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『MOZART!』(28)

2010.12.24(Fri.) 12:30~16:15
帝国劇場2階J列センターブロック

上演397回目(今期65回目)
観劇38回目(今期6回目)

アマデ:黒木璃七

今期6回目にして、ようやくアマデコンプリート。もっと簡単に達成すると思ったのに、意外に難物でした。今までと違って、アマデは地方随行のようですので、まだチャンスはあるんですけどね(2007年までは、アマデは現地採用)。

前日の名古屋大楽「プライド」も舞台として素晴らしかったですが、
この日の帝劇楽「MOZART!」も舞台として本当に素晴らしい。

どうしても楽はお祭りムードで作品の完成度より勢いで押す、みたいなところを許容しているようなところがありましたけど、この日の「MOZART!」カンパニーは、東宝作品メインの意地と申しますか(爆)、プリンシパル・アンサンブルに至るまで熱気と完成度が半端ない。まさに楽に調子を合わせてきた印象。

一進一退を繰り返して心配の種だったナンネール役・高橋由美子さんもこの日は間違いなく今期ベスト。
ピアノの前でステッキもってジャンプした時に大丈夫!とは思ったんですが、それにしたところで、碓氷マキさん演じる貴族から賛辞もらって両手上げてはしゃぎまわる・・・・あれは鳩ですか(笑)

この前、ナンネールがピアノ弾いてるときにレオポルトが指揮してたの初めて気づきました。今までやってた記憶ないから今期後半からかな。

赤いコートでは鏡に向かって盆踊りみたいなことやってるし。あぁもうフリーダム。
今期最初の頃は父上に従順だったけど、前回見た山崎君の時と同様、いいように父上をからかいまくっていた・・・・後半からこのパターンになっていたみたいですね。

井上ヴォルフと指差し合ってじゃれてるのがいいんだよなぁ。もうこれ200回以上やってるわけか・・・
2007年シリーズで一回も見られなかった、井上ヴォルフが高橋ナンネールの膝に乗るの、今期も見られなかったなぁ。それだけが心残り。

●日替わりネタその1
楽ということでお遊びはちゃんとありましてですね。
ところはウェーバー家。

セシリア「私が産みました!」(笑)
 ・・・
ヴォルフ「さすがあなたの子供!」(笑)

やっぱりやったかぁ。
いつの話だったか記憶になかったのですが、2007年楽の時の再来らしいです。

●日替わりネタその2
アルコ「斬られるときにはせめて手拍子が欲しかったなぁ」
 ・・・
ヴォルフ「さぁみなさん手拍子を!」

で客席ヒートアップしての手拍子雨あられ。さすがは井上君、これでこそですな。
この辺で完全に客席は楽モードに持って行かれた感じ。

思ったより「ワタシガーダレダカーゴゾンジカーアーアーアーア」が普通だったもんで。
そういや、アルコの口に噛ませてた風車が、アルコ去りし後、ヴォルフ&コンスの会話中に、「すとーん」と舞台上に落ちまして。

いち早く気づいた井上君、ちょっと風車を気にした感じはあったものの、動線を変えて見事に拾い、しまいにはその風車をコンスに向けて吹いて遊ぶ始末。あれ初見だと普通の芝居になっちゃいますねぇ。流石です。

●星金で笑いを起こす人
レオポルトがヴォルフガングにデコピンする「赤いコート」終わり。
いつもの倍の増量バージョンでしたが、星金で男爵夫人の出番前の時・・・・
レオポルトがヴォルフガングに「ぺしぺしぺしぺし」って借金手帳で叩きまくって笑いが起こる・・・・
えーと、すぐシリアス芝居ですが大丈夫ですよね・・・・(まぁこのメンバーで笑い落ちはありえませんが、出てきたらいつもと違う空間が広がってるナンネールは可哀相)。

ここ、山崎ヴォルフの時(18日ソワレ)は、「ヴォルフの味方」パターンだったナンネールですが、井上ヴォルフとは今期バージョンでした。結構意識して変えてるんでしょうねここ。
星金1番、ヴォルフがレオポルトに向かって正座してお願いしていたのは印象的。
それでもレオポルトは許してくれないわけですが。

●姉弟の絆
今期、薄々感ずいていたことなのですが、書いてなかったのでここで。

この日の「パパが亡くなったわ」。

階段を上がってくるナンネールの足音を「かつーん、かつーん」と響かせるのは前からだっけ。ここも含めて今期のナンネールのここ、本当に黄泉の国からの使者のように思えるんだよなぁ。

で、この日。
ヴォルフを追い詰めるナンネールの怖さと来たら、もう一直線にヴォルフを見つめて無表情、ヴォルフがにじり寄られてベッドの先まで後ずさり・・・

これ見て改めて思ったのが、今期の姉弟には「絆」はなくなったんだなと。

どうしても姉弟の仲睦まじい(←日本語の使い方としてはかなり間違っている自覚あり)イメージと願望とで見てしまうのですが、あのシーン、ナンネールにとってはヴォルフガングは”弟”ではないんじゃないかと。
弟と言うよりはむしろ、単純に憎む相手でしかないのか、と。
翻ってヴォルフガング側も、「姉に言われたからショック」なのではなく、単純に「父を失ったからショック」なのが見えて。

残された2人なのに、家族としての絆も断ち切られている。
その光景が何よりMOZART!を以前よりずっと救いのないものにしている気がします。

そういえば、アマデを責めるときに「家族を断ち切った!」と言ってる井上ヴォルフは今期初めて見ました。

そしてカーテンコール。

最近局地的に仕事が早い東宝さん、さっさと動画が出ているので安心して内容確認しながら書けるわけですが、何つーかあそこまでノーカットにしますか(笑)
動画はいずれ消えますので、備忘録の意味も含めて書くとしましょう。

動画リンクはこちら
というか動画に「大千穐楽」と書いてあるんですが、大阪と金沢の立場は(笑)

司会は武岡さん。久しぶりに日付言うとき間違えない武岡さんを見ました(笑)。

●香寿たつきさん/ヴァルトシュテッテン男爵夫人役
今回3演目となり、期間を空けてとはいえ繰り返し同じ役をやるのは自分にとってはめったになくというか初めてに近い経験でした。
最初は後悔ばかりが残って、2回目は何とか形にできたという思いがあって、3回目の今回はやっと心を込めて「星から降る金」という曲を歌うことができたかと思います(拍手)
またこの作品でお会いできて、ちょっとでも進化した姿をお見せできれば嬉しいです。

●島袋寛子さん/コンスタンツェ役
挨拶が苦手で喋りたいことをずっと考えていたんですけど。
前回は本当に記憶がなくて、足を引っ張ってばかりで、今回も未熟だったところもあったんですが皆さんに支えていただきました。
演出の小池先生、また声をかけていただきありがとうございました。私にとって大切な作品になりました。

●高橋由美子さん/ナンネール役
あまり喋るとナンネールという役を勘違いされても困るので・・・(笑)
ぼろが出ちゃうので(笑)、あとは井上君に任せるとして・・・
大阪も金沢もありますので、
このナンネールという清純な役をやり通します。
本日はありがとうございました。

・・・力強く「清純」と言い切ったところで客席から笑い、キャスト陣から笑い・・・

「え、何かおかしいこと言ったっけ?」ってきょとんとしてた由美子さん最強(笑)
天然すぎて和むんですが、もーちょっと挨拶考えてきましょうよ(笑)

で、まさかここをノーカットで動画に流すとは思ってなかった。
東宝さんって意外に勇気ありますね(笑)

「井上君に任せることにして」って言ってたら
井上君が後ろで手で払ってるのが笑えすぎた。
このアングルで常時入ってる吉野氏の半笑いも面白すぎた
(ちょうど切れないで入っているのが味わい深すぎる)。
そして後方列のアンサンブル、森山さんと大谷さんの大ウケ振りもツボです。

●山口祐一郎さん/コロレド大司教役
「傲慢で、自惚れで」と自分で歌いながら、「それはお前だ」と思って歌っていました(笑)。市村さんにいくら舞台上とはいえ・・・・偉そうにすいませんでした(笑)
「もう舞台には立てないんじゃないか」と思っておりましたが、市村さんに「やれ」と蹴りを入れられ・・・偉そうにしております(笑)

●市村正親さん
本来ならモーツァルトをやるべきところですが(笑)、芳雄という才能がおりますので・・・
後輩の祐一郎(さん)にはいじめられ、本編では楽しいところがないのでカーテンコールぐらいはと楽しいことやってまして、それをお目当てに何度も来てくださった方もいらっしゃるのではないかと(笑)

せめて最後ぐらいはハグをしに行こうと。

・・・カーテンコールで出てきたとき、祐一郎さんの胸に飛び込んでいった市村さん。
なんか空中に浮いて足がぶらーんぶらーんしてました(笑)。

それにしても、クリエ楽&大楽の「プライド」新妻さん→笹本さんといい、何ですか最近は東宝作品の楽ってハグ祭りですか(笑)

●井上芳雄さん/ヴォルフガング役
4回目、僕にもお呼びが来て良かったなと思っております。(笑)
東宝の作品の中でもタフでハードできつい作品と聞きますし、僕自身もそうなんですが、それだけのエネルギーを客席にぶつけられる作品をやらせていただけることが喜びです。
モーツァルトの音楽が永遠であるように、この作品「モーツァルト」も永遠であって欲しいと思います。
本日はありがとうございました。

ここで本日OFFの山崎育三郎ヴォルフガングと、アマデ2人(松田アマデ、坂口アマデ)も登場しての、ほぼフルキャストでのアンコールと相成りました(よく考えるとわかりますが、涼風男爵夫人だけが不在)。

それにしてもこの日のカーテンコール、キャスト陣みんなの充実感に満ちあふれていて、無理してでも見て良かったなぁと。そしてやっぱり前方で見るべき日だったなぁと。

由美子さんもガッツポーズしてたし飛び上がってたし、めったにないお手振りもしてたし、何というか楽らしく、というよりむしろ楽なのにそれだけの充実感が見られたことが何よりの幸せでした。

東宝作品、今年の観劇納めでした。
今年たっぷり東宝作品には楽しませていただきました。
2日続けてここまでの舞台を見られたことに、ただただ感謝です。

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コメント

本当に今日のみなさんの出来は
すごかったですね。
由美子さんの、挨拶はいつもあんな風ですね。又そこがいいです。天然ぶりが
今日も迫力ありましたね。パパが死んだわ
と伝えに来るシーン
最初の子供ナンネールのシーンは色々
遊んでました。今日はリピーターが多いせいか拍手はあったので良かったです。

投稿: てるてる | 2010/12/24 23:46

てるてるさん>
お疲れさまでした。諸々ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。

由美子さんの挨拶の天然さは今に始まったことではないですが(笑)、今回は究極でしたね。

そういえば、楽日はナンネール全部の曲に拍手入りましたね。拍手が入れにくい曲ばかりなので、それが嬉しかったです。

投稿: ひろき | 2010/12/25 00:43

千秋楽、本当に素晴らしい出来でした。

ここにきてようやく皆さんと感激を共有できた感じで嬉しく思いました。

投稿: mac-K | 2010/12/25 16:34

mac-Kさん>
コメントありがとうございます。
無事千秋楽を観劇されたとのことで、金のエンゼルで何よりです。

数を重ねるごとに見えるようになることと、数を重ねるごとに見えなくなるものがあるように思えて、新鮮な感想は大変参考になりました。ありがとうございます。

金のエンゼルがあと1ヶ月続くように見守りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします(ぺこり)。

投稿: ひろき | 2010/12/25 20:02

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