『ガイズ&ドールズ』(16)
※追記終了しました(9/1)
2010.8.30(Mon.) 13:00~16:10
名古屋・中日劇場 1階9列20番台後半(上手側)
今年4月のシアタークリエ公演の後、まさかまさかの再演だった名古屋・中日劇場公演、この日が大千穐楽。個人的には2週連続の3連投2回目。
シアタークリエで9回見て、中日劇場が6回。
クリエが38公演、中日が18公演だったわけで、だいたい4回に1回は見ていることになります。そりゃ中日劇場のtwitterに返信したら「何度もご来場いただきありがとうございます」って返事されますわな(笑)
中日劇場公演に関して言えば、舞台として一番良かったのは1週目の日曜日(8/22)ソワレかな。由美子さん、玲奈ちゃんともに絶好調がシンクロできた希有な日でした。
次点が前楽(8/29)ソワレ。こちらは確かに由美子さんが限界ぽかったんだけど、カンパニー皆の鬼気迫る感じが伝わってきて、さすが「終わったら打ち上げ」の人参がぶらさがっているだけのことはある(爆)前楽でした。
楽はお祭りだから作品として舞台を見るなら前楽、という法則はまさにその通りで、ガイズ中日もぴったりその法則にはまっていました。
もうこんな時間(名古屋から青春18使って戻ってきたら日が変わる直前でした)なので、キャスト別感想は今日の夜に譲りますが、ひとまずはこの日の舞台レポなんぞを。
昨日のアクセス数久しぶりに500超えてたなぁ・・・
●今日のお嬢さま
この日の玲奈サラ、ちょっと役作りをいつもと変えてた感じ。
教団が賭博場になったときに、「自分がハバナに行ったからこんなことになった」と後悔するシーンがありますが、この日のサラは「行くんじゃなかった」をスカイを睨み付けながら言ってまして。けっこう新鮮でした。(普通は「行くんじゃなかった」をドアにもたれかかって呟く)
そういやハバナの壊れ方も相当なもんでしたが、壇上に乗っかって一回転してたのは初めて見た気がする。
ハバナでぶん投げた服をスカイが逆手でゲットしていてびっくり。上手いねぇ。
●今日のちんどん屋さん
なんかますますとんでも方面に行ってるアデレイド一座。
「ちゃんちゃかちゃーん」で出てきた後、「これどうやって持って帰ろう、鞄に入るかしら」と言いながらぐるぐる回転するアデレイド。そしてアデレイドを生温かく、でも全力で祝福してるDollsの皆さん。
・・・・ダメだ、あの面白さが文章で伝わらない(笑)。
なんか「うー、ビクトリー」とかやってた。何に勝ったんだ(笑)
とりあえず面白さを文章で伝えられない私が負けたことだけは確か(笑)
アデレイドがスカイを見つけて寄っていく。んで。
調理器具でスカイをつつく
(だからあれは人をつつく道具じゃないんだが・・笑)
で、それで終わるかと思いきや千穐楽スペシャル。
なんと、その後、調理器具でサラをつっつきに行った(笑)
何しろ、アデレイドご本人以外、キャストお客様誰もが予想していなかった展開。
そのうえ、サラの鳩尾に直撃してしまいまして。
「うげっ」とうめく玲奈サラの声がマイクに入ってしまい
(もろに不意打ちだったらしい)。
会場内爆笑でございました。
うわー、
あれ由美子さんから玲奈ちゃんへのアドリブ耐久テストですか(笑)
玲奈ちゃん間違いなく素でした。ごちそうさまです(笑)
で、その後。
スカイ「彼女、そうとう浮かれてるな」(会場内大拍手)
えと、ここの本来の台詞は「彼女、本当に幸せそうだな」なんですが。大千穐楽にしてついにやってくれました内君。素晴らしい。
あまりに大拍手過ぎて、次に軌道修正する玲奈サラが鬼のように大変そうでした(実際のところほとんど聞こえてなかったけど)。済みませんねぇ、由美子さんの蒔いた種まで一緒に回収しなくちゃいけなくて(爆)。
●アデレイドの新ネタ中日版
「Bush And Peck」で最初に捌けるとき(ドールズにダンス任せるとき)にテーブルに行って両手ぶんぶん、全力でじたばたしているのがキュートすぎる。(ちなみにテーブルの下手側が荒木さん、上手側がヴァネッサさんということに今さら気づく。)
「ミンクなんて返すわ!」で最後に捌けるとき、なんかシンクロナイズドスイミングみたいにポーズとってはけるのが面白すぎる。
アデレイドのキャラはそろそろ大道芸人の域に達してましたね。
●なんかちょっと気づいちゃった
1幕オープニングシーンで出てくる娼婦を演じているのはドールズの年長格・香月彩里さん。
個人的に「セクシーさおりん」と呼んでますが(笑)、ナイスリー・ラスティ・ベニーともじゃれていますが、浮浪者(ちなみに六九さん)と絡んでる時にサラに「誘惑に負けないで」と水を差されます。
で、その後、なかもっちん(中本雅俊さん)、つまり床屋に絡んで満更でもなかったりするんですね。で、実はハバナのレストランでさおりんに手を出そうとして、連れの男にたしなめられてるのがなかもっちんだったりすることに気づいて、妙なところに芸が細かいんだなぁと思ってみたり。
●中日初の日替わりネタ
クリエでは毎日のようにネイサンとベニーが、特段必要とはされていないはずの(爆)真剣勝負を繰り広げていた「魂」話。千穐楽でようやくネイサンのエンジン起動。
ネイサン「おいベニー、お前に言っておく。
俺は本当は魂って字は書けるぞ(笑)」
ベニー「今ごろ言ってどうするんだよ」
・・・まぁその通りですな。
●こちらも日替わりの修道所
「教団を賭博所にしただろ」と言ってくるブラリガン巡査。
サラ「(ギャンブラー達を上から目線で見下ろした後、声色を変えて)
”みなさん、初めて見る方ばかりですわ”」
巡査「ギャンブラーどもがこれほどまで大人しくお説教を聞いているとはな。”セント・クラップ・教会”とかいう名前にしたらどうだ!」
ハリー「教会とチンピラを一緒にするんじゃねぇ!(会場内失笑)」
(多分)ブランディ「最後まで何言ってるんだか分かんねぇよ
(会場内大拍手)」
・・・3段オチでした、まさに。
ちなみに千穐楽以外は「何言ってるんだか分かんねぇよ」だったので、実は千穐楽だけ一部改編されてました。ほんとーに芸細かいねぇ。
で、ここでふと玲奈サラをみて見ると俯いてる・・・・
ということは、ツボだったんですね?(笑)
※玲奈ちゃんはニッキとかに笑わされそうになると、どうしようもないので俯くのです。
クリエの時は”クスッ”と笑ったことがあったそうですが、本人的に反省したらしい。
●一応ハプニングではあるんだけど
「俺を告訴しろ」のシーン。
ミンディのレストランで座っているアデレイド。
窓ガラスを叩くネイサンに驚いて椅子から滑り落ちたばかりか、バッグまで叩き落としてしまいまして。
・・・まぁ、慌てたということならとりあえず話は通じてるので、慌てながら拾ってましたが、あれハプニングじゃなくて普通に想定してやったようにも見えるのが由美子アデレイドの侮れないところ。
ネイサン&アデレイドコンビの新ネタとしては1幕の「アデレイドの嘆き」直前の
ネイサン「お前の風邪もよくなる。ルルで。」(会場内爆笑)
が一番のヒットかなー(中日2週目から登場)。
あとここでお祈り所に向かうところで、下手から上手に向かうビッグ・ジューリとハリー、ハリーがビッグ・ジューリを吹っ飛ばす、というのがいつもでしたが、この日はビッグ・ジューリが飛ぶのをこらえて「耐久完了」のポーズをして会場から拍手をもらってました。
●中日後半バージョン「結婚しよう」
中日1週目と2週目で何が変わったって、このシーンほど変貌した場面はありません。
由美子さんが調子が微妙だからって、間合いを由美子さんのそれでやるもんだから、所要時間が伸びまくる。ただしそれでいて面白さ倍増状態だから何も文句はありません。
アデレイド「はーちょっと休憩(と荷物を下ろす)」←台詞は千穐楽限定。
アデレイド「はくしょん! あーいいくしゃみ出た!」(笑)←台詞は(以下略)
・・・隣にいる女性に気づき、我に返るアデレイド。
アデレイド「(ぼそっと)変なとこ見られちゃったな」←台詞は(以下略)
ここはまだ目の前にいる女性がスカイの相手ということに気づいていないんですねアデレイド。
ここ、台詞を突っ込んだことですごく分かりやすくなっています。
サラ「心に憎しみを持ってはいけません、ミス・アデレイド」
アデレイド「(しょげた様子で)はい」
サラ「赦すのです。そうすれば救われるでしょう」←ちょっと台詞忘れた
アデレイド「(明らかに気がなく)はいはい」
アデレイド、サラを相手にしない気満々(笑)
当初はここ、そんなにサラを邪険にしてなかった気がするんですけどね。
この後のシンクロを考えるとこの方がずっと分かりやすい。
本当、声に表情付けるの上手いよなぁ。
「ぶん殴って」、でアデレイドのパンチをサラがわざと食らって
「きゃっ」と可愛く反応するのが大好きだ
(多分クリエではやってなかったと思う)。
他の作品ではそんな玲奈ちゃん見られないし。
●カーテンコール
いつもの通りのダンスシーンをやって、普通にいつもと同じ回数拍手で幕が下りて、さらにその後挨拶という、なかなかお客さんの肩に厳しい(笑)カーテンコール。
内君「4月にシアタークリエでやって、こんなに早く再演できて嬉しい。始まってみたらあっという間で、もう千穐楽です。素敵なカンパニーに囲まれて、昨日打ち上げだったんですが、『またやりたいね』って話した。また色んなところでやりたいです。皆さんのご声援をよろしくお願いします。」
で、役名も名前も呼ばずに右隣のサラ様へ。
玲奈ちゃん「2週間とても楽しかったです。暖かいお客様にお会いすることが出来て嬉しかったです(←この辺実は噛みまくりで完全に素でした)。私ももし再演があればこの作品でお会いできれば嬉しいです」
で、「えっ、もしかして私なの?」と自分を指差すアデレイド殿。
由美子さん「えと。(客席前方から笑いが)また笑われた
↑クリエ楽日もこんな扱い
ありがとうございました。あ、さっきは声出なかった(※)のに今は出た(笑)
外はまだ暑いようです。明日で8月も終わってしまいます。御自愛ください。またお会いしましょう(と片手でお手振りでご機嫌そう)」
(※)最後のエンディング「Bush And Peck」で途中から声が出なくなってしまい、声を絞り出すために座り込んでまで歌ってました由美子さん。
あそこまで楽しそうにカテコ挨拶してたの本当に久しぶりじゃないかなぁ。色んな思いはあったんだろうけど、でも最後は笑顔で終われたのは良かったなぁ。
ニッキさん「心からの懺悔です。
名古屋まで車で来ました。今日東京へ帰ります。
昨日ガソリンを満タンにしました、そして自分も満タンにしました。(由美子さんも爆笑)
また名古屋に来ます。名前を出すわけにはいきませんが、某御園座です(笑)。またいらしてください。
それではロウマありがとうございました。(内君爆笑、カンパニーみんな笑ってる。)」
・・・ニッキ、それ販促です&反則です(笑)
幕が下りてから、幕の奥で拍手が起きているのを客席の人たちが気づき・・・・客席から再び巻き起こる拍手。そして幕の奥では三本締め、・・・そして客席からも三本締め。
カンパニ-、そして客席の暖かさが身をもって味わえる、この作品らしいエンディングだったことが何より素敵でした。
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