« 『イリアス』 | トップページ | 『私の頭の中の消しゴム』 »

高橋由美子ベスト盤「STEPS」(1)

9月29日発売が最終決定した高橋由美子さんのベスト盤、
「COMPLETE SINGLE COLLECTION "THE STEPS"」
歌手デビュー20周年の今年に初のBOX仕様での発売になります。
デビュー曲「Step By Step」から一語取っての「STEPS」
(前のベスト盤の時もこのタイトルでしたそういえば)。
振り返れば、いい曲でデビューできたよねぇ。魔神英雄伝ワタル万歳。

ビクターから冷遇されてきたからここまで長かったなぁ・・・(遠い目)。

ビクター先輩の某アイドルさんはずいぶんと厚遇されてきたのに比べたら・・・とはいえ、あっちはああなっちゃったから(経緯略)、多少は売上見込める由美子さんの20周年、ってことなんだとは思うんだけど・・・

発売されたら曲レビューはやるとして、とりあえず現段階で情報がほぼ出揃ったので、ちょっと書いてみます。

由美子さんが歌手生活10年間でリリースした曲はのべ179曲ありますが、アルバム収録のシングル曲、バージョン違いの曲といったものを除外すると、実質的な曲数は113曲。
今回、本曲61曲とバージョン違い2曲なので、半分以上の曲が収録されるわけで、まずはめでたいことです。

本人も「まさかこんなことになるとは」と言っていましたが、2年前の自分にこれを言っても信じないでしょうねぇ。
やっぱり何だかんだ言っても事務所移籍効果なんでしょうね。

前の事務所は頑なにアイドル時代を拒絶していましたから
(今回の本人コメントを聞く限り、本人の意向より遥かに強く)。

今回は5枚構成のBOXで、1枚目から3枚目までがシングルとC/W。ぴったり年ごとに分かれての収録。特にラストシングルの「螺旋の月」とラス前の「ふたりの距離」は廃盤になって長かったので、本当に久しぶりに聞くことになります。

5枚目はPV集ということで、現時点で残っているPVをかき集めたということらしいのですが、その曲目を見ているとなるほどねぇ、と思うことしきり。

何しろ1曲目(「Step By Step」)と2曲目(「Fight!」)のPVがない。

それもそのはず、由美子さんのデビューは元々アニソン部門だったので、2曲ともジャケットが裏面だったぐらいで、3曲目の「笑顔の魔法」がアイドル部門に移籍しての最初のシングル。というわけでここからPVが始まっていたりします。

「はじまりはいま」とか「そんなのムリ!」とか、どう見てもPV向けなのに残っていないのがあるのも不思議です。
何気に一、二を争うほど好きなシングル「笑ってるだけじゃない」のPVが見られるのが実はとっても楽しみ。
というか、PVってオンタイムでそれほど見る機会がなかったので、多分このDISK5、見たら初見の映像ばかりになりそうな気がします。

そして今回注目だったのが、シングル・C/W以外の曲から本人セレクションで選ばれたDISK4。
ようやく昨日あたりから情報が出始めましたが、何というか由美子さんはさすがにご自身のことが分かってます。

13枚のアルバムのうち、収録曲を出していないのはベスト盤の「for BOYS」と「for GIRLS」を別にすれば、企画アルバムの「Working on X'mas Day」だけ。
ベスト盤の「SINGLE COLLECTION Steps.」からですら選曲しています(「yell-Ballade」)。

基本は1アルバム1曲ずつですが、後期の「Tenderly」、「万事快調」、「気分上々」からは2曲ずつ。これは本人の意向がよく分かるセレクトです。(本人的には後半がより充実していたと認識してるので。)
初期の「PEACE!」から3曲がセレクトされ、このアルバムが最多です。

全体を見回すと、曲目も本人作詞の「A Song For You」(Tenderly)、母親へのメッセージソング「Dear Mrs. Friend」(Paradise)、不動のオープニング曲「PEACE BOMBER」、知る人ぞ知る、実は本人作詞(PN使ってる)の「あなたへ…」を入れてるあたりとか、名曲中の名曲「ETUDE」が入ってみたり「8分休符」もやっぱり入ったか・・・という感じで、まぁよくもまぁここまで曲のクオリティとファンの意向を汲み取る選曲をするなぁと、感心せずにはいられません。

まぁそりゃ入れて欲しかった曲はまだあるけど1枚の制約下じゃこれが限界でしょう。
由美子さんの選曲センスの確かさに脱帽です。

そして何と、このDISK4には由美子さん以外の曲が入っています。
それが「夢やぶれて」「瑠璃色の地球」

去年のシアタークリエ「由美子ライブ」をご覧になった方はおわかりの2曲です。

「夢やぶれて」はご存知、「レ・ミゼラブル」ファンテーヌ役の曲。ま、さすがに「On My Own」は持ち歌じゃないからこっちが入るのは自明の理ですが、これは新録ではないそうなので、別所盤あたりから持ってくるのでしょう。
ミュージカルにこれだけ出ている割に、ソロ曲に恵まれていないから、1曲選ぶとやっぱりこれなんだなぁ。

ビクター公式見てみたら、やっぱり「2003年ライブ盤」になってました。こちら
しかしビクターさん、”20世紀最後のアイドル”はともかく、”21世紀最高の女優”とは・・・嬉しいけど・・・また大きく出ましたね・・・(苦笑)

でやっぱり別所盤。ソース

今、ちょうど年相応になったと思われるファンテーヌ役ですが、来期からファンテーヌは当たり年なので、もう陽の目を見ることはないでしょうから、ある意味、最後の由美子ファンテでもあるのでしょう。
演技派ファンテの系譜を継いでくれるのは意外に新妻ファンテじゃないかと思ってます。
最近の新妻さんの演技バランスの良さはなかなかだと思うので。

で、もう一方は新録。
「”20世紀最後のアイドル”があの松田聖子の名曲をカバー。」という宣伝文句になってますが、そうかそれって実は結構なトピックスなのね、ということに意外に思ったり。

アレンジが”あの”鈴木大介さん。8年前、NHK-FM「気ままにクラシック」で、由美子姫の気ままさ(笑)を巧みに引き出して、史上最強にご機嫌な(爆)空間を作り出していた氏と、実に8年越しのコラボです。
2人が中心になっての春の千鳥ヶ淵お花見は今でも健在みたいですが。相変わらず人付き合いが長い人だこと。

クリエでアンコールに聞いたこの曲は、アンコールに相応しい素晴らしい出来だったと思います。ライブ録音に負けずとも劣らない新録になっているであろうことを心待ちにしたいと思っています。(由美子さん自身はプレッシャーで前夜は寝られなかったそうです)


今回、ライナーノーツや当時のスタッフとの対談、ロングインタビューもブックレットに入っているそうで(ちなみにロングインタビューのインタビュアーさんのblogはこちら)、それもすごく楽しみなのですが、現段階で上がっている由美子さんのコメントも相変わらず味がありまくりで、ちょっとじーんときました。

こちら

「変わらないね、って言ってもらえるのは嬉しいけど、変わらない方がおかしい」って言葉はすごく重くて。

「アイドル」というイメージに縛られた20年だったんだなぁ、というのが今さらながらにわかる。

「今の私とは違うので比べてもらっても困る」というのを笑いでごまかしているけど、由美子さんが笑いを取りにいくときって、ほとんど本音だったりするんだよなぁ(経験則)。

去年のライブについて「一大決心」と語っているけれど、それはまさしく本音だと思う。「想い出は綺麗にとっておいてほしい」からこそ、想い出を超えるものを今の自分ができるのか、それが最後まで不安だったんじゃないかと思う。

「最大限の努力をした」けれど
実は「アイドル・高橋由美子はすごく疲れる」と。
これは凄く分かる。

アイドル時代、由美子さんは「アイドルすぎる」って言われてたことがあるんですね。
「一分の隙もないぐらいにアイドルだ」って。
「暗いところは見せたくない、みんなの前では明るい部分だけ見せていたい。それが『アイドル』だから」と語っていた20歳の由美子さん。

アイドルに徹しすぎた故に、そのイメージからいまだ一部は抜け切れていない、でもそんな過去もひっくるめて今でも語れるってことは何よりの名誉だし勲章だと思う。

由美子さんの魅力は色々あるけれど、言葉の重さの裏にある苦悩、それを何とか乗り越えようとするさまが一番かな、と思う。
恵まれすぎていないところとか(爆)。

何と言うのか、由美子さんのイメージは曲目で表現すると<笑ってるだけじゃない>なんですよねそのものずばり。

「ファンからの期待」というものを肌で感じる感性を持っていて、それを無下にはできないけど(笑)自我は残してる(100%は聞く気はない・・・笑)、みたいなところが今でも変わらなくて頼りになります(笑)

ところでこのBOX、中日劇場で予約募ったら多少は売れたんじゃ
(終演後限定)。

|

« 『イリアス』 | トップページ | 『私の頭の中の消しゴム』 »

コメント

ひろきさん
由美子さん愛いっぱいの、ブログいつもながら感心してしまいます。
由美子さんのコメント鋭いことをさらりと
言われていて頭のいい人だなと思っています。ファンの人たちをひきつける心があります。中日劇場で予約を取ればよかったのに 鈴木大介さんとのキマクラ
楽しかったですね。今でもダビングしてあったのをたまに聞いていますが、由美子さんの天然ぶりを、受け止めてくださった大介さん いいコンビでした。

投稿: てるてる | 2010/09/11 02:16

久々に書き込ませてもらいます。
初商品化を含むPV集、本人ロングインタビューに
きまクラ友達とコラボの新録音と
いちいちファンの琴線に触れまくりの企画に
動揺を隠しきれません(笑)

アイドルとしての高橋由美子とほんとの自分とは
当然に距離があるんだと思いますが
(これはやってた当時も含めて)
見ている方からすればそのギャップがまた面白かったりもします。
今でもお膳立て次第ではキューティーハニーも歌うし
ひまわり衣装も着てくれるわけですから
今後とも関係各位の頑張りに期待したいです(笑)


投稿: pausa | 2010/09/11 08:08

ブログの紹介、有難うございます♪

なんと愛に溢れたコメント!!
これほど由美子さんのことをよくご存知の方に期待していただけると、こちらも嬉しくなります。
・・・プレッシャーもありますが。笑

「瑠璃色の地球」は、一時期、由美子さんのディレクターを務めていた方の曲なんですよね。
ライナーにも書きましたが、そのイメージで作られた曲が「あなたへ・・・」なんだそうです。

投稿: hama | 2010/09/11 11:50

てるてるさん、いつもコメントありがとうございます。
まぁ永遠の一押しなので、最近愛が足りない気がしたので(笑)
中日さんもグッズ売りには力入ってましたが(SHIROHまであった)予約じゃちょっと弱いかも。でもあの空間のホームっぷりなら多少は出たように思えるのが不思議です。最後には「由美子さま」って敬称がついててびっくりです。
気まクラはいっそ今でもやってほしいぐらいです。

投稿: ひろき | 2010/09/11 13:57

pausaさん、お久しぶりです。
ほぼ1年ぶりですね。ライブ以来でこういった形で改めて当blogを見ていただいてとても嬉しいです。こちらは1年間ずっと追っかけてましたが(苦笑)

今回の企画、由美子さんの20周年を祝うのに相応しいばかりの本気ぶりに頭が下がります。何より今でもビクターで由美子さんを覚えていて企画を動かせる人がいたことに、胸が熱くなる思いです(←我ながら感想が過剰)。

先日やってた舞台の衣装も結構なもんでしたよ(苦笑)。タカハシユミコの法則として「お膳立てには逆らわない」んです(笑)。断れない優しさがあるからこその彼女。だからうまいこと乗せましょう(爆)。

投稿: ひろき | 2010/09/11 14:07

hamaさん、コメントありがとうございます。

「はじまりはいま」は翌日気付いたのでコメントのタイミングを逸してしまったので、今回お邪魔させていただいた次第でして。

由美子さんはなかなか本心を表に出さないところがあるので、ファンも(というかファンだから)気づかないところが見られればと、発売を心待ちにしています。

「あなたへ・・」のエピソードは初めて知りました。これも何かの縁ですよね。

Stepbystep(1)ということは(2)もありますよね?楽しみにしています。

投稿: ひろき | 2010/09/11 14:23

ビクター契約解除になったのに
11年ぶりに、レコーディングできるんですか?この業界がよくわからない

投稿: てるてる | 2010/09/11 22:11

てるてるさん、こんばんは。
まぁ、11年前は11年前で、今は今ってことですね。
要するに今年の由美子さんには売り出せる理由があった、ということに尽きると思います。
年が経るごとにチャンスというものは減っていくものですし、今回のような機会はそうそうないと思いますので、素直に喜びたいと思います。

投稿: ひろき | 2010/09/11 22:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 高橋由美子ベスト盤「STEPS」(1):

« 『イリアス』 | トップページ | 『私の頭の中の消しゴム』 »