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2010年9月

高橋由美子ベスト盤「STEPS」(2)

1週間の延期も気にならずに、本発売日となった9月29日。

amazonさんからの発送連絡が前日に来て、佐川さんに「不在時eメール」登録までしておき準備万端かと思いきや、いつものおじちゃんが「夜にしかいないと思って」、夜に持ってきてくれました(笑)。

※ちなみにブックレットのネタバレが多少あります。
回避の方は回れ右で!




まずは開封前に二拍手してから(爆)、開けてひとまず、インタビューをじっくり読み。

由美子さん自身のインタビュー、相変わらず適度な毒と的確な本人評で実に良いのですが(しかし記憶力良いなぁ・・・)、特に印象的だったのは、こんな一言。

「周りが思っているものと、自分がやりたいものが違ったときは、前者を選ぶ。
そこにあるのは自分ではなくて”アーティストの高橋由美子”。
だからこそプロとして徹することができて、それがかえって良かった」という言葉。

間違いなく、由美子さんを20年間支えた最大の哲学は、この言葉に集約されるんだと思います。アイドル当時から「自分を客観視できることが自分の長所」と言っていた彼女。

ある意味、自分への期待に抗えない優しさこそが
高橋由美子の高橋由美子たらんとしているところで、
それを突き詰められたからこその「20世紀最後のアイドル」だったんだと思います。

ちなみに今回のインタビュー、由美子さんの意外な野心家ぶりが見えて、とても意外で、頼もしかったです
(今後への戦略の巧妙さも含めて・・・笑)。
やっぱり歌を歌う人にとっては、紅白って大事な舞台なんですね。

有言実行とご本人言ってますが、あながち大風呂敷でもないのが彼女。
努力してないように見せるの大好きですけど(笑)。

具体的な夢を言ったのはここ10年では自分が記憶する限り今回が2回目。
5年前、由美子さんはピーターパンをやりたいと言っていたっけ・・・
たまにしか言わないのに、凄いハードル高いの選ぶなぁ(笑)

びっくりしたのは由美子さんの口から
「ミュージカルはこれからも続けていく」発言が出たこと。

正直、ミュージカルには出ていながらも「ミュージカル以外もやれる女優でいたい」という考え方を彼女からは強く感じていたので、あえてこういう発言が出たのはとても意外。
どちらもできるのがご自身の”売り”というのを、肌で感じているからなのかもしれません。




はてさて、そこで、ふと立ち止まると、目の前にある5枚のディスク。

由美子さんの曲は全曲1回以上聞いたことがあるので、どのディスクを採っても「初めて聞く曲」はないわけです。

シングル、C/Wを収録した1枚目~3枚目は後回しかな、と思ってふと4枚目の1曲目をかけたところ・・・

音が違いすぎる!

デジタルリマスターを甘く見すぎてました。

すぐに4枚目の再生を止め、1枚目から順番に聞くことにしました。

久しぶりに聞く曲も、1年ぶりに聞く曲も、どれも音が素晴らしくて、で、やっぱり由美子さんの歌声は今聞いても全然色褪せていなくて。

当時のビクターの全力が投じられた、しかもその中でもメインの、シングルとC/Wが連なるわけですからどれも完成度が凄い。そりゃ今回の収録曲より好きな曲はアルバム曲にいくつもあるけれど、それでもやっぱり別格。

廃盤になっていたビデオがDVD化されて、準ベスト盤が出て、ついに今回コンプリートベストまでもが発売されたことには、関わった皆様に心から感謝を申し上げたい気持ちでいっぱいです。

今回のブックレットには、当時のスタッフとしてプロデューサー兼ディレクターの良田性正氏、作曲の本島一弥氏へのインタビューが含まれていますが、特に良田氏の由美子さん評が抜群に面白いです。

妥協のないアイドル・由美子さんと日本一バトルしたであろう(笑)と思われるだけにエピソードの一つ一つが「そうだったのか!」と興味深いです。

「女性としての優しさも持ちながら、男気も持ち合わせている」というのは、凄く的確な表現だと思います。

良田氏は新国立劇場「エネミイ」をご覧になったようですが、由美子さんを「怒れる人」と評したのも、さすが分かっていらっしゃる。
「当時から怒ると怖かった」というのは腹を抱えて笑ってしまいました。

「アチチッチ」のPVの時の、良田氏評と、由美子さんご自身のコメントの食い違いっぷりも笑えます。

色々な意味で「嘘がないアイドル」だったんだなぁ、と改めて思います。

自分にとって彼女はデビュー以来ほとんどの年で贔屓一番手でしたが、彼女の魅力は「嘘がない」と同時に、「損得では動かない」からなのかなと思います。

ハラハラもするし、心安まる暇はないのですが(最近さすがにようやく年相応に落ち着いてきたような)、「自分と相手には誠実であろうとする」からこそ、今まで見続けてきたし、きっとこれからも見続けていくんだと思います。

今回のCDの収録時間は306分(5時間6分)。
昨日22時から聞き始めて3枚目が今聞き終わり、ようやく半分超えました(笑)。
4枚目の最後の曲以外と、PVは明日回しにしてとりあえず寝ます。

「瑠璃色の地球」、さすがに素晴らしかったです。
優しく語りかけるような歌い方は、あまり聞いたことがないので意外。
「ETUDE」にちょっと通じるようなところを感じたかも。

明日は全部聞き終わって・見終わっての感想と、コンプリートベスト発売記念でMybestでも書いてみようかなと思っています。

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『プライド』(4)

2010.9.21(Tue.) 13:00~14:10
東京會舘12階ロイヤルルーム 「プライド」製作発表会見

私にもなぜか運が残っていたのか、今年東宝さん制作の作品をいっぱい観劇した影ながらの御礼なのか(爆)、分かりませんが、ありがたく行って参りました。

この日のオーディエンスは140名。全応募者数は2,000人を超えたそうで、「帝劇借りてやりたいと思ったけどエリザやってるし(笑)」という某演出家氏のコメントはさておき、東宝HP応募50名、「プライド・サポーターズクラブ」30名、ぴあ、イープラス、他レビューサイト各20名が、マスコミの後方席に陣取る形での会見です。

東宝さん系の抽選で当たったのは、「ミス・サイゴン」プレビューイベント(2008年、シアタークリエ)と「ルドルフ」の”笹本玲奈の小部屋”(2008年)に続き3回目ですが、製作発表は初めて。といっても今年のM!は製作発表の応募はしなかったので(理由は推してしるべしですが)、応募自体が実は初めてなんですけどね。

開始前にびっくりしたのが、壇上に掲げられたパネルに記載された「大阪公演」「名古屋公演」の文字。聞いてないんですけどーーー!

ちなみに 12/22が大阪・浪切ホール(岸和田市こちら)、12/23が名古屋・名鉄ホール(名古屋駅前こちら)となり、大楽は名古屋ということになります。

えーと、翌日の12/24がM!の帝劇楽なんですが・・・
12/19の(クリエ)楽を手配ミスで準備できてない私は12/23を目指せってことですか・・・(爆)

M!もいきなり金沢公演が追加(になったのにいまだにHP発表なし)、今回も製作発表で大阪・名古屋公演発表って、それはあまりいいやり方とは思えないけどなぁ。
楽を狙って大阪・名古屋から来る人だっているかもしれないのに、せめて先行抽選前に発表すべきことだと思うんですけどね。

それはそれとして。

席次は下手側から寺崎秀臣さん(演出)、一条ゆかり先生(原作)、佐々木喜英さん(池之端蘭丸役)、笹本玲奈さん(麻見史緒役)、
新妻聖子さん(緑川萌役)、鈴木一真さん(神野隆役)、大石静先生(脚本)の7人。

※寺崎さんの「崎」は本来は旧字ですが、環境により文字化けするので、今後も新字で記述します。

製作発表でまで五十音順にされたらどうしようと思っていましたが、歌姫お2人(笹本さん、新妻さん)がセンターで実に嬉しい限り。自分の席の都合上、背が低い(当然座高も低い)新妻さんが隠れちゃってちと残念でしたが、まぁそれは贅沢すぎる言い分ですね。

キャスト4名は下手側の佐々木さん、笹本さんが白色の衣装、上手側の新妻さん、鈴木さんが黒色の衣装ということでまさに好対照。そして原作の一条先生は真っ赤なドレス。

一条先生のドレスは演出の寺崎さんが突っ込んでいましたが、先生曰く
「白と黒どっちにしようかと思ったんですよ。でも製作発表の光景を想像して、絶対にかぶりそうだと思ったので、絶対かぶらない赤にしました。こちらに来て、『(かぶらなくて)あぁよかった』って(会場笑)」

進行は自己紹介→質疑応答→トークショー(今回の応募者からの質問への回答コーナー)→フォトセッション→囲み取材の順で約75分。

今回は『本来は歌をお聞かせできれば良かったんですけど、まだその段階にはありませんで』という新妻さんのコメント通り、歌なしでの製作発表。

・・・つか新妻さん、そのコメントは本来制作スタッフさんがして然るべきコメントなんですが、なぜあなたが(笑)。さすがとしか言いようがないです。

正直、この作品の最大の売りは2人の歌姫のガチンコ対決になるわけで、それがないというのはやっぱりちょっと寂しいなと。明日のワイドショーの売りが、なるほどそういう記事になっちゃうのもまぁしょうがないですね(こちら)。

ちなみにこの作品、アンサンブルはおらず出演者は4人だけです。
それが確定したのはつい最近らしいんですが(笑)

それについて寺崎さん、
「やっぱりこの作品のメインは4人の繋がりだと思う、と大石先生とお話しして、『4人で行こう』とお互い同意しました。あの世界観を4人の出演者だけで表現することに挑戦することに舞台化の意味はあると思う」、とコメントされていました。

この作品は去年映画化されています(麻見史緒役=ステファニー、緑川萌役=満島ひかり。マイレビューはこちら)が、一条先生いわく、実はテレビドラマ化の話もあったのだそう。
それを断った理由というのが、『歌の部分にゴージャス感を出したかった。昼ドラの枠だったので、それができるか不安があってお断りした』のだそうです。

で、今回なぜ舞台化をOKしたか、という理由については
『舞台ならそのゴージャス感が期待できるということと、私自身は舞台を見ないのでお2方を(あまり)存じ上げなかったんですが、担当さん初め周囲の皆から”ミュージカル界の2大歌姫が初めて共演する、それもこの作品で。凄いことなんですよ!”と力説された』のが大きな理由だそうです。

○キャストからの意気込みから印象に残ったことをそれぞれ。
(紹介順、ただし発言は複数回あったものからまとめています。またメモも取っていないので、発言が正確な言葉でない場合があります)

◆佐々木喜英さん(池之端蘭丸役)
「小学校の頃やっていたピアノをやることになりそうなので気合いを入れたい。
自分と等身大の役なので似ているところもたくさんある。
自分なりの蘭丸を作れるよう一生懸命やりたい。」

---「女装はしたことがありますか?」という質問に。
女装って普通するもんなんですか(笑)? ないですよ」

---「お祭りの時とかに女装しません?」という質問に。
どんな無茶振りですか(笑) お祭りの時にだって女装しないですよ」

一条先生から「カツラをかぶってドレスきたらまさに蘭丸」と絶賛されていました。

◆笹本玲奈さん(麻見史緒役)
「元々大好きな作品で、最初読んだ時には萌に感情移入していた。『舞台でやるなら私と(新妻)聖子ちゃんなんだろうな』と思っていた。史緒という役のハードルは高く、(勉強のために)マナー講座にでも通おうかと思っています(笑)。演技力、歌唱力、存在感どれをとっても高みが必要とされる、女優として憧れる役。自分に足りない部分を探しつつ、史緒を演じたい。」

◆新妻聖子さん(緑川萌役)
「お話しをいただいてから原作を読みました。自分がこれから生きていっても絶対言わない台詞がぽんぽん出てくる萌という役、その役を演じられる快感は役者という仕事ならではと思っています。黒い役に目覚めてしまいそうで(笑)、年末は真っ黒(な役)になりきりたいと思います(笑)」

---萌という役についてどう捉えていますか、という質問に。
『私の人生は萌みたいな人生です』という人がいたら困りますよね(爆笑)」

「女性の明るい部分と女性の暗い部分を全部持っている女性だと思っています」

◆鈴木一真さん(神野隆役)
「3人を振り回していたはずなのに最後は3人に振り回されるそんな役。
3人を見守っていると思いきや、先ほど脚本の大石先生に『(大石先生の)モチベーションが神野の活躍』ということを聞いて心から嬉しいです(笑)」


○一条先生からキャストへ、

史緒ちゃんには「もっと偉そうにしててほしい」とアドバイスしました。

---それに対して玲奈ちゃん
自分の役柄について触れる時に「一条先生からもお話しいただきましたが、史緒としての存在感、舞台の上で一人で立ったときの大きさというものを求められていると思うので、それを目指して頑張りたい」とのコメント。

萌ちゃんには「もうイメージ通り。顔に力がある。とてもカツラが似合ってる。」

---それに対して新妻さん
『実は今日のために髪を切りました』という小ネタを用意してきたのですが、先ほど一条先生からのお話で『カツラ似合っているじゃない!』って先に言われたのでボツになりました(爆笑)

・・・新妻さん、あなた流石です。いつでも寄席ができますよ(笑)。

○笹本さん、新妻さんの初共演について。
これはやはり最初の方で「月刊ミュージカル」編集の方が質問されていました。
(ちなみに小藤田さんもいらっしゃいました。)

笹本さん「私と聖子ちゃんは多分ご覧になっている方からは『ライバル』という見られ方をするんだと思うんですけど、7年間ずっと一緒で、『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』そして苦楽をともにした『マリーアントワネット』で一緒に、2人で同じ役をやってきて、”ライバル”というよりは”同志”という思いが強いですね」

新妻さん「私は初舞台からずっと玲奈さんと同じ役をやってきて、先ほど彼女も言いましたがレミゼ、ミスサイゴン、そして日本初演で上演された『マリーアントワネット』、これは先日(ドイツ)ブレーメンで上演されましたが、日本ではまだ2人しかやっていない役なので、なおさら一緒に歩んできた感じがしていますし、彼女を信頼しています」

コメントを聞いていると、2人にとって『マリーアントワネット』ってとても大きな作品だったんだな、というのを実感します。2人の今の関係を形作ったのは多分この作品の”マルグリット・アルノー役”だったんだと思う。
どこかの未来で、玲奈マルグリット&新妻アントワネットで見てみたいものです。

製作発表話に戻って。

「いつか共演したいね・・・共演するとしたら姉妹かな・・・もう共演できないのかな」と言い合ってたときに決まったので嬉しかった、と新妻さんが言ったことに玲奈ちゃんが深く頷いていました。

玲奈ちゃんはこの作品をやると聞いた時の第一声が「聖子ちゃんとでしょ?」だったそうです。


そしてこの2人のエピソードについては、新妻さんから。

新妻さん「私と玲奈ちゃんは『初めて同じ板の上に立つ』ことになっていますが、実は1回だけ、『ミス・サイゴン』のイベント(※注)で渋谷の街中で立ったことがあるんです。」
笹本さん「(そうそう、と大きく頷く)」
新妻さん「その時、『一七歳で初めて~』という風にちょっと一緒に歌っただけなのに凄い快感でしたね」
笹本さん「3小節ぐらいの歌詞だったのに、一緒に歌ったときに『自分に足りないものはこれなんだ』ということが分かって。私の不安定なところを補ってくれて。その後、お互い感じた快感を2人で楽屋で話し込みました」

(※)参考までに、当時の記事。
○マイレポ こちら
 
○密着中 こちら
 
○なんとかより食い気 こちら

(*ちなみに新妻さんのblogはameba移行前のblogで現在はFC限定ページなのでリンクはありません。)

笹本さん「今回、ものすごい難しい曲ばかりで、一人で歌うとすごく不安になったりしてしまいそうなんですけど、あの時は3小節ぐらいでそう思ったぐらいなので、今回ここまでがっつり組めるとなると、あの時と同じように聖子さん(←発言のまま)が自分に足りないところを埋めてくれると思うと、とても心強いです」

新妻さん「ほーほーほーほー(←発言のまま・・・笑)
わたくし一人幸せに浸っておりました・・・(笑)
デモテープが届いて昨日、原作を全部読み返しながら聞いていたんですが、自分のイメージ的にストライクでした」

この辺、ずっと玲奈ちゃんは「聖子”さん”」とさん付け。
すごく新妻さんが居心地悪そうでしたが(笑)というか、てっきり「彼女から『さん』で呼ばれたのは何年ぶりかと思うんですが」ぐらい返すかと思ったんですが、やらなかったですね。

予想以上に笹本さんが新妻さんに依存する部分は大きいようです。

そして新妻さんは思った以上に笹本さんのことを高いレベルの同志(戦友)として認識してるんだなぁと。
あんなまで頼りにされてるとは思ってなかった、感じでした。
普段は玲奈ちゃんはそんなこと新妻さんには言わないんだろうし。
なんか不意打ちで「ありがとう」を言われたような感覚じゃないですかねあれ。

・・・そして”あの”渋谷マークシティの話。
さすが新妻さん、記憶力抜群!

玲奈ちゃんは自分からこういうことを言い出せる人じゃないから、ここは新妻さんGJすぎる。玲奈ちゃんも、このエピソードが出たことで緊張がほぐれて、新妻さんとシンクロし放題
(ただし他の人おいてきぼりだけど・・・爆)

笹本&新妻ペアにはこのエピソードは絶対欠かせないんで、言ってくれて本当に嬉しかったです。

製作発表って初めて参加しましたが、あんな重い雰囲気なのに、話術一つでマスコミ&オーディエンスを一気に引き込む新妻さんの力量は凄すぎる。何気に神野副社長役の鈴木一真さんも年の功で巧いこと堅い空気を和ませてくれて、本当にありがたかったです。

衣装は上手側黒、下手側白なのに、なんか空気は上手側の新妻さん・鈴木さんの方が明るいのが不思議すぎる。


今回の製作発表の凄いのは、「原作を知ってる前提」で話が出てくること。

寺崎さん:『「バラの騎士」のオクタヴィアン(女が男役をやる)を史緒が演じるにあたって(女装した)蘭丸を参考にするという発想はすごいですよね。』

一条先生:『史緒は「男性に免疫がない」という設定なので、その史緒が違和感なくやるにはどうしたら・・と逆算して蘭丸が女装になったんです。苦労した設定なのでお褒めいただいて嬉しいです。』

ちなみに舞台版は、新妻姫がblogで既に書かれております通り、何と最後(12巻)までやるそうです。本人いわく”慣れてる”らしいですが(爆笑)。こちら
で、脚本はまだ上がってないらしいです。

寺崎さんいわく「実はこの作品、ミュージカルじゃないんです。『ミュージカルの二大ディーヴァの共演』と謳ってはいますが、ミュージカルとは言っていないんです。全編歌というわけにはいかないのですが、歌が効果的に使われていますので期待してください」


1時間に亘った楽しい時間は終わり、お土産のクリアファイル(チラシをクリアファイルにしたもので、そこにチラシが入っていました)をいただき終了。

一般層向けにはちょっと押しの弱いものだったかもしれないけど、笹本さん&新妻さんW追いかけ組の自分にとってはありえないほどの夢のような空間で、この場にいられたことにただただ感謝です。

そして実はこの「プライド」、今回の当選は東宝ホームページ枠ではなく、サポーターズクラブ枠でして(当たった自分が一番びっくりでした)。当選発表が1日ずれていたので、あやうく今日の休暇申請を取り消すところでした。東宝さんフェイント過ぎる(笑)。

そんな立場になったからにはチケット水増し必須なんでしょうか東宝さん。
つかやっぱり名古屋には来るようにというお告げですか(笑)

2010/9/22追記
ぴあさんの記事の写真が良すぎる。記事こちら

萌が笑ってる(笑)とか
萌と神野、お似合いすぎ(笑)とか

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『私の頭の中の消しゴム』

2010.9.19(Sun.) 17:00~19:10

天王洲銀河劇場 1階A列10番台(下手側)

今年5~6月ルテ銀で上演され好評を博した作品、早くも再演。キャパの差はいかんともしがたく、2階は数人しかいませんでしたが。

回ごとのキャストローテーションで、今期は8組×3回で、この日が大千秋楽。

何組か見たいキャストはあったのですが(別所さん、菊地美香ちゃん、藤岡くんは見たかったかな。初演はエポ&マリコンビのまあや&いずみんは見たかった)、話に聞く限り、「初見キャストに引っ張られる印象がある」とのことでしたので、玲奈ちゃんの回、その上こなれた方が良いだろうと最終日を選択しました。

この日は浩介役が溝端淳平さん、そして薫役が笹本玲奈さん。

レミ女性キャストとしては、
前期はコゼ2人、エポ2人の合計3人(知念ちゃん兼任)、
今期はコゼ1人、エポ1人の合計2人です。

この日、顔だけご存知のお知り合いがずいぶんいらっしゃいますが・・・今日がいわゆる玲奈FC総見日ってことですね。

彼女は東宝デビュー以来見ていますが、基本はスタートダッシュ型。
ですが、お世辞にも台詞回しが上手とはいいにくい彼女のこと、こと苦手な台詞が全編にある朗読劇はさすがに尻上がり系だろうと思いまして。

初日2回目、他キャストを見ていませんので絶対評価ということになってしまいますが、正直、ここまでにしてくるとは思ってなくて、予想以上の素晴らしさでした。

ストーリーが難病物なので脚本からして「ここで泣け!」ってな感じなのですが、まんまとその罠にはまり、男だてらに3回泣きました(笑)。
先に見た人に「初見はハンカチ必須だよ」と言われたこと、終わってから気づきました(爆)。

今回は終わりましたが遠からず再演されると思います(ホリプロが抱え込んだ感じが。若手の女優さん伸ばすのにはこれ以上の題材はなかなかないでしょう)ので、一応ネタバレ注意です。



主人公カップルの浩介と薫は同じ会社、建設会社に勤めていますが、浩介は社長にさえ盾突くじつはやり手の現場技師。で、薫は何と社長令嬢。

ということは、このコンビ限定でまるで「ぼくの妹」(去年春クール、TBS日曜21時枠)なわけです(笑)

この作品で、玲奈ちゃんは社長令嬢・大河原春奈役を演じていて、オダギリジョーさんが演じる、上に盾突く医師にツンデレモード全開で迫っていたわけですが。

浩介と薫のすれ違い方とそのドラマのそれにはちょっと違いはあるのですが、お嬢様ゆえの浮世離れさがかえって相手を怒らせて、「なんか彼怒ってるよ。私なんか悪いことしたのっ?」とか慌てて焦るツンデレ振りのコミカルさがなかなか。

「なんでデートがいっつもラーメンなのっ?」とか

「彼の部屋で情報誌を見つけた。どこに行きたいじゃなくて浩介と一緒にいられればいいだけなのに」とか答えてたら浩介も

「場所が関係ないならそう言えよ!」
と答えるとか、けっこう笑えます。

「暑い現場に熱いお茶もってくるとか何考えてんだよ!」ってのもありました。

基本、コメディ演技が苦手な玲奈ちゃんですが、テンポよく台詞を転がして、客席の笑いを誘っていました。
非常に新鮮です。

演出家さんという職業は「大まかなところを提示してキャスト任せ」な方と「箸の上げ下ろしまで細かく指示する」方と2パターンに分かれると思うのですが、今回の脚本・演出家の岡本さんは後者のようで、逆にそれが特にアドリブ苦手な玲奈ちゃんにとっては幸いしたんじゃないかと思います。
飲み込みは早いし、笑いとるところは上手いこと、照れなくさえやれればちゃんと笑ってもらえますしね。

言い忘れたのですが展開としてそれぞれの日記を台本に見立てて進行する展開、なのですが一番最初、浩介が薫の日記を女声で(溝端君なかなかはまってる)言ってるのを薫が見つけて追っかけて、でも浩介の日記を見つけて読み返しの意地悪とか実にいい空気です。(あぁいう意地悪ないたずらは玲奈ちゃんがやるととてもはまる。理由はあえて詮索しないけど。)

お互い何カ所か噛んでた(3箇所ぐらいずつで痛み分け)けど、少なくともこの日は芝居の勢いの方が勝ってた感じ。

2時間の本編の中、恐らく80分ぐらいが出逢ってから発病するまでのいわゆる「幸せな時間」ですが、この作品の特徴として開演してからどのぐらい経ったのか分からないというのが、きっといい脚本ということでもあるのでしょう(飽きにくい)。

そういえば、浩介が「2人で歩いていきたい」と言った1月15日の日記。

同じの薫の日記が
「あれってプロポーズだよね? そうだよね? 
私間違ってないよね?」

ってのもコミカルしまくりで面白すぎでした。

少しだけ難があるとすれば、2人ともに共通しているのですが、「4月」と「7月」の言い分けがはっきりしないので、たまに時の流れがいったりきたりに聞こえてで戸惑います。

見てて苦しくなるのは医者から若年性アルツハイマー病を宣告された時(12月)から、浩介がそれに気付くまで(翌年6月)までの薫の心情表現。

幸いというかこの時間帯は玲奈ちゃん演じる薫が下手側、つまり自分の斜め前にいるのでその苦しみがダイレクトに伝わってきます。浩介に伝えられないという演技なので必然的に感情は客席に向けられるわけで、その苦しみたるや壮絶です。
あれだけ記憶が飛んで、会社でポカしまくってもクビにならない、という理由付けに「社長令嬢」という場面設定は必要なのですね。

彼女の役は明るい役であれ暗い役であれ、「希望」というものとは切っても切れないという印象があったのですが、今回の役の新鮮なところは、彼女が「絶望」を見せようとしているところにあると思います。

今までも部分的には「絶望」を見せたことがないわけではないのですが(「ウーマン・イン・ホワイト」でパーシヴァル&フォスコに謀られた時とか、「MA」の「100万のキャンドル」なんて絶望そのもの)、これだけ長い時間「希望」を失ったことを見せ続けていく彼女を見るのは多分初めてで、病というのはこれほどまでに人を孤独に引き籠もらせようとするのだろうか、と背筋が凍る思いでした。

何も分からなくなって名前も思い出せない時の放心状態をどこかで見たなぁと思ったのですが、あれ、それこそ「ウーマン・イン・ホワイト」で精神病院に放り込まれたローラの表情ですね。(大和田ローラは「無気力な振りをしていた」感じでしたけど、初演の沙也加ローラの「死んだような目」がまさにこの日の玲奈ちゃんの薫と瓜二つでした。)

難病物が「実は直りました」にならないというのはここ最近の傾向だと思うのですが、舞台であれ小説であれ、素っ頓狂な想定というか、「いきなり特効薬が発明されました。これぞ愛の力!」みたいなものは最近はあまり聞かなくて。
多分、現代というのは「嘘っぽい」ものは成立できない世の中なんでしょうね。

この手の難病物で自分が最初に見たのは由美子さん主演で映画化(1995年)された「時の輝き」でしたけど、その時も男性側が亡くなるという違いはあるとはいえ、「亡くなる」前提は崩れていなかったことを思い出します。

今回も「記憶を失っていく」ということはいくら浩介の愛でもひっくり返せない。
ひっくり返せないことを前提に物語が作られているので、最後のシーンもその現実から離れられない以上、どうするのかと思っていたので、終わり方がすごく良かったです。

あとストーリーで印象的だったのは、「人生は怖い」という言葉。

この言葉、作品の前半は浩介から発せられます。自暴自棄になり、自分には未来はいらないとばかり荒れる彼にとって、結婚などというもの自体が考えられなかった。

そんな彼が薫と心が通じ合い、そして幸せな時間が流れるものの、薫が発病、そして作品の後半でこの言葉は薫から発せられます。
自分が発した言葉と同じ言葉を薫が発した意味。「薫が自分の未来に絶望している」ことを浩介が本当の意味で認識した、最初の瞬間だったように思います。

そういえば、玲奈ちゃんの初日を見た人から「姿勢が良くない」という話を聞いていて、実はそこはこの日も改善されてなくて。

台本持ったまま集中するからどんどん前のめりになっていくんですね。溝端君はほぼ背中に付けてやっていたので、あれは変なずれでした。

彼女は確か視力そんなに悪くないし、台本自体の文字も大きい(最前列だから大体の文字サイズ分かりましたが、A4縦で20文字ぐらいなので、24Pぐらいの文字だと思います)。

終演後、会場内から出るときに渡された、当日の浩介&薫ペアの言葉入りの2人のフォトカードが素敵でした。玲奈ちゃん、字綺麗だよなぁ。

この回の薫の「私は世界一幸せよ。」って言葉も凄く素敵です。
ちなみに、このメッセージ入りフォトカード、キャストそれぞれの言葉&写真でかつ、回毎に違うのでなんと24種類あります。ほぼコンプリート不能という、恐怖(笑)のグッズです。

※ちなみに日別の内容は公式blogで見られます→こちら 

その日キャスト限定のフォトカード5枚セット(1000円)もまんまと購入決定でしたが、2人が指輪交換した後、指輪を見上げる薫の表情がすごく素敵なんだよなぁ。(このパターンの写真がこの日のメッセージ入りフォトカードに使われてます)

パンフレットは全キャスト掲載版ですが、「忘れたい記憶」のところでレミ組(藤岡君、美香ちゃん)が面白い。何気に玲奈ちゃんも良い味出してる。あんたらときたら(笑)

そういえば例の件の関係ですが、異変は俳優さんから玲奈ちゃんあての花が一切ないぐらい。
正直ゼロというのはありえないと思うので、先方に迷惑がかかってはということで外したんでしょうね(ファンの方からの花は2組ちゃんと飾られていましたので)。

最後、お互いのフォトフレームを机の上に置くというカーテンコールの1シーンがあるのですが、当初ちょっと離れて置いてしまい、玲奈ちゃんがぐいっと薫のフォトフレームを浩介のところに寄せていて、その時の彼女のやんちゃな表情がこの日一番のヒットポイントでした(笑)。
溝端君とも悪くない相性だったし、出来ればまた見てみたいかも。

そして今度は他のキャストでも。

2010/9/21追記
「ガイズ&ドールズ」で共演された香月彩里さんのblogがあまりに素敵だったので、リンク
彼女の文章は誠実で素敵です。
いつかまた別の舞台で拝見したい方です。

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高橋由美子ベスト盤「STEPS」(1)

9月29日発売が最終決定した高橋由美子さんのベスト盤、
「COMPLETE SINGLE COLLECTION "THE STEPS"」
歌手デビュー20周年の今年に初のBOX仕様での発売になります。
デビュー曲「Step By Step」から一語取っての「STEPS」
(前のベスト盤の時もこのタイトルでしたそういえば)。
振り返れば、いい曲でデビューできたよねぇ。魔神英雄伝ワタル万歳。

ビクターから冷遇されてきたからここまで長かったなぁ・・・(遠い目)。

ビクター先輩の某アイドルさんはずいぶんと厚遇されてきたのに比べたら・・・とはいえ、あっちはああなっちゃったから(経緯略)、多少は売上見込める由美子さんの20周年、ってことなんだとは思うんだけど・・・

発売されたら曲レビューはやるとして、とりあえず現段階で情報がほぼ出揃ったので、ちょっと書いてみます。

由美子さんが歌手生活10年間でリリースした曲はのべ179曲ありますが、アルバム収録のシングル曲、バージョン違いの曲といったものを除外すると、実質的な曲数は113曲。
今回、本曲61曲とバージョン違い2曲なので、半分以上の曲が収録されるわけで、まずはめでたいことです。

本人も「まさかこんなことになるとは」と言っていましたが、2年前の自分にこれを言っても信じないでしょうねぇ。
やっぱり何だかんだ言っても事務所移籍効果なんでしょうね。

前の事務所は頑なにアイドル時代を拒絶していましたから
(今回の本人コメントを聞く限り、本人の意向より遥かに強く)。

今回は5枚構成のBOXで、1枚目から3枚目までがシングルとC/W。ぴったり年ごとに分かれての収録。特にラストシングルの「螺旋の月」とラス前の「ふたりの距離」は廃盤になって長かったので、本当に久しぶりに聞くことになります。

5枚目はPV集ということで、現時点で残っているPVをかき集めたということらしいのですが、その曲目を見ているとなるほどねぇ、と思うことしきり。

何しろ1曲目(「Step By Step」)と2曲目(「Fight!」)のPVがない。

それもそのはず、由美子さんのデビューは元々アニソン部門だったので、2曲ともジャケットが裏面だったぐらいで、3曲目の「笑顔の魔法」がアイドル部門に移籍しての最初のシングル。というわけでここからPVが始まっていたりします。

「はじまりはいま」とか「そんなのムリ!」とか、どう見てもPV向けなのに残っていないのがあるのも不思議です。
何気に一、二を争うほど好きなシングル「笑ってるだけじゃない」のPVが見られるのが実はとっても楽しみ。
というか、PVってオンタイムでそれほど見る機会がなかったので、多分このDISK5、見たら初見の映像ばかりになりそうな気がします。

そして今回注目だったのが、シングル・C/W以外の曲から本人セレクションで選ばれたDISK4。
ようやく昨日あたりから情報が出始めましたが、何というか由美子さんはさすがにご自身のことが分かってます。

13枚のアルバムのうち、収録曲を出していないのはベスト盤の「for BOYS」と「for GIRLS」を別にすれば、企画アルバムの「Working on X'mas Day」だけ。
ベスト盤の「SINGLE COLLECTION Steps.」からですら選曲しています(「yell-Ballade」)。

基本は1アルバム1曲ずつですが、後期の「Tenderly」、「万事快調」、「気分上々」からは2曲ずつ。これは本人の意向がよく分かるセレクトです。(本人的には後半がより充実していたと認識してるので。)
初期の「PEACE!」から3曲がセレクトされ、このアルバムが最多です。

全体を見回すと、曲目も本人作詞の「A Song For You」(Tenderly)、母親へのメッセージソング「Dear Mrs. Friend」(Paradise)、不動のオープニング曲「PEACE BOMBER」、知る人ぞ知る、実は本人作詞(PN使ってる)の「あなたへ…」を入れてるあたりとか、名曲中の名曲「ETUDE」が入ってみたり「8分休符」もやっぱり入ったか・・・という感じで、まぁよくもまぁここまで曲のクオリティとファンの意向を汲み取る選曲をするなぁと、感心せずにはいられません。

まぁそりゃ入れて欲しかった曲はまだあるけど1枚の制約下じゃこれが限界でしょう。
由美子さんの選曲センスの確かさに脱帽です。

そして何と、このDISK4には由美子さん以外の曲が入っています。
それが「夢やぶれて」「瑠璃色の地球」

去年のシアタークリエ「由美子ライブ」をご覧になった方はおわかりの2曲です。

「夢やぶれて」はご存知、「レ・ミゼラブル」ファンテーヌ役の曲。ま、さすがに「On My Own」は持ち歌じゃないからこっちが入るのは自明の理ですが、これは新録ではないそうなので、別所盤あたりから持ってくるのでしょう。
ミュージカルにこれだけ出ている割に、ソロ曲に恵まれていないから、1曲選ぶとやっぱりこれなんだなぁ。

ビクター公式見てみたら、やっぱり「2003年ライブ盤」になってました。こちら
しかしビクターさん、”20世紀最後のアイドル”はともかく、”21世紀最高の女優”とは・・・嬉しいけど・・・また大きく出ましたね・・・(苦笑)

でやっぱり別所盤。ソース

今、ちょうど年相応になったと思われるファンテーヌ役ですが、来期からファンテーヌは当たり年なので、もう陽の目を見ることはないでしょうから、ある意味、最後の由美子ファンテでもあるのでしょう。
演技派ファンテの系譜を継いでくれるのは意外に新妻ファンテじゃないかと思ってます。
最近の新妻さんの演技バランスの良さはなかなかだと思うので。

で、もう一方は新録。
「”20世紀最後のアイドル”があの松田聖子の名曲をカバー。」という宣伝文句になってますが、そうかそれって実は結構なトピックスなのね、ということに意外に思ったり。

アレンジが”あの”鈴木大介さん。8年前、NHK-FM「気ままにクラシック」で、由美子姫の気ままさ(笑)を巧みに引き出して、史上最強にご機嫌な(爆)空間を作り出していた氏と、実に8年越しのコラボです。
2人が中心になっての春の千鳥ヶ淵お花見は今でも健在みたいですが。相変わらず人付き合いが長い人だこと。

クリエでアンコールに聞いたこの曲は、アンコールに相応しい素晴らしい出来だったと思います。ライブ録音に負けずとも劣らない新録になっているであろうことを心待ちにしたいと思っています。(由美子さん自身はプレッシャーで前夜は寝られなかったそうです)


今回、ライナーノーツや当時のスタッフとの対談、ロングインタビューもブックレットに入っているそうで(ちなみにロングインタビューのインタビュアーさんのblogはこちら)、それもすごく楽しみなのですが、現段階で上がっている由美子さんのコメントも相変わらず味がありまくりで、ちょっとじーんときました。

こちら

「変わらないね、って言ってもらえるのは嬉しいけど、変わらない方がおかしい」って言葉はすごく重くて。

「アイドル」というイメージに縛られた20年だったんだなぁ、というのが今さらながらにわかる。

「今の私とは違うので比べてもらっても困る」というのを笑いでごまかしているけど、由美子さんが笑いを取りにいくときって、ほとんど本音だったりするんだよなぁ(経験則)。

去年のライブについて「一大決心」と語っているけれど、それはまさしく本音だと思う。「想い出は綺麗にとっておいてほしい」からこそ、想い出を超えるものを今の自分ができるのか、それが最後まで不安だったんじゃないかと思う。

「最大限の努力をした」けれど
実は「アイドル・高橋由美子はすごく疲れる」と。
これは凄く分かる。

アイドル時代、由美子さんは「アイドルすぎる」って言われてたことがあるんですね。
「一分の隙もないぐらいにアイドルだ」って。
「暗いところは見せたくない、みんなの前では明るい部分だけ見せていたい。それが『アイドル』だから」と語っていた20歳の由美子さん。

アイドルに徹しすぎた故に、そのイメージからいまだ一部は抜け切れていない、でもそんな過去もひっくるめて今でも語れるってことは何よりの名誉だし勲章だと思う。

由美子さんの魅力は色々あるけれど、言葉の重さの裏にある苦悩、それを何とか乗り越えようとするさまが一番かな、と思う。
恵まれすぎていないところとか(爆)。

何と言うのか、由美子さんのイメージは曲目で表現すると<笑ってるだけじゃない>なんですよねそのものずばり。

「ファンからの期待」というものを肌で感じる感性を持っていて、それを無下にはできないけど(笑)自我は残してる(100%は聞く気はない・・・笑)、みたいなところが今でも変わらなくて頼りになります(笑)

ところでこのBOX、中日劇場で予約募ったら多少は売れたんじゃ
(終演後限定)。

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『イリアス』

2010.9.5(Sun.) 12:00~15:10
ル・テアトル銀座 3列目センターブロック下手側

前日に幕が開いたギリシャ悲劇の舞台。

骨太でとっても良いんだけど、会期最初の方で見るよりは、後半で見た方が良かったかも、という感じで色々な意味で”暖まってない”印象。
舞台上もそうですが、より客席側にそれを感じたかも。

何度か台詞噛んでるシーンがあってちょっと醒めちゃったかなと。
内野さんの母親役の女性アンサンブルさんが1幕初っぱなで1箇所で3つも4つも噛んでくれたもんで「いくらなんでもそれは・・・」と思っちゃいまして。

それはそれとして。
あ、ちなみにネタバレありますので、ご覧になる方はいつものごとくご注意くださいませ。




幕開きはこの舞台のストーリーテラー役であるカサンドラ(カッサンドラ)役の新妻聖子さんの台詞(歌声)で始まります。
舞台の幕が横に開き、中央をまっすぐと歩いてくるカサンドラ、そして周囲にいる5人の女性(コロス)。カサンドラの黒い衣装と、コロスの白い衣装との対比が印象的です。

このシーン見たときに、既視感がありまして。

「SHIROH」の寿庵そのものじゃないかと。
高橋由美子さんが演じた寿庵という役、「SHIROH」の幕開きがまさにこんな感じで、衣装も立ち位置も違うのですが、「戦いを見通す女」が共通していて。

実際、「イリアス」はカサンドラの声で始まり、最後の幕もカサンドラの声で終わって、舞台中央に戻っていくので、動きがほとんど一緒ということもあり、なんかそれを思い出しながら見たのでした(ちなみにコロス5人のうちのお1人、飯野めぐみさんは「SHIROH」にも出演されていました)。

ストレートプレイですが、ストーリーテラーが何しろ新妻さんなので、歌を効果的に使った演出がされていて、「人はなぜ戦うのか」を歌詞そのもので投げかけてくるのですが、どこか哀しげで少しだけ挑戦的。

カサンドラは未来が全て見通せるのに、アポロンからの求愛を拒んだがばかりに、「全ての人に信じてもらえない」呪いの中で生きることを余儀なくされたからか、好戦的にもなりそうなのにどこか諦観しているようなところがあって。

実は見る前の予感ではもっと「戦い」に対して表面的に怒りをあらわにするかと思っていたので、意外でした。
たしかに、全てを見通せてしまっては「怒り」を持ち続けていては、精神的に厳しいかもしれません。

代わって「怒り」をあらわにしていたのはトロイアの王子・ヘクトルの妻・アンドロマケ。馬渕英俚可さんが演じていました。馬渕さんは2004年シアターアプルの「真昼のビッチ」で由美子さんの妹役を演じて以来で拝見しますが、その透明感と存在感が素晴らしいです。さすがは白線流し(←感想の持ち方がちょっとおかしい)。

勝ち目の薄い戦いに向かう夫を送り出し、機を織って帰りを待ち続ける。

夫が戦死した後、戦いを見守り、時には弄ぶ神に対しても言ったであろう「戦いを呪い続ける」という言葉は、当たり前なのだけれどこの舞台の中ではアンドロマケしか言ってなくて、かえって印象的。

もう一つ印象的だった台詞が、「女が今を嘆くのは、それを強い男にくつがえして欲しいから」という言葉。池内さん演じるヘクトルがとても強く、魅力的に見えたのは池内さん自身の魅力に加え、”内助の功”であるアンドロマケを演じた馬渕さんの魅力なのだと、そう思えます。

そして名前を出しましたヘクトル。池内博之さんが演じていますが、もう何というのか理屈抜きに格好いい。ほとばしる汗の躍動感といい、役柄としての人となりといい、素晴らしいです。
普通、王の息子が理屈抜きに出来た人間で、戦いの場の勇者としても優れているなんてことはそもそも天文学的な確率なように思われるわけですが。

そう考えるとトロイアと対峙するギリシア連合軍の”勇者”、内野さん演じるアキレウスも総大将の息子ではないとはいえ王の息子ですから、その2人が最大のライバルとして対峙して、お互いで雌雄を決するというのも、その2乗で天文学的な確率なわけです。

そして内野さん演じるアキレウス。ギリシア連合軍の最強戦士なのですが、1幕は総大将・アガメムノンの人間の小ささ(爆)にへそを曲げて引き籠もるので、主役の割に1幕は美味しいところを随分と池内さん演じるヘクトルに持って行かれます(苦笑)。

その分2幕では大爆発・・・なのですが、要するに情もへったくれもなくトロイアの戦士達を片っ端から殺めていくだけなので、ヒーローというよりはどことなく”傍若無人の荒くれ者”という印象しかなく、なんか共感しにくいところがあります。
片っ端から殺めていくのは親友であるパトロクロスをヘクトルに殺されたというきっかけがあるからこそではあるのですけれども。

故に、ヘクトルの人間の大きさに対するアキレウスのそれというのが、ちょいと主役にしては損をしている印象があったのですが、2幕後半はそんなもやもやを吹き飛ばしてくれました。

”ヘクトルの命を奪った後、ヘクトルの身体は戦車にくくりつけられ引きずられ、しまいには野犬の餌にする”
とアキレウスは宣言して前者はその通りにするのですが・・・。

ヘクトルの父であるプリアモス王はヘクトルの死に取り乱し、急速に老い、しまいには「ヘクトルの身を引き取りに行く」と叫びます。
当然、周囲は止めます。敵陣のまっただ中に最高司令官が行くなどというのは正気の沙汰ではありません。

そんな中、カサンドラは言うのですね。「あなたが一人で行けばアキレウスはヘクトルを返してくれる」と。

皆と同じくカサンドラの予言を信じていなかったプリアモス王(ここまで書いてませんがカサンドラはプリアモス王の実の娘です)が「その言葉に救われ」カサンドラにしがみつく。
カサンドラの気持ちからすると、”初めて自分の予言が誰かのためになった”瞬間だったように思います。全てを見通せるが故に、皆から、自らの父からも遠ざけられた女性にとって、これほどまでの救いはなかったのだと思います。

しかしながら”悲劇の予言者”にとってみれば、そこでプリアモス王に「トロイアの敗北、終焉」を告げることとセットになっている、ということが何よりお互いに対して残酷です。

「ヘクトルを返してくれる」ということを信じるなら「トロイアが終焉する」ことも信じざるを得ず、「トロイアが勝利する」ことを信じるなら「ヘクトルを返してくれる」ことを信じられないことになる。

ただ実際のところもこうもなれば、「勝利する」と思い込みながらも”現実は厳しい”ということを直視してもいるわけで、ある意味「心が決まる」だけの効果な気はしますけれども。

話は戻してアキレウスとプリアモス王の話です。
「対話」と題された場面においてプリアモス王はアキレウスに跪き、手に接吻までしてアキレウスを驚かせます。そして「ヘクトルを返して欲しい」と頼むのです。
アキレウスの今までの気持ちからすれば返すわけはないように思えるのですが、意外や意外にすぐ返すことを返答しています。

自軍の総司令官とは、かりそめの利害関係で和解しているだけで、本心からの尊敬なんてこれっぽっちも抱いていないアキレウスにとってみれば、敵軍の総大将が自らに最大限の敬意を払ってきている時点で、”俺は一体何と戦ってるんだ”と思っても、むしろむべなる話でして(苦笑)。

そして「運命」という言葉に対する信奉が印象的。
自らも「戦いの場に身を投じれば自らの寿命を縮める『運命』」と言われながら戦っているだけあって、「ここまであなたが来ることが出来たのなら、お返しするのが『運命』(さだめ)だろう」というのは、外野から見るとちょっと飛躍し過ぎな論理とはいえ、アキレウスとしては一貫しているのでしょう。

自分の生き様を否定しないながらも、人としてのまっとうさを取り戻したアキレウスの人間の大きさは、見ていてとても爽快感を感じました。

ギリシアとトロイアの10年戦争はギリシアの参謀・オデュッセウスの「トロイの木馬」の策謀により総崩れになったトロイアの敗北に終わりますが、その部分は実は「イリアス」の元の原作にはない部分だそうで、今回の舞台化ではその部分はカサンドラが語り歌うモノローグとなっていましたが、闇に引きずり込むような新妻さんの哀しみの歌声とともに終わる「イリアス」の最後は、それでもこのシーンがあって良かった、と思えるものでもありました。

正直、”難解”と呼ぶに相応しい芝居でしたが、ここに名前を挙げた方以外も、平幹二朗さん、木場勝己さん初め、重厚感溢れる存在感に、「芝居を見たなぁ」との充実感に浸れます。

「人はなぜ戦うのか」というテーマは実は2ヶ月ぶりという随分短いスパンで2作品で見た(前回は新国立劇場7月公演「エネミイ」)のですが、この2作品を見た上でこのテーマを自分に投げかけられたとすれば、「人は戦わないと生きられない生き物だから」としか答えようがないかなと。

ただし、それは人を傷つける必要があることでもないし、他人と戦う必要があるわけでもない。ただ、今の自分をそれでよしとするだけでは、人は人でさえいられない、という印象だけは持てたような気がします。

きっと「自分と戦う」ことが人間としてのアイデンティティーなんだと思います。

この作品、チケット代がルテ銀らしい設定で、かつ土日にさらにプライスアップという、お財布には実に優しくない(笑)作品ですが、リピートはしないにせよ、一度は見て損はないかなと思います。

そういえば、真面目な舞台を見るのは大変かなぁと思っていました。
8月にあれだけ「舞台と言ってもミュージカル(2作品)」を見ていただけに、予想通り、しばらくリハビリ期間は必要そうです(苦笑)。

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『ガイズ&ドールズ』(17)

※実はちょっと追記(9/1)
ちなみにこのblog始まってこの稿が300回目のup。
昨日9/2(木)に1日916アクセス(ココログ中731位)という最高記録を樹立しました。

※後半にちょっと追記(9/4)

というわけで、千穐楽から中1日、ようやくたどり着きましたキャスト別感想という名の、2010年ガイズのラスティもといラストblog
(きっと、多分)。

千穐楽の日に早く帰ってこなかったおかげでガイズ祭りが妙に後ろにずれちゃってますが、2010年ガイズの締めという意味でもう少し書こうと思います。

そういえばちょうど今日、中日新聞社さんにお願いしていた中日スポーツ(8月20日)が到着。やっぱり内君のスカイと玲奈ちゃんのサラの「はじめての恋」シーンがカラーでした。先日愛知県図書館行ったら閲覧中で見られなかったからなー。手元に残って嬉しい。

「ガイズ&ドールズ」終演記念、クリエ初日動画→こちら
※音出ます注意

●スカイ・マスターソン役/内博貴さん
続投組で、4月のクリエから一番変化が大きかったのは彼だと思います。
クリエでは立ち姿が場面によっては緩い部分もあったかのように思えたのですが、今回は1つ1つのシーンの佇まいに重さが出たというか、落ち着きが感じられて、見ていてよりしっくりくるようになった感じ。
スカイという役の一筋縄ではいかないところの片鱗が窺えて、拝見してはいないのですが「SHOCK」をやったことってものすごく大きかったように思えます。

中日でツボだったシーンはいくつかあるのですが、サラ&アーバイドの前で帽子投げつけるシーン。溜め作って、野球選手が悔しがるときに投げつけるような、派手な投げつけが何気に好きでした。クリエでは帽子を単に椅子に置いてただけだったので。

ちょっと前に書いたハバナの「えー」も好きだったんですが、スカイがサラを必死で口説くシーンのバランスが良かった。これは笹本サラが「中日ではサラは堅物になります」宣言してたのとリンクしてるんですが、なかなかおちないサラに焦ってるスカイ、って図が見られたのが良かったなぁ。「女なんて誰でも同じ」と宣言してるスカイがサラに手こずる、って図じゃないとやっぱり変だし。

あとガチョーン@サラ、程度じゃ微動しなくなったのはほっとしました。
アデレイド爆弾とかネイサンミサイルとかを食らうとさすがにたまに微動してましたが(笑)。

●ネイサン・デトロイト役/錦織一清さん
妙にアドリブ封印してた気がする今回のネイサン。油断すると下手側でちょこまか動いていてアデレイドが般若の顔になっている、という印象しかないんですが。
あれ、かえってアデレイドを怒らせてません?(笑)

ミミ@香月彩里さんがアデレイドにイヤリングを借りに来て、その後、ネイサンにクレーム付けてるシーン(「マックスとデートの予定だったのにあんたのクラ・・・・のおかげで」ってところ)、アデレイドはミミが眼中に入らずにガタガタ震えまくってて(客席前方に局地的に大ウケ)、それに呼応するように「ジョーイ、ジョーイ・・・」って電話にしがみついてガクガク焦ってるのが実に上手い受けでした。アデレイドの渾身の怒りモードに完全に火を付けてくれて嬉しいです(笑)

●サラ・ブラウン役/笹本玲奈さん
今回後半、ハードスケジュールで調子を落とすキャストが多い中、飛び抜けてコンディションを保った超人振りにまずは拍手。(ちょっと前まで男役やってたのにねぇ・・・)

この作品では、サラの出来が良いだけで何とかなる部分は実は少ないとはいえ、その伸びやかな声に始まり、日ごとに容赦なくなったハバナの壊れっぷりといい、実はスカイとクリエほど密着していない割に、スカイとの演技のキャッチボールは上手く行ってたりとか、なかなか興味深い中日公演のサラでした。

正直な印象を言ってしまえば、笹本ファンの最大公約数的にはこの作品の立ち位置は微妙(なように思えて)、今年の作品ラインナップ見ても、当たり役のWIWで始まって、ガイズクリエを挟んで持ち役中の持ち役のピーターパン、そして年末には新妻さんとの初共演・プライドが控えていて。笹本さんはコンサートも含めれば今年は8作品128回、舞台だけなら4作品114回で、そのうち56回がこの作品ですからほとんど半分な割には、それほどまでに熱狂的な受け入れられ方をしてはいないんですね。

私も由美子さんとの兼任組じゃなきゃこんなには見ないなぁ、ということには納得するのですが、これだけアデレイドが不調でも、サラは印象で上回りにくい、ともなると、どんだけ役がひっくりがえってるんだと思うけど、今期ガイズは

 主演が内スカイと玲奈サラ
 主役がニッキネイサンと由美子アデレイド

という印象だったかもしれません、結局。

だとしても結局のところ、笹本さん本人はこの役は手放したくないようで、何だかんだ言っても他にハッピー系を持ってないから(ミーマイを持ち役ってことにしないのは・・・むにゃむにゃ・・・まぁそういうことで)、次もやりそうな気がする。

そして笹本さんblogに載ってた「HOT BOX FLOWER DOLL」が究極的に可愛すぎる。

何だあれ。

ハバナの赤い美女を1日だけ荒木さんがやったぐらいなんだから、
玲奈ちゃんも1回ぐらいアデレイドの後ろで踊ってみるとか(笑)。
1幕「A Bushel And A Peck」はサラと出番ぶつかってないし(4割ぐらい冗談)。

●ミス・アデレイド役/高橋由美子さん
久しぶりに当たり役中の当たり役で、存分に楽しませていただきました。

公演最後、慣れないことをされたせいなのか(※)、調子を崩されたのは残念でしたが、それでも不調なら不調なりに、今まで蓄えてきた資産をフル回転させて客席を味方に引き込む技には圧倒させられました。やけっぱちなはずなのに、そうも見えない。
さすがはコメディエンヌ。

 (※)やっぱりお酒控えすぎたんじゃないのかなぁ(爆)。

実際、玲奈ちゃんは最後まで流石のコンディションだったけど、彼女がアデレイドをやれる日は来るのかなとか思うと、なんだかんだ言っても2人の女優としての資産の絶対量って違うんだな、と思う。というか多分、ベクトルが違う。

今まで引き出し沢山作っておいて救われたなぁということを心底実感して。

この作品、本当に大好きなんだけど、一番嬉しかったのは、由美子さんがショーシーンでぴんと背を伸ばした瞬間。
普段から猫背気味で、ただでさえ低い身長がさらに小さく見えててもったいないと思ってた、

それがクリエ2週目あたりからは自信が漲って、それは不調になった中日最後でさえ、絶対に変わることはなくて。
経験の割りに自信を持てないように見える由美子さんの中で何かが変わったように見えて、涙が出るほど嬉しかったものです。

何にせよ、今回苦労しながらもなんとかまとめたのはいい経験だったと思う。
今までのように勢いで飛ばせないというのも実感しただろうし、ベストな役作りのためのベストなコンディションの作り方はこれまで以上に真剣に考えてくれるだろうし。

再演は基本出ないことにしている由美子さんだけど、何となく再リベンジしそうな感じが予感としてする。
今期悔いなく終われれば絶対次はないと思ってたけど、消化不良感(もう本人は言わないだろうけど)からすれば、再来年あたりにやるだろう時期に、声がかかりさえすれば、という気がする。

相変わらずカーテンコールでは出るとも出ないとも言わないけど。
まぁ、自分の意向だけで出演が決まる世界でもないですからね。

そういえば、由美子さんが不調になってみて、より玲奈ちゃんとの違いをはっきり感じて。

由美子さんの演技には「味」があって、
玲奈ちゃんの演技には「筋」がある。

由美子さんの持ち味は「横」で、
玲奈ちゃんの持ち味は「縦」かなと。

「結婚しよう」は由美子さんが広げ放題広げて、玲奈ちゃんが必死に(でも楽しそうに)収束にかかる感じが好き。

千穐楽は玲奈ちゃんが気を使ってくれた以上に由美子さんの最後の声は消えちゃってましたが、以前玲奈ちゃんがやっちゃった時(高音伸びに失敗した時)に由美子さんがフォローしてたからこれでおあいこ(何がだ(笑))

以前も書いたのですが「似ているようで似ていない」ことに気づけたことが、共演してくれて最大の収穫でした。

アイコンタクトし合わなくなっちゃったけど!笑(←まだ言うか)

●ナイスリー役/金澤博さん
クリエ版の田中ロウマさんからキャスト代わりの役ですが、何というか視界に占める面積が違う割には2回目で慣れました。歌える人って強い。

最初は3人コンビのバランスが微妙だった気がするけど、中日2週目には完全に新しい関係になってました。

ロウマさんも金澤さんもいいとなると、再々演はどっち起用するか本気で迷うような。
ダブルキャストにするとか、まさかねぇ(あれだけタイプ違うと周囲が大変そうだ)。

●ラスティ役/田川景一さん
何気にキャラが大きく変わって存在感がぐっと増したのがこのお方。
ご本人もblogで「ちょっとワルを意識した」と書かれている通り、優等生型だったクリエ版とは大きく変わって、どこもかしこも遊ぶ遊ぶ。

最初のオーバーチュアの後ではちなってぃ(ナナ役、秋山千夏さん)と琴ちゃん(リリー役、深野琴美さん)ナンパしてるし、「GUYS&DOLLS」の前のナイスリーの吹っ飛ばされ方は神業だったし、歌ってる途中にナイスリーにヒップアタックされて、むちゃくちゃ不愉快そうに下手側のベニーと何か画策してる感じなのが面白かった。

下水道でぶっ倒れてるビッグ・ジューリを足でつんつん突いてる感じなのもツボだったし、下水道でいの一にはしごを登り(ずいぶん上まで登る)のも妙に印象的でした。

まぁそんなこんなもありながら、結局のところ、カーテンコールで由美子アデレイドをお姫様扱いしてくれたことが何より嬉しかったです。本人満更でもなかったように見受けられまして(爆)。

客席で「ルドルフやるとかどうかなぁ?」とか言われてたのを聞いてるとやっぱり赤丸急上昇株なんですね。

●ベニー役/TETSUYAさん
ラスティがキャラ的に目立って、ナイスリーが大きさ的に目立った結果、3人の中ではバランス的にちょっとばかり影が薄くなった、というところが若干否めない感じですが。

ネイサンがアドリブを結局千穐楽まで一切やらなかったので、クリエよりは楽だったのでは・・・と思いつつ、いつやり始めるか油断ならないのがニッキだからなぁ(笑)。

ネイサンへの忠誠度が増してて、ハリーに本気に腹を立てて拳銃持つ手がマジモードだったのが格好良かった。

ベニーも「あの女のせいで」とか言ってる割にミンディのレストランでアデレイドに会釈してみたり、ラストはラスティのエスコートの後を引き継ぎ。はい、御礼申し上げますです。

●ミミ役/香月彩里さん
アデレイドのバックダンサーさん4人の中で、最初に見分けが付くようになったのは、結局のところ、さおりんこと香月さん。この方も実は田川さん同様にTMA(東宝ミュージカルアカデミー)出身なんですね。6月だったかに特別出演だったかでTMAの半ば内輪の催しでガイズの曲を歌われていたのだとか。

表情的にも派手な感じで、1幕最初の「セクシーさおりん」(←勝手に命名)の娼婦から始まって、「Bush And Peck」で最初にアデレイドが出てくる直前の派手なターン、んでアデレイドにイヤリングを借りに来る、サプライズパーティの場にいて壊れた(笑)アデレイドを正気に戻す、ハバナのレストランで彼氏そっちのけでなかもっちん(中本雅俊さん)を誘惑する、とか。

・・・意外に全部覚えてるもんなんだなぁ(笑)。

「HOT BOX FLOWER DANCERS」の中ではリーダー格という感じで、ベテランの雰囲気も感じさせながら、でも玲奈ちゃんと年が1つしか違わない!ってのに一番びっくりしました。ありえないわぁ。

香月さんはblogにお人柄が現れててほっこりします。
年長に見えがちなもので、ちなってぃの台所シーンに向かって「惚れてまうやろ~」ってやらかしてたのは、色んな意味で衝撃でした(笑)。


●ナナ役/秋山千夏さん
「HOT BOX FLOWER DANCERS」で香月さん同様続投組で、香月さんとは違った意味ではっきりした顔立ちなので、ほとんど同じ時期に分かるようになりました。最初のシーンの白とピンクの衣装が鮮明なので、衣装で見ると一発で区別付くんですけどね。

本当はミミよりナナが格上みたいですが、ちなってぃのほんわか感からなのか、なんかミミに出番譲ってる感じ。

これは千夏さんに限った話ではないのですが、アデレイド一座(←また勝手に命名)ってどことなく野暮ったいステージって感じで(演出的にそういうものを意図してるそうなので演者のせいでは全然ない)、それゆえにラストでスカイ&ネイサンのバックに出てくるときのピンクのドレスが壮絶に格好良くて。

あのシーン、前方のスカイもネイサンも格好いいし、男性陣の決め方も半端ねぇ、ですが、1段、2段、3段と後ろに向かっていくところの3段目の「暗闇にスポットライトが当たるところのピンクのドレス」は惚れ惚れする素晴らしさでした。

ドールズは2人で締めたつもりだったのに、新加入のお2人が2人とも由美子さんの話を出してくれたからには書かなきゃ失礼ですね、というわけで追記。

●ネネ役/高橋あすかさん
この「ガイズ&ドールズ」、一番最初に舞台に出るのは彼女です。ルイ役の大木さんと一緒に踊って出てきます。すらりとした足が幕開きのわくわく感を表現されてましたねぇ。
途中まで、この役が彼女か深野琴美さんがどちらがどちらなのか分からなくて、「黄色くない方」があすかさん、という認識をするようになったのでした(笑)。

前楽の8月29日がお誕生日だったそうで、おめでとうございます。バンドがサプライズで楽屋に「ハッピーバースデー」を演奏しにいくあたり、ガイズカンパニーならではのエピソードですよね。→こちら

由美子さんの相変わらずのマメな差し入れぶりを中日で唯一公開してくださって気になる存在に(笑)。
こちら

●リリー役/深野琴美さん
「Hot Box Flower Dancers」の締めを飾るのはこちらも中日新キャスト、深野琴美さん。
あすかさんもそうですが、やっぱり新加入ということで最初のうちはblogに書く余裕もなかったのだと思いますが、後半あたりからガイズの水になじまれたせいか、怒濤の更新がスタート。

千秋楽の時のコメントには実に貴重な話を書いて下さいまして。(てるてるさんに教えていただきました)

あの由美子アデレイドはっちゃけシーンこと「ブライダルシャワー」(あたしゃ勝手に「ちんどん屋」って呼んでましたが笑)、やっぱり事前打ち合わせなしのアデレイドのセルフプロデュースだったそうです。→こちら

多分そうだろうなぁと思ってたけど、改めてわかると何か嬉しいもんです。
やっぱ玲奈ちゃん突っつくの思いついたのは由美子さんかぁ。

「アデレイドの次を狙う」って4人のライバル心を書いてくれたのもなんかツボでした。
なんとなくアデレイドは壽退社しないように思うんだけど(笑)。

・・・

と、個人的に印象が強い方を中心に書いてきましたが、ここに出て来なかった方もみんなが魅力的で、クリエはクリエで、中日は中日で、また別のガイズを見せていただいたことに、心からの感謝を。

この作品って、作風として名古屋はぴったり合ってる気がしてたんです。
のりというか、方向性が。大阪より名古屋だなぁと。

だから名古屋での再演が決まって嬉しかったけど、結果からすると客席の空き具合だけが残念で、最初のボタンの掛け違いは返す返すも残念で。
プレイガイドにも開放して、最初から劇場持ちをもっと多くして売れば、きっともっと沢山の人にこの「ガイズ&ドールズ」の世界を楽しんでもらえただろうし、役者さんにしても、今回の実績以上に客席に勇気づけられただろうにと思うと、それだけが残念。
今回の入りを考えれば、一回の客席稼働率を上げれば、1日休演日を入れても多分似たような結果になったと思う。
あれだけのハードな舞台で地方公演とはいえ休演日入れないのは、流石に拷問過ぎると思う。

そんな思いがあるとはいえ、
舞台上から伝わってくる、”「ガイズ&ドールズ」という作品の中にいられることを手放したくない”という気持ちが伝わってくる空間。そんな空間を味わえたことは、この夏のまたとない幸福でした。

my推しお2人出演から始まった「ガイズ&ドールズ」2010年シリーズとのお付き合いも、ひとまずは終わりです。
この楽しい時間が、また遠くない時期に同じメンバーで見られることを信じて。

◎おまけエピソード(9/4追記)
ガイズ終演後、続々と伊勢神宮参りをなさるみなさま方。

アデレイド役・高橋由美子さん→こちら

ミミ役・香月彩里さん→こちら

ナナ役・秋山千夏さん→こちら

ガイズという舞台の”戦友”という間柄でのこんなエピソードに、ちょっときゅんとします。
さおりんとちなってぃは最初から一緒に行く予定だったそうですが、それと「一人旅の達人」由美子さんの行き先がまったく一緒とは。そんなシンクロが嬉しかったり。
クリエからずっと一緒だった3人のそんなエピソードは何よりの贈り物でした。

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