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『プライド』(13)

2010.12.15(Wed.) 19:00~21:55
シアタークリエ
8列目センターブロック下手側

公演19回目(観劇7回目)

祝・「プライド」公演完売。

公演をあと8回残して、会期はあと6日間になった「プライド」。

その6日間のうち、「プライド」を見ないのが2日間(16日と22日)だけ。
乗りかかった船というかやりすぎというか・・・(爆)。

この時期、キャラメルボックスも見たかったし、「ジャンヌダルク」も評判良いので見たいんだけど、何しろ身体は一つしかなくて。
ここにM!も加わっているわけですから完全にオーバーペース。

ここのところ、仕事して芝居見てレポ書くと1日が終わってます(笑)。
年賀状は仕上げないとなぁ・・・

それにしても背広で芝居見るのは結構きついです。歌姫の歌がそれでも癒し。

ここからいつものネタバレパートスタートです。



●素人と玄人の境界線
舞台版の台詞には好きな台詞はいっぱいありますが、ちょっとした言葉の使い方に、さすがプロと唸らせられる台詞があります。

「お会いできて、良かったです。」/萌 (2幕・ミラノで神野に)
ここ、凡人だと「お会いできて、嬉しかったです。」としてしまうかと思うんですが、「良かったです」としたことで、萌を抜群に光らせています。

萌にとっては、史緒にあんなことをして、神野の前からも姿を消して、でも、お詫びをしなければという思いをずっと持ち続けていて。ミラノで再会できて心からのお詫びができて。

萌にとって神野は「終わった人」だからこそ「嬉しかった」ではなくて「良かった」。
好きになった人だからこそ、きちんとお詫びして別れたかったから。

神野は原作よりは萌の「情の深さ」に引きずられていない感じはありますが(というか新妻さん演じる萌はピュアな感じはあっても、一幕ラスト以外は情の深さをあまり感じない)、原作曰くの「まとわりついてくる猫」でない萌だったからこそ、心惹かれたものがあるんだろうなと。
もう一つ、同じシーンで。

「手が荒れているな。」/神野 (2幕・ミラノで萌に)
この台詞を聞いた後に、萌は神野に「歌を歌いたい」と言って「ふるさと」を歌うわけですが、その「ふるさと」と合わせると・・・

「手が荒れているな。だが心は澄み切っているんだな。」

という神野の心の言葉が聞こえたような気がして、軽く意識が飛びました。

「愛しているなら、彼女の意思を尊重すべきだ」
/神野(1幕・蘭丸に)
神野は「愛していないから、彼女の意思を無視できるんだ」というのを感じてしまいましてですね。

(史緒は萌に「あなたの歌には正確さが足りないわ」、萌は史緒に「あなたの歌には感情がないものね」と言い合っていますが、神野の言葉に蘭丸が言い返してもおかしくない言葉のような。)

それとセットで考えると、2幕告白シーン、神野が史緒に詫びる姿との対比が興味深いです。契約から始まった神野と史緒との関係は、いつの間にか愛に変わっていたのかと思うと意味深なものがあります。
それにも増して「彼女の意思(=萌と神野の子供を育てる)を尊重すべきだ」というのも重いです。

そういや、原作では「史緒には言えない」と、うじうじする神野を母親が諭すシーンがありますが、あれ好きだったのにな。

「史緒さんには正論しか通じないのよ」

舞台版の史緒がどこか物足りないのは、史緒としての軸が脚本的に中途半端だからじゃないかと思う。自分にしか興味がなかった史緒が他人との関わりの中で、自分にない物を得ていく成長ストーリーというのも、確かに史緒としての一面ではあるのだけれども、史緒には「譲れないもの」が常にあったはずで。

要するにそれが「史緒のプライド」なのだとは思うのですが、いびつとはいえ見えている「萌なりの正義」に対する「史緒の正論」がないのがカタルシスに足りない理由じゃないかなと。正論らしい正論って「最後に残るのは本当の実力だわ」だけだと思うし。

●ちょっと気づいたこと
舞台始まってからあまり原作を読まないことにしているのですが、昨日ふと見て見つけた一言。

「才能もある。努力もしたわ。私に足りないのは身長だけ」

・・・さて、これ誰の発言でしょう?

萌かと思いきや実はマレーネでした。
舞台版だと萌が言いそうな台詞ですが(爆)。

ちなみに原作では萌は「私に足りないのは自信だけ」と言ってたりします。
一幕のおどおどした感じはその辺を引きずっているように思えます。

●黒萌全開中の一コマ
萌ちゃんがダーク化するときに常に緊迫感のある音楽が入るのが超漫画的ですが。
ダイジェスト版にもある唾吐きグラスを史緒に突きつける萌。

今週頭あたりから、萌ちゃんここでグラスを45度舞台の半分側にくいっと傾けてましてですね・・・

あれやると唾と水が混ざります(笑)

黒萌全開で流石でございます。

●シーン、飛ぶ。
この日、ウィーンのオクタヴィアンシーンに異変。
史緒と蘭丸が妙にピアノ寄りにいたもんだから、乱入してくる神野がコース変えて襲いかかるしかなくなって・・・

いつもと違う位置に薔薇が飛んでいったもんで、史緒が薔薇拾うのにいつもの倍かかり。

何と史緒が手紙読む部分が丸々すっ飛びました。
その分、薔薇をじーっと眺めてる史緒が絶妙。

●今日のLife
本編編。最近はこの曲ほとんど日替わりなのでコーナー化。

「手の平に今確かに伝わる」でぎゅっと史緒の手を握りしめた萌、握り返す史緒。
「そのぬくもりが確かに教えてくれた」で萌の右手が史緒の手をぎゅっと・・・

萌は確かに史緒から大切な物を教えてもらって、それは史緒にとっても同じことで、だからこそ握り合う手と手の絆が、とてもかけがえのないものに見えて・・・

萌が絶命した後の史緒の慟哭といい、
最近ここのシーンは神がかっています。

さて、本日は休観日です。

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