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2010年12月

2010年もお別れ。

年末大晦日恒例の、一年間振り返り企画です。

●アクセス回数統計
  2010年(平成22年) 65,508回
  2009年(平成21年) 30,085回(累計182,146)
  2008年(平成20年) 32,944回
  2007年(平成19年) 21,640回
  2006年(平成18年) 30,996回
  2005年(平成17年) 66,481回

今年、blog開設6年目にして20万回アクセスを達成しました。
いつもご覧いただきありがとうございます。
2005年以来2度目の6万回アクセス超でした。

●日別アクセス数上位
今年は400回以上のアクセスが何と13回もありました。

 9/2  916回 『ガイズ&ドールズ』(17) up翌日(名古屋大楽翌々日)
 4/28 780回 『ガイズ&ドールズ』(9) up日(東京千秋楽前々日)
 4/30 717回 『ガイズ&ドールズ』(11) up日(東京千秋楽日)
 8/30 526回 『ガイズ&ドールズ』(15) up日(名古屋大楽日)
 5/2  505回 『ピーターパン』(2) up日(東京千秋楽翌々日)
 9/1  499回 『ガイズ&ドールズ』(17) up日(名古屋大楽翌日)
 12/19 499回 『プライド』(16) up日(東京千秋楽翌日)
 8/31 489回 『ガイズ&ドールズ』(16) up日(名古屋大楽翌日)
 1/23 476回 『アンダンテ~稲の旋律~』(2) up日(東京上映初日)
 12/2 462回 『プライド』(8) up日(東京初日翌日)
 9/22 454回 『プライド』(4) up翌日(製作発表翌日)
 5/1  441回 『ガイズ&ドールズ』(11) up翌日(東京千秋楽翌日)
 8/22 411回 『ガイズ&ドールズ』(13)up日(名古屋公演中)

今まで瞬間最大風速で472回(2008年)というのがあったのですが、それを上回ったのが今年だけで9回。まさに、『ガイズ&ドールズ』と『プライド』の2強が圧倒的です。
しかし916回って・・・・

8月30日から9月2日まで、4日間で2,430回というのも壮絶です。
大楽が名古屋ということも影響していたのでしょうね。
ひょいと東京から名古屋に遠征に行ける方ばかりではないでしょうし。

●キーワード検索/人物編
 1位 笹本玲奈  1,070回
 2位 新妻聖子  610回
 3位 井上芳雄  366回
 4位 新妻由佳子  315回
 5位 高橋由美子 307回

今年は玲奈ちゃんの圧勝でした。色々な意味で注目度が高かったという点も含めて、当blogが玲奈ちゃん一押しと思われたのもむべなるかなですね(苦笑)。

開設以来、常にTOPだった由美子さんは今回は5位。一抹の寂しさを感じつつも、見ている回数(後述)からすれば致し方ないところでしょうか。

そしてとうとう上位5位に姉妹でランクイン(笑)。集計していて笑っちゃいました。
4位、新妻家のお姉様は年末にとうとうダウンされていましたが、お身体大事な身、くれぐれもお大事に。(それもあって年末に由美子さんと由佳子さんの順番がひっくり返りました。)

●キーワード検索/作品編
 1位 ガイズ&ドールズ    2,526回
 2位 アンダンテ~稲の旋律~ 1,095回
 3位 プライド         526回
 4位 DRAMATICA/ROMANTICA 379回
 5位 エネミイ         165回

作品は『ガイズ&ドールズ』圧勝です。
この5作品には、由美子さんも玲奈ちゃんも2作品顔を出していますが、実は一番多いのは新妻さんで3作品なんですね。作品に恵まれた感をひしひしと感じます。

●観劇回数で見た2010年
去年に続きまたもや年間観劇回数を更新してしまいました。
舞台(製作発表、イベントを含む)は、27作品75回。

去年が39作品63回ですから、作品数は減って回数が増えているということで、要するに同じ作品リピートしまくりました、ということになります。

 15回 ガイズ&ドールズ(クリエ10回、中日劇場5回)
 13回 プライド(クリエ10回、名鉄ホール1回、制作発表1回、イベント1回)
  6回 モーツァルト!(帝劇)
  4回 ウーマン・イン・ホワイト(青山劇場)
  4回 明日への幸福論(中野テアトルBONBON)

・・・これも2強。1ヶ月半のガイズ15回も相当なもんですが、1ヶ月弱でプライド13回って仕事してたんでしょうか私(笑)。
そして東宝に貢いだんだなぁ今年・・・合計42回でした(爆)。

●キャスト別よく見ました順
 1位 笹本玲奈  41回10作品(去年17回)
 2位 高橋由美子 28回 4作品(去年19回)
 3位 新妻聖子  25回12作品(去年7回)

次に続くのはガイズ組(15回)とプライドお二方(13回)になるわけで・・・

観劇始めてから常に由美子さんが一番多かったのですが、ここも今年初めてひっくり返りました。由美子さんの舞台を一年中見ていた記憶があるのですが、何しろ玲奈ちゃんは『ガイズ&ドールズ』で由美子さんと、『プライド』で新妻さんと組んだので、どっちにも出ていた以上、必然的に数は膨張することに。

 ちなみにそれぞれのステージ数は、(イベントなども含む)
    笹本玲奈  135回
    高橋由美子 153回
    新妻聖子 102回
 なので、由美子さんのステージ数は多いんですねぇ。
 (今までで一番多かったのは2005年の196ステージ)

あまりに多く見過ぎて、「ウーマン・イン・ホワイト」や「明日の幸福論」、果ては「アンダンテ~稲の旋律~」が今年のことだったことが記憶からすっ飛んでいました。もっと前のことかと思っていました。

玲奈ちゃんは1月「ウーマン・イン・ホワイト」に始まり、「Frank&Friends」、「それぞれのコンサート」のゲスト出演を経て4月・8月「ガイズ&ドールズ」、7月・8月「ピーターパン」、12月「プライド」。その間に「クンツェ&リーヴァイの世界」、「私の頭の中の消しゴム」もありました。そこにFCイベント、ディナーライブもあったので、お会いしなかった月は2月と5月だけ(爆)。

由美子さんは2月のHOBO「明日の幸福論」に始まり、4月・8月「ガイズ&ドールズ」、7月「エネミイ」、11月・12月「モーツァルト!」と4作品。作品数平均では群を抜いてリピート率が高いのですが、玲奈ちゃん・新妻さんと違って舞台以外には出ないので、回数はどうやっても伸びにくくなります。1・5・6・9・10月と5ヶ月もお見かけしなかったわけですが、その期間ってオフか稽古ですね。

それと何と言っても歌手活動20周年記念盤、「Complete Single Collection STEPS」の発売。
PV集といい、デジタルリマスタリングといい、「瑠璃色の地球」といい、すべてが感動物でした。

新妻さんは「アンダンテ~稲の旋律~」で始まって「キャンディード」、「イリアス」、「プライド」、その合間にライブ、「クンツェ&リーヴァイの世界」、そして何と言っても「DRAMATICA/ROMANITICA」。そしてその間にお茶会に公開講座まで、多種多様なラインナップ。3~5月、8月とお会いしませんでしたが後は毎月(笑)。

●作品的私的ベスト3
 1位 「プライド」/12月・シアタークリエ、名鉄ホール
  最後までどっちを上にするか迷ったのですが、色々な意味で何もなかったこちらを上に。作品の展開には原作と見比べつつ、夜通し突っ込みを入れるようなところはありましたが(笑)、2人のディーヴァの初共演の凄さに圧倒されました。映像も残りそうで楽しみです。
  唯一の心残りはチケットが売れすぎてトークショーがなかったこと(笑)。

 2位 「ガイズ&ドールズ」/4月・シアタークリエ、8月・中日劇場
  今まで見た中で一番好きなミュージカルであることは間違いなくて、由美子さん&玲奈ちゃんの実質初共演を見られたのはとてもプレミアでした。あらゆる意味で、一期一会と言う言葉の意味を、はっきり感じさせてもらった気がします。

 3位 「エネミイ」/7月・新国立劇場小ホール
  今年はとにかくストレートを見なかったので、その中から一作。「イリアス」と迷ったのですがこちらに。”もう一人の弟”こと高橋一生君を久しぶりに見られたのは嬉しかったです。ヴォルフ相手以上に、自然に姉弟だったなぁと。

 次点は「イリアス」でしょうか。「キャンディード」も好きでした。
 番外編は「アンダンテ~稲の旋律~」。千華ちゃんPVが映像で残ったのもプレミアムでした。

●私的お気に入りキャラ/ベスト3
 1位 ミス・アデレイド(高橋由美子さん)
  「モーツァルト!」ナンネール役と1,2を争う当たり役かと。
  人間味あふれる、味のある濃い役やるとさすがにはまります。
  願わくば、ポスターのようなハイセンス方向でやったのも見てみたいところですが、由美子さんのキャラを活かすとああいう暴走系が一番面白いんだろうな、とは思います。

  某所で「由美子さんってあまりアドリブしないタイプなんですよ」と言ったところ、特に名古屋公演を見た人から「信じられない」と言われたのも印象深いです(笑)。まぁ、「モーツァルト」でも鏡の前で盆踊りしたりする人だから、やる余地さえあればやる訳ですけど(笑)、共演者まで笑いオチさせて、共演者突っついて、むせさせるなんてことまでやるとは思わなかったからなぁ。

 2位 緑川萌(新妻聖子さん)
  原作と見比べると黒さ半減だったにしては、舞台だけ見ると濃さ抜群。いじらしさが最強でした。
  「新妻さんに演じてもらえて、萌ちゃんも嬉しかったと思う」という気持ちは実際、本当に感じた印象でした。
  でもでも、もしも願いが叶うなら♪、
  新妻さんが麻見史緒役、笹本さんが緑川萌役で見てみたい。

 3位 ピーターパン(笹本玲奈さん)
  本人が封印宣言をしましたが、やりたい役をやりたいときにやらせてもらえるのは正直羨ましいです。フライングで自分の目の前にまっすぐ飛んできたときには身の危険を感じました(爆笑)。
  本質的にハンサムだよなぁ玲奈ちゃん。

  「ハンサムな彼女」っていう少女漫画があるんですが、女優・萩原未央さんを笹本さんで、仲良しにして恋のライバルの歌手・沢木彩さんを新妻さんでやると、はまりそうな気がするんでございますが。
 で、その2人に惚れられる映画監督志望の男性は当然、某腹黒王子で(笑)
 ※ちなみに彩が元カノで未央が現カノだったりする(爆)
(なんでそんな知識だけ無駄に多いんだ私)

 ・・・ちなみにこの3役、1秒で順番含めて答えが出ました。

 お3方がきれいに当たり役を掴んだ感じのある絶妙なバランスです。
 この中でまた見られるのは黒い萌ちゃんだけかな・・・
 アデレイドはまた見たいんだけど、どこの神様に願えばいいんだろう(苦笑)。



 そんなこんなで今年1年、当blogをご覧いただきありがとうございました。

 色々な意味で思い出に残る、とても濃い1年でした。
 いただいた沢山のコメントにも、作品を改めて考え直すのにとてもためになりました。厚く御礼申し上げます。

 来年はこれほどまでには観劇回数も多くはならないとは思いますが(身と財布の危険が・・・笑)、「一期一会」の言葉通り、一回一回の観劇をより大切に、見ていきたいと思っています。
 来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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『サンタクロースが歌ってくれた』

2010.12.25(Sat.) 14:00~16:40
サンシャインシティ展示ホールB

2010年の観劇納めは、演劇集団キャラメルボックス25周年大千穐楽、『サンタクロースが歌ってくれた』。

個人的には23日の名古屋『プライド』、24日の帝劇『MOZART!』と3日連続の楽で、観劇経験上もちろん初で、恐らく今後もないだろう経験です。

東京のみのアナザーキャストだった「10days Limited Version」を11月に見ていて、それはそもそもAチームと見比べるためだったはずなのに、12月は『プライド』と『MOZART!』のダブル祭りに加えて仕事が超多忙で、観劇は諦めかけていました。

前売り券も完売で、ハーフプライスも期待薄ということだったのですが、キャラメルボックス(ネビュラプロジェクト)加藤社長のblogを見ると、劇場向かいの展示ホールBでパブリックビューイングやるということで、これ幸い!と行ってきました。

14時開演で13時発売開始でしたが、12時20分時点で当日券246人という仲村Pのtwitter見たときは本気で焦って池袋駅前を走りましたです。

展示ホールBに300の椅子を用意して結果240人。
劇場に入れなかったという点で運命共同体なので、ノリが独特に変です(笑)。

いつのまにやら「おしゃべりおじさん」(多田直人氏命名)のフリートーク大会が始まっていますが、13時25分から45分までひたすらラーメン屋話、居酒屋話、池袋トークを繰り広げる加藤社長ってそれはそれで可笑しい。

何気に一番参考になった情報は「来年春、東京メトロ有楽町線東池袋駅とサンシャインシティが地下道で結ばれる」という話でした。私も池袋住人なんですが知らんそんなの(笑)。

※調べたところ、東池袋4丁目再開発第2地区(アウルタワー)の竣工(来年1月)後になるらしく、工事完了は来年2月1日が予定されています。文化会館地下1階の旧「トイざらス」(ユニクロの向かい)が接続先になります。

さっさと副都心線に東池袋駅作らないかなぁ・・・・(需要次第ということで用地は確保されている)

13時45分からは劇場のお客さんに内緒でペリクリーズのミニライブという展示ホールBだけの特典付き。そもそも左東氏と多田氏が売り子でした開演前。

やっぱり10daysを見ていてAチームを見ると、初回では分からなかったことも見えてきて、あぁ両方見て良かった、そして西川&上川&近江谷のトリオがなぜ伝説と言われるのか、よく分かったのでした。

10daysチームは特に芥川役の大内さんが予想以上に良かったのですが、今振り返ると太郎役の岡田達也さんに(他作品では感じたことがない)違和感を感じていたので、Aチームの西川さん&上川さんで見ると、あぁ成る程ねぇと。

誤解を恐れずに言うと上川さんの演じる役の腹黒さと岡田達也さんの演じる役の腹黒さは意味が違うと申しますか(笑)、
何というか確信犯と愉快犯の違いと申しますか(爆)

そして何と言っても同期のサクラ、上川さんと近江谷さんのありえないほどのじゃれっぷり。というか上川さんがあそこまで遊びに付き合ってるのは律儀だなぁ(笑)。

近江谷さん演じる警部が上川さん演じる太郎の服の中に手を入れようとして

『公衆の面前!!!!!!』

と上川さんが突っ込んでいたときには涙が出て笑いが止まらなかったです(笑)。

だって突っ込み疲れて上川さんの息があがってるんですもん。
まさかそんなもの見れると思ってなかったから大拍手もんですよ。

『いつまで突っ込ませれば気が済むんですかあんたは!』

って心の声がスクリーン越しに伝わってきた(笑)

そしてこの作品はそんな割に女性が大活躍する作品。メイン3人の他の男優は巡査役(史上最年長巡査)の三浦さんと、監督役の筒井さんだけ。
他はみんな女性。そしてそれぞれ何とまぁエンジンフルスロットルですが何といっても。

渡邊安理さん。

・・・粟根まことさんが絶賛してたので期待はしていたのですが、
なんですかあの生き物(笑)

キャラメルボックスの爆弾娘の次期襲名はあんりだったか・・・

サヨ役はじゃじゃ馬姫のお嬢様で基本的にかき回しキャラなんですが、10daysの真柴さんも超強烈でしたが全然負けてないあのパワーは何。
コメディエンヌって役者の力量が付いてこないと寒いだけなんですが、さすがヒロイン経験してると安定度が半端ない。

衣装は馬子にもなんとやらみたいな感じでしたが(苦笑)。

こういう特攻型って前ならじっきー(實川さん)だったんでしょうが、じっきーを”内に秘めたタイプ”のフミ役に持って行けたから、バランス抜群。じっきーはちょっと押しが強すぎる感じがするんで、押しまくるのにチャーミングなあんりでサヨ役見られて良かった。

ゆきみ&すずこペアもさすがの布陣。10daysではまみゅーん(小林麻美子さん)とコバチエ(小林千恵さん)で、まぁそれはそれで落ち着きのなさが役にあってたかと思うのですが(特にコバチエはありだと思った)、Aチームはゆきみが温井摩耶さん、すずこが前田綾さんで、このバランス凄くいい。

温井さんはいままでずっとシリアス作品でしか見てこなかったので、今回のポップな感じは凄く意外なんだけど、前田さんとの組合せ相性いいわぁ。

『おおきなのっぽのすずこさん、おじいさんの二倍』

は温井さんプロデュースの台詞なんだろうけど、あんまり腹よじれさせないでください(笑)

前田さんが突っ走ったら誰も止められないのは、『水平線の歩き方』と『ミス・ダンディライオン』で骨の髄まで滲みてるんで分かってはいたのですが、印象的だったのが芥川への思い。笑わせるだけじゃなくてこう、ツンデレ風味でぐいっと押してくるあたりはさすがは中堅。あの西川さんが押されてる、というのもある意味興味深い。

ベテラン陣、坂口さん、岡田さつきさん、大森さんのお3方もさすが。
10days版はそれぞれ原田樹里さん、岡内さん、石川寛美さんでしたが、それぞれの良さがあったとはいえ、ハナは坂口さん、奥様は大森さんが好み。

ミツは役者さん的な好みなら岡田さつきさんなんですが、ちょっと重く作りすぎたんじゃないかな・・・という思いが。
ただ、岡内さんからはミツの苦悩の伝わり方が薄くて、さつきさんで見て伝わったことが凄く多くて。

この辺は太郎との兼ね合いもあるんだろうなと思って。

岡田さつきさんは岡田達也さんとの組合せでしか恋愛模様を見たことがないので、上川さんとの組み合わせが想像付かなかったこともあるのですが、確信犯的に自らを追い詰める感じがある上川さん演じる太郎に、それを包容力で包み込もうとするさつきさん演じるミツという図式はとにかく重すぎるぐらい重かったです。

逆に岡内さんのミツは包容力をあまり感じなかったので岡田達也さん演じる太郎の負の感情が空回りしているように見えて。

岡田さつきさんも本来は坂口さんが演じたハナのようなはっちゃけてる役がやりやすいと思うんですけどね。上川さんとの組み合わせは坂口さんの方が自然じゃないかなと思ったり。過去の共演経験から見ても。

そういえばさつきさんは前回、ゆきみ役やってるんですよね。機会あったら見てみたい。というかさつきさんが弾けていた頃のDVDで見たいものいっぱいあるんですけど。

ラスト、前田さん演じるすずこが西川さん演じる芥川にお礼を言って、芥川が答えるシーンは「あぁ、こういうことだったんだ」ということがストーンと腑に落ちて。

ゆきみとすずこへのサンタクロースが、銀幕の中のみんなだったんだ、というストーリーが自然に流れ込んできたのは、さすがはベテランのなせる技だと感動しました。




そしてカーテンコール。

キャラメルボックス年末大千穐楽(前田綾生誕記念日とも言う笑)記念のキャラメル配りは、遠く展示ホールBにまで出張があり。ありがたくいただきました。

挨拶が面白すぎて色々と記憶が飛んでいるのですが、近江谷さんが上川さんに締めさせようとして上川さんがなかなか反応せず、隣にいた前田さんと岡田さつきさんが上川さんの肩でねじ巻いてたのが爆笑でした。・・・ロボだ(笑)

西川さんに歌わせようとする近江谷さん、そして歌おうとする西川さん、止める上川さん。上川さんに歌わせようとする全員、全力で逃げる上川さん、というのも予想はしてましたが実際に見ると笑えすぎます。

それにしても、
あまりに締まらないので締め職人の畑中さん呼ぶも・・・

宇宙戦艦ヤマトの着ぐるみ(←というのかあれ)着てきて客席・舞台上大撃沈。
しかもそれでさえ締まらずに、「いつ締まるのかなー」みたいに舞台上に座り込んでいる岡田さつきさんの姿に激笑。

しかも三本締めまでしたのにまだ締まらず(笑)、最後は近江谷さんがよせばいいのに「お手洗い大丈夫ですか皆さん?」みたいなそっちのネタに持っていって、上川さんの「締めろよ!!!!!」突っ込みが炸裂して結局客席大盛り上がり。

・・・25周年のうち5年ぐらいしかかかわってない不良非公式サポーターですが、案外に超楽しませていただきました。

キャラメル配りからカーテンコール終了まで何と40分。今まで見た舞台でこんなにカテコ長かったのは初めてでしたが、
個人的には2010年笑い納め(←ちと違うんだが)に相応しい観劇納めでした。

体調君、今日までもってくれてありがとう(爆)。

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『MOZART!』(28)

2010.12.24(Fri.) 12:30~16:15
帝国劇場2階J列センターブロック

上演397回目(今期65回目)
観劇38回目(今期6回目)

アマデ:黒木璃七

今期6回目にして、ようやくアマデコンプリート。もっと簡単に達成すると思ったのに、意外に難物でした。今までと違って、アマデは地方随行のようですので、まだチャンスはあるんですけどね(2007年までは、アマデは現地採用)。

前日の名古屋大楽「プライド」も舞台として素晴らしかったですが、
この日の帝劇楽「MOZART!」も舞台として本当に素晴らしい。

どうしても楽はお祭りムードで作品の完成度より勢いで押す、みたいなところを許容しているようなところがありましたけど、この日の「MOZART!」カンパニーは、東宝作品メインの意地と申しますか(爆)、プリンシパル・アンサンブルに至るまで熱気と完成度が半端ない。まさに楽に調子を合わせてきた印象。

一進一退を繰り返して心配の種だったナンネール役・高橋由美子さんもこの日は間違いなく今期ベスト。
ピアノの前でステッキもってジャンプした時に大丈夫!とは思ったんですが、それにしたところで、碓氷マキさん演じる貴族から賛辞もらって両手上げてはしゃぎまわる・・・・あれは鳩ですか(笑)

この前、ナンネールがピアノ弾いてるときにレオポルトが指揮してたの初めて気づきました。今までやってた記憶ないから今期後半からかな。

赤いコートでは鏡に向かって盆踊りみたいなことやってるし。あぁもうフリーダム。
今期最初の頃は父上に従順だったけど、前回見た山崎君の時と同様、いいように父上をからかいまくっていた・・・・後半からこのパターンになっていたみたいですね。

井上ヴォルフと指差し合ってじゃれてるのがいいんだよなぁ。もうこれ200回以上やってるわけか・・・
2007年シリーズで一回も見られなかった、井上ヴォルフが高橋ナンネールの膝に乗るの、今期も見られなかったなぁ。それだけが心残り。

●日替わりネタその1
楽ということでお遊びはちゃんとありましてですね。
ところはウェーバー家。

セシリア「私が産みました!」(笑)
 ・・・
ヴォルフ「さすがあなたの子供!」(笑)

やっぱりやったかぁ。
いつの話だったか記憶になかったのですが、2007年楽の時の再来らしいです。

●日替わりネタその2
アルコ「斬られるときにはせめて手拍子が欲しかったなぁ」
 ・・・
ヴォルフ「さぁみなさん手拍子を!」

で客席ヒートアップしての手拍子雨あられ。さすがは井上君、これでこそですな。
この辺で完全に客席は楽モードに持って行かれた感じ。

思ったより「ワタシガーダレダカーゴゾンジカーアーアーアーア」が普通だったもんで。
そういや、アルコの口に噛ませてた風車が、アルコ去りし後、ヴォルフ&コンスの会話中に、「すとーん」と舞台上に落ちまして。

いち早く気づいた井上君、ちょっと風車を気にした感じはあったものの、動線を変えて見事に拾い、しまいにはその風車をコンスに向けて吹いて遊ぶ始末。あれ初見だと普通の芝居になっちゃいますねぇ。流石です。

●星金で笑いを起こす人
レオポルトがヴォルフガングにデコピンする「赤いコート」終わり。
いつもの倍の増量バージョンでしたが、星金で男爵夫人の出番前の時・・・・
レオポルトがヴォルフガングに「ぺしぺしぺしぺし」って借金手帳で叩きまくって笑いが起こる・・・・
えーと、すぐシリアス芝居ですが大丈夫ですよね・・・・(まぁこのメンバーで笑い落ちはありえませんが、出てきたらいつもと違う空間が広がってるナンネールは可哀相)。

ここ、山崎ヴォルフの時(18日ソワレ)は、「ヴォルフの味方」パターンだったナンネールですが、井上ヴォルフとは今期バージョンでした。結構意識して変えてるんでしょうねここ。
星金1番、ヴォルフがレオポルトに向かって正座してお願いしていたのは印象的。
それでもレオポルトは許してくれないわけですが。

●姉弟の絆
今期、薄々感ずいていたことなのですが、書いてなかったのでここで。

この日の「パパが亡くなったわ」。

階段を上がってくるナンネールの足音を「かつーん、かつーん」と響かせるのは前からだっけ。ここも含めて今期のナンネールのここ、本当に黄泉の国からの使者のように思えるんだよなぁ。

で、この日。
ヴォルフを追い詰めるナンネールの怖さと来たら、もう一直線にヴォルフを見つめて無表情、ヴォルフがにじり寄られてベッドの先まで後ずさり・・・

これ見て改めて思ったのが、今期の姉弟には「絆」はなくなったんだなと。

どうしても姉弟の仲睦まじい(←日本語の使い方としてはかなり間違っている自覚あり)イメージと願望とで見てしまうのですが、あのシーン、ナンネールにとってはヴォルフガングは”弟”ではないんじゃないかと。
弟と言うよりはむしろ、単純に憎む相手でしかないのか、と。
翻ってヴォルフガング側も、「姉に言われたからショック」なのではなく、単純に「父を失ったからショック」なのが見えて。

残された2人なのに、家族としての絆も断ち切られている。
その光景が何よりMOZART!を以前よりずっと救いのないものにしている気がします。

そういえば、アマデを責めるときに「家族を断ち切った!」と言ってる井上ヴォルフは今期初めて見ました。

そしてカーテンコール。

最近局地的に仕事が早い東宝さん、さっさと動画が出ているので安心して内容確認しながら書けるわけですが、何つーかあそこまでノーカットにしますか(笑)
動画はいずれ消えますので、備忘録の意味も含めて書くとしましょう。

動画リンクはこちら
というか動画に「大千穐楽」と書いてあるんですが、大阪と金沢の立場は(笑)

司会は武岡さん。久しぶりに日付言うとき間違えない武岡さんを見ました(笑)。

●香寿たつきさん/ヴァルトシュテッテン男爵夫人役
今回3演目となり、期間を空けてとはいえ繰り返し同じ役をやるのは自分にとってはめったになくというか初めてに近い経験でした。
最初は後悔ばかりが残って、2回目は何とか形にできたという思いがあって、3回目の今回はやっと心を込めて「星から降る金」という曲を歌うことができたかと思います(拍手)
またこの作品でお会いできて、ちょっとでも進化した姿をお見せできれば嬉しいです。

●島袋寛子さん/コンスタンツェ役
挨拶が苦手で喋りたいことをずっと考えていたんですけど。
前回は本当に記憶がなくて、足を引っ張ってばかりで、今回も未熟だったところもあったんですが皆さんに支えていただきました。
演出の小池先生、また声をかけていただきありがとうございました。私にとって大切な作品になりました。

●高橋由美子さん/ナンネール役
あまり喋るとナンネールという役を勘違いされても困るので・・・(笑)
ぼろが出ちゃうので(笑)、あとは井上君に任せるとして・・・
大阪も金沢もありますので、
このナンネールという清純な役をやり通します。
本日はありがとうございました。

・・・力強く「清純」と言い切ったところで客席から笑い、キャスト陣から笑い・・・

「え、何かおかしいこと言ったっけ?」ってきょとんとしてた由美子さん最強(笑)
天然すぎて和むんですが、もーちょっと挨拶考えてきましょうよ(笑)

で、まさかここをノーカットで動画に流すとは思ってなかった。
東宝さんって意外に勇気ありますね(笑)

「井上君に任せることにして」って言ってたら
井上君が後ろで手で払ってるのが笑えすぎた。
このアングルで常時入ってる吉野氏の半笑いも面白すぎた
(ちょうど切れないで入っているのが味わい深すぎる)。
そして後方列のアンサンブル、森山さんと大谷さんの大ウケ振りもツボです。

●山口祐一郎さん/コロレド大司教役
「傲慢で、自惚れで」と自分で歌いながら、「それはお前だ」と思って歌っていました(笑)。市村さんにいくら舞台上とはいえ・・・・偉そうにすいませんでした(笑)
「もう舞台には立てないんじゃないか」と思っておりましたが、市村さんに「やれ」と蹴りを入れられ・・・偉そうにしております(笑)

●市村正親さん
本来ならモーツァルトをやるべきところですが(笑)、芳雄という才能がおりますので・・・
後輩の祐一郎(さん)にはいじめられ、本編では楽しいところがないのでカーテンコールぐらいはと楽しいことやってまして、それをお目当てに何度も来てくださった方もいらっしゃるのではないかと(笑)

せめて最後ぐらいはハグをしに行こうと。

・・・カーテンコールで出てきたとき、祐一郎さんの胸に飛び込んでいった市村さん。
なんか空中に浮いて足がぶらーんぶらーんしてました(笑)。

それにしても、クリエ楽&大楽の「プライド」新妻さん→笹本さんといい、何ですか最近は東宝作品の楽ってハグ祭りですか(笑)

●井上芳雄さん/ヴォルフガング役
4回目、僕にもお呼びが来て良かったなと思っております。(笑)
東宝の作品の中でもタフでハードできつい作品と聞きますし、僕自身もそうなんですが、それだけのエネルギーを客席にぶつけられる作品をやらせていただけることが喜びです。
モーツァルトの音楽が永遠であるように、この作品「モーツァルト」も永遠であって欲しいと思います。
本日はありがとうございました。

ここで本日OFFの山崎育三郎ヴォルフガングと、アマデ2人(松田アマデ、坂口アマデ)も登場しての、ほぼフルキャストでのアンコールと相成りました(よく考えるとわかりますが、涼風男爵夫人だけが不在)。

それにしてもこの日のカーテンコール、キャスト陣みんなの充実感に満ちあふれていて、無理してでも見て良かったなぁと。そしてやっぱり前方で見るべき日だったなぁと。

由美子さんもガッツポーズしてたし飛び上がってたし、めったにないお手振りもしてたし、何というか楽らしく、というよりむしろ楽なのにそれだけの充実感が見られたことが何よりの幸せでした。

東宝作品、今年の観劇納めでした。
今年たっぷり東宝作品には楽しませていただきました。
2日続けてここまでの舞台を見られたことに、ただただ感謝です。

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『プライド』(17)

2010.12.23(Thu.) 16:00~19:10
名古屋・名鉄ホール 10列目10番台(下手寄り)

公演27回目(観劇11回目)

とうとうやってきました大千穐楽。

名古屋駅前、名鉄百貨店10階にある名鉄ホール。
来るのは初めてですが、思った以上に音響も良く、中盤列の割に視界も開けていて申し分ありません。(挨拶で新妻さんも絶賛していました。)

ほとんどのシーンでシアタークリエより音響が良く(ちなみに前日の大阪岸和田・波切ホールが群を抜いて音響が良かったそうです)、ここで大千穐楽を迎えて、それを観劇できる幸せを噛みしめつつ、レポします。

製作発表で「大阪公演」「名古屋公演」の存在を知ったときのインパクトが昨日のことのように思い出されます。

まずは本編。大千穐楽を迎えましたので、当たり前の如くのネタバレ御免です。

●吹っ飛ばし力500%(当社比)
1幕ラスト、萌さんが起こす史緒さん殺人未遂事件
(Copywrite by 史緒さんblog)。

ここ、萌が史緒に掴みかかっていくわけですが、この日の萌は凄かった。
確かにこのシーン、いつも萌の激情は凄かったわけですが、この日の萌さん、遠心力で史緒をテーブルに叩きつけに行くように見せてまして。ストロークが完全に円弧を描いていました。

「怨みを込めて史緒を掴んでテーブルに叩きつける」という、実際にやったら頭何針縫うんだそれみたいな状態になってまして。
鳥肌どころの話じゃありませんでした。

●ポーカーフェイス
史緒と萌が初めて声を合わせる「Wind Beneath My Wings」。
ここ、萌は史緒を強く意識してちらちら見ているのに、史緒は萌の存在を意識しないようにしてるように見えて。今までずっと「史緒は萌の存在を眼中に捉えていない」ように思っていたのですが、史緒の動きを見ると「萌の存在を気になってはいるけど、史緒のプライドが萌に心を惹かれている自分を出させていない」ように見えてきました。

そんな「プライド」も萌とのありえないシンクロで打ち破られるのですが。

史緒にとっての萌は、自分のプライドの無意味な部分を分からせてくれた存在じゃないかなと思う。史緒は萌と出会うことで、本当に必要なプライドだけを残して生きているようになったんじゃないかなとも思ったり。

そういえばこの曲、萌が「もう一度チャンスをください」と言って神野が「じゃぁ(史緒と)デュエットしてみてはどうか」と言う、という流れですが、ここで気づいたことが。

史緒が「私なら構いません」と答えたときに、神野は「ばっ」と反応して史緒を見るんですよ。・・・あぁ、史緒のプライドからして絶対にOKするはずもないと思って提案したら、史緒が受けちゃったので計算狂ったんだ、というのが今さらになって分かりました。

●踏んだり蹴ったり
SRMの1曲目、実現直前に神野から萌に電話が入って実現が遠ざかるシーンがありますが、あそこで萌が神野に何を言われたのかが、実に気になります。

「君は麻見君の引き立て役になりたいのか? 違うだろう?」

ぐらい言ってないと萌はあそこまで拒絶するとは思えないんですが。

そういえば、終わった後、萌が神野の姿を見つけて、うろたえたとはいえ、「子供の遊び」とまで言われて口をぱくぱくさせていたのが印象的。猫でも犬でもなく金魚に見えました(爆)。
それにしたところで、神野さんに褒めてもらえるものを作りたいから、嫌いな史緒と組んだのに、神野にそんなん言われるとか、萌さん踏んだり蹴ったりすぎ。

●私は君とは結婚できない
ここの神野の台詞。
「母親を失う子供を放っておくことはできない」

神野と萌の子、そして萌は早晩この世を去ろうとしている・・・
その話しか理解していなかったのですが、「母親を失う子供」って、昔の史緒もそうなんですよね。
そっかここってシンクロしてたんだ、ってことに気づいて。

神野にとって史緒は「子供」ではなくて「大人」ってことなんだろうなと。

●結婚指輪
えーと、左手にするものではないのでしょうか史緒さん・・・
※国によっては右手もあるそうですが。

●大団円最終章
「Life~命~」本編最後の、まさに最後のこの日。
萌の左手と史緒の右手、史緒がぎゅっと握りしめて萌を勇気づけていって、ラストのラスト、萌が右手を差し出して史緒が左手を差し出して、そうして萌が崩れ落ちていく・・・・

その流れは何より神々しく何より同化の一言でありました。
公演後半はほとんど日替わりだったこのシーンですが、結局最終日のこれが一番の感動でした。

このエピソードは反則的に面白いんですけど、感動90%ダウンかも(笑)

そしてとうとう終演。

「Life~命~」のカーテンコールでは何と、歌い始めの前に自然発生的に拍手が起きて会場全体を包み込む拍手でスタート。最初に拍手してくれた人に本当に感謝したい、素晴らしい感動でした。

では、この日のメインディッシュ、カーテンコールレポです。
司会は、初日以来2度目の、麻見史緒役、笹本玲奈さん。

笹本「本日は『プライド』千穐楽においでいただき、ありがとうございました。
 新幹線のお時間大丈夫ですか?(新妻さんがツボに入って撃沈)。
 よろしければお付き合いください。
 千穐楽ということで、キャスト一人一人からご挨拶させていただきたいと思います。
 では、佐々木さんから。」

・・・前回に懲りてちゃんと名前呼んだ(笑)

佐々木「池之端蘭丸役の佐々木喜英です(拍手)。
  27公演、無事に終了しました。
  この作品は『音楽劇』ということを聞いていまして、歌って踊る自分を想像していたのですが、稽古に入ってみるとほとんどストレートプレイでして(苦笑)。
  ストレートプレイをやったことがなかったので、大変でしたが、三人の大先輩に助けていただいて、本当にありがとうございます。
(↑クリエのほぼ再来。3人は「いえいえ」で答えてるのもおんなじ。)
  初日のカーテンコールで新妻さんがおっしゃっておられましたが、『この4人だからできた舞台』だと思っています。
  今年の最後を素晴らしい作品で締めくくることができて幸せです。

  『プライド』が何で4人だったかご存知ですか?
 演出の寺崎さんがおっしゃっていたのですが、1人1文字ずつで『プライド』なんだそうです。
(残り3人が勢いよく『それ違う違う違う』って否定しまくってたのが笑いました。)

  来年もどこかでお会いできると嬉しいです。本日は誠にありがとうございました。」

笹本「麻見史緒を演じました笹本です(拍手)。
  12月1日にシアタークリエで幕を明けたこの作品、本日無事に千穐楽を迎えました。
  最初この作品を4人でやるという話を聞いたときに、12巻もの大作をどう作るのか、1人1人にかかる責任は大きいなと思っておりまして。実際、稽古に入って、本番に入ってからもそうですが、佐々木さんもおっしゃっていたのですが、『この4人だからできた舞台』でした。
 大変な時に、お姉さんやお兄さんや弟くんに助けていただいて、ありがたかったです。
 そしてご覧いただき、応援してくださった皆さまのおかげで、『プライド』は素晴らしい作品になりました。
 本日ご覧いただいて、できたらアンケートとかに再演希望とかCD希望とか、ぜひ書いてください。
 また、麻見史緒として皆さまの前に立てれば嬉しいです。
 本日は誠にありがとうございました。」

・・・「お姉さんやお兄さんや弟くん」って絶妙すぎる。
  「新妻さんや鈴木さんや佐々木さん」って言うより破壊力抜群。

鈴木「神野隆を演じました鈴木一真です。(拍手)
 12月23日、クリスマスイブイブ、師走のお忙しい中『プライド』をご観劇いただき、ありがとうございました。

 神野という役はサイボーグだなと。(笑)
 神野が愛の力と歌の力で自分を取り戻す物語だと思って演じておりました(残り3人撃沈)。

 まぁ、そんな面もあるということで演じておりました。

 私事ではありますが、今年は結婚という出来事もありまして(拍手)、これがもう大変で(苦笑)、諸々の懸案事項を片付けて、世界中のクライアントに挨拶に回り(爆笑)・・・そんな中、今年の最後を飾る作品『プライド』が素晴らしかったので、来年はこんないい年ではないんじゃないかと思っています(苦笑)。
(新妻さん筆頭に全員否定。)

 皆さまにとっては来年が良い年でありますように、本日は誠にありがとうございました。」

新妻「緑川萌役を演じました新妻聖子です。(拍手)
 あ、これはカツラです(笑)。

 この作品『プライド』、大千穐楽が名古屋ということを聞いた時にとてもテンションが上がりまして。と申しますのも稲沢市祖父江町出身でございまして、ホームという気持ちでやれまして。また、この名鉄ホールも初めて立たせていただいたのですが、素晴らしい劇場で超お気に入りです。

 本日は大千穐楽ということで、客席の皆さまから千穐楽らしい緊張感をいただき、また先ほど佐々木さんもおっしゃいましたが、今までの27公演で積み重ねたものとの集大成で、演じて叫んで歌って、それぞれのシーンで幸せを噛みしめていました。

 玲奈さんもおっしゃられていましたが、この四人だからこそできたと実感しています。

 舞台に立っているのは四人とバンドメンバーだけですが、スタッフも特に地方公演は不眠不休で当たっていただいて、そんなスタッフも含めたプライドカンパニー皆に拍手をいただければ何より幸いでございます(拍手)。

 本日は誠にありがとうございました。」



そんなカーテンコールの後、大千穐楽スペシャル企画。

新妻「本日はクリスマスイブイブということで、皆さまにクリスマスプレゼントをさせていただきたいと思います(拍手)」
新妻「鈴木さん、歌います?」
鈴木「(全力で首を横に振る)」
笹本「佐々木さん、歌います?」
佐々木「(えっ?という感じで呆然)」
笹本「じゃぁ、踊ります?(笑)」
佐々木「(あのポーズで繰り出す)」

って流れが絶妙すぎる(笑)

笹本「その座り込みポーズ、大丈夫なの?」
佐々木「パッド入れてるから大丈夫です」

って反応も面白い。
新妻さんも佐々木さんを尊敬の目で見てる(爆)。

結局、歌うのは笹本&新妻の姫ペアになったのですが、佐々木さんがピアノに付く前にピアノが演奏を始める(爆笑)。

・・・・まぁお約束ですな。クリエと全く逆の展開ですが。

ここ、新妻さんblogでも出ていますが
「White Christmas」デュエットバージョン!
何歌っても絵になる形になる、そして即興だろうが何だろうがこなしてしまう姫ペアのスキルにただただ脱帽。
新妻さんシャウトしまくってるし。
やっぱり2人でライブやりましょうよ・・・・

東京千穐楽が、「2人の歌姫の集大成」という感じだったのに比べると、
大千穐楽は、「4人のカンパニーの集大成」という感じがしたのが印象的でした。

何はともあれ、1月の作品発表、9月の製作発表、11月の事前イベントと、1年間を通じて、ひたすらに寄り添い続けてきた作品「プライド」のひとまずの締めを素敵な形で一緒に締めくくれたことに何よりの感謝を。

遠くない日に(18)を書ける日が来ることを祈りつつ、
キャスト、スタッフ、関わった全ての皆さまへ感謝の気持ちを込めて。
ありがとうございました。

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『プライド』(16)

2010.12.19(Sat.) 13:00~16:15
シアタークリエ 9列目上手端

公演25回目(観劇10回目)

「プライド」東京日比谷・シアタークリエ公演もこの日が千穐楽。
3日連続で個人的には体力的に限界ですが、
行って良かったお祭り東京楽。

芝居の完成度としては前日18日のマチネが最強過ぎたので、そちらに一歩譲る感はありますが、一期一会の究極とも言えるこの日の東京楽。挨拶での新妻さんの言ではありませんが、「初めての人も何度か来た人も」まさに舞台に”呑まれた”感のある東京楽でした。


そういえばこの日の男性率の高さは特筆もの。

会期後半から男性率は高くなり始めていましたが、あのクリエで男性のお手洗いに階段まで列ができるなんて、今年、クリエは両手を2回折っても足りないほど通ったのですが、さすがに初めてです。

とはいえ、千穐楽にいびきかく人がいたのはさすがに引いた・・・
それはいくらなんでもないだろう・・・
お隣の男性が何度も小突いてくれてて助かったけど、そこまで体調悪ければ(マスクしてたし)、自粛するのがマナーだと思う。


●Invocationの意味

史緒と萌がお互いを求め合う、
プリマドンナでの「Wind Beneath My Wings」の後の1シーン。

史緒は他人から、ある人からは「お嬢様」と崇められて、ある人からは「神様に贔屓されている」とまで言われて、「うんざり」しているわけですが、そんな史緒にとって、「本当の意味で自分を必要とした最初の人」が萌さんなんじゃないかなと。

蘭ちゃんは史緒にとっては、萌さんいわくの「いいように使ってるだけ」は言い方が極端としても、「いて当たり前」の存在で。
「仲が良くなりすぎて異性として認識されない」という罠に嵌っているパターンですね。

萌に「麻見さん専属のピアニストですよね。」と言われて大ダメージを食らってる蘭ちゃんが何気に気の毒すぎる(笑)。

※こう言うの見てるとやっぱり萌って歩く爆弾だよなぁ(笑)。

萌にしても、父親はいなくて母親にことあるごとに「あなたなんて産まなきゃよかった」と言われ続けて育ったわけですから、
「本当の意味で自分を必要とした最初の人」が史緒なんだと思う。

意地を張って史緒の元を去っていく萌なんですが、その直前、史緒は「萌さんの代わりなんてすぐに見つかるわ」と言っています。史緒にとっては萌の弱点を突いたはずなのに効かなくて(「私と歌うのが怖いんだそうよ。自分の欠点をさらけ出すのが怖いのね」という台詞)、つい吐いてしまった捨て台詞なんでしょうが・・・・

その時の萌のダメージの受け方が半端なかったですね。
史緒はあえてその萌の表情を見ないポジションにいたわけですが、
「あの萌が、史緒の言葉に大ダメージを受けている」ことが結構な驚きでした。

萌にとって「史緒は自分を必要としてくれた」はずなのに、史緒に求められてはいなかったショック・・・
それでも萌が帰ってきたのは、「Wind Beneath My Wings」で感じた飛翔感だったのでしょう。

そんなことを思いながら「Invocation」が流れ始めたので歌詞を聞いていると・・・

史緒「あなたの祈りが私を求める」
萌「見知らぬ世界へ私を連れ去る」
史緒&萌「不思議な力で惹かれ合うように」
史緒「二つの孤独が一つに重なる」

というパートがどんぴしゃきちゃいまして。

萌の祈りが史緒を求めて、
史緒の祈りが萌を見知らぬ世界へ連れ去って、
史緒・萌の2人が不思議な力で惹かれ合うように、
史緒・萌の2人の孤独が一つに重なる

・・・と読み込んだらもう。

「Invocation」は”お互いが求め合う曲”と言われてはいたけれど、「Life」が何しろ史緒・萌の感情をつなぎすぎているので、「Invocation」は感情のぶつかり合い、という認識しかしていなくて。

確かに感情のぶつかり合いには違いないんですが、「孤独な2人が相手を求め合う曲」なんだと思うと、何か色んなことがすっきりして。

ここの「Invocation」が終わった後、神野に「子供の遊び」と言われた後の史緒の呆然とした表情が印象的。

本編中唯一、神野に食ってかかった萌。
その、萌を見る史緒の表情はすごく意外でした。
立場上、神野に噛みつけないことでは共通しているんですね、史緒と萌は。
ただし、萌はその事実を知らない(史緒と神野の婚約予定の話は知らない)けど、史緒は知ってるという違いはありますが。
でも、萌はそれでも自分の感情に素直に、神野に向かい合う。
史緒はそんな萌を、実は羨ましく見たように見えて。

萌が史緒と見つめ合ってから去っていくシーンも良かった。
史緒の表情は、萌から切り捨てられたショックがありありで。



そういえばよく考えたら、SRMの音源をネットに流したのは蘭ちゃんなんですね。

「子供の遊びではないということが証明されて僕は嬉しいです」と蘭ちゃんは言ってますが、あの場に4人しかいない上、録音してるの蘭ちゃんだけですもんね(パソコン使用)。
Winnyでもやってない限りネットには流れませんね(笑)。

●ツボシーン更に追加
史緒さんを待つ間の「プリマドンナ」。
蘭ちゃんと話してる萌は楽しげに、史緒さんとの話で蘭ちゃんをからかっているんですが、
史緒が来た途端に「くるっ」と180回転して顔を背けるのが印象的。

「SRMをやるのが楽しい」のを史緒に気づかれたくない萌、らしい。
意地っ張りなんだからもぉ。

「Invocation」の中盤で史緒がピアノの蘭ちゃんに近づいて歌って、萌がピアノに寄りかかるようにして歌うところも好き。これ、確か原作にあったアングルだった記憶が。

●上手側からのお楽しみ追加編
みみかさんから昨日の(14)のコメントでいただいたのですが、
一幕ラスト、修羅場直前のパート。
蘭ちゃんと史緒が話してるのを萌が聞き耳立てるところ。
あれ、よく聞いていると分かるのですが、萌が最初に掴みかからないのは、最初の時点では「蘭ちゃんと史緒のラブシーンだと思っている」からなんですね。
だからお邪魔虫だから萌は影に隠れてる。
(蘭ちゃんに史緒さんとのことを「応援してる」と言ったのは萌にしてみれば本心でしょう。神野と史緒の関係が何かあると薄々感づいている萌にしてみれば、その方が自分に有利になると言う観点もあるのでしょうが)

途中で蘭ちゃんが「(史緒が)神野と結婚する」ことを口にしたから萌は激高するわけなんですが・・・お勧めいただいたこのシーン、上手側からしか見えないのですが、萌の感情の動きがもうmaxからlowへ、凄い落差でした。



さて、カーテンコールレポ、
新妻さんの挨拶がスムーズすぎて記憶が飛んでますので、補完いただける方募集中です(笑)。
※みみかさんからのコメント等々で追記しています。ありがとうございます。

●カーテンコールレポ

初日は麻見史緒役の笹本玲奈さんが司会で、てっきり今日もと思いきや、よく考えれば当たり前の結論で、緑川萌役の新妻聖子さんが司会。

○新妻さん(司会)
本日は「プライド」シアタークリエ公演千穐楽をご覧いただき、ありがとうございました。(拍手)
千穐楽特別カーテンコールということで、出演者それぞれよりご挨拶させていただきたいと思います。

あいうえお順ということで佐々木さんから。

○で
なぜかマイクを笹本さんに渡そうとしてる佐々木さん。
「え、蘭ちゃんが喋るのよ」って戻してた笹本さん(笑)

○佐々木喜英さん
池之端蘭丸を演じました佐々木喜英です(拍手)。
本日、25回目のシアタークリエ公演、千穐楽を迎えました。

この舞台は本当に人間関係がどろどろしていまして、この舞台の一番の被害者は僕です(笑)
25回・・・75時間ダメージを受けました。

 ←ここ、新妻さんが「計算してる・・・」って突っ込んでた(笑)

いつも大変でしたが、三人の大先輩がいてくださったからここまでこれました(皆さん「いえいえ」と謙遜)。

これから大阪、名古屋と2回あります
(指でVサインを作って、右から左へ指を動かす
・・・ってあれ何の動きですか笑)

  -「あと2回」の指をなぜか玲奈ちゃんも新妻さんも真似るのが
   可笑しい。
   即席「プライド」ブームですか(笑)。
   あまりに面白くて一真さんがやってたかを見るの忘れました(笑)が、
   どうもテンポ遅れてやってたそうな。

地方公演においでいただける方、是非お待ちしております。

大阪でたこ焼き食べて、名古屋で名古屋コーチン食べて頑張ります(笑)

そして少し早いですが、皆さまにとって来年がよい年でありますように。
本日は誠にありがとうございました。

○笹本玲奈さん
麻見史緒を演じました笹本玲奈です(拍手)

「プライド」を応援してくださった皆さまのおかげで、こうしてシアタークリエ公演、千穐楽を迎えることができました。ありがとうございました。

今回の作品は踊りもありませんので、「体力的には大したことないでしょ」と言われたのですが、毎回罵られたりして、
精神的には今までで一番きつかったです(笑)

 ・・・そこで
 「私のせい、私のせい」と自分に指を指してる萌さんカワユス
 ・・・ホントに史緒さんより年上ですか(爆)。

でも、それを上回る充実感と感動に毎回包まれていました。

カーテンコールで皆さまの拍手に迎えられ、いつも幸せな気持ちになっていました。

この4人で「プライド」という作品をできたことが私の誇りです。

ありがとうございました。

○鈴木一真さん
神野隆役を演じました鈴木一真です(拍手)。

製作発表で「若い3人をきちんと支えられれば」ということを言ってしまったのですが、実は前の仕事が押してしまって合流が遅くなってしまい、ご迷惑をおかけしてすいません(ぶんぶん首を振る歌姫2人)

それもあってお菓子を差し入れたりですね

 ・・・そこで「私、私」と自分に指を指してる萌さんカワユス(再び)

飲み屋の予約とかぐらいしかできませんで(笑)

音楽の体験ということでパンフレットにどうでもいいこと(笑)を書いていますが、私にとって今、音楽の奇跡を感じたのは「プライド」です。
2人の歌声を聞いていると油断すると涙が出て来そうになって、必死で
ダースベーダーのテーマを流していました(大笑)

 (注)鈴木氏曰く神野のテーマソングが「ダースベーダー」だそうです。
  製作発表で言ってただけのはずですが、客席から大ウケしてました。

この作品はぜひ客席から見たかったですし、2年前に亡くなった、音楽が好きだった父に見せたかったです。
今日は母が来ておりますが、産んでくれてありがとうございます(拍手)

本日はありがとうございました。

○新妻聖子さん
みどりか・・わ萌役を演じました新妻聖子です(拍手)

名前噛んでしまいました(苦笑)が・・・・
皆さまの素晴らしい挨拶の後何を言おうかと思っておりまして・・・・

黒い萌ちゃんを割と楽しんで演じることができました。

知り合いみんなに「聖子ちゃん怖い・・・」と言われ続けましたが(笑)、佐々木さんもおっしゃられましたが、シアタークリエ公演25回、(史緒さんを)罵倒したり、首を絞めに行ったりするのはものすごいエネルギーが要りました(笑)。

12月1日から始まったこの「プライド」。
12巻もの漫画原作を凝縮しての物語ということで、四人舞台、女優二人が吹き替えなしでオペラを歌うという意味でも、チャレンジな舞台でありました。

初めていらっしゃった方、何度かおいでいただいた方、皆さまのお力あっての「プライド」だと日々感じておりました。そしてこの4人で「プライド」をやれたことは幸せでした。

まるっとありがとうございました!

(玲奈ちゃんが、「あれ、締めるんじゃないの?」と新妻さんを覗き込み、あわてて)

本日は誠にありがとうございました(拍手)




拍手で見送った後、バンド3名も前に出てきての万歳、そして客席総立ち状態。




次出てきたとき、あまりの拍手の鳴りやまなさに・・・

「ここから何も考えてないんですよ」@新妻さん
「どうしようねぇ」@新妻さん
「どうしようかぁ」@笹本さん

「あ、鈴木さん、客席から見ますか」@新妻さん(客席大喝采)

 -新妻さんあなた神だわ(笑)

「え、だって客席満席だし」@鈴木さん
「お母様のお隣はいかがですか」@新妻さん
「や、空いてないし」@鈴木さん
「そこに特等席がありますよ」@新妻さん

 -と、新妻さんが指差した先は、2幕最初に萌さんが座ってた場所。
  あぁぁぁぁぁぁ!と会場全員納得。すげぇ。

「SS席ですね」@新妻さん

 -J席とも言う(笑)

「『Invocation』は長すぎるしねぇ」@新妻さん

 -「それでもいいからやって」と思った人609人(独断)

「じゃぁ『Wind Beneath My Wings』やりましょう(拍手)」@新妻さん

「蘭ちゃんにピアノ弾いてもらって」@新妻さん

 -これ聞いて新妻さんすごい、を改めて実感。
  これ聞けば蘭ちゃんがずっと弾いてたようにも聞こえるわけで。
  佐々木さんへの感謝の言葉としてこれ以上の言葉はないと思う。

マイク取ってきますねーと2人手を取り合って上手にすたすた走りしていくのが姫ペア萌えには強力すぎる。

「珍しい並びの『Wind Beneath My Wings』ですね」@新妻さん

の言どおり、本編と逆で、上手側が萌さん(新妻さん)、下手側が史緒さん(笹本さん)。
笹本さんは本編同様フルパワーなんですが新妻さんがですねぇ・・・・

フルスロットルのシャウトバージョンかましてくださいましてですね・・・・
やっぱり新妻さん、ラストのラストでとんでもないもの聞かせてくれました。




この後、下手側から出てきた笹本さんの腕の中に、上手側から出てきた新妻さんが抱きついてすっぽり収まり。

「史緒-気持ちよく歌えた-」
「それは何より-」

というまるで原作シーン(ただし、史緒&マレーネ)が出来上がっていました(笑)。

新妻さんblogの史緒&萌ハッピーエンドフォトも永久保存版です
こちら
笹本さんblogも時間差で同じ写真で更新。

あと公演は2回、岸和田(大阪)と名古屋を残すのみ。
迷われている方、後悔はさせませんのでぜひ会場へ!

最後の1回、名古屋の大楽は今年最後の遠征です。

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『プライド』(15)

2010.12.18(Sat.) 13:00~15:55
シアタークリエ17列センターブロック

公演23回目(観劇9回目)

「プライド」3日連続観劇の2日目。
この日も満員御礼、2日連続です。
(千穐楽は満員御礼でも看板は「本日千穐楽」になります)

実は元々この日は「MOZART!」ソワレだけの予定でした。
最近体力的にきついので”マチソワはやらない”ポリシーだったのですが。

前日がイープラスの得チケ、翌日が東京千秋楽。
ここは「プライド」空白日のつもりでした。

この公演が決まったときに、実家でそれとなしに話を出したら妹が興味を示しまして。
12月に公演が始まり、これなら奨められると判断して、公演開始後に日程調整。
すると、センターブロックのどセンターに空きが3席あったのはこの日だけ。
体力の限界に挑戦する気持ちでしたが、一応、今生きてこの文章打ってます(笑)。
結果からして1日でご贔屓さん3人一気に観たのは多分初めてかと思います。

母と妹には以前、「レ・ミゼラブル」(高橋ファンテーヌ)、「MOZART!」(高橋ナンネール)、「ミー&マイガール」(笹本サリー)、「屋根の上のヴァイオリン弾き」(笹本ホーデル)と観てもらっているので、お初なのは実は新妻さんだけ。
でもしょっちゅうBSの録画代行してもらっているので、新妻さんの歌は知られてたりします。

事実上初見の人がこの作品を観たらどうなるんだろう、が知りたくて実質的にモニターお願いしちゃいました(笑)。
妹も3巻までは原作読んだそうですが。

全体通しての感想は「上手くまとまってたねー」と「2幕が確かに凄く短く感じるね」。
歌は「凄いね」でしたが、母君は玲奈ちゃんの歌がお気に召したそう。艶やかな感じがいいと。新妻さんは上手いけど鋭すぎる(激しすぎる)かな、という感想でした。
妹はと言えば「Wind Beneath My Wings」が良すぎて泣いたそうな。
幸い、どセンターでの観劇で、恐らく要ると思ったオペラグラスも渡しておいたので楽しんでもらえたようで何より。

感想で印象に残ったのは何と言っても「新妻さん小っちゃいね」(笑)
「笹本さんが歌も台詞も妙に籠もる」という感想は実は私も思っていたことなんですが、「新妻さんが歌も台詞もはきはきしている」から尚更それが目立つってことなんですね。
「蘭ちゃん役の人(佐々木喜英さん)が身のこなしが凄いね」と言われて「テニミュやってたから」と答えたら妹に即断で納得されたという。
「なんで笑いどころがことごとく神野なんだろう」という妹のコメントにも噴き出しました。

そう言えばこの日、何と史緒に衝撃の告白をする神野のシーンで笑いが起きたんです。
確かに憔悴しきった感じが妙だったけど、笑うとこじゃないそこ(泣)。
が、さすがは笹本さん。直後の台詞をシリアス調で叩きつけて空気を変えてくれました。
というわけで、どセンターということで、実は今までやってなかった曲目レビュー何ぞをいきます。(シーン名は特に設定されてませんので独断で表記です)
今日が東京千秋楽ですからもはやネタバレ表記しませぬ。

●「Casta Diva」~1幕「パルコ・デ・オペラ」~史緒(笹本)
コンクールの最初、この作品の第1曲目(インストロメンタルを除く)、史緒の課題曲。超絶ソプラノ用の曲ということで、本来はアルト音域の笹本さんが歌うには厳しい部分もあるかと思うのですが、思ったよりずっとオペラ調。
まぁ、オペラを聴いている人が聴けば色々と突っ込みどころはあるのでしょうが、「私むちゃくちゃ心配されてますが、開幕までには何とかします」と明言した笹本さんの有言実行ぶりに拍手。

●「野望に満ちて」~1幕「パルコ・デ・オペラ」~萌(新妻)
同コンクールの萌の課題曲であり、萌が優勝を勝ち取った曲。
新妻さんのオペラ調は6月帝劇の「キャンディード」のクネゴンデ役「着飾って、輝いて」を乗り切ったことから心配はしていなかったのですが、ゲネプロで初めて聴いてからずっと思ってるのが、「策略をかまさなくても萌が勝つよねこれ」という(苦笑)。

●「島唄」~1幕「プリマドンナ」~萌(新妻)
「1曲歌ってみるか」と神野に言われて歌う曲で、まさに原作通りなのですが、新妻さんの歌唱は軸がしっかりしてまっすぐなので、帰国子女なのにこういう日本風の曲がすごくはまる。「心を捉えて離さない、情景を感じさせる歌」という評が原作にありますが、まさにその通りな曲。

●「愛の賛歌」~1幕「プリマドンナ」~史緒(笹本)
神野にも内緒でプリマドンナの歌手になっていた史緒が「ここが私の歌う場所です」と宣言して歌う曲。「教科書的で感動がない」と思われながらも、原作通りのゴージャス感が素敵。ほんとスタイルがいいって得だわ。

●「Wind Beneath My Wings」~1幕「プリマドンナ」
~史緒(笹本)、萌(新妻)
ひょんな拍子からデュエットすることになった2人。2人のツンデレ風味全開でして。
史緒が歌い出し、萌が歌うという流れですが、萌は史緒より一歩でも前に行こうとするという。で2人の歌の波長が合ったタイミングでまず萌がその感覚に気づいて、その後史緒も気づいて2人で顔を見合わせる・・・・現段階で動画になっていない(公式ページは事前イベント版で演技が入ってない)のがとにかく悔しいぐらい、絶妙な表情が素晴らしいです。
個人的にツボなのは「しぶしぶハモる萌ちゃん」だったりする(笑)。

2人が一緒に歌うとマイクと口の距離の違いが・・・・
笹本さんの歌声が籠もって聞こえるというのは要するにそういうことなんでしょうね。

●「Invocation~祈り~」~1幕「銀座/プリマドンナ」
~史緒(笹本)、萌(新妻)
以前書きましたが「凄い」を通り越して「凄まじい」と評した曲。
始まっていつ終わるか分からない曲でもあります。
なんか3曲分ぐらいのエキスを混ぜてますよね。
最近、なんかテンポがちょっとだけ落としてあって最初の迫力がちょいと減った気がしているのですが、この鬼な曲を1日最大4回歌うのを2回に減らしたのは英断だったと思います、はい。

●「White Christmas」~2幕「薔薇の騎士」~史緒(笹本)
1幕の「型にはまった」歌い方と明らかに変えている史緒の歌。
転調後のジャズ調が好き過ぎて困りまくる。
笹本さんの歌声はやっぱり伸びる声が一番。と考えると本当に今回の史緒の歌って、どれもこれも無茶苦茶チャレンジバージョンなんですね。

背の問題を横に置いたときに、史緒=新妻、萌=笹本という声が多かったわけですが、それも

史緒「あなたの歌には正確さが足りないわ。
    感情に流されて浮ついている」

「あなたの歌には感情がないものね」

は、どう見ても史緒=新妻、萌=笹本だからと言うことなのだと思います。

が、それにもかかわらず今回史緒を笹本さんが、萌を新妻さんがやったことで、あえて「歌としては持ち味が逆」なチャレンジができたって意味で、ある意味一段上の挑戦ができたような気がします。

以前も書きましたが、2003年とかなら新妻史緒、笹本萌だったと思いますが、今年だから逆のチャレンジができたのかなと。新妻さんは「キャンディード」始め「感情を込める歌」も物にしつつありますし、笹本さんは「感情の力を借りるだけでない正確さ」を求められる立場になっているように思えますし。

●「故郷」~2幕「ミラノにて」~萌(新妻)
ものすっごく良くて、神野の気持ちを動かす曲なので、これがなきゃラストが成立しない曲なのですが、でもでも。
新妻さんのソロが2曲とも同じ系統というのが凄くもったいない。あまり気づかれていないけど史緒と萌の曲は史緒が1曲多いので、そこを揃えることから考えても、新妻さんのソロは3曲あって良かったと思うんですけどね。

●「我が母が教えたまいし歌」~2幕「結婚式前夜」~史緒(笹本)
史緒って凛々しいよなぁというか、母というよりもはや姫って感じで・・・
これもいいんだけどやっぱり笹本さんの歌は大音量になるとものすごく音が割れるからたまにきつい。
前はもっと真っ直ぐな歌い方だった記憶があるんですけど。

●「Life~命~」~2幕「絆」~史緒(笹本)、萌(新妻)
本編の「萌を心配しながらも、史緒は全力」「萌は苦しみながらも必死で思いを伝える」がもう絶品過ぎて、日々の進化が恐ろしいぐらいです。
アンコールもHeart To Heartという感じが日増しに増えてきて(その割には視線絡ませてませんが)素敵です。

・・・

長いようで短かった「プライド」東京公演も今日で終わり、あとは大阪公演・名古屋公演を残すのみです。

最後まで悔いのない公演になりますように。
そして、今度こそ司会役の某史緒さんが進行で噛みませんように(笑)。

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『MOZART!』(27)

2010.12.18(Sat.) 17:15~21:05
帝国劇場1階C列センターブロック下手側

上演389回目(今期57回目)
観劇37回目(今期5回目)

アマデ:松田亜美

この日は帝劇最後のS席の日。たまたま育三郎氏のトークショーにぶつかりました。

「プライド」マチネの観劇を終えた後なので、マチソワ。
諸々の事情があってこうなったのですが、順番は逆ならともかくこれ、
無茶苦茶ハードです。

舞台装置って人が動かすんじゃないんだ!(笑)

とか

出演者いっぱい!(笑)

とか

こっちもウィーン!(笑)

とか

そんなことを思ってみたり。

心地好い音楽にたびたび意識が飛びかけました。

ここのところクリエに引き籠もって(爆)いたのであまり気づかなかったのですが、地下劇場ということもあり知らぬ間に疲れていたんだなとか思ったりして。

いやぁ、「モーツァルト!」が癒し系になるとは思わなかったです。
癒し系筆頭格のナンネール万歳。ご無沙汰してごめんなさい(苦笑)。

由美子さんの歌、絶好調とまではいかないけれども力業で押しまくっていて。
本当はもう少し丁寧な時が好きなんですが、十分な安定感。
マイクの音量が絞り気味なのはちょっと切ない。

●本日的影を逃れて
以前、「影を逃れて」について書いたときに、男爵夫人が涼風さんだったので、「涼風さんと由美子さんが母娘に見える」と書いたことがあるのですが、この日の男爵夫人は香寿さん。ゆえに男爵夫人×ナンネールの関係には特段の意識はないのですが、ふとナンネールの逆サイドに目を向けると・・・

シカネーダーとナンネールがアングル的にピッタリ納まって、これ兄妹じゃない?みたいな初めての妄想。

シカネーダーとヴォルフガングが兄弟の関係に見えるんだから論理的には合ってると思う(笑)。

長男シカネーダーと次男ヴォルフガングに挟まれてしっかり者の長女ナンネールとか想像する自分はきっといっぱい疲れてるんだとは思うんだけど。

●山崎君的赤いコート
この日、今期5回目にして初の山崎育三郎ヴォルフガング。
なぜか4回が4回まで井上君。普通、自分的には初物キャストは早めに押さえるのが普通なのですが、そんなことすっかり忘れていまして、気づいたら日程調整不可能になっていて、この日が初日。

「赤いコート」では若いヴォルフガング相手のせいか、精いっぱいはしゃぎ回ってるナンネール。どっちかというとヴォルフガングと一緒にパパをからかっているぐらいやらかしてて、どびっくり。井上君の前期までとか、中川君ともちょっとずつ違う。
後憂なくはしゃいでる感じ。

●山崎君的星金
ここは正直びっくりしました。前回見てからずいぶん経っているので、ナンネール演じる由美子さんの役作りの変化とのどちらかなのかが分からないのですが、少なくともこの日のナンネールとヴォルフガングの関係は、かなり前期までに近くて、いわゆる「ヴォルフガングの味方なナンネール」状態。
感覚的にはナンネールはヴォルフガングの味方であってくれた方が個人的には嬉しいので、この形の星金が見られたのは凄く嬉しかった。
井上君との星金を次いつ見られるかちょっと不透明ですが、そちらの変化も楽しみ。

あと「1236グルデン『うわー』」が復活してたけどあれ苦手。

●今日の大司教様
山崎ヴォルフの放ったカツラはものの見事に大司教様の胸にすっぽり。
さすがは元野球部。
で、そのカツラをどうするかと思いきや大司教様・・・案の定嗅ぎました(笑)

●心ここにあらず
「モーツァルト!」ブリザードパートことナンネールとベルヒトルトのシーン。
ご指摘いただいて気づいたのですが、ベルヒトルトが帰ってきて、ナンネールが編んでいたものを籠にしまうのですが、白い糸と赤い糸は垂れ下がったまま・・・
その垂れ下がった糸をベルヒトルトが籠に入れて籠に押しつける様を確かに確認。

ナンネールは意外にアバウトな性格説もありえなくはないかなとは思うのですが、もはやあれは「編み物」である必要ですらなく、単に時間を潰すものでしかないのでしょうね。望んでもいない結婚を強いられて、夫からの愛情も感じられないまま、ただ日々を過ごすしかないナンネールにとって、あらゆる意味で「心ここにあらず」なのだろうなと。

●ヴォルフとアマデ
今期アマデは妙に松田亜美ちゃん率が高いのですが、
ヴォルフ2人をようやく見られたことでの違いとしては、

アマデを支配しようとして自滅するのが井上ヴォルフ

アマデに勝利しようとして自壊するのが山崎ヴォルフ

かなという印象。

山崎ヴォルフはアマデの書いた譜面を見てぶるぶる震えだして、「こいつに負けるわけにはいかない!」と焦る様が見えて、そういえば井上ヴォルフでそれは感じたことがなくて、むしろ才能を自分の物にしたくて、受け入れられないならば道連れに、という感じが濃くて。

●ラストシーンへ突き進む
ここも井上ヴォルフ版とはずいぶん違う動きというか、山崎ヴォルフには前期までのナンネールの役作りの残りを感じます。「怨み」とか「諦観」とか「無」とかを感じる対井上ヴォルフに比べると、「後悔」の念を感じたりして。

「パパが亡くなった」ことにはただひたすらに強い非難をすることは同じなのですが、ショックの受け方もずいぶん違う。
ヴォルフがアマデに叫ぶときに、山崎ヴォルフが「家族を引き裂いた」と叫んでいたのが、今期としては新鮮で印象的。今期の井上ヴォルフは「孤高」というか、「家族」をあまり感じないせいかもしれません。

この回のラスト、前方から見たせいもあるのでしょうがまさに入魂。どこかヴォルフガングの遺志を受け継ぐ決意のようなものを感じさせる、ものすごいオーラに満ちていましたナンネール。
本人も会心のできだったと見えて、カーテンコールで最初に出てくるときから満面の笑顔(とっても珍しい)。

調子のいいとき恒例の口の動きも「ありがとうございましたっ」となぜか跳ねてました(笑)。

●トークショー
事実上プレゼント大会だったからいいや・・・

ただ、本番後にプレゼントお届けに1階席・2階席を縦横無尽にあんだけ走り回った上に、某王子から黒い手紙で秘密の暴露をされて、しかも一発芸までさせられたいっくんはちょいと気の毒すぎた(笑)。

※時間ができたら追記します。

個人的には帝劇はあと1回。千秋楽は1幕は微妙ですが2幕は何とか見ようと思います。

●12/19午前3時追記
とりあえず噴き出してしまったことこちら
この日その時、国際ビル(帝劇ビル)の上でそんなことがあったとは(笑)

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『プライド』(14)

2010.12.17(Fri.) 19:00~21:55
シアタークリエ
20列目下手側

公演22回目(観劇8回目)

この日は会期唯一の割引チケットである得チケでの観劇。夏目漱石氏2枚分お安い上に、助六とおかきがお土産で付いてきました。

そういえば東宝ナビザーブで「プライド」クリアファイル付きチケットが出ていたのもこの日。持っているお客様が何人もいらっしゃいました。製作発表で配ってましたが、余ったんですね(笑)。

そんな努力の甲斐あってか、何とこの日の夜公演は”満員御礼”。

「プライド」の満員御礼は自分が見た限りは2度目です。というか、得チケ出して満員御礼になった回なんて相当珍しい。得チケも最初の週に1回出たきりで、公演中盤以降、一気にチケットが動いて完売、当日券には常時10人以上並ぶ状態が常態化しているシアタークリエ。
今年の12月は大当たりでしたね。

不覚にもオペラグラスを自宅に忘れてきてしまい、公演中最遠席からでしたから、ちょっと消化不足気味です。帝劇と違ってクリエはオペラグラスを売っても貸してもいません。広さ的にオペラグラスは要らない劇場とはいえ、自分もあまり視力良くはないもので。

とはいえ、下手側からは意外に舞台全体が見えてます。かつ、たまたま2列前の同番号の席の方がいらっしゃらなかったので、視界が開けており至福でした。クリエは千鳥配置なので、2列前の同番号の方がいらっしゃらないと、ほとんど見切れがない理想の状態になりまして。

特にラストシーンの史緒、そしてバックの萌降臨の神々しさときたら・・・舞台全体を見られるこの席からの眺めは素晴らしかったです。
「ふるさと」を歌う萌のスポットライトはもっとクリエ全力版(ex:ドラロマ)でも良かったのにな、とか思ったり。

しかし、仕事フル回転後に3時間観劇ってきつい・・・
(↑自業自得と史緒は言う)

で、ここからネタバレまた始まります

●史緒の存在感
前回もちょっと書いたのですが、舞台版での史緒の存在感というのは正直中途半端なところがあって。

原作の史緒ってプライドの塊、というスタンスだったかと思うんですが、舞台版の史緒って、プライドを傷つけられることに鈍感で、プライドを傷つけることに敏感だなぁと思う。

何度も見ていてとみに残念だなぁと思うのが、舞台版では「プリマドンナ」で展開される、史緒と萌のツンデレシーン(←そういう正式名称じゃないけど)。

神野の策略でSRMに横やりを入れられた時に、原作では史緒は神野に激しく詰め寄っていて。「私の歌の邪魔をしないと言いましたよね」と言って神野に妨害を止めさせているんです。

史緒は確かに世間知らずなところがあるけれども、正論があってこその史緒だし、萌とのぶつかり合いだし。

史緒は神野にどんどん大切なものを剥ぎ取られて弱々しくなっていくけれども、あんなに弱くていいのかな、史緒が、という思いは実は見てていつも感じていたりして。
まぁ、萌も原作と比べれば舞台版は全然黒いとは言えないですけど。

策略と言えば、ふと気づいたのですが史緒をどん底に叩き落とした萌の発言の話。
萌に吹き込んだのは神野なわけですが、神野にしてみれば「史緒を絶望させるために萌を利用した」図式なのを再認識。
神野にしてみればこの時点での史緒は妻にしたい相手であって愛してる人じゃないから、結果的に自分を頼ってくるのなら傷つけようが何しようが気にもしてないわけですね。
そりゃ嫌われるわな(笑)。

●ツボなシーンといえば
いちいち可愛い萌ちゃんのシーンなんですが一番好きなのは

「お願い。」という。

蘭ちゃんにピアノ弾いてって頼むところの萌ちゃん。
原作的には「双子の性悪な妹でもいるんじゃないかと思う」って感じですまさに。

同じくプリマドンナで「Invocation」やる前の、史緒が遅刻してるときの蘭ちゃん&萌ちゃんトークも意外に好きなシーン。

下手側から上手側に「とててててて」って感じで走ってく新妻さんがまさに萌ちゃんのイメージ。

蘭ちゃんに神野氏とのことを突っ込まれて慌てるところとか、照れ隠しに蘭ちゃんに史緒との話を突っ込むところとか、なんか人形にして持って帰りたいぐらいに可愛い。
とか言っといて30秒後には「女王様は最後にお出ましになるのよね」だからなぁ(爆)。

史緒さんはオクタヴィアンだなぁ。
蘭ちゃんの手を外側からぎゅっと握り直して「ありがと。」が一番好きかも。
あの勢いの付けた握手が理由はわからないけどイメージが史緒。

●ラブストーリー完結編
そんな方向に持って行きつつある「史緒と萌のラブストーリー」説。

ラストシーンで「史緒さんのように愛される子に」と萌が言い、
「萌さんのように愛に溢れた子に」と史緒が言うところ。

萌は史緒を愛したかったけれど、自分にとってそれはできないことで。
でも、表面的なプライドを取り去った萌は、誰よりも史緒を愛したい人で。
愛されることに不器用だった史緒が、
そんな萌の愛を受け入れられたというラストなんだろうなと思う。

もう一方でちょっと思ったのが、

史緒を傷つけた罰を萌が受けて
萌を傷つけた罪を史緒が背負う

ってことかなと。

●今日のLife
気を失っていく萌に気づく史緒、
萌を抱え上げて確かめようとする神野の腕の中で、腕がくたっとなり絶命する萌。
何が起きたか分からずに突っ伏し慟哭する史緒。

・・・・・あれは一体何なんだ・・・・・

というぐらいに、ものすごいシーンでした。

そういえばここの神野さん、史緒よりずっと萌を愛してるように見えるのにちょっとばかり苦笑。

●聞き耳を立ててて
終演後の階段。
”イケメン史緒”というコメントが聞こえてきて絶句しました。

”イケメン史緒”と”少女萌”って組合せで殿堂入りです(笑)

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『プライド』(13)

2010.12.15(Wed.) 19:00~21:55
シアタークリエ
8列目センターブロック下手側

公演19回目(観劇7回目)

祝・「プライド」公演完売。

公演をあと8回残して、会期はあと6日間になった「プライド」。

その6日間のうち、「プライド」を見ないのが2日間(16日と22日)だけ。
乗りかかった船というかやりすぎというか・・・(爆)。

この時期、キャラメルボックスも見たかったし、「ジャンヌダルク」も評判良いので見たいんだけど、何しろ身体は一つしかなくて。
ここにM!も加わっているわけですから完全にオーバーペース。

ここのところ、仕事して芝居見てレポ書くと1日が終わってます(笑)。
年賀状は仕上げないとなぁ・・・

それにしても背広で芝居見るのは結構きついです。歌姫の歌がそれでも癒し。

ここからいつものネタバレパートスタートです。



●素人と玄人の境界線
舞台版の台詞には好きな台詞はいっぱいありますが、ちょっとした言葉の使い方に、さすがプロと唸らせられる台詞があります。

「お会いできて、良かったです。」/萌 (2幕・ミラノで神野に)
ここ、凡人だと「お会いできて、嬉しかったです。」としてしまうかと思うんですが、「良かったです」としたことで、萌を抜群に光らせています。

萌にとっては、史緒にあんなことをして、神野の前からも姿を消して、でも、お詫びをしなければという思いをずっと持ち続けていて。ミラノで再会できて心からのお詫びができて。

萌にとって神野は「終わった人」だからこそ「嬉しかった」ではなくて「良かった」。
好きになった人だからこそ、きちんとお詫びして別れたかったから。

神野は原作よりは萌の「情の深さ」に引きずられていない感じはありますが(というか新妻さん演じる萌はピュアな感じはあっても、一幕ラスト以外は情の深さをあまり感じない)、原作曰くの「まとわりついてくる猫」でない萌だったからこそ、心惹かれたものがあるんだろうなと。
もう一つ、同じシーンで。

「手が荒れているな。」/神野 (2幕・ミラノで萌に)
この台詞を聞いた後に、萌は神野に「歌を歌いたい」と言って「ふるさと」を歌うわけですが、その「ふるさと」と合わせると・・・

「手が荒れているな。だが心は澄み切っているんだな。」

という神野の心の言葉が聞こえたような気がして、軽く意識が飛びました。

「愛しているなら、彼女の意思を尊重すべきだ」
/神野(1幕・蘭丸に)
神野は「愛していないから、彼女の意思を無視できるんだ」というのを感じてしまいましてですね。

(史緒は萌に「あなたの歌には正確さが足りないわ」、萌は史緒に「あなたの歌には感情がないものね」と言い合っていますが、神野の言葉に蘭丸が言い返してもおかしくない言葉のような。)

それとセットで考えると、2幕告白シーン、神野が史緒に詫びる姿との対比が興味深いです。契約から始まった神野と史緒との関係は、いつの間にか愛に変わっていたのかと思うと意味深なものがあります。
それにも増して「彼女の意思(=萌と神野の子供を育てる)を尊重すべきだ」というのも重いです。

そういや、原作では「史緒には言えない」と、うじうじする神野を母親が諭すシーンがありますが、あれ好きだったのにな。

「史緒さんには正論しか通じないのよ」

舞台版の史緒がどこか物足りないのは、史緒としての軸が脚本的に中途半端だからじゃないかと思う。自分にしか興味がなかった史緒が他人との関わりの中で、自分にない物を得ていく成長ストーリーというのも、確かに史緒としての一面ではあるのだけれども、史緒には「譲れないもの」が常にあったはずで。

要するにそれが「史緒のプライド」なのだとは思うのですが、いびつとはいえ見えている「萌なりの正義」に対する「史緒の正論」がないのがカタルシスに足りない理由じゃないかなと。正論らしい正論って「最後に残るのは本当の実力だわ」だけだと思うし。

●ちょっと気づいたこと
舞台始まってからあまり原作を読まないことにしているのですが、昨日ふと見て見つけた一言。

「才能もある。努力もしたわ。私に足りないのは身長だけ」

・・・さて、これ誰の発言でしょう?

萌かと思いきや実はマレーネでした。
舞台版だと萌が言いそうな台詞ですが(爆)。

ちなみに原作では萌は「私に足りないのは自信だけ」と言ってたりします。
一幕のおどおどした感じはその辺を引きずっているように思えます。

●黒萌全開中の一コマ
萌ちゃんがダーク化するときに常に緊迫感のある音楽が入るのが超漫画的ですが。
ダイジェスト版にもある唾吐きグラスを史緒に突きつける萌。

今週頭あたりから、萌ちゃんここでグラスを45度舞台の半分側にくいっと傾けてましてですね・・・

あれやると唾と水が混ざります(笑)

黒萌全開で流石でございます。

●シーン、飛ぶ。
この日、ウィーンのオクタヴィアンシーンに異変。
史緒と蘭丸が妙にピアノ寄りにいたもんだから、乱入してくる神野がコース変えて襲いかかるしかなくなって・・・

いつもと違う位置に薔薇が飛んでいったもんで、史緒が薔薇拾うのにいつもの倍かかり。

何と史緒が手紙読む部分が丸々すっ飛びました。
その分、薔薇をじーっと眺めてる史緒が絶妙。

●今日のLife
本編編。最近はこの曲ほとんど日替わりなのでコーナー化。

「手の平に今確かに伝わる」でぎゅっと史緒の手を握りしめた萌、握り返す史緒。
「そのぬくもりが確かに教えてくれた」で萌の右手が史緒の手をぎゅっと・・・

萌は確かに史緒から大切な物を教えてもらって、それは史緒にとっても同じことで、だからこそ握り合う手と手の絆が、とてもかけがえのないものに見えて・・・

萌が絶命した後の史緒の慟哭といい、
最近ここのシーンは神がかっています。

さて、本日は休観日です。

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『プライド』(12)

2010.12.14(Tue.) 19:00~21:55
シアタークリエ 10列目センター

公演18回目(観劇6回目)

この日は東京公演中唯一のどセンターなのですが、あろうことかチケットが行方不明になりまして。
ナビザーブで購入した履歴は残っていたのですが、7-11で発券して以降どこにもなく・・・
前日、必死で探したところ新妻さんの池袋コミュニティカレッジのサイン色紙の裏に張り付いてました。
萌さんGJ(笑)。

劇場に到着してみると、「撮影用のカメラが入っています」との掲示あり。
期待しちゃっていいんでしょうか?ぜひ最近ないDVD化を!・・・・
と、初っ端からテンション↑ですが、噂によるとWOWOWらしいです。
センター2台、上手下手通路際に各1台、下手側ボックス席に1台ありました。

12/15追記
クリエ裏に停まっていた車はNHKだったそうです。(裏に回りこむのを忘れてた・・・)
というわけで先日「イリアス」やった劇場中継枠か、NHKBS2かな。

一幕ラストのいいところで新妻さんが噛んじゃったし(プ・・プライドって感じで)、二幕もオクタヴィアンシーンで玲奈ちゃんが噛んじゃったから、マチネとの合作でいくしかないのでしょうが。

この日、原作者の一条先生もいらっしゃいました。
私はこの日が6回目の観劇でしたが、一条先生とはゲネプロ含めて3回お見かけしている記憶がありまして、他に1回目撃談が出ていたので4回目ですか。
お気に召していただいたようで、自分のことではないのに嬉しいです。

でここからネタバレパートです。




●場所の役得
この日は何と言ってもどセンターなので、歌唱の直撃率が半端なく。
新妻さん演じる萌の「野望に満ちて」の直撃を受けたときにはぶっ倒れるかと思いました(苦笑)。以前よりこの曲、不安定に歌っている感じがします。新妻さんのことですから不調なんてことではなく、萌の”粗さ”を歌で表現している印象を受けます。

「島唄」のおどおどした感じの歌い始めもそうですが、萌が以前より更に萌です。

この日見てて「萌っぽいなぁ」と思ったのが、新妻さんの手の動き。
蘭ちゃんに神野さんとの関係を突っ込まれたときとかの「ぶらんぶらん」した手の動きが、理由は説明できないんですがすこぶる萌っぽい。

この日ちょっとびっくりしたのは「Invocation~祈り~」でお腹押さえながら必死に声出してる感じに見せてた萌。次見たときにどんな感じに変えてくるのか楽しみ。

●なんかリフレイン
2幕最初、史緒がベッドに横たわっている姿は、史緒の中の人が、怪しいお医者さんに記憶を失う注射をされて記憶喪失になっているかのようでした。
<ウーマン・イン・ホワイト

●神野と3人を隔てる言葉
SRM「Invocation~祈り~」が終わった後、神野が現れて萌が必死に弁解しに行く姿は、今までよりずっと激しかった感。

ここで神野が言わずもがなの失言してしまいましてですね。

「子供の遊び」

・・・・これです。

当然、神野は失言したつもりなんてなくて、「あれはあれでいい」は実は神野にしてみれば自らの立場を前提にした最大限の賛辞なわけですが、そんなことSRMの3人が分かるわけもなく。

憎み合って傷つけ合った史緒と萌を、蘭丸が繋いで作り出すSRMの音楽。
3人にとって、音楽の一体感は「今までの自分の求めていた(足りない物)を体感するもの」であったはず。

何しろ、神野には何も言えないはずの萌さえ目をつり上げて食ってかかっていくわけですが、あれを見て思ったのは、萌は「自分が捨てていくもの」が見えていたんじゃないかなということ。

ちょっと前も書いたのですが、萌が発する「プライドなんて、そんな役に立たないもの捨てました」と言う言葉を聞いたときに、萌の前に「プライド」という物が実際に見えたように思えたんですね。(なぜかイメージは黒い球体でした)

この時、萌は「史緒と蘭丸とで感じた音楽を通じた”一体感”」という感情を、「自分のオペラ歌手の未来」のために、(神野に言い含められたことで)自ら”捨てた”ように見えて。

萌が役柄上そうなのかもしれないですし、新妻さんの演じ方もあるのだとは思いますが、「目的のために大切なものを一つ一つ捨てていく」過程が自分で”見える”のが萌という役の特徴かなと。

逆に、史緒は「目的のために大切な物を一つ一つはぎ取られていく」過程が自分で”見えない”のが特徴に感じます。

「誰にも頭を下げたことのないお嬢様が、オペラのために自分を売った」と萌に言われて初めて、自分がどれだけのものを失ったのかが分かったような気がしてくるのです。

一幕の萌と史緒はその意味で対照的なのですが、よくよく考えると、

「意識して目的のために手段を選ばない」
「無意識に目的のために手段を選ばない」史緒

ってだけで2人ともやってること同じなんですけどね(笑)。

●女性の直感
萌の盗み聞きシーンがインパクト強すぎて忘れていたのですが、
SRM再結成の話が出た1幕ラスト前のシーン。

萌が神野に帰国の報告をしたときは「あぁ」だったのに、
史緒が神野に帰国の報告をしたときは「おかえり」。

萌ちゃんそこに反応してたよやっぱり。
史緒と神野の仲に何かあったと感づいています(もともと蘭丸がNY行くと言って去った直後の時点で、既に萌ちゃんは気づいてますが)。
あそこで惨劇の引き金は引かれていたのですね。

●どんどん変わる「Life」
前回もちょっと書いたのですが、新妻さん演じる萌がどんどん弱々しくなっています。

この日は萌と史緒が片手同士(萌が左手、史緒が右手)で握手していたところに、萌が右手を上から添えて、史緒が左手を上から添えて、ぎゅっと握っていく様が、壮絶のはるか上を行っていまして。
(今までは萌が右手を添えるのがなかった・・・公式動画もそうなってます)

で、ここの「Life」、以前は「果てしのない」を史緒が歌って萌が崩れ落ちる・・・だったのですが、今週頭に見たときにどう変わったかと言いますと・・・

史緒「あなたとの絆を」
萌 「     絆を」で終わるようになって。

萌の生命が「絆」で史緒に受け継がれるわけで、どうしてこうなったのかは分からないのですが、何か色々凄いです。

以前はこの「Life」、本編で歌いきれなかったから歌うオンステージの感が強かったんですが、この日見たら完全に芝居の延長の歌になってました。感情のキャッチボールが伝わってきてなんか凄いものを見ている気分。「Invocation」の凄まじさに隠れてきた印象のある「Life」ですが、「Invocation」がエネルギーと技術のぶつかり合いだとしたら、「Life」は気持ちの共有というか、むしろ同化にも思えてきます。
萌さんの人生を丸ごと受け止められるほどに、史緒が強くなったというのが結局、この作品の到着点なのでしょうね。

ちなみに、萌が左手、史緒が右手というのはそれぞれ新妻さんの利き手が左手、玲奈ちゃんの利き手が右手だからですが、こんなところまで補完関係なのかと思うと、ぞくぞくっとします。

●そんなこんなでカーテンコール
「Life」が終わった後、上手側新妻さん、下手側笹本さんで挨拶、その後鈴木さんを待って下手側鈴木さん、上手側佐々木さんでお辞儀して退出。

拍手の中再び出てきていただくわけですが、この日、実は鈴木さんがいつもよりちょっと早く新妻さんに手を差し出したのですが・・・

最初の握手は絶対に玲奈ちゃんとすると決めているらしい新妻さんは、鈴木さんを一顧だにせず玲奈ちゃんと握手しに行った(爆)のがmyツボでした。
最近、新妻さんは萌ちゃんキャラとして左足上げやるんですがここも実はmyツボです。

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『プライド』(11)

2010.12.12(Sun.) 13:00~15:55
シアタークリエ2列目下手端
のち、3列目センターブロック下手側

公演16回目(観劇5回目)

5日ぶりのクリエは、劇場前に貼られていた2枚のポスターのうち、1枚が舞台映像のパネルとなっていました。
確か「RENT」の時もこれやってましたね。
黒が地色なので、ライトアップされたときの方が綺麗でした。
(昼は他の光が入るので、写真であまり綺麗に撮れない)

写真は新妻さんblogご参照。こちら

ポスターと言えば、劇場横のポスターの2枚には「動画配信中」のシールが追加で貼られていました。

「満員御礼」の立て札がある中、クリエに入るのは久しぶり。

この回は、クリエ公演が始まってから取った回。
端席なので見切れかと思いきや、超大当たりの席で、音響もgood。
やっぱりクリエは上手より下手ですね。

端席の宿命として完全見切れシーンが出るのはいつものごとくで、萌ちゃん大熱演シーンが後ろからになってしまうのは残念。
が、逆に言うと萌ちゃんに責め立てられて言葉もない史緒が視界の先にいるわけで、
萌と一緒に史緒を責めている気分が味わえます(笑)。

この日のベストアングルは、蘭ちゃんのNY行の話をしているところのシーン。

何しろ、左から史緒・萌・蘭丸と並んだのがワンキャプチャー。
写真にして切り取りたいぐらいの名シーン。
(プレス以外でやったらお小言です念のため)
蘭ちゃんに責められて説明もできない史緒、そしてそんな2人を冷酷な目で見つめる萌が真ん中に・・・

原作のディレクターさんじゃありませんが「鳥肌立っちゃいましたよぉ」です。

全体的に芝居の間を取ってきた印象。
演出の寺崎さんはもう次の作品に行かれているようですので、この辺は役者さん同士の呼吸の合わせ方が出てきた感じ。何しろ一幕だけで約10分伸びているんですから、その間の長さは凄い。
さすがに二幕は間を取りようがないのでほぼ同じ時間ですが。
というわけでこれから見られる方、標準時間+10分の余裕は取ってご観劇ください。

この日、座席が変わったのは「終演後早く出たいのでセンター寄りと変わって欲しい」とのお話をいただいたためで、元の席もなかなか良かったのですが、実際にセンターブロックに行ってみると、視界が素晴らしくて良かったです。
今までセンターブロック下手側はなかったので、その意味でも補完できて良かったなと。

それにしても、日増しに笹本さんの麻見史緒度が増してきて凄い。
2幕の包容力とかどんどん増してる。
新妻さんの緑川萌度は初日から微動だにしなくてそれもそれで凄い。
軸がぶれないもんだから、歌を意図的に感情的にするのもお手の物。

他の人の演技に左右されないタイプの新妻さんと、
他の人の演技に左右されるタイプの笹本さん。

そのバランスが絶妙です。

では、この辺からネタバレスタートで語ります。


●傍観者と当事者
さすがにここまで見てくると、原作12巻の重さは仕方ないとしても、ストーリー展開の細かい粗がどうしても見えてきてしまいます。

4人芝居の難点というか、この舞台に傍観者を作る余裕がないんですね。
舞台版「プライド」の長所も短所も、4人であることに収斂する感じがします。

全般的に傍観者になる率が高いのは蘭ちゃんですが、NY行のシーンとかは当事者そのもの。
2幕になって「史緒を見守る」あたりになってからはストーリーテラーの役目も果たしはしますが。

史緒のこの先が気になる萌に対して、「麻見史緒のことは君には関係ない」と拒絶してた神野からして、ここの萌も傍観者ですね。

1幕ラストでは傍観者を当事者にさせる、大石先生お得意の修羅場劇場、昼ドラ満開シーンが出てくるわけですが。
ここ、2人があまりに熱演過ぎて、
前方席から見ていても髪に隠れて顔が見えないぐらいでした(爆)。

4人が基本的に当事者であるがゆえに、一歩身を引いて説明できる人がいない。
本当は菜都子ママを加えた5人体制が、一番しっくり来たんだと思う。

●かりそめの負けと、本当の負け
一幕で物足りないなぁと思うのは史緒の立ち位置。

原作ほどありえないお嬢様になるのは無理にしても、「男性に免疫がなく」見えないから、蘭ちゃんの女装も存在する意味が不思議なことになっているし、「お屋敷にいた」ことを萌の口から聞かされるとしても、「萌と史緒が別の世界にいる」ように見えない。
なんか現世に降りて来すぎているというのか、妙に庶民派なお嬢様なんですよね、史緒。

「パルコ・デ・オペラ」で萌の策略で史緒は敗れるわけですが、これ、史緒にとって「物理的な負け」ではあっても、実際のところは「かりそめの負け」だと思うんですよ。

それは多分萌が一番分かってる。「かりそめの勝ち」だろうと優勝は優勝、留学は留学。
目に見えるもので上回らない限りは、自分の優位性を保てないのが萌の萌たるところ。
ある意味子供っぽい。

話を戻すと、「実力勝負」に雑音が混入した以上、「パルコ・デ・オペラ」の勝負は、表面的には付いていても実質的には何も付いていない。

原作ではこの後、史緒の歌がお客さんに受け入れられず、たまたま歌った萌の「島唄」が客の心を掴むというシーンがあって、「自分の歌にはあの『感動』がない」と落ち込み、萌を見くびっていた史緒が、認識を改めるシーンになっています。

これがあるからこそ、「大嫌いなのに、(萌と声を合わせることで今までにない感情を感じたのが)不思議」という史緒の言葉に信憑性が出るんじゃないかと。

萌は史緒の本当の実力を知っていたからこそ「パルコ・デ・オペラ」で策を仕込んだわけだし。
まぁ、あれは無意識とはいえ萌の怒りに火を付けた史緒も悪いんですが、ちなみに、史緒はそれを後に至るまで一度も後悔もお詫びもしていないんですよね。
「萌さんが怒るのも当然」なのは、神野との契約結婚のことですから。

自分に足りないものを相手が補ってくれる、それは歌できちんと表現されてはいるもの、2人の歌姫の力業で乗り切っていることは否めず。
物語派の人から微妙な評価が出ているというのは、その辺のストーリーの粗さじゃないかなと思います。

●グラスの語るもの
作品公式の動画ダイジェストにも上がっている萌と史緒の感情ぶつかり合いシーン。
黒萌には緊迫感溢れるBGMが付くのがあざとい(爆)んですが、本当ぞくぞくします。

原作版にも映画版にもある「萌に唾を吐いたグラスを差し出されて、史緒が必死に自分を保とうと『意味が分からないわ』」と答えるシーン。

ここ、玲奈ちゃん演じる史緒の必死の抵抗が結構好きで。萌の怒濤の責めに土俵際で踏みとどまる感じが、まさに史緒だなぁと。

ここ、萌の「飲めないのね。」もぞくぞくするんです。

「パルコ・デ・オペラ」での「お疲れさまでした。」と同じぐらいに”あんたなんて眼中ない”モードを史緒も受けるので。

この日、見ていてちょっと気づいたシーンがあって、この時のグラスって、結構長い時間、テーブルに置いてあるんです。

萌が史緒の必死の制止も聞かずにいなくなり、史緒と萌がお互いツンデレ(爆)やった後に「Invocation~祈り~」歌った後、NY話が出てくるまで、暗転が多いこの舞台では珍しくずっとシーンが続くわけです。

NY行の話を神野に言われておきながら、蘭ちゃんには明かさずにいた史緒、
そしてその話を初めて聞く萌。
史緒は蘭ちゃんに「綺麗事」とまで言われながらも、自分が悪者になることで蘭ちゃんの未来を優先させて。
蘭ちゃんがいなくなり、萌が去り。

神野に「君は聡明だ」と言われて、力なくつぶやく史緒がとてつもなく人間的に見えて。
蘭ちゃんを傷つけ、自分は取引として身を神野に差し出す。
自分が感じた”本当の気持ち”を裏切ってしか進めない自分への悔しさを、史緒の固く握りしめた拳に感じて。

神野が出ていったときに、暗転する直前、史緒がグラスをぼーっと眺めていて、なんか萌の感情とのシンクロを感じて。

史緒にとってあのシーンでグラスを眺める以上、その視線の先には萌がいるのは間違いなくて。
「あなたのそのプライドがある限り、私の本当の気持ちなんて分からない」と言って自分の元を去った萌。

蘭ちゃんを見送り、「自分にはこれしかない」と思うオペラのために、神野と婚約。
自分の大切にしているものをどんどん切り捨てていく史緒。

萌の発した言葉に、何とか自分を保つためのよすがを求めようとしたんだろうなと思うと、史緒が本当にすがりつこうとした相手って萌だったのかなと思う。

●きっとたまたまなエンディング
萌が息絶え絶えで史緒と歌う本編2幕最後「Life~命~」。

史緒が萌の掌をぎゅっと握りしめる感じが前回よりずっと強くて(当社比5割増し、目測で計測・・・笑)それだけでぐっときたのですが、この曲、ラストは「果てしのない」という史緒のパートで終わるはずなんですが・・・・
(ダイジェスト版動画参照)

5回目で初めてのケースなんですが、2人の「絆を」で終わって萌が崩れ落ちていったのに絶句。
あれだけ手を握っていれば、萌が弱々しくなっていくのは一番、史緒が分かっているはずで。
萌を必死で支えながら、最後まで萌を元気づけようとした史緒。

前回、にわさまにコメントでいただいたのですが、この作品、
要約すると「史緒と萌のラブストーリー」なのだと。

あぁ、なるほどと。
確かに史緒と萌の両思いになるまでの物語ですね。
だからこそ、萌と神野の子を「萌の代わりとして」育てられるのだと。

「恋」と「愛」についてシアターガイドで一条先生が語っておられますが、それになぞらえて言うと

史緒が恋したのは蘭ちゃんで、愛したのが萌さん
萌が恋したのは神野さんで、愛したのが史緒さん
蘭丸は恋したのは史緒で、それが愛に変わった
神野は恋も愛も利用しかしなかったけれども、史緒に対して愛する気持ちを持ちつつある

感じかなと思う。

恋は愛か無関心に変わるけれども、
愛は成就か憎悪に変わると思って見ると、
なんか色々なことがすんなり見える気がします。

萌は史緒を憎んだのも愛すればこそと思うと、史緒がそんな萌を愛をもって全て受け入れたことは、この作品に相応しいラストだったように思えます。

●本日の日替わりネタ
カーテンコールの追い出し音楽にまで拍手が入りまくる熱狂さといったら・・・・
客席熱いっ!
空席案内を受け取ってる人が多いのも、手応えがある感じを受けます。

そういやこの日、神野さんが蘭ちゃんに薔薇を投げつけるシーンでなぜか後方席から笑い声が・・・
確かにシュールなシーンだけど笑うところじゃないと思いますが(爆)。

カテコ捌ける時に、神野さんを演じた鈴木一真さんがめがねの右側抑えて「くいっくいっ」ってやるのが客席の爆笑を誘っていまして。
その時、まだ袖に到達してなかった新妻さんが、何が起こって笑いが起こっているのかがわからずに(笑)、困惑しまくっていたのが実は一番笑えました。

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『プライド』(10)

2010.12.8(Tue.) 19:00~21:50
シアタークリエ1列目上手側

公演9回目(観劇4回目)

公演中唯一の1列目がこの日。

この作品「プライド」のチケットなのですが、笹本FC、新妻FCとダブル加入している割に、実はFCに取ってもらったチケットは前者2枚、後者1枚の合計3枚だけ。
この日は笹本FC席です。要約すると玲奈ちゃんの男装かぶりつき席(笑)。

公演発表の時から楽しみにしていた割に、FCで全然取らなかったのは、申込期間中が名古屋「ガイズ&ドールズ」で我を忘れていた頃で、12月のことが想像できていなかったからなんですけどね(笑)。
今も我を忘れてますけど(爆)。

そういえば、当blogのキーワード検索で、

「笹本玲奈と新妻聖子どっちが上手い」というのが
キーワード検索に入ってきてどうしようかと思いました(笑)

ちなみにここ1週間のキーワード検索は新妻さんがリードしてますが、
笹本さんが猛追しています。
が、作品名検索が一番多いですね。嬉しいです。
母数220で、作品名140、新妻聖子(さん)・笹本玲奈(さん)でそれぞれ40という状態です。

とはいえネタバレ満載で特攻中の当blog、
果たしてそれでいいんだろうかとはずっと自問してるんですけどね。

ネタバレを見ても、特に2人の歌のすばらしさは言葉で表現したものと
まるで違うので、そこだけは間違いなく安心して太鼓判を押せるのですが。
・・・と毎回悩みつつ書いているのです。

今さらどうにも変えられないので、そのまま行きますけれども。

ちなみにこの作品、日替わりネタはほとんどありません。
玲奈ちゃんがまた噛んでたぐらいかな・・・・

この日がゲネプロ含めると4回目の観劇ですが、
玲奈ちゃんが噛まなかった日は4回中1回しかなく、
新妻さんが噛んだ日は4回中2回しかなく、
鈴木さんが噛まなかった日は4回中1回しかなく、
佐々木さんが噛んだ日は4回中2回しかなく、
一人も噛まなかった日は4回中一度もありません(苦笑)。
ちなみに初日は全員噛んでました(爆)。

印象としては玲奈ちゃんの好調さが目立ちます。
新妻さんも良いのですが、初日から完成度が高かっただけに、そのペースを維持するのにちょっと苦労している感じがします。

作品上はどちらかといえば萌の調子に左右される面が強い気がして、みんなして新妻さんに頼ってる感じがありあり。あの玲奈ちゃんでさえ、新妻さんなら安心して頼れるらしい。
カーテンコールの感じを見ていても、この4人の中では軸になるのは新妻さんという印象。

歌は言うまでもなく高値安定ですが、この2人の高値安定って1ドル72円みたいな感じですからねぇ(苦笑)
カーテンコールSRMは「Life~命~」1曲体制で固まったようで、致し方ないながらも一抹の残念さも。
千秋楽あたりであの鬼のカーテンコールは復活して欲しいなぁ。



というわけで(どんなわけだ)今日もネタバレいっぱいです。



●眼福な日
まずは今日の席の印象をば。

完全死角なシーンも多くて、萌ちゃんの表情は正面から見えるけど、対峙してる史緒は後ろ姿だけ、というパターンが多いのは残念なところですが、随所にある「女優さん近っ」シーンの破壊力は絶大です。

白眉は史緒が萌を思って呟くラストシーン。
さすがに目線は上を越えて行くのですが(クリエの場合、このケースの目線の先は、11列23~27番あたりです)、恐ろしいほどに壮絶にお嬢様でした。

1幕ラスト、萌に突き飛ばされて呆然とした史緒も今まで見たことがない表情。
あまりの動揺に史緒の目が内側に寄ってる・・・
そして血がだらんと落ちるの見ちゃいました。
ここの萌の熱演はいつ見ても絶句します。
このシーンの激しさを見ると、2人がミュージカル女優であることを忘れて、女優であることを思い出します。

そして別場面、ここのポジションからびっくりするものを見ました。
神野のニコニコ笑顔という世にも不思議なもの!(笑)

結婚式直前のこの作品ほぼ唯一の笑いポジションの直前です。
(ちなみに蘭丸君の例のアクションも笑いポジションでしたが最近笑いが起きません。慣れたんでしょうか)

「薔薇の騎士」が大成功で、取材に大わらわだった史緒を誇りに思う神野の表情ですが、
「自分の妻となる女性が成功することは自分のプライド」
な神野のさまを史緒は知ることもできません。
そう言う意味では、ことここに至っても史緒はまだまだ子供なのですね。

そういえば、この席ではこれだろう、と思っていたオクタヴィアンは意外にそれほどのインパクトじゃありませんでした。多分、似合いすぎて慣れちゃったのかと(笑)。
萌の黒青ルックのあまりのはまりっぷりも同じかも。2幕最初では目の前2mに萌ちゃんそのものがいます。

それにしても、史緒のクリスマスソングはめっちゃ好きすぎる。
あぁいう楽しい曲ってライブ含めてめったにやらせてもらえないんだよね。
無理してクラシカルな曲やるよりは、玲奈ちゃんの良さが活きると思うのにもったいない。

クリエは脇は音響についてはお世辞にも褒められたものじゃないので、視覚中心に楽しみました。

●2人のプライド
この作品のタイトル「プライド」が果たして舞台版ではどうだったのか、についてはきちんと書きたいと思っていました。

一幕、「パルコ・デ・オペラ」優勝、イタリア留学の座を、史緒を陥れることもあって勝ち取った萌。
「全て終わった」と呟く史緒。

原作と違って史緒の父親は亡くなっている設定で、かつ莫大な借金を残したという設定なので、原作上よりずっと、舞台上の史緒の絶望感は(立場としては)深くて。

史緒は萌に言います。
「あなたに『プライド』はないの?」と。

それに対して萌は答えます。
「そんな役に立たないもの、捨てました。」と。

この台詞の応酬は「プライド」一幕の一つ目のハイライトで、原作・映画版とも全く同じわけですが、特に映画版との対比で面白いなと思った点があって。

映画版は萌は満島ひかりさんが演じていて、まさに「黒萌」一直線の怨念ばりばりだったので、新妻さんの萌がそれにどこまで迫れるかに個人的に注目していたのですが、期待通りでぞくぞくします。

満島さんは女優さんとしてというか、女性としてというか、勝気とか野心を隠さないことにかけては若手女優で一、二を争う存在じゃないかと思うんですね。

新妻さんは満島さんと対比すれば、勝気とか野心とかは見せないところがあって。
まぁ7年間ずっと隣にい続けてきた玲奈ちゃんいわく、新妻さんは「自己主張が強い」そうなので、多分そっちが正解なんでしょうが(笑)。

満島さんとの対比ということで言うと、映画版は「萌は『プライドを捨てた』女性」として描かれ、尺の問題もあってそれで終わっているんです。

で、舞台版で私はこっちが好きなのですが、「萌は『プライドを捨てざるを得なかった』女性」と感じるのです。

史緒に「プライドはないの?」と問われて「捨てた」と答えた萌。
でも一幕最後の萌の絶叫を聞いて、舞台版に「おぉぉぉっ」と思ったんです。

「あなた私に何て言った? あなたにプライドはないの、そう言ったのよ。
その言葉を今あなたにそのまま返すわよ」

新妻さん演じる萌が言ったこの言葉を聞いたとき、史緒に「プライドはないの」と言われたことは、実は萌にとっては凄まじいショックだったんじゃないか、そう感じたんです。
成功するためにはどんなことをしてでも、という萌は、その行動を史緒に咎められ、「プライドは捨てた」と言わざるを得なかった、ように思えて。

萌にもプライドはあった。
でもそのプライドを横に置いてさえ成功が欲しかった。
プライドを捨てるつもりはなかったが、
プライドを捨てざるを得ない立場に追い込まれた。
この上ない屈辱を受けたその言葉、
自分を本当の意味で傷つけた言葉。

舞台版「プライド」で史緒が萌を傷つけたのは、六万円のオペラのチケットを紙切れのように投げてよこしたものでも、好きなドレスをどれでも選べと言われたこともでもなく、自分が捨てたくなかったプライドを捨てざるを得ない立場に追い込んだこの言葉なんじゃないかと思うんです。

だからこそ一幕最後、萌が史緒をこの言葉で責める破壊力が凄いんだと思うんです。

史緒という人物は自分の言う言葉や行動が引き起こす影響に無配慮な女性で、しかしながらこのシーンに至るまで、史緒はその自らの言葉や行いによって苦しめられはしていないのです。
ぎりぎり破綻に至らずに史緒は自らを安全地帯に置けているわけです。

が、一幕の間に史緒が続けてきた欺瞞はまさに破裂する前の風船のように膨らんできて、そこで明るみになる事実に対するこの萌の言葉は、史緒という風船への針の一突きとして、史緒に襲いかかります。

ここの萌の叫びが強烈なのは「貶めようとして言った言葉ではない」からだとも思います。つまり史緒への嫌がらせで言うだけならこの言葉、そんなまでの破壊力は持たないでしょう。

「オペラをやるために好きでもない神野さんに身を売って、
人としても女としても音楽家としても最低よ!」

この言葉が凄かった。

萌は神野が好きで、遠く離れたイタリアで苦しみ抜いた自分なのに、
この女は神野に取り入り、蘭丸をニューヨークに送り出してまで
成功を勝ち取りたかった女-とみなしたわけです。

そこには萌の誤解が多少は含まれてはいるとはいえ、大筋の理解は全く正しくて、だからこそ史緒は「全て私が悪い」「自業自得です」としか答えられなかったわけで。

萌がなぜ史緒を憎んだか。

それは自分の欲しいものを全部奪っていっただけでなく、自分の大切なものまで削り取っていったから。

そしてその言葉は真実であったがゆえに史緒の心にも深く突き刺さって。

史緒がなぜ変わることができたのか、もこの場面を通り抜けたからに思えます。

・・・・ちなみに萌の発した言葉で次に史緒にダメージを与えたのは何気に
「お疲れさまでした」な気が。
”あんたなんか眼中ないのよ”モードの萌って心理的な破壊力強すぎ。

2人にとっての「プライド」についてですが、

プライドを持てる史緒が羨ましかったというのが萌なんだろうけど、
プライドを追い求めない生き方を選べたことが萌の本当のプライドなのかなと思う。

史緒のプライドも他人を犠牲にしたプライドで、
史緒も萌と出会ったことであるべき立ち位置を手に入れられた。
萌のプライドも似た感じとはいえ、
萌が卑怯なら史緒は非情なだけという気もする。

他人のことを見ようともしない史緒と、
他人が見えてしまうから必死で見ないようにする萌の違い。

ただ自分に誇りたかった史緒の「プライド」

ただ他人に誇りたかった萌の「プライド」

きっと、本当の「プライド」はそのどちらでもない、ということをこの作品は語っているように思えます。

「あなたたち足して2で割ればちょうどいいのに」は原作の菜都子ママの言葉ですがまさにそれ。

今回4人芝居にしてはよくまとめたとは思うけど、やっぱり菜都子ママはいて欲しかったな。蘭丸は芝居が青いと思うし、神野も意外に演技で女優2人に押されてる。
萌と史緒はキャラが強いとはいえ、神野がここまで演技で押されると思わなかったので正直言って相当意外。

この2人を前にして歌う必要はないけれど、菜都子ママは由美子さんにやって欲しかったんだよなぁ・・・(独り言)。

●脚本を褒めてばかりはいるけれど
本音を言えばちょっとなぁというところもあって、一番の引っかかりは萌が言う「歌への復讐」かなと。
「どんなときでも歌には真摯だった萌さん」というのが史緒の萌評だったわけで、史緒の前で「復讐」を口に出していないとはいえ、萌のキャラとしてそこだけは何度見てももやもや。

●綺麗事
作品公式ダイジェスト動画にも登場する萌→史緒の
「綺麗事なんてやめてよ」
史緒はもう一人別の人に「綺麗事」と言われています。
それが蘭丸でして、「自分がニューヨークに行っていいか」の問いへの史緒の返事のあまりの教科書的な答えに対する言葉に対して言っているのですが・・・

史緒が対する蘭丸、その視線の先には萌がいて・・・

新妻さん演じる萌の表情が背筋寒くなるぐらい。

「あなたの『綺麗事』で相手を傷つけていること、
よく分かったでしょ?」

的な表情を見つけてしまって怖くなってしまった。でも多分次も見る。

史緒が言う「綺麗事」に唯一突っ込みを入れない神野は、「聡明な」史緒が産み出す「綺麗事」は自分の利益になるからこそ、なのですね。



今週は今日から仕事が激多忙期間に入るため、「プライド」は来週日曜までお預け(短いってばさ)。

4回見て見て思いますが、歌の素晴らしさは間違いないところですが、芝居に関してはあまりこちらでは触れていないことに気づきました。(体調が本調子じゃないせいもありますが。)

出演者の表情からどう物語を読み進むか、次はちょっと頑張ってみたいと思います。

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『MOZART!』(26)

2010.12.5(Sun.) 12:30~15:45
帝国劇場2階J列センターブロック

上演372回目(今期40回目)
観劇36回目(今期4回目)

アマデ:松田亜美

約2週間ぶりの帝劇「MOZART!」。12月に入っては初めて見ることになります。

月が変わったということでパンフレットも舞台写真版に模様替え。
価格は1500円のまま、稽古場写真が丸々舞台写真(16ページ)に入れ替わりました。


●喪服の占める位置

今回のパンフレット(舞台写真版)、一番印象に残った写真。

「パパが亡くなったわ」のシーンの由美子ナンネのバックに、アマデがいる写真が戦慄です。
色々な意味でこの世のものじゃない写真・・・・

あのシーンの喪服姿のナンネールって、今期は特にそう思うのですが、ナンネールが亡くなったわけではないのに、ヴォルフガングを迎えに来た死神のように思えるんですよ。

ナンネールはヴォルフガングを見送る側なのに、あのシーンではヴォルフガングの感情を地獄に引きずり込むようなただひたすらな怨念。

前期まではここは「あの優しかった姉が父の死と向き合い、ショックで弟を責める」だったので、その意味での衝撃は大きかったのですが、今期はここでは演じる由美子さんも一切の過去を引きずっていないので、「ナンネールの魂は父の死を持って死んでしまったのかもしれない」とまで思えたのが何より驚愕でした。

ナンネールがヴォルフを責めるシーンはここともう一つ「プリンスは出ていった」もそうなのですが、これは対人形なのでヴォルフには全ての感情が伝わっているわけではなくて(父親の手紙を通してなので)、ただシーンだけを切り取るなら、ナンネールがヴォルフ人形にぶつける感情は、実は前期の方がより怨念ぽかったなと。

女であるが故に音楽家として生きられずに、女としての幸せも掴めなかったナンネールにとって、不束な弟の存在は怨みの対象でしかないとはいえ、前期はここで「怨み」があって直接会って「怒り」、そして最後に「後悔」。
が、今期は「プリンス~」は「諦め」、直接会って「怨み」、そして最後に「無感情」となっているので、よくもまぁここまで演じ方を変えたものだと感心します。

開幕して以来、由美子さんの歌の調子は一進一退を繰り返していて、初見の人に調子が良くないのが分かるぐらいの日さえあったと見聞きするわけですが、7年越しで演じた役をこれだけ大きく変えるとなれば、その負荷の分だけ歌にしわ寄せがいくのはもう致し方ないとしか思えず、
でも、この日の由美子さんの歌の調子はまさに完璧の一言。

1ヶ月の稽古、1ヶ月の本番を経てようやく2010年版のナンネールの演技が完成したようで、歌にも2007年当時の余裕が戻ってきて、涙が出るぐらい嬉しかったです。

●心を解かす歌

この日の公演は井上ヴォルフ、涼風男爵夫人、松田アマデという初日公演と全くの同キャスト。個人的には4回観劇して3回までこの組合せ。今回、あまりヴォルフと男爵夫人を意識せずチケットを取ったもので(ゆえに山崎ヴォルフがいまだに未見)今期40回のうち、この組合せは少なくとも4回目(あと2回アマデが判明してない公演があるのですが)。公演10回に1回しかない組合せに3回当たって、でも全部で公演4回しか見ていないというのは結構な確率です。

なので、ヴォルフと男爵夫人との関係を全部見ているわけではないのですが、今期この井上ヴォルフと涼風男爵夫人は自分にとっては理想中の理想です。
今まで女優さんとしては涼風さんと香寿さんなら香寿さんだったのですが、どうも今期は涼風さんとの場面がしっくりくる。

以前も書いたのですが、涼風男爵夫人はちゃんとナンネールのことも見てくれてるんですね。打算じゃない何かをそこに感じるんです。
これ、2010年版のナンネールの立ち位置との関係もあるかと思うのですが、「星から降る金」のシーンの前後で、ナンネールの気持ちというのははっきり動いているのが見て取れて。

幼い頃の演奏旅行、成長してからの日々、そして落ちぶれた今。
時の変遷と共に、ナンネールは音楽家としての道がないことに鬱屈して、ヴォルフガングを心から応援する気持ちにもなれない。

だから、男爵夫人を案内して、「ヴォルフガングをウィーンに連れて帰りたい」と言われたときも、ヴォルフガングが認められたことは嬉しくても、なぜ自分が一緒に行けないのかということへのわだかまりが消えない。

どなたかが言及されていたのですが、ナンネールはヴォルフガングのために何かをすることはできない、男爵夫人はヴォルフガングのためにことをなしえる。では違うのは何かと言えば「貴族」という立場だけだと。(涼風さんご自身もインタビューのところでそれに近いことをおっしゃっています)

そんなナンネールなのだけれども、男爵夫人が歌う「星から降る金」の1番を聞いた時にみるみる変わっていく表情。

きっとあの曲は、ナンネールの頑なな気持ちを解かす曲だったんだと思えて、それを「打算」に見せない今期の涼風さんの演技とも相まって、階段を上る直前の、ナンネールと男爵夫人との見つめ合い、頷き合う様が、とにかく大好きなんです。

ヴォルフも、今期はまだ井上君しか見られていないけれど、「本心では自分を送り出すことに賛成してくれていないのでは」と懐疑的になって、父も賛成してくれていない・・・ところに”気持ちが変わった”姉からの「本心からの励まし」があり、だからこそ「父に理解してもらって家を出たい」という気持ちの動きが見えてくると。

そこまで言っておきながら星金でナンネールばかり見ていてごめんなさい(笑)。

●時の動きと言えば

これだけこの作品を見ていたのに、「若い頃の演奏旅行」と「赤いコート」の間に、年の経過が存在することを実感させられて、今さらながらにびっくり。

弟の演奏を褒められて、貴族の方の賛辞にはしゃぎまくって答えているナンネールが凄い新鮮。あのシーンのナンネールって16歳ぐらいだから、きゃぴきゃぴ(←死語すぎて噴いてしまう)という演じ方って確かにありなのかも。

この日は「お心ありがとうございます」のところで入場してきて目の前を通っていきやがりましたお客がいらっしゃいましたけどね。
帝劇の案内係、こういうところがいつまでたっても進歩しないんだよなぁ。
どこが案内しちゃいけないタイミングかぐらい、舞台見て認識しておかなきゃだめでしょ。
「人が忘れる」の直後にちゃんと暗転あるんだし。

赤いコートのところのナンネールが鏡に向かって顎突きだして、「ウホウホ」みたいなアクションしていて噴き出した。また遊んでるなぁ。

前後しちゃいますが、由美子さんの調子を測るもう一つの術、それは「若い頃の演奏旅行」の「楽器を持って数センチジャンプする」ところ(アマデに渡す更に前の、父親がナンネールを紹介した直後)。あそこでジャンプしてるとほぼ間違いなくその時の公演は無問題ですね。

●この日の小ネタ

アルコ伯爵「私のこの鋼鉄の腹筋が切れるかな~」
ヴォルフ「腹筋に力入れて!はっ!(ちゃかちゃかちゃか~)」

・・・・まったくこの2人の漫才は今日も全開ですかいな。

●どこぞの音楽劇とシンクロしてみる

「私の中にもアマデがいると思えて、私は今でもアマデを探してる。私は生きた意味をいつまでも追いつづける。モーツァルトの姉としてだけではない、一人の人間として、一人の女性として、一人の音楽家として。」

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こういうのを普通に思いついているあたり毒されているなぁと思うんでありますが(苦笑)、これ、シアタークリエの舞台「プライド」の麻見史緒・緑川萌の複数の台詞の改変なんですが、何か自分の中でものすごくしっくりきちゃいまして。

「誰の中にもアマデがいる」は小池先生の言葉で(阿知波さんがトークショーの時に言われています)が、ラストシーンで高橋由美子さん演じるナンネールが才能の小箱を開けたときの表情でこれを感じたと言いますか。

何しろ「アマデ(才能)」の実体を実際に目にすることができた、この舞台上で2人しかいいない人のうちの1人ですから。
才能を手にすることはできなかったけれども、箱から溢れたアマデというものを拾い集めようとしたかのような手の動きはとみに印象的で。

実際、ナンネールは40歳で弟ヴォルフガングを失い、78歳まで生きているので、ヴォルフガングがいたのはまさに半生でしかないんです。ヴォルフガングを失ってすべてをなげ打つには、不自然すぎて。

ちょっと前に見たナンネールは虚無以外の何者でもなくて、全てを失った姿だけが飛び抜けて強かったけど、この日のナンネールは更に先を見せていたように思う。

-全てを失っても明日はあるんだ、自分が希望を捨てなければ-

そう思えたのは、ヴォルフとの対比かなと思う。

才能を持ちながら「幸せ」を受け取れず、才能によって自らの人生を絶つ道しかなくなってしまったことと比べると、「幸せ」ってそもそも概念に過ぎなくて、与えることが出来ないものだと、改めて思えたりして。

「幸せが与えられうるもの」と、レオポルトは語っているけれど、実はそう思っているレオポルトこそが道化そのもの。

目に見えないものの存在を知っている男爵夫人(「時が流れて残るものは、目に見えないものだけ」-人は忘れる)、言葉にできないもどかしさを感じながらも薄々その存在に気づいている大司教。
実に印象的な対比だなぁと思った。

●カテコの話

ナンネール由美子さんの駆け足率がとみに高い今期のM!。

市村さんのポーズがいつにもまして面白くて、hiroちゃんが大撃沈。

由美子さんも笑いをこらえつつ、市村さんに近づいていって「パパ、あれ何なの(笑)」ってばかりに話しかけてたのがもうキュンとしすぎちゃいまして。

以前はカテコでも無理してよそよそしくしてるんじゃないかとさえ思ってた由美子さんと市村さんの心理的な距離ってすごい近いんですよね今期。市村さんの奥さん(篠原涼子さん)とも知らない仲じゃないし、なんかいい関係なんですよね。
これで本編の市村さんがせめて前期ぐらいならもっとよかったのになぁ・・・・

この日は緞帳前のヴォルフガング×アマデが印象的でした。

井上ヴォルフ「今日12月5日はモーツァルトの命日でした。
       今日、確かにモーツァルトは降りてきてくれていたと思います」
松田アマデ「ありがとう!モーツァルト!」

・・・・最後の最後で、もの凄いものを見せてもらった気がします。

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『プライド』(9)

2010.12.3(Fri.) 19:00~21:50
シアタークリエ 14列下手側

相変わらずの悪い癖(爆)で突発的に追加したソワレ。
ゲネプロ、初日と前方列の上手側が続いたので、下手側から引いて見てみたくて、この席をセレクト。

見てみて思ったのですが、この作品、上手側から見るか下手側から見るかで、印象ががらりと変わります。

上手側から見ると、萌に感情移入するシーンが多くて、例外が史緒のウィーンのシーン(これは感情移入じゃなくて外見ですが)

下手側から見ると、史緒に感情移入するシーンが多くて、例外が萌のミラノのシーン。

なので、初日は薄く感じた史緒の感情表現が、舞台から離れたのにばしばし伝わってきて、予想外の発見でした。

この日は原作者の一条ゆかり先生もご観劇。情報元
ゲネプロに続いてということは、先生にもご満足いただけたということですかね。

今日は最近あまりやらないキャスト別感想からスタートします。
ここではネタバレ極力避けますので、安心してご覧ください。
順番は、レディーファースト→役者名五十音順(←「プライド」お得意ネタ)です。

●麻見史緒役/笹本玲奈さん
 役柄発表が出た時からミュージカルファンの中では、笹本さんと新妻さんの役が逆じゃない?という話をそれこそ無数に聞いたのですが、皆さんが納得した理由付けは「身長」だけだったのを思い出します(笹本さん164cm、新妻さん156cm)。

 初見で史緒は笹本さんだろう、と私が思った理由というのは史緒の性格的な面でして「言葉足らずで誤解を招くことが多い」「甘えるのが下手で不器用」という原作上の史緒は、個人的な笹本さん観とどんぴしゃりだったと申しますか。

 萌と史緒を役柄として捉えれば、難しいのは史緒じゃないかと思うんですね。

 萌はある意味直線的なので、エネルギーを放出することに重点を置けますが、史緒は「完全無欠のお嬢様」設定なので、どうやって共感を持たせるかが難しいんじゃないかと。ただし、これは男性の見方なのかもしれません。女性の方だと史緒の方に感情移入する方が多いようでして。

 その意味では性格上、萌が男性なのに対して、史緒が女性なのかもしれません。

 初日は萌パートの上手側から見たせいか、笹本さんの演技はそんなに目に止まらなかったのですが、下手側から見たこの日は、史緒の成長というか深化が見て取れて、さすがは笹本さんと思わされました。

 萌を本当の意味で受け入れるときの史緒は、その瞬間、身長が伸びたように見えて、鳥肌が立つほど素晴らしかったです。(何となく想像していましたが、「ウーマン・イン・ホワイト」のマリアンそのものですね)

 本人も仰っていましたが、相手の役者の方向性で演技を変えるタイプなだけあって、萌との歌とのシンクロだけではなく、演技のシンクロでどんどん役が光ってきている感じがします。

 婚約指輪の件を神野氏に持ち出された時の睨み目線が超怖かった。

「婚約指輪は他人が評価を決めるもの」と言う言葉に、「他人の評価のために求められている自分」が悔しくてしょうがなくて、でもそれを史緒は必要とせざるを得ない・・・自分へのふがいなさ、なんだろうな。

●緑川萌役/新妻聖子さん
 本人曰く「伸び伸びと演じさせてもらっています」と言うこの役、原作者の一条先生が「あまりに萌そのもので笑ってしまった」という最大級の褒め言葉も納得の出来です。

 初日にも書いたのですが、歌以上に印象的だったのは、台詞の長さ。
 多分4人中台詞も歌も一番長いのが新妻さん。

 一条先生と笹本さん、新妻さんの対談が「シアターガイド」最新号に掲載されていますが、一条先生が「萌のような気持ちは女性はみんな持っていると思う」と言ってるのに対して、演じてる当の本人が「(私は持ってないので)たいていの女性じゃないのかも」と答えているのに噴き出しちゃったんですが、その距離感こそが良い意味で萌をリアルにさせているんじゃないかと思います。役者さんによるとは思いますが、この役を見る限り、新妻さんは自分の性格と違う役をやった方が光る気がします。

 歌に関しては史緒をやって欲しかった気持ちはないと言ったら嘘になりますが、萌のあのいじらしさは新妻さんだから出せる空気なのでは、と。
 思った以上に「女優」としての素晴らしさに脱帽です。

●池之端蘭丸役/佐々木喜英さん
 今回の作品で初めて拝見する佐々木さんですが、素敵だなと思うのはその立ち位置の確かさ。
 出過ぎず引き過ぎず、時に冷静に時に感情的に、他3人がどれだけ異常(笑)かを表現する役を上手くこなしています。

 史緒が男慣れしていないという原作設定が、舞台版ではずいぶんとどっか行っちゃったので、「史緒を心構えさせないように」という女装が中途半端な位置付けになっちゃったのは申し訳ない感じがします。

 この日、バッグを上に投げるシーンでとうとう前方に放り投げて掴まえられず、どうするかと思いきやアドリブで前転してから取りに行っていました。
 間合いも微妙に変えて自然な感じに持って行っていたし、こういうことできる役者さんって好印象です。

●神野隆役/鈴木一真さん
 策謀家の印象が思ったより薄まっている舞台版の神野。自分は映画版のみっちーより、神野さんは鈴木さんの方がしっくりきます。

 史緒が相手役のはずなのに、なぜか萌との方がしっくりくるのが摩訶不思議。

 というか製作発表の時から隣り合うことが多かったせいか、新妻さんとペアなのが定着したせいもあるのでしょうけれども(「プライド」の通称:大人チームの2人)。

 史緒から喜んで手を握られたときに、暗転していく間にその手を感動そうに動かしていたのが、なんだかとても印象的。
 原作ほどヘタれなかったから、そんなところさえ可愛く見えたのかもしれません。

○追記 産経新聞朝刊(12月4日)に記事掲載。
 と思っていたら、Web版の気合の入り方に脱帽です。
 珍しく新妻さんの名前が先ですから、新妻さん側からの持ち込み企画かなぁ。
 こちら

 さてさて、そろそろストーリー編突入ということで、本日のネタバレパート突入です。




●史緒と萌の関係性
 一幕で残念に思ったのは、史緒と萌の格差がそこまではっきり見えなかったこと。

 製作発表で一条先生が史緒を演じる笹本さんに「もっと偉そうに」と言ったことが凄く印象的だったのですが、舞台を3回見せていただいた限り、今よりもっと偉そうでもいいと思う。

 萌は泥の中でまみれるかのような語りを見せるんだけれども、史緒はそれをもっと完全無視、「あなたなんて眼中ないわよ」ぐらいにならないかなぁと。
 笹本さんはそれをできる人だと思うんだけどな。なんか抑えているような気さえする。

 いがみ合った2人が「Wind Beneath My Wings」で声を重ねて、振り返るときの会話。

 萌が史緒に対して悔しがりながらも共感の言葉を発しているのに比べると、史緒が萌に対して答える言葉は、どこかインパクトが弱くて。

 原作にある「萌の歌の感動に完敗した史緒」のシーンがないから多分こうなっているんでしょうし、4人芝居の限界なのでしょうが。

 とはいえ、初日にも書いたのですが、舞台版の史緒には血が通いすぎているんじゃないかと思いますです(笑)

●原作のウイークポイントと舞台版
 初日にちょっと触れたのですが、この日見たことでまた感じたこともありますので、改めて書いてみたいと思います。

 この「プライド」、ネット上の読後感想とかをたどると、後半から急速に失速して、最終巻に至っては何というかかんというか、という感想が一杯で、当blogの「ラストに満足はしていないけど納得はした」という感想が甘いぐらいでして(苦笑)。

原作の謎ベスト3って
 ・なぜ神野は萌に手を出すのか
 ・なぜ史緒は萌の子供を引き取るのか
 ・なぜ地震で萌が死ななきゃいけないのか
だと思うんですよ。

だってどれも荒唐無稽、ご都合主義の最たるもんじゃないですか(毒舌)。

 自分が舞台版を見たときにその脚本に感動したのは、この3つをものの見事にクリアしていたからなんですね。

 順にストーリーを追いますと・・・

 神野はウィーンで史緒と蘭丸の光景(神野にとっては裏切り)を見て、ショックを受けてミラノに入ります。

 史緒が「計算で動く女」であることを知って、史緒がそんな女だったことにショックを受けるわけです。

 だけど、自分も「取り引き」だったことをもって史緒を落とした弱みがあるし、何より史緒に対して「愛してなくてもいい」と言ったことさえあるから、史緒に反論されれば二言もないはず。

 つまり、以前の史緒なら「あなたとは取り引きで結婚するんです。そういう約束でしたから」と言ってるはずなのに史緒はそうは言わないんです。
 
 ということは、その時点で「史緒はここで神野に落ちてる」わけで、その時点で神野がそれに気づけば史緒を罵倒する必要はなかったのに、明らかに神野は冷静さを失っていて、それができない。
 史緒は神野が残した薔薇の花束で神野の気持ち(もはや「取引」ではなく実際に「愛」になっている)ことを気づく。

 その後、ミラノで偶然会った萌は「計算ではなくただ心のままに自分を必要としてくれる」わけです。

 その時に歌われる歌が皮肉にも「ふるさと」。

 この曲の歌詞の中に「父母(ちちはは)」という語句が出てきます。

 神野は舞台版ではこの時点で父を失っている(史緒との結婚式がそれ故に喪が明けるまで延期になっています)ことも併せて考えると、萌の歌が神野の心に響かないわけはなく。

 歌い手である萌が見せた「心」に神野が落ちた、ということになれば、原作で書かれている「あの計算高い男(神野)が萌ちゃんに手を出すなんてありえない」という蘭丸の独白よりははるかに説得力を持って伝わるわけです。

 原作だと後の話をややこしくするために何としてでも神野が萌に手を出すように仕向けたとしか思えなかったんで(苦笑)。

 史緒との愛に自信がなくなった時に、自分の心を救ってくれた存在が萌だったからこそ、萌が子供を産み、先が長くないと知った時点で、神野は萌の子の父親としての決断として、史緒との別れを持ち出すわけです。

 史緒は自分の命より神野との愛の証としての子供を守った萌の、本当の人としての素晴らしさ、眩しさに目が眩む思いで。神野を愛している自分の、その動機の不純さとの違いに、ただただ自分を恥じるしかなかったのでしょう。

 「オペラをやりながら私の中にはいつも萌さんがいました。萌さんがいたからこそ私はここまで強くなれたんです」と語った史緒の姿に嘘偽りはなかったし、「萌さんなしでは私はない」と史緒が本当の意味で分かったからこそ、萌の思いを自分が受け継ぐことにためらう理由は全くないわけで。

 ラスト直前の史緒と萌は、春コンの萌の時の話を思い出したりして、本当に原作の良いところだけ取ってるなぁと。

 既に悟りを開いている蘭丸は別として(苦笑)、
 史緒と萌と神野すべてが、わだかまりなく終われるかが、自分が舞台版をどう見るかのポイントだと思っていたので、個人的には凄く満足なのです。

 原作じゃ萌の思いを史緒がちゃんと受け継いだのかは見えなかったので、どうしても「史緒が成功するには萌の存在が邪魔だったんだ」という邪推を感じたし(←基本があまのじゃくなんです私)、そんな経緯で萌の子を引き取ったって史緒が本当の意味で愛情を注げるとは思えない・・・

 とか言う状態なので、舞台始まってからろくに原作を読んでません。

 だって舞台の方が良いんですから。

 ラストはなんだか「SHIROH」風。そういえば中川君と新妻さんはずいぶんと重ねて見られることがありましたっけ。





 次は本当に7日ソワレです。

 そういえば、この日はラストのカーテンコールライブから「Invocation~祈り~」はなくなり、「Life~命~」のみになっていました。
 鋼鉄の喉を持つ2人の歌姫とはいえ、これは妥当でしょうね。
 それゆえにか、終演予定より5分早くクリエの外に出られましたとさ。

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『プライド』(8)

2010.12.1(Wed.) 19:00~22:05
シアタークリエ 2列目センターブロック

本当の初日を迎えました。

初日前日のゲネプロを見ているので、「初日なのに初日じゃない」変な感覚。

2人のディーヴァが扮装したクリエちゃんに迎えられ(お嬢様とお腹の痛い人→理由こちら)、地下2階へ。
1階ロビーと地下2階ホワイエには、原作者・一条ゆかり先生のイラストパネルが展示されています。ゲネプロの日は撮影禁止でしたが、この日は何も掲示なしでした。

席に向かう間、演出の寺崎さんとすれ違いましたが、さすがに本番前の大事な時間に話しかけるのはどうかと思い、会釈して通り過ぎましたが、そんなん関係なく小心者なんですが(笑)。

この作品の売りといえば何と言っても2人のディーヴァの歌の初共演。

「Life~命~」は既にイベントで披露されていますので、初めて聞いたのは、「Invocation~祈り」。
「Life」も相当な曲でしたが「Invocation」は凄いというより”凄まじい”です。なにしろこのSRM2曲、演出の寺崎さんから作曲の佐橋俊彦さんへのオーダーが「歌うの難しい曲作ってくれ」だそうで(笑)

寺崎さんいわく、「2人(笹本さん、新妻さん)は普通の曲だと難なく歌いこなしちゃうから、難しくしないと」と鬼コーチ(←笹本さん命名。「屋根の上のヴァイオリン弾き」で経験済みだそうです。)みたいな依頼だったのだそうで。

佐橋さん、「難しくて長い曲作ってくれなんて依頼珍しいですよ」と呆れてました(笑)

で、この「Invocation」なんですが難易度特Aなのに加えて長い長い。

終わると思っても終わりません。
測ってないですが、多分7分近くあると思いますが、それを息も切らさずに突っ走る2人は、まさに「2人のディーヴァ」の面目躍如です。

高音も凄いのですが、一番好きなのは転調から入る新妻さんパートのジャズ風のところ。
この曲、1幕中盤、原作通り銀座の高級クラブ「プリマドンナ」で歌われます。

上手側が麻見史緒役の笹本玲奈さん、下手側が緑川萌役の新妻聖子さん。
中央後方に池之端蘭丸役の佐々木喜英さん、下手側座席に神野隆役の鈴木一真さんという配置です。
観客として目は自然に歌う2人に向くわけですが、この日とゲネプロの日の座席は前方席ということもあり、2人がぎりぎり同時の視界に入る状態。
で、これで何が起きるかというとですね、

人間って2つの目で別の物は見られないんですね(笑)

どっちかに比重置かないとだめなんですよ。

これ、クリエの「ガイズ&ドールズ」の「結婚しよう」の由美子さん&笹本さんの時も同じ羽目になったので良く覚えているのですが、歌うパート毎に目の重心をずらすしかないんですが、この「Invocation~祈り」、途中で1フレーズずつ史緒と萌が歌うところがありましてですね(笑)、酔いました。
曲と歌の素晴らしさには圧倒されましたが、視界的には酔いすぎました。

ネタバレに突入する前に舞台の全体的な印象をつらつらと。

・原作を知っている方がかなり楽しめます。
 逆に言うと、原作を知らないと説明不足な点もちらほら。

・史緒と萌の衣装の格差がすごいんですが、
 2人とも着こなしが素晴らしい。

・史緒は原作より血が通っている気がする。
 原作はもっとイヤな女性だったかと(苦笑)。
 だから萌が史緒をあそこまで憎む理由は、
 一幕ラストまであまり見えない。

・萌は4人の中では一番丁寧に描かれている感じ。
 原作と同じ台詞を言っているのに、毒が薄い気がする。
 存在は濃いけど毒は薄い。

・史緒は演技できる歌手
 萌 は歌える女優

 って印象を受けてびっくり。
 多分2年前とかにやってたら印象真逆だと思う。

 笹本さんと新妻さんの役者イメージとしては逆ですよね。
 新妻さんは歌の人だし、笹本さんは演技の人、
 そういうイメージだと思います。なのに。

 でも自分は配役発表からこうだろうと思っていたので、
 想像が当たって嬉しいです。

・蘭丸は予想以上に役にフィットしてる。
 女装が思ったより必要そうじゃなかった(苦笑)。

・神野は思ったほど冷酷に感じなかった。
 ラストはもっとヘタれるかと思っていたので意外。



ちょっとこの辺からネタバレスタート始まりますので、情報入れたくない方は回れ右バージョンでお願いしますね・・・・





このSRMの1曲目の直前、原作通りに神野が萌をそそのかして、SRMを空中分解させようとするシーンがあるのですが、一旦は萌はその場を離れるんですね。
ここのシーンは凄く印象的。

このシーンに至るまで、史緒と萌は原作通りにもうめちゃくちゃバトルしまくってます。「パルコ・デ・オペラ」で萌の策略に完膚無きまでに叩きのめされて、史緒が張り手するとこととか普通にあります。

萌が史緒を憎むようになったハウスクリーニングの時の6万円チケット事件は、少し後に萌から神野への独白で明らかになりますが。

初めて声を重ねた「Wind Beneath My Wings」を経てのSRMの曲のシーン。

「神野さんの命令なの?」という史緒の問いかけに答えず、萌はその場を離れていきます。
「萌ちゃんの代わりなんてすぐ見つかるよ」という蘭丸の慰めに史緒は力なく答えるんですね。

「萌さんの代わりなんて、いるわけないじゃない」と。

すると、哀しみに暮れる史緒の前に萌が戻ってきて言うわけです。

「その曲を史緒さんと歌える人なんて、私以外にいるわけないじゃない」と。

もー、2人して素直じゃないんだからー状態なわけで蘭ちゃんの苦労丸わかりなわけでございますが。

SRMがお預けかと思いきやこんな話で1曲目「Invocation」に入っていくので、お預け感までまぜこぜになって、この曲、元の曲の属性以上に凄まじいことになって観客に入ってくるという次第。

この作品の展開は1巻から12巻までですが、1幕が5巻まで。
女の物理的な戦いで一幕はクローズします。
そう、萌が史緒につかみかかるシーンです。

これは凄いです。女優・新妻聖子ここにありです。

今回の「プライド」、”音楽劇”が制作サイド的なジャンル分けなのだそうですが、何しろミュージカル界の歌姫2人の共演ですから、客層的には普通にミュージカルだと思って見に来るわけです。

実際のところ1幕は歌で綴られるシーンが多いだけに、かなりミュージカルに近い感じなのですが(昨日も書きましたがパルコ劇場みたいな感じ)、1幕ラストで萌が史緒に掴みかかるここは、この作品がストレートプレイだったということと、脚本が大石先生だったんだということを如実に認識させてくれるシーン。
ここの萌が結構原作にない台詞を吐いてくれるんですが、ここが一幕のクライマックスに相応しくてですね。

二幕で史緒が「自業自得です」と呟くのが分かるかのような、一幕の萌の台詞。

萌は神野を史緒に取られたこと以上に、こんな女と音をかぶせて快感に浸った自分が悔しくて仕方がないと、そう言っています。
蘭ちゃんは「言い過ぎ」と止めていますが、ここの台詞は間違いなく萌に100%の理があるから史緒への破壊力が半端じゃない。

一幕の萌から史緒への攻撃は、原作通りそこそこあって、テーブルに意味なくグラスがあるのはそういう理由ですよねとかあるわけですが、それでも「パルコ・デ・オペラ」以外はそこまで史緒にダメージを与えていないように見えるんです。

でもここだけは。

お嬢様である史緒に対して持ち続けた、客としての違和感が一幕の間ずっとたゆたい続けてきたところに持ってきて、史緒の欺瞞を白日の下にさらけ出すこのシーン。
大石先生が恐らく一番力を入れて書いたであろうこの一幕最後のシーンを”新妻さんが演じる”萌メインでやったことに、ただひたすらに拍手を送ります。

「あなたにプライドはないの?その言葉をそっくりあなたに返すわよ」

・・・・そうです。「パルコ・デ・オペラ」で萌が史緒に投げつけた言葉を、史緒は自らの行いで裏切っていたわけです。
あぁそうか、だから萌は史緒を許せないんだ、ということに凄く納得がいきました。

大切な人・神野氏を取られたから・・・原作を見たときはその印象ばかり強く残っていたけれども、「人として女として最低」という叫びは胸に突き刺さるものがありました。




どうしても原作を読んでいる以上、「原作を読んでいない人の意見」はもう作れないので申し訳ないのですが、原作派としては「12巻を読んだときの微妙な気持ち」を解消してくれただけで相当な部分で満足です。

時系列も原作からはシャッフルしまくっているけれども、本旨から外れた追加シーンはないし、4人しか登場人物がいない故に4人以外の発言を登場人物に言わせてみたり、名前だけ出して存在を思わせてみたり、脚本的なテクニックは使いまくっているわけですが、納得行かなかった後半をここまで再構成してすんなり見せたのは、大石先生の力量の素晴らしさに尽きるかと思います。

舞台版は「えっこの展開なの」って突っ込みが一切ないのがストレスレス。
史緒を必要以上に持ち上げてもいないし、史緒のために萌が犠牲になったわけでもない。
史緒が萌の子供を引き取るあたりは、まさに原作通りとはいえ、ちょっとだけ新妻キム→笹本エレン(←まだ未実現)を想像したりして。

そういえば全編通して思うのですが、初見の方、笹本さんより新妻さんが5つも年上って想像できます?

萌はどんなシーンでも史緒より年下に見えたのは、何より驚きでした。

芝居の点では新妻さんが想像より遥かに素晴らしくて、笹本さんを引っ張っていました。
歌は意外に互角でしたが、高音は完全に新妻さんパートで、笹本さんはその下。
これは現実的な解ですね(直前イベントで分かっていましたが)。

オリジナル以外は新妻さんの歌が凄く良いです。
「島唄」と「ふるさと」の2曲ですが、新妻さんの綺麗な音質が、純朴なメロディーと絶妙のハーモニーになっていました。
笹本さんは「Merry X'mas To You」は凄く良かった。(衣装が↓なのも影響してる)

あと一番のサプライズは玲奈ちゃんの男装ですよ。
原作ご存知の方、あの有名な「オクタヴィアン」の史緒です。
何つーか、一瞬向かいの劇場かと思いましたですよ(笑)。

オクタヴィアン玲奈はポジション的には絶対に上手側です。
たまたま2回とも上手側で見たんですが、すんません、完敗です(笑)。




ラストシーンで萌が原作通り、ああなった後、
何とSRM復活で「Invocation~祈り」と「Life~命」を立て続けにやるんですが、この2曲を立て続けでやるってこの2人の喉っていったいどうなってるんでしょう・・・

この日は初日ということで特別カーテンコール。
史緒役の玲奈ちゃんが進行役(神をも恐れぬ・・・以下自粛)

笹本さん「本日は”音楽劇”プライドにご来場いただきありがとうござい
     ました。(拍手)。無事、初日を開けることができました。
     初日ということでもありますので、キャストそれぞれ一言ずつ
     ご挨拶させていただ・・・きたい(←このあたりで
     噛んで新妻さんがウケている)
 と思います。
     では。(と、お嬢様らしく丁寧に佐々木さんを紹介する)」

・・・んですが、名前呼ばないもんで佐々木さんは自分の番だと気づいてない(笑)

佐々木さん「池之端蘭丸役の佐々木喜英です。沢山のスタッフ、
     キャストの皆さまに支えられて初日を開けることができました。
     これから26公演、大阪・名古屋も含め続きます。
     ぜひ25回観に来てください(笑)」

笹本さん「麻見史緒役の笹本玲奈です。無事初日を迎えることが
     できましたのも皆さまのおかげです。

     12巻もの原作を4人でどう表現するのか、不安もいっぱい
     ありましたが、新妻さんと初めて声を合わせた時に不安が
     抜けて、そして鈴木さん・佐々木さんが合流されての芝居
     でまた不安が抜けて、今日を迎えることができました。

     個人的なことではございますが、
     7年間一番近いところにいながら、なかなか共演が
     叶わなかった(新妻)聖子ちゃんと同じ板の上に
     立っているというのが、信じられない気持ちで
     いっぱいで、夢が叶いました。
     (涙を拭きながらの彼女に大きな拍手が。
     新妻さんももらい泣きしそうに。)

     『この作品で共演するために7年前に出会ったのかな』
     と思っています。

     ぜひ毎日来てください(笑)
     これから日々役を深めていきたいと思います。」


次はいずこ・・・と新妻さん・鈴木さんが譲り合い、鈴木さんが負け(笑)

鈴木さん「五十音順ということで(笑)。
     神野隆役の鈴木一真です。
     師走の忙しい中(笑)、シアタークリエにおいでいただき、
     ありがとうございました。
     千秋楽に向け、SRMに続き『SRMJ』
     を目指すべく頑張ります
     (会場内客席・キャスト一同大爆笑)。
     本日はありがとうございました」

新妻さん「緑川萌役の新妻聖子です。
     世界初演の「プライド」ご来場いただきまして
     (会場内客席・キャスト一同笑)
     ・・・え、大きく出たなと、
     夢は大きくですよ(拍手)

     昨日ゲネプロということで初めての通し稽古をやり、そして
     今日はお客様の前で披露させていただき、無事に初日を
     開けることができました。さきほど笹本さんも言われて
     いましたけれど、私も『この作品で共演するために
     (笹本さんと)7年前に出会ったのかな』と全く同じことを
     思っていました。
     初めて笹本さんと声を合わせたときには本当に感動
     しました。
     (と、新妻さんと笹本さんがじゃれ合う)
     (何かを気づいた新妻さん)

     ・・・すいません、2人だけで盛り上がっちゃいまして(笑)

     (鈴木さんが絶妙につっこみ、新妻さんはまた何かに気づき)

     もちろんみなさんあっての『プライド』です。(笑)
     ありがとうございます。

     他キャストみんなが「また観に来てください」と申して
     おりますが、
     今日ここで幕を明けた「プライド」の初日に立ち会って
     くださった皆さまのお陰での初日、
     ご覧いただいた皆さまにとって大切な思い出になれば
     いいなと願っています。
     私たちにとっては、本当にかけがえのない空間でした。
     本日はありがとうございました。」

いやー、玲奈ちゃんよく話せました
佐々木さんけっこう良い味出してます(本編含め)
鈴木さんとんでもない隠し道具持ってました
で結局一番良い話をするのは、新妻さんなのねやっぱり

でほっとしたのか新妻さん、背中をピアノに強打して素に戻ってました(苦笑)。
鈴木さんにエスコートされてご退場。

・・・でこれで終わると思いきや、拍手鳴り止まずまた皆さま登場。

新妻さんが玲奈ちゃんに振って、玲奈ちゃんが新妻さんに振って、
新妻さんが鈴木さんに振って、鈴木さんが新妻さんに返す(笑)

そして視線は客席キャスト一同、新妻さんへ(笑)。

新妻さん「え、もう何も出ませんよ(笑)」

玲奈ちゃんと鈴木さんが新妻さんに「頼むよ~」と言ってるけどもしかして新妻さん頭真っ白状態?(笑)

新妻さん「じゃぁ佐々木さんに締めていただきましょう(会場内大ウケ)」

いきなり振られた佐々木さん「えぇぇぇぇぇぇぇーーー(会場内大ウケ)」

(佐々木さんにアクション送ってる玲奈ちゃんがめっさ面白い。あれ何のキューですか笑)

佐々木さん、劇中で本編中に盛大な笑いを起こした蘭丸のアクションをいきなりやって、客席・キャスト一同から満場の大拍手を受けておりました。素晴らしい。

佐々木様には東宝史上初の、「新妻さんの窮地を救った俳優さん」の称号を贈呈させていただきます(をい)。

そういえばこの蘭丸のアクション、「薔薇の騎士」(オクタヴィアン)でのシーンなのですが、史緒もとい「玲奈ちゃん」が素で笑いオチしてました(笑)←あれは完全に史緒じゃなかった

「ガイズ&ドールズ」という作品でサラという堅物のお嬢様がそんな笑いオチしてた記憶があるんですが(爆)。

そして、先ほどピアノに激突した新妻さんは、「今度はぶつからないわよ~」ジェスチャーをして捌けていきました。相変わらず面白い人だ。

というわけで「プライド」期せずしての2連投は終了。
期待以上の素晴らしさに次の観劇が楽しみです。
物語ももっと語りたい~
もう2時だから限界ですが、本日夜までに追記するか、続き番作っちゃうかも。

次は7日ソワレです。

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『プライド』(7)

2010.11.30(Tue.) 18:00~21:00
シアタークリエ 3列目センターブロック上手側

12月1日、本日初日を迎える音楽劇『プライド』。

『プライド』サポーターズクラブ会員ということで、生まれて初めてゲネプロ(公開舞台稽古)にお邪魔させていただいてきました。

今年3作品目、13回目となるシアタークリエも、この日は個人的にもちょっと印象が違います。
表から中が見えないように白い幕が掛けられたシアタークリエ玄関口を、ドアから入っていくのは申し訳ないというか、有り難すぎてどんな揺り戻しが来るか心配なぐらいです。どんな運戻し待ってますか神様・・・耐えられる程度に程々にお願いします(爆)。

この日は2幕稽古を午後一でされた後の、初の通し稽古とのことで、時間配分も本番そのもの。休憩(20分)まで本番と同じでした。

上演時間は1幕80分、休憩20分、2幕70分の合計170分です。

さて、さすがに本日が初日ですので、ネタバレは避けます。
あくまでこの日のゲネプロで見たこの作品に関わる印象に限って書きます。
それでも真っ白な形で見たいという方は、回れ右でお願いします。





というか、ネタバレに触れずにこの作品の魅力について語るのがこの日呼ばれた人の使命のようでして(笑)、報道陣・制作スタッフ以外は、サポーターズクラブ会員で20名(席の埋まりを見るにほとんど全員いました)、モニプラの募集で20名の合計40名。

若干スタートは押しましたが、途中止まることもなく(ゲネプロだから当たり前なのでしょうが)、最後まで突っ走られました。

原作を何十回と読んで、映画版のDVDを5回見ている作品なので、どうしても「原作を知っている人」からの印象にはなってしまいますが、とにかく素晴らしいです。

新妻さんの歌が素晴らしいことも、笹本さんの歌が素晴らしいことも、鈴木さんの演技が素晴らしいことも知っていて、そして初めて見た佐々木さんの佇まいもとても素敵で、正直いい方に裏切られて、目移りばかりしてしまうのですが、何と言っても舞台版「プライド」の素晴らしさは、あの原作をこうまとめた、脚本の大石先生のお力が一番大きいと思います。

「原作の最後までやる」と製作発表で聞かされた時の不安を、こうまでひっくり返されると拍手を送るしかありません。

大石先生と二人三脚で物語を構成された演出の寺崎さんにも大拍手です。

それにしても2人のディーヴァにこれでもかってぐらい超難度の曲を渡して(まさに原作通りの「歌えるもんなら歌ってみろ、音楽ヲタクの超絶ソング」)、その期待の更に上を行く、笹本さん・新妻さん。そしてそれをクリエでという至福。

クリエでふたりが歌うって大丈夫なの?・・・「客の鼓膜が」
と言ってた人がいますが、まさにその通りです(笑)

直前イベントでは隠し球扱いだったSRMの1曲目「Invocation~祈り~」もこの日初披露。いやはや、歌わせる方も歌う方もよくやりますよこの曲・・・
原作じゃないけどこの2人が組んで歌えない曲ってあるんでしょうか。

内容的なところは初日以降に触れることにしますが、ミュージカルと名乗らないのにバックバンドの本格的構成。エキゾチックな空気といい、どことなく新妻さんがルイーザをやった「nine~the musical~」に近い空気を感じました。
芝居的にもルテ銀風というか、シックなパルコ劇場風というか。

具体的な内容に触れられないのはもどかしいところではありますが、原作を知ってる人には「再構成」という点で後悔しないと思いますし、また原作を知らない人には2人の歌を聞くだけでも価値がある上、観劇後に原作を大人買いしたくなること請け合いです。

結論ですか?
これからチケット増やします(笑)。

・・・・とかいいつつ初日も拝見する私なのでございますが・・・・

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