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『クンツェ&リーヴァイの世界』(1)

2010.6.20(Sun.) 13:00~15:20
シアタークリエ 5列目センター

ミュージカルファンでぎっしり埋まったシアタークリエ。
長蛇の列だった当日券の列を横目に、恐縮ながら入場。

曲目からして完全ネタバレです。
気になる方は回れ右です。
このコンサート、企画趣旨からして緊急避難(「放浪記」の休演穴埋め)にもかかわらず、すごい完成度です。
さすがと申し上げて曲目表へ行きます。





Act.1 「M.A(マリー・アントワネット)」より
01.1779年
  :カリオストロ(山口祐一郎)、ボーマルシェ(山路和弘)
02.もう無くすものもない
  :アンサンブル
03.ご覧 王妃を
  :アンサンブル
04.すべてはあなたに
  :マリー・アントワネット(涼風真世)、フェルセン(今拓哉)
05.100万のキャンドル(日本語)
  :マルグリット・アルノー(笹本玲奈)
06.流れ星のかなた(日本語)
  :マルグリット・アルノー(笹本玲奈)、アニエス(土居裕子)
07.幻の黄金を求めて
  :カリオストロ(山口祐一郎)
08.お望み叶えて
  :ラパン夫人(鈴木結加里)、アンサンブル
09.神は愛して下さる
  :アニエス(土居裕子)
10.愛したことだけが
  :マリー・アントワネット(涼風真世)、フェルセン(今拓哉)
11.もしも鍛冶屋なら
  :ルイ16世(石川禅)
12.みんな狂っている
  :ボーマルシェ(山路和弘)
13.恐怖政治
  :マルグリット・アルノー(笹本玲奈)、ボーマルシェ(山路和弘)
   オルレアン(KENTARO)、ロペスピエール(中山昇)
   エベール(武内耕)、アンサンブル
14.ILLUSION-或いは希望-
  :カリオストロ(山口祐一郎)
15.THE VOICE IN MY HEART(心の声-英語)
  :マルグリット・アルノー(サブリナ・ヴェッカリン)、アンサンブル
16.苦しみの彼方に(独語)
  :フェルセン(パトリック・シュタンケ)
   マルグリット・アルノー(サブリナ・ヴェッカリン)、アンサンブル

*6/25~
M5「100万のキャンドル」が独語となり、マルグリット・アルノー(サブリナ・ヴェッカリン)となり、M13に変更
M6「流れ星のかなた」が英語となり、マルグリット・アルノー(サブリナ・ヴェッカリン)、アニエス(シルビア・グラブ)となり、M14に変更

ある意味、MAの短縮版再演となった趣のACT1。

これだけの曲がありながらジャスト1時間。MA導入編として実に充実しています。

自分は帝劇初演で観劇を卒業した作品なので、ドイツ・ブレーメン公演で加わった新曲のM16「苦しみの彼方に」は当然初耳でしたし、帝劇凱旋公演で加わったM14「ILLUSION」も初めて聞くわけですが、司会・ボーマルシェ役の山路さんの説明も聞くと、このあたりの新曲を効果的に突っ込んで、ある意味生々しすぎた初演からはずいぶん改善されたように思います。
ちなみにボーマルシェはドイツ版でほとんど出番がなくなっていたそうで、山路氏はむちゃくちゃ悲しがっておりました。

それにしたところで、そもそもとして曲はすごーくいいわけで、本当に久しぶりに聞けた「100万のキャンドル」の絶品さに涙ちょちょ切れ(←著作権:山路氏)でございます。
「100万のキャンドル」を前方席で見るという、4年越しの夢が叶ったのはとても嬉しい。
(当時は値崩れしまくってから簡単に達成できてた夢だったはずですが、初演をリピートするのは苦行だったので。)

やっぱり玲奈マルグリットはこの曲です。
あの絶望の眼。全ての希望を失っているあの眼。
玲奈嬢の他のどの作品でも見られないあの絶望感。
レミゼのエポニーヌも似てはいるんですが、濃さが違うんですね。
全ての希望を失っているからこそ、「恐怖政治」でスパイとして送り込まれるときの燃えるような眼が突き刺さります。
久しぶりに眼で射貫かれる感情を身体中で感じます。

変な言い方なんですが、玲奈マルグリットの魅力って、
「人を信じたいと思わない眼」だと思うんですね。
アニエスに心酔してる風が強い新妻マルグリットに比べると、玲奈マルグリットはアニエスからも距離取っているようにさえ思えたり。
ちなみに新妻マルグリットは、
「人を信じたいとは思うけど信じられない眼」。
病み方の方向性が違うだけですけれども・・・

物語後半、ジャコバン党のスパイとして王宮に入ってマリー・アントワネットのお付きとなったマルグリット・アルノー。
フェルセンとマリー・アントワネットをあえて会わせたシーンが、新妻マルグリットだと「情」がちょっとだけあるように見えたのに、玲奈マルグリットだと「情」一切なし、会わせることで「より深い絶望」を与えているように見えたことをふと思い出します。

その意味では、本編以来、一度も見られなかった「恐怖政治」の玲奈マルグリットが見られたのは良かったけどせっかくだから「金が決め手」も聞きたかった・・・

今ならこの作品、玲奈マルグリットと新妻マリー・アントワネットってのが最強だと思ってるんですけどね。

玲奈ちゃんと土居さんの面白エピソードをメモ。


今回のコンサート版は時間の制約上、「お望み叶えて」にマルグリットが出て来なかったり、そもそも王妃に馬鹿にされてマルグリットがトラウマ背負うところがないので、中間すぽっと抜けちゃっている分、マルグリット視点で見るとちと中途半端。

それに加えて、海外ゲストのサブリナ・ヴェッカリンさんが「心の声」を英語版で歌うということで、日本版マルグリットの負担を考えるとそれも致し方ないとはいえ、つながりが切れちゃうのはもったいない印象。

英語版「心の声」はそういえば新妻さんがアルバム「MUSICAL MOMENTS」で歌っていたことがあるので、歌詞を完全に覚えてた自分が何か不思議でしたが、やー、海外キャストさんてすごいのねー
声出てる場所がそもそも違うような感じしかしません、あれ。

クリエは音響が馬鹿がつくぐらいいい劇場なので、どのナンバーも超弩級の勢いで迫ってくるんですが・・・それにしたところで海外キャストさんには脱帽です。

M.Aでは実は私は見てないんですが、今さんのフェルセンが実に素敵で。井上君のフェルセンはちょっと違和感(若すぎて涼風さんの相手役というのは違和感)だったので、なるほどバランス良くなったという話が今さらになって分かりました。

ラストシーンにいない2人、土居裕子さん(アニエス役)、笹本玲奈さん(マルグリット・アルノー役)を山路さんが呼び込んで第1幕は終了。
土居さんはパトリック・シュタンケさんとなんかじゃれてて面白かったのですが(土居さんがこの日千秋楽)、玲奈ちゃんはサブリナ・ヴェッカリンさんとは何かよそよそしかったんだよなぁ。握手ぐらいしてもいいと思うのにな。

そういえば、帝劇系の皆さまがクリエ慣れてしてない経験を今回はいくつか見たのですが、印象的だったのは案内嬢に「ロビーで待ち合わせるって話を知り合いとしたんですけどロビーってどこですかね・・・」と言ってる方。

クリエに事実上ロビーはないと思った方が・・・

帝劇比だと、ロビー”みたいなもの”とホワイエ”みたいなもの”はあるんですが、とにかく人で溢れまくっているので、色んな事に余裕を持つことをお勧めします。
お手洗いは客席階直結の日比谷シャンテに地下2階、地下1階とありますが、男性のお手洗いは日比谷シャンテ地下2階まで行ったのに、クリエのお手洗い自体が空いてたという(笑)。


Act2-1.「エリザベート」より
17.夢とうつつの狹間で
 :エリザベート(一路真輝)
18.私が踊る時
 :トート(山口祐一郎)、エリザベート(一路真輝)
19.ミルク
 :ルキーニ(今拓哉)
20.夜のボート
 :エリザベート(一路真輝)、フランツ(石川禅)

Act2-2.「モーツァルト!」より
21.モーツァルト! モーツァルト!
 :コロレド大司教(山口祐一郎)
  ヴァルトシュテッテン男爵夫人(涼風真世)、アンサンブル
22.神よ、何故許される
 :コロレド大司教(山口祐一郎)
23.星から降る金(独語)
 :ヴァルトシュテッテン男爵夫人(サブリナ・ヴェッカリン)
24.僕こそ音楽(独語)
 :ヴォルフガング(パトリック・シュタンケ)
25.愛していれば分かり合える(独語)
 :ヴォルフガング(パトリック・シュタンケ)、
  コンスタンツェ(サブリナ・ヴェッカリン)

Act2-3.「レベッカ」より
26.レベッカⅠ
 :ダンヴァース夫人(シルビア・グラブ)
27.何者にも負けない
 :ダンヴァース夫人(涼風真世)
28.レベッカが歌う
 :ダンヴァース夫人(シルビア・グラブ)
  ダンヴァース夫人(涼風真世)、アンサンブル

Act2-4.「エリザベート」より
29.闇が広がる
 :トート(山口祐一郎)、ルドルフ(石川禅)、アンサンブル
30.私だけに
 :エリザベート(一路真輝)
31.最後のダンス
 :トート(山口祐一郎)、アンサンブル

Act2-5.「モーツァルト!」より
32.影を逃れて
 :コロレド大司教(山口祐一郎)、
  ヴァルトシュテッテン男爵夫人(涼風真世)、アンサンブル

・・・なんか曲目書くだけで大変ですが。

この作品中では「エリザベート」を見たことがない私なのですが、色んなところで聞いていたせいか、全部の曲をなにげに知ってるという・・・
「ミルク」だけ怪しかったんですが、PVでルキーニが踊ってるあれかぁ・・と聞いたらすぐ分かったというわけで。
一路さんのエリザベートを見られる機会が来ると思っていなかったので、主目的が違う自分のような輩が聞かせてもらって申し訳ない限りです。

「星から降る金」はてっきり一路さんがやると思ってたので意外ですが、エリザであれだけ歌っていればさすがに負担大きいですね。

あとさすがにびっくりなのはWダンヴァース夫人が登場する「レベッカが歌う」。
Wキャストですから本公演では絶対にありえないわけですが、や、これが実現できるならWマルグリットをやって欲しかった・・・
スケジュールが合わなかったのが残念で仕方がないという。

それにしても全作品出てる山口祐一郎氏、ハードだなぁ。
ものすごい迫力の「闇を逃れて」の後、司会の武岡さんが祐一郎さんにこの日の感想聞いてたのですが・・・

やっぱりの祐一郎氏ワールド発動(笑)

「(海外ゲストの)サブリナ・ヴェッカリンさんがなぜか舞台袖を裸足で歩いてまして。それで思い出したんですけど昔私が学生だった頃、学校の屋上で裸足にされて声を張り上げる練習をさせられてまして。」

・・・・会場中が、「えっ、学生時代の話ですか」って空気になる(笑)

「大声を出す練習をしてるんですけど、先輩が「山口~声聞こえないぞ~」って言うんです」

「そんな必死に大声を出す練習を思い出しまして」
「そんな大声を出す練習は今日のためだったんだということが分かりました(会場内大拍手)」

祐一郎さんが拍手で送られた後、司会の武岡さん。

「やー締まって良かったですねー。本当に心配しましたよ-(会場内大爆笑)」

アンサンブルさんも心から同意してました(笑)

・・・と、そんな感じで幕。2幕登場の皆さまで手を繋いでの終演。
祐一郎さんとサブリナさんが手つないでたところにパトリックさんがちょっかい出してたところが素で笑えました。

明日のスペシャルを見られないのが心から残念ですが、次は23日。
新妻さんと土居さんの組合せが見られないのもかえすがえすも残念です。
が、平日なので仕事頑張って定時で上がらねば!

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コメント

サリーやマリーの印象で、ドレスは玲奈ちゃんの方がと思っていましたが、クネゴンデでいい服を着た(笑)新妻さんもいいなーと思ったので、新妻王妃もいいですね。やはりこの二人が、二人のMAを演じるのが原作と照らし合わせても自然ですね。

コンサートだからと油断してましたが(苦笑)皆さん驚く程に役になりきっていて驚きました。諸事情で諦めた玲奈マルグリットと、土居アニエスを観られないのが残念。ひろきさんのレポ拝見して、ますます観られず残念(苦笑)

投稿: ぴらふ | 2010/06/22 19:20

新妻さんはクネゴンデで綺麗なドレス着られたの初めてで、何より両親が喜んでいたそうですから(笑)。背が低い新妻さんですが、ルイーザのオーラは生半可じゃありませんでしたから、今ならこの2人は組ませやすいバランスなんじゃないかと思います。何より外見から雰囲気から似てるので、「名前も見た目も瓜二つ」の説得力はありますし。
確かに、新妻マルの写真は玲奈ちゃんにそっくりです。

ひょんな事から実現した今回のコンサートですけど、MA再評価という所期の目的は達成された感じですし、2部のエリザ&M番宣(本番のコンス見てどう思うかはさておき・・)としても良かったですし。

キャストに負担かけまくりの今回は仕方ないとはいえ、次はぜひきちんと準備してクリエ2週間ぐらいでじっくりやって欲しいですね。

投稿: ひろき | 2010/06/22 23:01

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