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『青空!』(1)

2011.1.25(Tue.) 19:00~20:25
赤坂REDシアター D列上手側

新妻聖子さん一人舞台、「青空!」東京初日。

仕事の都合で最後まで行けるかどうか気を揉んだのですが、終演後に再度仕事に戻ることにして劇場へ。

赤坂見附駅から2分といわれるこの劇場、実は初めてだったので少し迷いました。
赤坂見附交差点はあまり来ないこともあって、方向感覚を見失います。

初の劇場なのに、今月3回、来月3回と合わせて6回もお世話になることになります。
劇場は赤坂グランベルホテルの地下2階。東京公演は既に満員ということもあり、とりあえず初日の席に付けたことに安堵します。当日券も10席ぐらいしか出ないようです。

この劇場はA・B列が可変席ということでステージプランによって消滅しますが、今回の「青空!」はA・B列ともにステージとして使用したためにC列が最前列。つまり自分のD列は2列目になります。
来月の劇団HOBO「ハロルコ」はA列のみステージとして使用するようで、B列が最前列のようです。

それにしたところで、ザ・小劇場といいますか、ステージと客席の距離が近い近い。
自分の限られた小劇場経験の中でも、本多劇場よりも、中野テアトルBONBONよりも、そしてTOPSよりも小さいという。雰囲気的には東中野のポレポレを半分にした感じです(新妻さん的喩えとして)。

トム・プロジェクト製作の舞台といえば新妻さんで「骨唄」、由美子さんで「エル・スール」(ちなみに今年8月に再演するそうですが、由美子さんは出ないそうです)ときて今回が3作目。そして共通点は東憲司さん演出。

新妻さん演じる主人公は「村野五月」(むらのさつき)という28歳の独身女性。
なんかちょっと前まで「村雨さつき」さんって役名のドラマを見ていたような(→1994年に高橋由美子さんが演じたドラマ「おかみ三代女の戦い」の役名でした)。

一人芝居、半ば一人二役といった感じで、亡くなったお婆ちゃんと孫の交流を、お婆ちゃんが残した「青空!」というノートをキーに描いた作品。
舞台はお婆ちゃんが亡くなるまでの期間を過ごした防空壕。

当初「一人ミュージカル」という言い方も新妻さんご自身がされていたこともありますが、歌は3曲、かつ場面進行中「歌に自分の孤独を助けられる」シーンで使われるのみですので、歌に関しては満足感とまでは行きませんが、それでもラストの「青空」は素敵。

前方列の皆さまは笑いどころが少し早いので、栃木公演経験済みな感じです。
開演前の話題の中心が「再演って何だろう」ばかりだったことに少し吹きましたが。

お婆ちゃんがいるように話したり、自分自身がお婆ちゃんの役をやったりもするのですが、ところどころで新妻さんが実はお得意の自虐笑いを組み込みつつ、とはいえ前半はどことなく直線的に物語が進みます。

新妻さんの歌声にしろしゃべり声にしろ好きな声ではありますが、そもそもの本自体が前半は比較的単調なので、少しもどかしくはあります。

この辺からちょびっと薄いネタバレ込みで物語について語ります





役柄的には、「アグレッシブな(藪崎)千華ちゃん」と言った感じ。というかむしろ映画「アンダンテ」で共演した秋本奈緒美さん演じたやり手ベテランさんの10年前、という印象。

何というか「やり手寸前でひきこもった」感じですね。自分の夢を追い求めて、それでも上手くいかずに逃げて。そんな自分の弱い部分を突かれたときの五月の弱々しさは痛々しいほどでした。

この作品の中で「お婆ちゃん」が五月にとっては実体化したかのように表現される時があるのですが、実は最初は「自分の都合のいいことしか言わないの。だって自分の中のお婆ちゃんだもん」とさえ言っているのですが、時が経つにつれ、お婆ちゃんは五月に対して昔どおりにはっきり物を言うようになって、ついにはお婆ちゃんに自分の一番触れられたくないことを触れられてしまう。

自分の夢を追い求めて、でも叶えられなくて現実から逃げてきて。
自分にとってのお婆ちゃんという、自分にとって都合の良い空間を求めては来たけれども、それを見抜かれたお婆ちゃんによって現実を見せられて。
逃げ続けるだけじゃ結局だめなんだ、と前向きになっていくわけですが。

うん、その流れは悪くないと思うんですが、個人的な好みを言ってしまうのなら反戦系のメッセージって自分はあまり好きではないので、ちょっとその辺りは辛かったかな。

新妻さんって役者さんとしても女優さんとしてもどんなものも吸収するスポンジみたいなところはあるけれど、何というか微妙な分野についても臆せずというか誤解を恐れずに踏み込んでいくような様が、どこか危なっかしげに見えるというのは、実は正直な感想なんですよね。



この日は初日と言うことで、新妻さんからの初日挨拶があり。

「本日はトム・プロジェクト制作、東憲司作・演出、新妻聖子一人芝居『青空!』東京公演に足をお運びいただきありがとうございます(拍手)。無理矢理拍手させちゃった感じがありますが(笑)。なんか笑い声が身内ぽかったですが(笑・・・客席にお姉様の新妻由佳子さまがいらっしゃいました)。

 本日ご覧になっていただいてお気づきかと思いますが、この劇場、とにかく舞台と客席が『ちかっ』って感じでございまして、一人舞台と申しましても、お客様ももしかすると出演者の一人としてご覧になっていただいたんじゃないかと勝手に思っております(笑)。今までこんな近い濃密な空間で演じたことはありませんし、今後もないかもしれません。千秋楽まで、30日でしたっけ?31日でしたっけ?(→客席から「30日!」の声が上がる・・・・あ、得意技だ・・・笑)ありがとうございます。30日までやっております。マスクをしていらっしゃる方も多数いらっしゃいますが、インフルエンザも流行しております。お気を付けください。最後になりましたが、本日ご来場いただいた皆さまに心から御礼申し上げます。ありがとうございました。」

相変わらずそつのないご挨拶で500km離れた某ご贔屓様の師匠になって欲しいんですが(爆)、何はともあれ終演後、会社に戻って木曜日午後の半休申請の内諾ももらったので、新妻聖子一人芝居第二場(昼)と、漫談大会を楽しみにします(笑)。

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