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『また逢おうと竜馬は言った』

2010.7.17(Sat.) 18:00~20:10
サンシャイン劇場 1階21列20番台後半(上手側)
*ハーフプライスチケット

この日は『ガイズ&ドールズ』名古屋・中日劇場公演の一般発売日ということもあり、土曜出勤を外していたのですが、予想通りというか先行で全部取り終わってしまい(正確には1枚余分に取ってしまい)、ぽっかりと1日空いてしまいました。

翌日からは3日連続3作品観劇を予定(18日新国立「エネミイ」千秋楽、19日東京国際F「ピーターパン」初日&笹本ピーターパン150回記念、20日クリエ「DRAMATICA」)しているので、この日にあえてぶつけてまで、「4日連続4作品観劇」の個人的新記録を樹立する必要は別になかったのですが。

この作品、キャラメルボックスの代表作の一つと言われますが自分自身は今回が初見にあたりまして、最初はそこまで積極的に見るつもりではなかったのですが、「もし見るなら『空組』」と最初から決めていました。

ところが、空組はことごとくマチネに偏っていて、平日含めてソワレを選択しようとすると7月中が無理と言うことが判明。ならばと無理してこの日にセッティングすることにしたのでした。

今回のこの作品、主役の岡本と相手役の竜馬がダブルキャストで、海組が畑中さん&大内さん、空組が左東さん&岡田さん。でなんで空組を選択するかというと、男だてらにおっかーが好きな役者さんということに理由は集約されるのですが。

私的には「ミュージカルに出ない黒王子」が岡田達也さんなのですが、まぁ良い意味でちゃらんぽらんなところが役者としてはすごーく魅力的と言いますか(一応褒めているつもり)

海組を見ていないので比較しての語り方はできないのですが、見たところ竜馬経験もあり、おっかーの竜馬の立ち位置はある程度想像ができて安心できたので空組を選択した次第。

で、ここからネタバレ発動です。
ご注意くださいませ。




ストーリーは”ダメ男”で竜馬に頼っているばかりの岡本が自立していく物語なのですが、見た感想は何しろ「暑い」芝居ってことです。

普通、漢字で書くなら「熱い」芝居って書くはずなのですが、印象からしてこの芝居は「暑い」芝居なのです。

ただでさえ存在が濃いタイプの左東さんに、「キャラメルボックス史上一番汗をかく役」と言われる岡本を演じさせたらどうなるか、暑苦しくなるに決まってるじゃないですか(一応褒めているつもり)

※左東さんいわく
「あなたの近くのナイアガラ、さとーひろゆき」だそうでございまする。


終わったときに冷房が効いているはずのサンシャイン劇場の客席で、至る所で扇子扇ぐ人が出る始末(含む私・・・笑)。

今回、ちょっと気になったのは客演・楠見薫さんの立ち位置です。
キャラメルボックスの客演は「雨と夢のあとに」以来2度目の楠見さんですが、今回の作品の役どころには違和感があって。

「雨夢」の時のマリアは存在感から演技から、キャラメルの女優さんには出せない味を出していたけど、今回は脚本ゆえにか、どうにも岡田さつきさんか坂口理恵さんがやる役なんじゃないか、という思いを捨てられず。

岡本、そして同僚の本郷の上司にあたる小久保役ですが、キャラクター的には「君の心臓の鼓動が聞こえる場所」の奥尻さん(岡田さつきさん)か、「南十字星駅で」のウェイターさん(坂口理恵さん)とかぶったというか。

そのお2人とも、来月の明治座公演で出張中なので今回のサマーツアーには出ようがないのですが、持ち味と違うという点で、楠見さん、なんかやりにくそうに見えた。

今回の芝居を見に行く積極的な理由に乏しかったのは、女優さんに惹かれなかったからというのが正直な本音で、岡内さんが正直苦手で、安理ちゃんも最近どうも微妙で・・・って感じだったのですが、そんな中で一人気を吐いた温井摩耶さん。自分にとってのキャラメルボックス女優陣のキャスト選択基準は岡田さつきさん、前田綾さんが2強なのですが、温井さんの安定感は流石の一言で、次あたりに入ってきても良い感じ。

今回、温井さんは女性キャスト中唯一、江戸時代と現世の役を両方やってますが、「実は気が強いのにそれを良い意味で表に出さない」役柄はかなり素敵です。

でも温井さんがヒロイン格やった「全ての風景の中に~」は相手役がおっかーだったのに萌えなかったんだよなぁ。その辺がちょいと不思議。

安理ちゃんも「嵐になるまで~」は抜群だったけど「エンジェルイヤーズストーリー」はちょいと可愛げなさ過ぎたし、今回の作品もキャラの位置付け的にはちょっと微妙かな。好感度という観点からすると相当ぎりぎりなポジションの役ですが、立ち位置に技量が追いついていないような感じがして。

ストーリーの話をちょっとしますと、「巻き起こる事件」が荒唐無稽すぎて、あっけにとられた感があって。

あべじょー演じる棟方の会社の新入社員・石倉(渡邊安里さん)がツアーに参加して日本に持ち込んだもの、それがボストン美術館で盗まれた絵のうちの3枚だった、その絵はお土産のワインの包み紙として偽装され国内に持ち込まれ、でも石倉はその絵をなくしてしまった・・・・

物語が進むにつれてその3枚の絵はひょんなところから見つかるのですが、あの大きさからして土産のワインの包み紙にして変なシワがはいっていないのは変。
郵便ポストに隠したって言ってたけどあの大きさで郵便ポストに折れ無しで入るのもありえない。

・・・と本線とは全く関係ないところが気になって気になって。

岡内さん演じるケイコはイラストレーターで浮世絵にも造詣が深く、絵の価値も正確に把握できた、ってあたりも「へぇー」という感じでちょっと偶然に過ぎるかなぁと。

この作品、印象的には「嵐になるまで待って」と似た感じで、展開のジェットコースター感といい、「正義と悪」的な対決要素を持っていたりしてる点に印象の類似を感じるのですが、「嵐の~」がそれぞれのピースをきちんとはめ込んでいた感じなのに比べると、「~竜馬は~」は個別のエピソードを無理に繋げたような感じがして、どうも芝居の流れに乗るのが難しかったです。

結構笑ったしそれぞれのシーンで唸らされるところもなくはないのですが、今の自分にはちょっと合わなかったかな、というのが総体的な感想です。

そういえば、トーク&フォトブックで3人の竜馬対談(初演の川原正嗣さんと、今回のお2人)にタイトルに関する突っ込みが載っていますが、「また逢おうと竜馬『に』言った」が実質的には正しいのかなと。

竜馬に頼っているばかりの岡本が自立できたとき、それこそ「『岡本が』また逢おうと竜馬『に』言った」ということなわけで。
「また逢おう」という言葉を「別れの言葉」として捉えるのであれば、岡本がその言葉を言えたことこそ、岡本にとっての成長であり、新たなスタートだったのかもしれません。

追記7/19
この日のカーテンコール一言挨拶は、岡田達也黒王子。

「最後に一言。『来週の平日に”また逢おう”』

・・・なんつー凄い締めされるんですかあなたは。

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