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『レベッカ』(2)

2010.4.24(Sat.) 12:30~15:35
帝国劇場 2階L列センターブロック下手側

シアタークリエで初演、2年ぶりの再演となった今回は名古屋・中日劇場公演を終えての帝劇凱旋公演。

既に帝劇公演が始まって3週間近く経っていますが、何しろ4月はガイズ祭り中なので、気持ちの切替が大変すぎる観劇というか、歩いて5分で制作会社が同じなのにここまで違う作品やるか、って感じです。

どんな作品にも劇場の適正サイズというのはあるもので、初演クリエ、再演帝劇でやったこの『レベッカ』。
今回見るまでは「もともと帝劇向けの作品だろう」と思ってました。

ところが、帝劇版を見た感想は、B席最後列から見たということを加味しても、随分空間がスカスカな印象を受けます。

この作品にとってはむしろクリエが狭すぎたんでして、あそこで火を炊くのか、って感じではあったわけですが、先にクリエをやったことでこの作品は帝劇向きじゃなくなってしまったのかな、と思うのです。

閉所に押し込められる緊迫感とか-閉所恐怖症の方にはたまったもんじゃないでしょうが-ダンヴァーズ夫人の「わたし」に対する圧力とか、その迫力たるや、クリエの狭さで増強されていたように思います。
逆に言えば最初から帝劇でやってれば帝劇舞台になってたんじゃないかなぁ、と思うのですが。

というか、これも個人的な感覚ですが演出の山田氏、広い劇場の演出は不得手じゃないかなと。小池修一郎氏はそれこそ宝塚でしょっちゅうやってるのに対すると、その弱点がもろに出ている気がします。

キャスト的に言っても、山口祐一郎氏&大塚ちひろ嬢ということなら「ダンス・オブ・ヴァンパイア」と同じで、こちらも演出は山田氏でしたが、演出的な”押し”が弱い時点でキャストに頼らざるを得ないわけですが。

祐一郎氏は「V!」以来ですが、”声を絞ってる?”と思ってしまうし、変にコミカルに逃げるところはあまり氏には合わないという感がぬぐえず。

以前の祐一郎氏なら、ちひろちゃんが相手なら力を抑えておく必要があったろうに、ちひろちゃんが成長したせいもあってか夫婦のバランスとしてはとても良いという皮肉。

ちひろちゃんは本当に成長したなぁ。
実は彼女の帝劇シングルキャストデビューになる今回。帝劇デビューは2004年の「SHIROH」だったわけで、自社所属なのに足掛け6年もかかってたどり着いたことに、感慨を抱かずにはいられません。

私のご贔屓さんは2つのタイプに分かれるのですが、ちひろちゃんは由美子さんと同じ「ハート」型というか、”声で空気を作れるタイプ”だと思うのです。

この作品のクリエ公演で、ちひろちゃんのことを「これほどまでに虐められる姿が似合う女優さんもいない」とまで書いたのですが、今回の「永遠の瞬間」のピュアさとか、若奥さまにぴったりで、よくここまでアクが消せるようになったなぁ、と感心(というかCDが聞けるのがすごく嬉しい。しかも今回の音だからなぁ)。

その分、押し出しが足りないように感じるのはこのタイプの女優さんの永遠のウィークポイントなわけで。
ちひろちゃんの私的イメージって、「若い由美子さん」であり「歌える沙也加嬢」なんですが(←こらこら)。
だから実はガイズのサラって玲奈ちゃんじゃなくてちひろちゃんの方がイメージなんですけど。

もとい。

今回、「わたし」役のちひろちゃんが健闘していたのに対し、その「わたし」と対峙するのは、いわゆる「敵役」にあたるダンヴァーズ夫人役のシルビア・グラブさん。
一番”帝劇サイズ”の被害を受けているというか、思ったより劇場に合わせた芝居しない人かも、というのが意外。
「わたし」が強さをきっちり出せるようになった分、けっこう簡単に復讐されていて圧倒されているのが何だか切ない。

前回、ダンヴァーズ夫人の最大の嫌がらせ(あれは「嫌がらせ」どころじゃないけど)に対して、「わたし」が呆然として立ち直るのに長時間かかる・・・って記憶があるんですが、今回の「わたし」って結構簡単に立ち直っていたりして。あの辺は前回の方がバランス良かった気がする。

「それは私よ」で割った花瓶を「縁起でもない、捨てましょう」とか歌ってて、「元々自分で落として割ったんじゃん」と突っ込みたくなってしまった(笑)

さすがにタイトルチューンの「レベッカ」の迫力はさすが。
「レベッカ」はダンヴァーズ夫人の全てだったんだな、ということがびんびん伝わってきてます。
完全な洗脳ソングですね。

他の出演者で印象深かったのは、親戚夫婦のベアトリス&ジャイルズ。この2人に挟まれて「ウィンター家へようこそ」で両手を上に引っ張り上げられる「わたし」の素の表情がレベッカ1の萌えポイントだったりする私(笑)。

ベアトリスの伊東弘美さんがお得役。「みんな反感を持つヒロインに、いちはやく寄り添う」って役は必ず1作品に1人いるもので、「ルドルフ」のラリッシュ役(香寿たつきさん)をふと思い出します。


幕間。1Fロビーと2Fロビーの「MOZART!」プロモーション映像を鑑賞。
ネットでも全く同じ物が見られますが→こちら
わー、ナンネールのシーン多いよ(笑)

・・ってやっぱりそんな感想で締めるのか・・
ちなみに来月9日は日曜日なのに仕事です。あのメンバーのトークショーは見たかったんだけどな。

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コメント

お邪魔します。
ちーちゃんの親でもなんでもないですが(笑)ひろきさんに成長したと言われると自分のことのように嬉しいです♪ちーちゃんも由美子さんも、歌がうまい人は他にもいますが、それを補ってあまりあるのが「ハート」と、「声質」(これは私の趣味もあるけど)なんですよね。

「わたし」がダンヴァースに追いつめられる階段シーン、初演の方が怖かったと感じた理由がわかりました。クリエの狭さも影響してたんですね。

ちなみに9日は参加予定です。withシルビア姉さんとwith山田氏を天秤にかけた結果シルビア姉さんを取りました(笑)ファヴェルさんとフランクさんが盛り上げてくれそうです。この日は全員Vメンバ-(司会の松澤さん含め)。

投稿: ぴらふ | 2010/04/27 07:33

こんばんわ。

ちーちゃんと言えばいまだに弱気の虫が顔を覗かせるだけに、「わたし」後半は頑張ってるなぁ、とより感情移入しやすいかも。以前由美子さんがちーちゃんを評していわく、「落ち込むとどん底まで落ち込むタイプ」って言ってましたね。

涼風夫人は見てないのでちょっと興味があります。16日ですか(←何が言いたいのだろう・・・苦笑)

投稿: ひろき | 2010/04/29 02:20

こちらで記事を読ませていただくようになって思うのですが、由美子さんの人物評って簡潔で的を得ているって感心しています。
「わたし」との共通点はネガティブなとこだって言ってましたよね?今回は稽古のダメ出しもあまりなかったらしいし、みんなが誉めるから却って不安になっちゃったのかななんて余計な心配をしていたところです(苦笑)

投稿: ぴらふ | 2010/04/29 19:54

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