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『プライド』(14)

2010.12.17(Fri.) 19:00~21:55
シアタークリエ
20列目下手側

公演22回目(観劇8回目)

この日は会期唯一の割引チケットである得チケでの観劇。夏目漱石氏2枚分お安い上に、助六とおかきがお土産で付いてきました。

そういえば東宝ナビザーブで「プライド」クリアファイル付きチケットが出ていたのもこの日。持っているお客様が何人もいらっしゃいました。製作発表で配ってましたが、余ったんですね(笑)。

そんな努力の甲斐あってか、何とこの日の夜公演は”満員御礼”。

「プライド」の満員御礼は自分が見た限りは2度目です。というか、得チケ出して満員御礼になった回なんて相当珍しい。得チケも最初の週に1回出たきりで、公演中盤以降、一気にチケットが動いて完売、当日券には常時10人以上並ぶ状態が常態化しているシアタークリエ。
今年の12月は大当たりでしたね。

不覚にもオペラグラスを自宅に忘れてきてしまい、公演中最遠席からでしたから、ちょっと消化不足気味です。帝劇と違ってクリエはオペラグラスを売っても貸してもいません。広さ的にオペラグラスは要らない劇場とはいえ、自分もあまり視力良くはないもので。

とはいえ、下手側からは意外に舞台全体が見えてます。かつ、たまたま2列前の同番号の席の方がいらっしゃらなかったので、視界が開けており至福でした。クリエは千鳥配置なので、2列前の同番号の方がいらっしゃらないと、ほとんど見切れがない理想の状態になりまして。

特にラストシーンの史緒、そしてバックの萌降臨の神々しさときたら・・・舞台全体を見られるこの席からの眺めは素晴らしかったです。
「ふるさと」を歌う萌のスポットライトはもっとクリエ全力版(ex:ドラロマ)でも良かったのにな、とか思ったり。

しかし、仕事フル回転後に3時間観劇ってきつい・・・
(↑自業自得と史緒は言う)

で、ここからネタバレまた始まります

●史緒の存在感
前回もちょっと書いたのですが、舞台版での史緒の存在感というのは正直中途半端なところがあって。

原作の史緒ってプライドの塊、というスタンスだったかと思うんですが、舞台版の史緒って、プライドを傷つけられることに鈍感で、プライドを傷つけることに敏感だなぁと思う。

何度も見ていてとみに残念だなぁと思うのが、舞台版では「プリマドンナ」で展開される、史緒と萌のツンデレシーン(←そういう正式名称じゃないけど)。

神野の策略でSRMに横やりを入れられた時に、原作では史緒は神野に激しく詰め寄っていて。「私の歌の邪魔をしないと言いましたよね」と言って神野に妨害を止めさせているんです。

史緒は確かに世間知らずなところがあるけれども、正論があってこその史緒だし、萌とのぶつかり合いだし。

史緒は神野にどんどん大切なものを剥ぎ取られて弱々しくなっていくけれども、あんなに弱くていいのかな、史緒が、という思いは実は見てていつも感じていたりして。
まぁ、萌も原作と比べれば舞台版は全然黒いとは言えないですけど。

策略と言えば、ふと気づいたのですが史緒をどん底に叩き落とした萌の発言の話。
萌に吹き込んだのは神野なわけですが、神野にしてみれば「史緒を絶望させるために萌を利用した」図式なのを再認識。
神野にしてみればこの時点での史緒は妻にしたい相手であって愛してる人じゃないから、結果的に自分を頼ってくるのなら傷つけようが何しようが気にもしてないわけですね。
そりゃ嫌われるわな(笑)。

●ツボなシーンといえば
いちいち可愛い萌ちゃんのシーンなんですが一番好きなのは

「お願い。」という。

蘭ちゃんにピアノ弾いてって頼むところの萌ちゃん。
原作的には「双子の性悪な妹でもいるんじゃないかと思う」って感じですまさに。

同じくプリマドンナで「Invocation」やる前の、史緒が遅刻してるときの蘭ちゃん&萌ちゃんトークも意外に好きなシーン。

下手側から上手側に「とててててて」って感じで走ってく新妻さんがまさに萌ちゃんのイメージ。

蘭ちゃんに神野氏とのことを突っ込まれて慌てるところとか、照れ隠しに蘭ちゃんに史緒との話を突っ込むところとか、なんか人形にして持って帰りたいぐらいに可愛い。
とか言っといて30秒後には「女王様は最後にお出ましになるのよね」だからなぁ(爆)。

史緒さんはオクタヴィアンだなぁ。
蘭ちゃんの手を外側からぎゅっと握り直して「ありがと。」が一番好きかも。
あの勢いの付けた握手が理由はわからないけどイメージが史緒。

●ラブストーリー完結編
そんな方向に持って行きつつある「史緒と萌のラブストーリー」説。

ラストシーンで「史緒さんのように愛される子に」と萌が言い、
「萌さんのように愛に溢れた子に」と史緒が言うところ。

萌は史緒を愛したかったけれど、自分にとってそれはできないことで。
でも、表面的なプライドを取り去った萌は、誰よりも史緒を愛したい人で。
愛されることに不器用だった史緒が、
そんな萌の愛を受け入れられたというラストなんだろうなと思う。

もう一方でちょっと思ったのが、

史緒を傷つけた罰を萌が受けて
萌を傷つけた罪を史緒が背負う

ってことかなと。

●今日のLife
気を失っていく萌に気づく史緒、
萌を抱え上げて確かめようとする神野の腕の中で、腕がくたっとなり絶命する萌。
何が起きたか分からずに突っ伏し慟哭する史緒。

・・・・・あれは一体何なんだ・・・・・

というぐらいに、ものすごいシーンでした。

そういえばここの神野さん、史緒よりずっと萌を愛してるように見えるのにちょっとばかり苦笑。

●聞き耳を立ててて
終演後の階段。
”イケメン史緒”というコメントが聞こえてきて絶句しました。

”イケメン史緒”と”少女萌”って組合せで殿堂入りです(笑)

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コメント

こんばんは、ひろきさん。みみかです。
18日のマチネはご覧になられたでしょうか?
個人的には今期ベストでした!ソワレも僅差です。

前々楽にして、やっと「史緒と萌じゃない方のラブストーリー」に目が行って来たので(遅すぎですね(笑))、個人的につぼだったポイントを…もう気づかれてるかもしれないですが、まだだったら是非千秋楽に見てみてください。

・蘭ちゃんが史緒にプロポーズするシーン、「史緒くんの気持ちは!?」の当たりで萌が登場しかけ、慌てて隠れます。つまり、聞き始めた時点では婚約の事実を知らないため、二人の会話を聞く表情が面白いのです。
「僕とやり直そう!」←なんかよく知らんが蘭ちゃん頑張れ!!
「私、蘭ちゃんのこと好きかも」←やっぱり史緒さんも…♪
みたいな。まあ、その1秒後悲劇が起こるわけですが。

・2幕、神野と史緒の結婚準備シーン、「ありがとうございます!」と手を握った後、ぱっとはなれる初々しい(笑)二人の後、史緒がソファに戻り、下手で俯く神野を優しく見つめた後に、本をめくりながら、さっき神野氏の手を握った左手をいとおしそうに右手でさすります(右手の婚約指輪を愛しそうに見つめるバージョンもあり)

では!

投稿: みみか | 2010/12/19 00:22

二度目まして。ラブストーリー説に賛同&深い考察をありがとうございます(笑)
誰よりも史緒を愛したかったのが萌、と言われて、ものすごく納得です。ラストの発言の数々を思い出すと特に。最初の二人のすれ違いシーンも、史緒は前を見つめているのに対して萌は史緒をめっちゃ意識していますし。
この前リピってきたのですが、そんなフィルターがかかっているため、神野氏=「二人を引き裂く悪い大人」、蘭ちゃん=「二人の仲を取り持つ友人」に見えてしまいました(おい)。

「才能もある。努力もしたわ。私に足りないのは身長だけ」は、真っ先に連想したのはもちろん萌=聖子さんでした(笑)。
笹本=史緒=オクタヴィアンと新妻=マレーネ=ゾフィーというのも面白そうだ、と妄想が色々と展開してしまいましたよ…

そう、萌の身のこなしは「とてててて」という効果音が聞こえてきそうなくらい可愛いんですよね!お手手ぴらぴらぴらぴらーとか。ああいうのを見てしまうと、「女王様は」発言が、とても可愛く思えてくるんですよねー。
少女萌とイケメン史緒、いいじゃないですか!史緒はきりっとした感じの歩き方ですものね。

リピってきた時にふと思ったんですが、史緒は全身が(照明で)照らされていることが多いのに対して、萌は足元や下半分が照らされて無かったり靴・靴下部分が黒くて闇にまぎれてたりすることが多い気がするんですよ。(そう思ったのは二幕途中だったので、全編そうだったかはわかりませんが)
なんとなく、史緒=「光を一身に集めて全身で光輝いている」、萌=「闇に呑み込まれそう、あるいは呑まれている」、神野=「闇に溶け込んでいる」のイメージがあります。(蘭ちゃんは…蘭ちゃんのいるシーンでは大抵史緒か萌に目が行っていたため、よく見てませんでした…)
そんなことを考えていると、二幕終盤で全身が照らされている萌さんは、罰を受けると同時に色々と浄化されたんだな…ということをひしひしと感じました。

またもや長文失礼しました。このへんで。
明日(今日)も楽しんできてくださいねー。

投稿: にわ | 2010/12/19 00:36

みみかさん>
こんばんわ。ようやく18日マチネのレポ入れました。
というかレポまでする時間がなくて雑記みたいになってますが、
素晴らしい回でしたね!

・・ところでプライドのマチソワだったんですか(驚)。

萌が隠れる時点では「婚約」の話が出てないから「史緒×蘭丸」を応援、ってモードなんですよね。その時の表情は上手側からしか見えないと思うんですが、明日は幸い上手完全端です。わーい(笑)。
金曜ソワレだったかと思うんですが、萌がバッグを落とした後、上手いこと縦に落ちて、そのバッグが、萌の激情劇場中に「ぱたっ」と音立てて倒れて、「どんな光景だそれ」って感想を持ったことを思い出しました。

ついつい手を握っちゃった「史緒の小学生の恋愛」(←一条先生命名)シーンですが、あれすっかり神野しか見てませんでした。史緒もそんなんやってたんですね。次のところで「神野さんのことを愛しているって初めて分かったんです」とちょいと矛盾してる動きな気もしないでもないですが、注目してみます。

投稿: ひろき | 2010/12/19 02:29

にわさん>
コメントありがとうございます。

萌は史緒を愛した、羨ましがったからこそ、史緒の無遠慮さに深く傷ついて憎んだんだと思うと、後々、史緒にとっては「自分を愛したかった萌を受け入れられなかった自分の未熟さ」に気づいたってことじゃないかなと思っています。

妄想的には新妻さんが2役、萌とマレーネやる、だったんです(笑)
この2役って実は出会わないですからね。(だからってどんな無茶を)
史緒とマレーネにルディ先生での3重奏で見たかったです。

擬音での萌さん形容、お褒めいただいて恐縮です。
そうそう、あの手の動きも初日頃にはなかったので間違いなく新妻さんプロデュースなんだと思うんですけど、萌ちゃんの可愛らしさを完全に掴んでいますよね。

萌が「闇に呑み込まれかけている」という表現はとても興味深かったです。
萌の場合もともとの属性は「闇」じゃなくて「光」だと思うんです。
でも「闇」に手を出さなくては生きていけなくて、苦しみながら「闇」に引きずられて生きていって。けれど「子供」の存在が負のスパイラルから萌を引き出して、だからこその「光」にまとわれた萌として表現されたのかなと思います。

お言葉ありがとうございます。今年のクリエの締めくくりに行ってきます。

投稿: ひろき | 2010/12/19 03:22

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