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『プライド』(12)

2010.12.14(Tue.) 19:00~21:55
シアタークリエ 10列目センター

公演18回目(観劇6回目)

この日は東京公演中唯一のどセンターなのですが、あろうことかチケットが行方不明になりまして。
ナビザーブで購入した履歴は残っていたのですが、7-11で発券して以降どこにもなく・・・
前日、必死で探したところ新妻さんの池袋コミュニティカレッジのサイン色紙の裏に張り付いてました。
萌さんGJ(笑)。

劇場に到着してみると、「撮影用のカメラが入っています」との掲示あり。
期待しちゃっていいんでしょうか?ぜひ最近ないDVD化を!・・・・
と、初っ端からテンション↑ですが、噂によるとWOWOWらしいです。
センター2台、上手下手通路際に各1台、下手側ボックス席に1台ありました。

12/15追記
クリエ裏に停まっていた車はNHKだったそうです。(裏に回りこむのを忘れてた・・・)
というわけで先日「イリアス」やった劇場中継枠か、NHKBS2かな。

一幕ラストのいいところで新妻さんが噛んじゃったし(プ・・プライドって感じで)、二幕もオクタヴィアンシーンで玲奈ちゃんが噛んじゃったから、マチネとの合作でいくしかないのでしょうが。

この日、原作者の一条先生もいらっしゃいました。
私はこの日が6回目の観劇でしたが、一条先生とはゲネプロ含めて3回お見かけしている記憶がありまして、他に1回目撃談が出ていたので4回目ですか。
お気に召していただいたようで、自分のことではないのに嬉しいです。

でここからネタバレパートです。




●場所の役得
この日は何と言ってもどセンターなので、歌唱の直撃率が半端なく。
新妻さん演じる萌の「野望に満ちて」の直撃を受けたときにはぶっ倒れるかと思いました(苦笑)。以前よりこの曲、不安定に歌っている感じがします。新妻さんのことですから不調なんてことではなく、萌の”粗さ”を歌で表現している印象を受けます。

「島唄」のおどおどした感じの歌い始めもそうですが、萌が以前より更に萌です。

この日見てて「萌っぽいなぁ」と思ったのが、新妻さんの手の動き。
蘭ちゃんに神野さんとの関係を突っ込まれたときとかの「ぶらんぶらん」した手の動きが、理由は説明できないんですがすこぶる萌っぽい。

この日ちょっとびっくりしたのは「Invocation~祈り~」でお腹押さえながら必死に声出してる感じに見せてた萌。次見たときにどんな感じに変えてくるのか楽しみ。

●なんかリフレイン
2幕最初、史緒がベッドに横たわっている姿は、史緒の中の人が、怪しいお医者さんに記憶を失う注射をされて記憶喪失になっているかのようでした。
<ウーマン・イン・ホワイト

●神野と3人を隔てる言葉
SRM「Invocation~祈り~」が終わった後、神野が現れて萌が必死に弁解しに行く姿は、今までよりずっと激しかった感。

ここで神野が言わずもがなの失言してしまいましてですね。

「子供の遊び」

・・・・これです。

当然、神野は失言したつもりなんてなくて、「あれはあれでいい」は実は神野にしてみれば自らの立場を前提にした最大限の賛辞なわけですが、そんなことSRMの3人が分かるわけもなく。

憎み合って傷つけ合った史緒と萌を、蘭丸が繋いで作り出すSRMの音楽。
3人にとって、音楽の一体感は「今までの自分の求めていた(足りない物)を体感するもの」であったはず。

何しろ、神野には何も言えないはずの萌さえ目をつり上げて食ってかかっていくわけですが、あれを見て思ったのは、萌は「自分が捨てていくもの」が見えていたんじゃないかなということ。

ちょっと前も書いたのですが、萌が発する「プライドなんて、そんな役に立たないもの捨てました」と言う言葉を聞いたときに、萌の前に「プライド」という物が実際に見えたように思えたんですね。(なぜかイメージは黒い球体でした)

この時、萌は「史緒と蘭丸とで感じた音楽を通じた”一体感”」という感情を、「自分のオペラ歌手の未来」のために、(神野に言い含められたことで)自ら”捨てた”ように見えて。

萌が役柄上そうなのかもしれないですし、新妻さんの演じ方もあるのだとは思いますが、「目的のために大切なものを一つ一つ捨てていく」過程が自分で”見える”のが萌という役の特徴かなと。

逆に、史緒は「目的のために大切な物を一つ一つはぎ取られていく」過程が自分で”見えない”のが特徴に感じます。

「誰にも頭を下げたことのないお嬢様が、オペラのために自分を売った」と萌に言われて初めて、自分がどれだけのものを失ったのかが分かったような気がしてくるのです。

一幕の萌と史緒はその意味で対照的なのですが、よくよく考えると、

「意識して目的のために手段を選ばない」
「無意識に目的のために手段を選ばない」史緒

ってだけで2人ともやってること同じなんですけどね(笑)。

●女性の直感
萌の盗み聞きシーンがインパクト強すぎて忘れていたのですが、
SRM再結成の話が出た1幕ラスト前のシーン。

萌が神野に帰国の報告をしたときは「あぁ」だったのに、
史緒が神野に帰国の報告をしたときは「おかえり」。

萌ちゃんそこに反応してたよやっぱり。
史緒と神野の仲に何かあったと感づいています(もともと蘭丸がNY行くと言って去った直後の時点で、既に萌ちゃんは気づいてますが)。
あそこで惨劇の引き金は引かれていたのですね。

●どんどん変わる「Life」
前回もちょっと書いたのですが、新妻さん演じる萌がどんどん弱々しくなっています。

この日は萌と史緒が片手同士(萌が左手、史緒が右手)で握手していたところに、萌が右手を上から添えて、史緒が左手を上から添えて、ぎゅっと握っていく様が、壮絶のはるか上を行っていまして。
(今までは萌が右手を添えるのがなかった・・・公式動画もそうなってます)

で、ここの「Life」、以前は「果てしのない」を史緒が歌って萌が崩れ落ちる・・・だったのですが、今週頭に見たときにどう変わったかと言いますと・・・

史緒「あなたとの絆を」
萌 「     絆を」で終わるようになって。

萌の生命が「絆」で史緒に受け継がれるわけで、どうしてこうなったのかは分からないのですが、何か色々凄いです。

以前はこの「Life」、本編で歌いきれなかったから歌うオンステージの感が強かったんですが、この日見たら完全に芝居の延長の歌になってました。感情のキャッチボールが伝わってきてなんか凄いものを見ている気分。「Invocation」の凄まじさに隠れてきた印象のある「Life」ですが、「Invocation」がエネルギーと技術のぶつかり合いだとしたら、「Life」は気持ちの共有というか、むしろ同化にも思えてきます。
萌さんの人生を丸ごと受け止められるほどに、史緒が強くなったというのが結局、この作品の到着点なのでしょうね。

ちなみに、萌が左手、史緒が右手というのはそれぞれ新妻さんの利き手が左手、玲奈ちゃんの利き手が右手だからですが、こんなところまで補完関係なのかと思うと、ぞくぞくっとします。

●そんなこんなでカーテンコール
「Life」が終わった後、上手側新妻さん、下手側笹本さんで挨拶、その後鈴木さんを待って下手側鈴木さん、上手側佐々木さんでお辞儀して退出。

拍手の中再び出てきていただくわけですが、この日、実は鈴木さんがいつもよりちょっと早く新妻さんに手を差し出したのですが・・・

最初の握手は絶対に玲奈ちゃんとすると決めているらしい新妻さんは、鈴木さんを一顧だにせず玲奈ちゃんと握手しに行った(爆)のがmyツボでした。
最近、新妻さんは萌ちゃんキャラとして左足上げやるんですがここも実はmyツボです。

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コメント

こんにちは、みみかです。プライドレポ一気に読ませていただきました!ひろきさんもう六回目ですか…!ま、負けた(笑)
舞台版は史緒と萌のラブストーリー説に一票です。ラストの史緒@玲奈ちゃんは、神野さんの子だろうがなんだろうが萌@新妻さんの子なら引き取る迫力を感じました。まあ歌姫コンビ好きが多少(?)目を曇らせていることは否定できませんが(笑
アンコールは、叶わなかったSRMを三人の夢の中で再現なのでしょうが、ラブストーリーと考えると、ヒロイン(萌)が主人公(史緒)の腕の中で息耐え、最後に天国で復活してふたりは永遠に結ばれましたという宝塚的ショーに見えてきます(笑)見方間違いすぎなのですが(笑

投稿: みみか | 2010/12/15 09:02

みみかさん、コメントありがとうございます。

確かにおっしゃるとおり、「神野さんの子だから」じゃなくて「萌さんの子だから」引き取るって感じはしました。神野の過ち(萌さんとの関係)と自分の過ち(萌さんを傷つけたこと)を両方背負うわけで、史緒の決断はすこぶる自然なことではないかと。

それにしたところで、姫ペア萌え万歳ということで(笑)。

片方だけのファンの方がどう捉えてるかは実はちょっと気になってますけど、全体的には笹本さん派は拍手、新妻さん派は半々という感じがしてます。

アンコールは天国ということでなくても、萌が奇跡的に一命を取り留めて・・・ぐらいの無茶として見せてもいいと思うんですけどね。この作品に論理的な整合性を求めても限界があるのは分かっているので(笑)

投稿: ひろき | 2010/12/16 01:01

新妻さんファンは賛否半々なのですか。意外でした。萌の方がやりやすいキャラ&形式も新妻さんの得意なコンサート+芝居形式なので、やりにくいキャラ+「台詞としての情感込めた歌」を得意とする玲奈ちゃんが不利かと…(でも玲奈ちゃん、ほんと素晴らしかったと思います。贔屓目抜きでちゃんと新妻さんと対等でした)
でも新妻さんは、「これでもかっ」て程の黒い役続きなのは何故?!という気持ちです。勿論黒いキャラはやりがいありますが、カミーユクローデルまで発表されてぶっ飛びました…(クネゴンデも萌も吹っ飛ぶくらいに超不幸人生です…)
ラストは奇跡の復活でも良いし(笑)史緒の夢の中、でも素敵ですね。最後のあの短い再会で、「萌さんのように愛に溢れた子になるように」の言葉が出てくらいに萌が「愛を与える」存在になったことを気付いた史緒の記憶の中では、萌がずっと最後の柔らかな笑顔だと思うと、じーんと来ると同時にいたく萌えます(笑

投稿: みみか | 2010/12/16 01:42

みみかさん>
玲奈ちゃんは予想を覆す大健闘な上に最後を持っていく反面、新妻さんは最後以外のおいしいとこ全部持っていきますから、あらゆる意味で対等なはずなんですけどね。
一緒に歌うとやはり新妻さんの方が歌はクリアですし、ネガティブイメージで捉える人がいらっしゃるのは意外でした。その辺、人それぞれかと。
一番大きいのは見栄えの点ではいかんともしがたいところ、じゃないでしょうか。

新妻さんの黒キャラは定着しましたね。癖のある役に使いやすい女優さんになった感がありますから、今後幸せな役はあまりお目にかかれないかも。
来年そうじゃないのはファンテだけだったりして(ありえそうで怖い)。
ご本人が匂わせてますけど、カミーユクローデルもやっぱりそういう系統なのですね。

ラストシーンですけど、史緒自身、「自分を変えたのは萌さんの存在」というものが確固としてあるからこその感動ですよね。
原作以上に力業なラストですが、ふたりの相性の良さに加えて萌えフィルターまで加えると、1幕でバトルし合ってたのがほんの前だったことを忘れます(笑)

投稿: ひろき | 2010/12/16 02:19

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