爆)、後半の衣装の白いドレスはもう壮絶に綺麗です。

何しろこの日は最前列でしかもこの赤坂REDシアターは舞台と客席の距離はほとんどゼロ距離ですから、目のやり場に困ってしまったりして。

由美子さん以外の劇団員の皆さまも一人一人本当に安心のブランドで、脚本に逆らうことなく他の人を邪魔することなく、でもみんな一人一人が愛らしくそこにいるのは流石だなぁと思う。キャラ立ちの上では前回に比べてちょっと省吾さんが弱いかなぁと思ったけど、実は第1回公演で苦手だった林さんは第2回公演で苦手意識がなくなったし、第2回公演で苦手だった本間さんは今回苦手意識がなくなって、なんか本当にいいなぁと思う。

HOBOで不思議なのは、あれだけ笑いまくって涙を流すのに、でも実はネタをほとんど覚えていない。今回は実は下ネタ率が案外に高いのに、いい意味きれいさっぱり忘れていられるから精神衛生上誠に有り難いです。

男性を”金のなる木”としか思っていない、ように描かれる途中までのハロルコと、おかやまはじめさん演じる人から、みんなを代表してあるものを渡されるときのハロルコ。
そして母国に帰ったハロルコから送られてくる手紙。

なんだか、みんなとハロルコの距離が、実際に遠くなればなるほど近くなるような、そんな錯覚を心地よく感じたりして。

小悪魔から女神へ変わっていく様は本当に美しかったし、それが内面から見えてくるかのような衣装はとても綺麗でした。

おかやまさんが言及していた「由美子さんが歌うかも」は、実はこの曲(音流れます、動画注意→こちら)。

ちなみにこの動画は日本テレビ系の「サウンドパーティー」のレギュラーだった当時(1992年、当時18歳)なので、歌唱力は今はその比ではないわけですが、今でもカラオケに行くと由美子さんの十八番らしいこの曲は、その歌詞からしてハロルコの役どころにぴったりで、何となくこの曲からインスピレーションを得たのでは?と思わせるぐらいで、ぞくぞくしました。

オチはネタの笑いどころなので省略するとして、カーテンコール、1回目のご挨拶は主宰のおかやまはじめさんから。やはりチケットは苦戦しているようで、「ぜひよろしく」と。また、次回公演(第4回公演)にも言及されていましたが、初日にしてそこに言及するからには、逆に言うと今回のプロモーション不足に対する反省と、「言っておかないと第4回が実現しなくなるかも」という危機感なのかもと受け取りました。

特に由美子さん的には宣伝といったものと無縁でしたし、妙に意地張って事務所に頼まないようなことしなくても、せめて帝劇のラックにチラシ入れてもらうぐらいはやっても良かったんじゃないかな-と思う次第。

「由美子さんの意外性」って他の女優さんで代替が利かないので、間口を広くしてたくさんの人に観てもらってこその頑張りだと思うんですけどね。

ちなみにこの日、2回目のカーテンコールでは、はじめさんが無予告で中央の由美子さんに無茶振り(笑)。

由美子さんはぼそっと「聞いてないけど」と言いつつ(最前列はこういうのが聞こえるんで・・・笑)「色々と大変な役ですけど頑張ります」と普通に締めておりました。

なおこの日の物販で劇中歌CD+HOBO手ぬぐいのセット(1,000円)が出ておりました。はじめさんいわく「物販にも手を出してしまいました」とのことでしたが、ちなみにHOBOの歌姫さんの歌はCDではちょびっとなので、劇中でお楽しみを、ということのようです。

短い会期ですがあと3回観劇予定。

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コメント

楽しめたお芝居でした。
ただ由美子さん登場まで時間が
かかり過ぎで、間延びした感じ
がしました。
芸達者な人たちの演技は見ていて
退屈しないです。
由美子さんあれがやりたかったのか
ナンネールで、抑えた演技だったから(笑)もう少し宣伝にも力を入れて
お客さんが入らないとまずい気がします。
初日楽日はいいようですが

投稿: てるてる | 2011/02/16 21:03

てるてるさん>
間延びと言ってしまうと申し訳ない気がしますが(爆)、由美子さん登場前後で別のお芝居という感じは確かにしたかもですね。

あとご覧になった方のコメントで、「HOBOのお客さんは笑うのが上手い」ってのがありました。ちょっと嬉しかったです。

投稿: ひろき | 2011/02/17 00:32

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